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ダイアクリティカルマークには、ほかに以下のものがある。
ダイアクリティカルマークには、ほかに以下のものがある。
* 子音字の右上にループを加えると、[[帯気音]]を表す<ref name="zide1"/>。
* 子音字の右上にループを加えると、[[帯気音]]を表す<ref name="zide2"/>。
* 母音字の右上に点を打つと、[[鼻母音]]を表す<ref name="zide1"/>。
* 母音字の右上に点を打つと、[[鼻母音]]を表す<ref name="zide2"/>。
* 母音字の右上に[[チルダ]]のような記号を加えると、[[長母音]]を表す<ref name="portal"/>。
* 母音字の右上に[[チルダ]]のような記号を加えると、[[長母音]]を表す<ref name="portal"/>。



2017年4月29日 (土) 04:02時点における版

オル・チキ文字
類型: アルファベット
言語: サンタル語
時期: 1925年
Unicode範囲: U+1C50-1C7F
ISO 15924 コード: Olck
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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オル・チキ文字(オル・チキもじ、Ol Ciki)は、オル・チェメット文字(Ol Cemet')、または単にオルとも呼ばれ[1]1925年インド東部のサンタル人ラグナート・ムルムにより、サンタル語を表記するために考え出された文字である[2]。左から右へ書かれる。インドで一般的な音節文字(またはアブギダ)と違い、アルファベットである。

特徴

オル・チキ文字は30文字から構成され、5行6列の文字表の上に配列されている。表の一番左は母音、2番目が無声子音、3番目が有声・喉頭化子音、4番目が鼻音、5番目がそれ以外(接近音ふるえ音側面音など)になっている。文字の名前は、母音の場合「l」にその母音を後続させる。子音の場合は同じ列の母音にその子音を後続させる。たとえば最初の文字は[ɔ]なので、文字名称は[lɔ]になる。2番目の字は[t]を表すので、文字名称は[at]になる。

オル・チキ文字はサンタル語南方方言を元に作られているが、この方言では母音が6つしかない。ほかの方言では8つないし9つの母音があり[1]、オル・チキ文字でこれらの母音を表すには母音字の右下に点を打つ。たとえば、[a]を表す字に点をつけると[ə][e]を表す字の右下に点を打つと[ɛ]を表す[2]

有声子音と喉頭化子音は同じ字で書かれる(たとえば3番目の字は[kʼ][ɡ]の両方の音を持つ)。多くの場合、両者は環境によって区別される。すなわち語末では喉頭化音、語中では子音の前で喉頭化音が、母音の前では有声子音が現れる。しかし語頭ではどちらであるかが決定できないので、有声子音を意味する場合にはオホット([ɔhɔtʼ])と呼ばれるダイアクリティカルマークを付加する[3]

ダイアクリティカルマークには、ほかに以下のものがある。

  • 子音字の右上にループを加えると、帯気音を表す[3]
  • 母音字の右上に点を打つと、鼻母音を表す[3]
  • 母音字の右上にチルダのような記号を加えると、長母音を表す[2]

Unicode

Unicode では、バージョン5.1 (2008)で追加された[4]。以下の領域に次の文字が収録されている[5]

U+ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
1C50
1C60
1C70 ᱿

脚注

  1. ^ a b Zide (1996) p.614
  2. ^ a b c Ol Chiki Script, a Portal for Santals, http://wesanthals.tripod.com/id45.html 
  3. ^ a b c Zide (1996) p.615
  4. ^ Unicode 5.1.0, The Unicode Standard, http://www.unicode.org/versions/Unicode5.1.0/ 
  5. ^ Ol Chiki, The Unicode Standard, http://www.unicode.org/charts/PDF/U1C50.pdf 

参考文献

  • Zide, Norman (1996). “Scripts for Munda Languages”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 612-618. ISBN 0195079930 

外部リンク