WBSCプレミア12

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WBSCプレミア12
2015 WBSC Premier12 at Tokyo Dome 1.JPG
開始年 2015年
主催 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)
参加チーム数 12ヵ国・地域
前回優勝 韓国の旗韓国
最多優勝 韓国の旗韓国(1回)
サイト 公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
大会紹介サイト(日本語)
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WBSCプレミア12(ダブリュービーエスシー プレミアトゥエルブ、英語WBSC Premier12)は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催、およびWBSCが選出した12ヵ国・地域参加により、4年に1度開催される野球の代表戦による国際大会である[1][2]。日本では「WBSC世界野球プレミア12」(ダブリュービーエスシーせかいやきゅう プレミアじゅうに)とも表記される[3][4]

第1回大会2015年11月8日から台湾日本で開催された[5]

開催経緯[編集]

プレミア12が創設されるきっかけとなったのは、国際野球連盟(IBAF)の財政難である。2008年北京五輪を最後に野球は実施競技から除外されたため、国際オリンピック委員会(IOC)からの補助金を失い、またIBAF主催の国際大会の開催などで出費がかさみ、存続が懸念されるほどの深刻な財政難に陥っていた。そのため2011年、IBAFはメジャーリーグベースボール(MLB)からの財政支援を受け入れることになった[6][7]

しかし、MLBから財政支援を受ける条件として、MLBおよびMLB選手会が主催するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をIBAFの世界選手権として公認するとともに、世界選手権であったIBAFワールドカップ1938年-2011年)、IBAFインターコンチネンタルカップ1973年-2010年)などのIBAF主催の国際大会の廃止、およびその他の国際大会が再編されることになった。その結果、IBAF主催の新たなトップレベルの各国・地域代表戦として、「IBAFプレミア12」(現名称「WBSCプレミア12」)が創設された[8]

概要[編集]

プレミア12の出場国は12か国の招待制で、開催は2015年から4年に一度、WBC開催年の中間年に開催される。アマチュア主体であったワールドカップと異なり、プレミア12はプロが主体となる[9]。MLB選手の参加についてWBSC会長のリカルド・フラッカリは、「MLB選手も出場できるよう、MLB機構と協議を始めている」ことを明らかにしている[10][11]

招待国の選出にはWBSC世界野球ランキングが採用されている。このランキングは成人代表の成績だけではなく、12歳以下、15歳以下、18歳以下、21歳以下の、すべての代表の国際大会での成績が含まれている。そのためプレミア12は「国全体の野球力(野球国力)」を競う大会として扱われている[12]

IBAFの報道[13]において「IBAFスーパー12」と表記されていた時期があったが、国際大会新フォーマット[14]発表以降は再び「IBAFプレミア12」に統一され、更に世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の発足により「WBSCプレミア12」と表記された。

招待制度[編集]

プレミア12は世界のトップ12の各国・地域代表がWBSCにより招待されて競われる国際大会である。

第1回大会の12ヵ国・地域の選出方法は、2014年WBSC世界野球ランキング[15]の上位12ヵ国・地域からの選出となった[2]。同年11月中央アメリカ・カリブ海競技大会の終了をもって招待国・地域が発表された[16]

試合形式[編集]

2グループ6チームに分かれて総当り戦(各5試合)を行い、各グループ上位4チームの計8チームが準々決勝からのトーナメント戦を行う[2]

利益分配[編集]

招待される12ヵ国・地域には、WBSCから総額数百万ドルの賞金が保証され、また渡航費や宿泊費等の参加費用もWBSCが負担する[2]

第1回大会および第2回大会については、独占メディア権と独占グローバルスポンサーシップ権を、世界有数の広告代理店であるMP&Silvaに与えることでWBSCと合意している[17]

開催年 賞金
総額 優勝 準優勝 3位 4位 5位-8位 9位-12位
1 2015年 380万USドル[18] 100万USドル 60万USドル 40万USドル 30万USドル 22.5万USドル 15万USドル
2 2019年

主な出来事と問題点[編集]

