奥本大三郎
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奥本 大三郎(おくもと だいさぶろう、1944年3月6日 - )は、日本のフランス文学者、エッセイスト。埼玉大学名誉教授。NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、虫の詩人の館(ファーブル昆虫館)館長。
来歴
[編集]大阪府大阪市生まれ。貝塚市出身。大阪府立岸和田高等学校から東京大学文学部仏文学科卒、同大学院修了。1988年横浜国立大学助教授を経て、1990年埼玉大学教養学部教授。2009年同大学名誉教授、2010年より大阪芸術大学文芸学科教授。2014年退職。
1991年より2010年まで日本昆虫協会会長。2002年より日本アンリ・ファーブル会理事長、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長。
人物
[編集]- フランス文学研究・教育に携わる。専門はボードレール、ランボー等、19世紀フランス詩、一方で幼少期より昆虫を好み、昆虫に関するエッセイなどの著書・翻訳が多い。『ジュニア版ファーブル昆虫記』(集英社・全8巻)翻訳に続き、『完訳版ファーブル昆虫記』(集英社・全10巻・20冊)を十数年かけ刊行した。
- 養老孟司、池田清彦とは昆虫採集の趣味を通じて親交があり、鼎談や共著書がある。
- サントリー学芸賞、同世界愛鳥基金選考委員。
受賞
[編集]- 『虫の宇宙誌 』で読売文学賞 1982年
- 『ジュニア版ファーブル昆虫記』で産経児童出版文化賞 1992年
- 『楽しき熱帯』でサントリー学芸賞 1995年
- 『斑猫の宿』でJTBの旅文学大賞 2001年
- ファーブル『昆虫記』(全10巻・20冊)の完訳で菊池寛賞 2017年
- 第53回JXTG児童文化賞 2018年[1]
著書
[編集]単著
[編集]- 『虫の宇宙誌』(青土社) 1981、のち集英社文庫
- 『メランジュ 中級へ向けて』(朝日出版社) 1981
- 『本を枕に』(集英社) 1985、のち文庫
- 『虫の春秋』(読売新聞社) 1986、のちちくま文庫、集英社文庫
- 『虫のゐどころ』(新潮社) 1992、のち文庫
- 『考える蜚蠊(ごきぶり)』(福武書店) 1993、のち中公文庫
- 『虫屋の落とし文』(小学館ライブラリー) 1993
- 『干支セトラ、etc.』(岩波新書) 1993
- 『捕虫網の円光』(平凡社) 1993、のち中公文庫
- 『壊れた壷』(集英社) 1993、のち文庫
- 『楽しき熱帯』(集英社) 1995、のち集英社文庫、講談社学術文庫
- 『書斎のナチュラリスト』(岩波新書) 1997
- 『読書百遍』(TBSブリタニカ) 1998
- 『博物学の巨人 アンリ・ファーブル』(集英社新書) 1999
- 『斑猫の宿』(JTB) 2001、のち中公文庫
- 『当世虫のゐどころ』(新潮社) 2001
- 『奥本大三郎自選紀行集』(JTB) 2001
- 『東京美術骨董繁盛記』(中公新書) 2005
- 『パリの詐欺師たち』(集英社) 2008 - 小説
- 『散歩の昆虫記』(幻戯書房) 2010
- 『奥山准教授のトマト大学太平記』(幻戯書房) 2011 - 小説
- 『マルセイユの海鞘(ほや)』(中央公論新社) 2013 - エッセイ集
- 『虫から始まる文明論』(集英社インターナショナル、知のトレッキング叢書) 2015 - エッセイ集
- 『奥本昆虫記 = INSECTORUM THEATRUM』(教育評論社) 2015
- 『蟲の饗宴 僕はこうして虫屋になった』(世界文化社) 2017
- 『織田作之助と蛍 奥本大三郎随想集』(教育評論社) 2019
- 『虫の文学誌』(小学館) 2019
- 『蝶の唆え 現代のファーブルが語る自伝エッセイ』(小学館) 2020
