通仮字

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通仮字(つうかじ)は漢字の用法の一種。

概要[編集]

ある同音の2つの語AとBがあり、Aを表す漢字aを用いてBを表記する場合に、aはBの通仮字であると言う。例えば、「知恵」の「恵」は「賢い」という意味である。一方「恩恵」の「恵」は「慈愛」という意味である。「恵」は本来は慈愛という意味のケイ・エを受け持ち、賢いという意味のケイ・エは、本来は「慧眼」のように「慧」が受け持つ。しかし「恵」と「慧」は同音であるので、「慧」が「恵」で代用されることがある。このような用法を指して「恵は慧の通仮字である」と言う。

通仮字は中国語古典で多く用いられており、古典を読むには通仮字の知識を必要とする。通仮字の用いられる頻度は字によって異なり、古典に見られる大部分の通仮字は現代では一般には用いられないが、「強」(穀物を食いあらす虫を表した)と「彊」のように通仮字のほうが一般的なものもある。また、通仮字の使用には字数と画数を減らすことができるという利点がある。「恵」と「慧」を使い分けるとすると2つの字を覚えなければならないが、賢いという意味のケイ・エにも「恵」を用いるようにすれば、「恵」1字を覚えるだけで間に合う。また「慧」は画数が比較的多いが、代わりに「恵」を用いればその分書くのも速い。そのため現代中国の簡体字や日本の新字体では、一部の漢字は通仮字による簡略化や統合がなされた。

通仮字の例[編集]

中華人民共和国[編集]

  • 簡体字での例 - 干(干・乾・幹)、斗(斗・鬥)、发(發・髪)、谷(谷・穀)、辟(辟・闢)など。

日本[編集]

  • 弁 - 本来は「かんむり」の意。日本の新字体では、辯(言う、弁論の弁)・辨(処理する、弁理士の弁)・瓣(はなびら、花弁の弁)の3つの字を受け持つ通仮字として用いる。

関連項目[編集]