2020年東京五輪とプレミア12[編集]

2020年東京五輪において「野球・ソフトボール」競技が採用された場合、2019年第2回大会からは五輪予選大会として実施される可能性があるとしている[2]。フラッカリ会長は「本当に強いチームが五輪に出場することを保証するベストな方法」として、五輪が8チームで争うフォーマットの場合、プレミア12の上位4チームに出場権を与え、残りの4枠は大陸予選で選ぶ、という考えを明らかにしていた[19]。しかし、東京五輪組織委員会は出場チーム数を「8」ではなく「6」で国際オリンピック委員会に提案したため、少ないチーム数での予選方式が難題となり、フラッカリ会長は新たな予選方式として「開催国1枠、プレミア12優勝1枠、アメリカ大陸予選2枠、アジア・オセアニア予選1枠、欧州・アフリカ予選1枠」という振り分けを提案している[20]

MLB選手やウィンターリーグ選手の参加問題[編集]

WBSCは「プレミア12はプロ主体の大会である」ことを強調しており、トッププロリーグであるMLB機構にも選手を派遣してもらえるよう交渉していたが、MLB機構はメジャー契約選手(40人枠)は派遣しないことを発表した。シーズンが長いMLBでは、オフシーズンの休養が大事であると考えられており、プレミア12が開催される11月という時期は、選手も球団も派遣には否定的である。そのMLB機構が運営する国際大会「WBC」も、唯一開催できる時期として、MLBのプレシーズン期間である3月に開催されている。また、MLBだけではなく、中南米を中心に9月頃から2月頃まで開催されている冬季のプロリーグ(ウィンターリーグ)のシーズンと開催時期が被っており、関係者によればこちらも派遣に否定的である。ウィンターリーグは将来有望なマイナー契約選手が参加していることが多く、彼らも参加できないとなると、出場選手レベルの更なる低下が懸念される。[21]

例に挙げると、プエルトリコ2013年のWBCでは準優勝を果たした強豪国であるが、2015年のプレミア12第1回大会では、MLB選手ではあるものの自由契約となった、いわゆる就活中の選手や、下位レベルが多数を占めるマイナーリーグ選手、中にはプロ経験のない選手も選ばれており、WBCで準優勝したチームとはまったくの別物と言える構成になっている[22]

ただし、すべてのMLB選手が否定的というわけではなく、MLB選手会理事を務めるジェレミー・ガスリーは「個人的には、ぜひ出たい。WBCに参加したが、素晴らしい体験だった」と語っている。同時期には「日米野球」も数年に1度開催されており、上記のようにウィンターリーグやMLB秋季リーグに派遣される選手もいる。派遣される選手は、若手選手の教育や、出場試合数が少なかった選手に経験を積ませる目的での派遣があり、中南米各国のウィンターリーグへは、MLBとMLB選手会で定めた条件を満たせばメジャー契約選手も派遣できるようになっており、決してMLB球団とMLB選手たちがシーズン終了後の活動を完全に否定しているわけではない。WBSCは簡潔にMLB選手の派遣を要請するのではなく、条件などを詳細に交渉することによって、MLB選手派遣への道が開かれるかもしれない。もう一つの問題として、MLB選手が派遣される大会やリーグでは補償制度が整えられており、WBCの場合は一大会につき1000万ドルから2000万ドルの保険費用が支払われているとされる。プレミア12でこの費用を捻出できるのかどうかも、MLB選手派遣を可能にするための課題となっている[23][24][25]

また、根本的な問題として、「プレミア12」の存在自体を知らないMLB選手やスポーツ記者も多く、アメリカ国内では野球の国際大会に関心が低いということも悪影響を与えている。MLB選手が参加する「WBC」に対しても未だに批判的な意見が多い。しかし、第1回WBCでは当時のスター選手であったデレク・ジーターが出場を表明したことにより、大会の認知に好影響を与えており、「プレミア12」も大会の存在を積極的にアピールし、ブランド力を高め、多くの選手たちが「出場したい」と思わせるような大会にするよう努めることが求められる[26][27]