- 『ランボーはなぜ詩を棄てたのか』(集英社、インターナショナル新書) 2021
- 『箱の中の羊』(教育評論社) 2022
年少者向け
[編集]- 『世界にたったひとつ君の命のこと 未来に生きる君たちへ』(世界文化社) 2007
- 『ぼくらの昆虫記』(監修・執筆、デコ) 2010
- 『ファーブル先生の昆虫教室 本能のかしこさとおろかさ』(やましたこうへい絵、ポプラ社) 2016 - 刊行中
- 『蝶の唆え 現代のファーブルが語る自伝エッセイ』(小学館) 2020
- 『まんが星の王子さま』(やましたこうへい絵、小学館) 2020
共著・編著
[編集]- 『百蟲譜』(編著、弥生書房) 1984、のち平凡社ライブラリー
- 『虫魚の交わり』(荒俣宏共著、平凡社) 1986
- 『虫のいい虫の話』(光瀬龍共著、リヨン社) 1986
- 『新版 フランス文学史』(共編、白水社) 1992
- 『三人寄れば虫の知恵』(養老孟司, 池田清彦共著、洋泉社) 1997、のち新潮文庫
- 『男と女、二つの"性"がある理由』(長谷川眞理子共著、産経新聞出版) 2006
- 『虫捕る子だけが生き残る』(養老孟司, 池田清彦共著、小学館101新書) 2008
- 『本と虫は家の邪魔 奥本大三郎対談集』(青土社) 2018
監修
[編集]翻訳
[編集]- 『ジュニア版 ファーブル昆虫記』全8巻(集英社) 1991、集英社文庫 全6巻 1996、簡約版(台湾版、中国版、韓国版あり)
- 『完訳版 ファーブル昆虫記』全10巻・20分冊(集英社) 2005 - 2017
- 『星の王子さま』(サン=テグジュペリ、白泉社) 2007
- 『虫の肖像』(C・ヴィルマン他、東洋書林) 2008
- 『ヴィクトリア朝の昆虫学』(J・F・M・クラーク、東洋書林) 2010
- 『博物誌 世界を写すイメージの歴史』(S・ピーター・ダンス、東洋書林) 2014
- 『世界一うつくしい生物図鑑 かたちと色、その不思議』(クリストファー・マーレー、監修、世界文化社) 2016
- 『ファーブル驚異の博物学図鑑』(イヴ・カンブフォール、瀧下哉代共訳、エクスナレッジ) 2016
- 『ファーブル伝』新訳版(ジョルジュ=ヴィクトール・ルグロ、集英社) 2021
- 『スリナム産昆虫変態図譜 1726年版』(マリア・ジビーラ・メーリアン、岡田朝雄共訳、白石雄治製作総指揮、佐藤亜希子英訳、鳥影社) 2022年 ISBN 978-4-86265-915-6
論文
[編集]- 「暗殺者ランボオ」(季刊『現代文学』7号)
- 「イリュミナシオン試論(一)」(季刊『現代文学』8号)
- 「イリュミナシオン試論(二)」(季刊『現代文学』9号)
- 「瞳、髪、飲むこと - ポオ、ボードレール、ランボオ」(青土社、『ユリイカ』4月号)
- 「ボードレールの世界」(青土社)
- 「Lettre du Voyant 研究序説」(横浜国立大学人文紀要)
- 「Le ≪Voyage≫ chez Baudelaire et Rimband」(日本フランス語フランス文学会)
- 「ランボオの天国と地獄」(冬樹社、『カイエ』9月号)
- 「ランボオの人口の楽園」(冬樹社、『カイエ』5月号)
出演メディア
[編集]テレビ・ラジオ等
[編集]- 週刊ブックレビュー
- 不思議の島マダガスカル
- 虫の文学誌 (NHK人間大学 1993年4月~6月 全12回)
- ラジオ深夜便
- ファーブル紀行 - 大切な使命を果たすために(90分×3回、BSハイビジョン)
- 100分de名著 ファーブル昆虫記(NHK Eテレ 2014年7月 全4回)
脚注
[編集]- ^ 『「第53回 JXTG児童文化賞」および「第48回 JXTG音楽賞」の受賞者が決定しました』(プレスリリース)JXTGホールディングス、2018年9月28日 。2019年5月4日閲覧。