オリヤー文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています詳細
オリヤー文字
Tierecke OriyaSign.jpg
オリヤー文字とラテン文字による看板。
類型: アブギダ
言語: オリヤー語
時期: 14世紀ごろ-現在
親の文字体系:
Unicode範囲: U+0B00 - U+0B7F
ISO 15924 コード: Orya
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。

オリヤー文字(オリヤーもじ)は、ブラーフミー文字から派生した文字体系。主にオリヤー語を表記する。デーヴァナーガリーベンガル文字の特徴的な横棒(シローレーカー)を持っておらず、かわりに文字の上部が丸くなっている。このために南インドの文字と似て見えるが、これはヤシの葉の上に金属のスタイラスを使って文字が書かれ、葉を傷める横棒が使えなかったためと理解されている[1]

概要[編集]

オリヤー文字は、10-14世紀に東インドで使われていた原ベンガル文字(ガウディー文字)から発達した文字であり、したがってベンガル文字に近いが、二次的にナーガリー文字と南インドの文字の影響を受けている[2]。文字の見た目の違いにもかかわらず、文字の種類はベンガル文字とほとんど同じである(ḷaが追加されていることを除く)[1]

現代インド諸言語のうち、オリヤー語はマラーティー語についで多くの古い碑文が残っており、K. Tripathiは1051年から1568年までの間に作られた71のオリヤー語碑文をあげている。初期の碑文は原ベンガル文字で書かれているが、14世紀以降、徐々にオリヤー文字特有の字形が発達する[3]

文字の一覧[編集]

上段からオリヤー文字、ISO 15919による翻字、国際音声記号による発音の順に記す。子音字は記号を加えない場合、ベンガル文字と同様に随伴母音[ɔ]を伴う。インドの多くの言語では随伴母音は(とくに語末で)発音されないことが多いが、オリヤー文字では常に発音される。ベンガル文字と同様、jaとya、śaṣaとsaは同音になる。

ベンガル文字と同様、vaはbaと区別されないが、Unicodeではvaとwaの2つの文字が定義されている。前者は通常結合文字として使われるが、単体ではサンスクリットからの翻字などの必要のために定義されており、baの字に点を加えたものである。後者はペルシア語からの借用語に用いられることがある[4]

母音字

a ā i ī u ū r̥̄ l̥̄ e ai o au
[ɔ] [aː] [i] [iː] [u] [uː] [ru] [ruː] [lu] [luː] [eː] [ɔi̯] [ɔ] [ɔu̯]

子音字

ka kha ga gha ṅa ca cha ja jha ña ṭa ṭha ḍa
[kɔ] [kʰɔ] [ɡɔ] [ɡʱɔ] [ŋɔ] [tʃɔ] [tʃʰɔ] [dʒɔ] [dʒʱɔ] [ɲɔ] [ʈɔ] [ʈʱɔ] [ɖɔ]
ଡ଼ ଢ଼
ḍha ṛa ṛha ṇa ta tha da dha na pa pha ba bha
[ɖʱɔ] [ɽɔ] [ɽʱɔ] [ɳɔ] [t̪ɔ] [t̪ʰɔ] [d̪ɔ] [d̪ʱɔ] [nɔ] [pɔ] [pʰɔ] [bɔ] [bʱɔ]
ma ya ẏa ra la ḷa va wa śa ṣa sa ha
[mɔ] [dʒɔ] [jɔ] [rɔ] [lɔ] [ɭɔ] [wɔ] [wɔ] [sɔ] [sɔ] [sɔ] [hɔ]

子音字と母音記号の組合せ

Oriya VowelLig1.gif Oriya VowelLig2.gif

子音字と子音字の結合文字

数字

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ¹⁄₁₆ ³⁄₁₆ ¼ ½ ¾

コンピュータ[編集]

Unicode[編集]

オリヤー文字は Unicode の U+0B00 - U+0B7F の範囲に収録されている。

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+0B0x
U+0B1x
U+0B2x
U+0B3x ି
U+0B4x
U+0B5x
U+0B6x
U+0B7x

キーボード[編集]

Windowsのオリヤー語キーボードの配列は以下の通り。

赤字部分は「右Alt」を用いて入力。デーヴァナーガリー(ヒンディー語など)と同じく、InScript配列になっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b Salomon (2003) p.83
  2. ^ Salomon (1998) p.41
  3. ^ Salomon (1998) p.101
  4. ^ Michael Everson; Peter Constable, Oriya ba, va, wa, http://www.evertype.com/standards/iso10646/pdf/oriya-ba-va-wa.pdf 

参考文献[編集]

  • Salomon, Richard (1998). Indian Epigraphy. Oxford University Press. ISBN 0195099842. 
  • Salomon, Richard (2003). “Writing Systems of the Indo-Aryan Languages”. In George Cardona; Danesh Jain. The Indo-Aryan Languages. Routledge. pp. 67-103. ISBN 9780415772945. 

外部リンク[編集]