大会の興行を優先した組み合わせの問題[編集]

第1回大会では、野球人気があり、かつライバル関係にもある日本韓国が同じグループBに入り、記念すべき第1回の開幕戦を日本で、この両国の対戦で迎えることになったのだが、これは興行を考慮した大会組織委員会側からの強い要請によることが明らかになっている[28]

歴代大会結果[編集]

開催年 開催国   決勝戦   3位決定戦
優勝 結果 準優勝 3位 結果 4位
1 2015年 日本の旗日本中華民国の旗台湾   韓国韓国の旗 8-0 アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国   日本日本の旗 11-1 メキシコの旗メキシコ
2 2019年 地球の旗 - 地球の旗 地球の旗 - 地球の旗

代表別通算成績[編集]


国・地域


3
4





1 韓国の旗 韓国 1 1 0 0 0 8 6 2 0 .750
2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1 0 1 0 0 8 5 3 0 .625
3 日本の旗 日本 1 0 0 1 0 8 7 1 0 .875
4 メキシコの旗 メキシコ 1 0 0 0 1 8 3 5 0 .429
5 カナダの旗 カナダ 1 0 0 0 0 6 5 1 0 .833
6 キューバの旗 キューバ 1 0 0 0 0 6 3 3 0 .500
6 オランダの旗 オランダ 1 0 0 0 0 6 3 3 0 .500
8 プエルトリコの旗 プエルトリコ 1 0 0 0 0 6 2 4 0 .333
8 チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 1 0 0 0 0 5 2 3 0 .400
8 ベネズエラの旗 ベネズエラ 1 0 0 0 0 5 2 3 0 .400
11 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国 1 0 0 0 0 5 0 5 0 .000
11 イタリアの旗 イタリア 1 0 0 0 0 5 0 5 0 .000
  • データは2015年大会終了時。
  • 太字の国・地域名は優勝経験のある国・地域で、太数字は最多記録。
  • 順位は優勝回数が多い順に並べている。優勝回数が同数の場合は準優勝回数が多い方を、準優勝回数も同数の場合は3位回数が多い方を、3位回数も同数の場合は4位回数が多い方を、4位回数も同数の場合は勝利数の多い方を上に並べることとする。

出典[編集]

  1. ^ “2015 WBSC Premier 12™ Professional”. IBAF.com. http://www.ibaf.org/en/competition/b27db02c-4a00-4447-959d-7ec1516a811b 2015年1月14日閲覧。 
  2. ^ a b c d e “'プレミア12' トップ世界選手権 2015年に開催”. wbsc.co. (2014年7月2日). http://www.wbsc.co/jpn---press-release----premier12--elite-baseball-world-championship-to-be-launched-in-2015.html 2014年7月3日閲覧。 
  3. ^ “「プレミア12」は大きなチャンス 日本球界の未来は、侍ジャパンの成功にあり!”. ベースボールチャンネル・小宮山悟. (2015年8月5日). http://www.baseballchannel.jp/npb/9064/ 2015年9月22日閲覧。 
  4. ^ “WBSC世界野球プレミア12の地上波放送局が決定。テレビ朝日とTBSテレビによる地上波独占放送”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2015年7月13日). http://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20150713_1.html 2015年9月22日閲覧。 
  5. ^ “「プレミア12」日本と台湾で共催決定”. スポーツ報知. (2015年1月7日). http://www.hochi.co.jp/baseball/etc/20150107-OHT1T50165.html 2015年1月9日閲覧。 
  6. ^ “財政危機の国際野球連盟をMLBが3年間支援”. スポニチアネックス. (2011年1月30日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/01/30/kiji/K20110130000153230.html 2015年1月9日閲覧。 
  7. ^ “国際野球連盟、米大リーグ機構の資金受け入れへ”. 読売新聞. (2011年1月30日). http://www.yomiuri.co.jp/sports/yakyu/news/20110130-OYT1T00486.htm 
  8. ^ “IBAF Congress approves new Format of International Tournaments”. IBAF. (2011年12月3日). http://www.ibaf.org/en/news/2011/12/03/ibaf-congress-approves-new-format-of-international/cd3e0ea8-a62d-4c01-85f5-4c2aafba5119 2015年1月9日閲覧。 
  9. ^ “WBCを世界一決戦と公認 国際野球連盟”. 日刊スポーツ. (2011年12月4日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20111204-872361.html 2012年3月13日閲覧。 
  10. ^ “15年から新たな国際大会=第1回は日本で-野球”. 時事ドットコム. (2013年4月14日). http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a3%d7%a3%c2%a3%c3&k=201304/2013041400213 2013年4月15日閲覧。 
  11. ^ “メジャー選手にも参加呼びかけ 世界大会を来年11月日本開催へ”. スポニチアネックス. (2014年3月19日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/03/19/kiji/K20140319007804360.html 2014年3月19日閲覧。 
  12. ^ “「WBSCプレミア12(仮称)」について~「野球国力世界一」を競う国際大会~”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2015年1月19日). http://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20150119_2.html 2015年1月28日閲覧。 
  13. ^ IBAF Congress approves new Format of International Tournaments
  14. ^ IBAF introduces new Format of International Tournaments
  15. ^ “World Baseball Rankings”. wbsc.co. (2014年7月1日). http://www.wbsc.co/world-baseball-rankings.html 2014年7月3日閲覧。 
  16. ^ “FINAL 2014 IBAF World Baseball Rankings”. IBAF. (2014年11月26日). http://www.ibaf.org/en/infopage-detail.aspx?id=149f4e9a-9427-4a7b-b8df-18ab77845d33 2014年11月26日閲覧。 
  17. ^ “(JPN) MP & SILVA社が2015、2019「プレミア12」の 全世界メディア権とスポンサーシップ権を取得”. IBAF. (2014年11月27日). http://www.ibaf.org/en/news/2014/11/27/jpn-mp--silva20152019-/b5fc7e62-23be-4534-9d19-3d850e00fef7 2014年11月28日閲覧。 
  18. ^ Prize Money to Near US$ 4 Million for Inaugural WBSC Premier12”. IBAF (2015年10月27日). 2015年10月28日閲覧。
  19. ^ “東京五輪:「野球復帰ならプレミア12が五輪予選兼ねる」”. 毎日新聞. (2015年1月19日). http://mainichi.jp/sports/news/20150120k0000m050093000c.html 2015年2月1日閲覧。 
  20. ^ “6チームに減少で男子野球の予選が難しい課題”. 日刊スポーツ. (2015年10月10日). http://www.nikkansports.com/sports/news/1550778.html 2015年10月12日閲覧。 
  21. ^ “MLBから見たプレミア12の真実『世界一を決める大会』の認識はない”. スポーツナビ. (2015年9月10日). http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201509090007-spnavi?p=1 2015年9月23日閲覧。 
  22. ^ 【プレミア12】侍ジャパンに立ちふさがるのはどこの国?強化試合で対戦するプエルトリコの実力はいかに”. マイナビニュース (2015年11月5日). 2015年11月6日閲覧。
  23. ^ 野球・プレミア12、何とか大リーガーを呼べないか スポーツライター 丹羽政善 (1)”. 日本経済新聞 (2015年11月26日). 2015年12月2日閲覧。
  24. ^ 野球・プレミア12、何とか大リーガーを呼べないか スポーツライター 丹羽政善 (2)”. 日本経済新聞 (2015年11月26日). 2015年12月2日閲覧。
  25. ^ 野球・プレミア12、何とか大リーガーを呼べないか スポーツライター 丹羽政善 (3)”. 日本経済新聞 (2015年11月26日). 2015年12月2日閲覧。
  26. ^ 初開催「プレミア12」に関心なかった米国 今後へ最高峰MLB選手の参加は不可欠(1)”. スポーツナビ (2015年11月24日). 2015年12月2日閲覧。
  27. ^ 初開催「プレミア12」に関心なかった米国 今後へ最高峰MLB選手の参加は不可欠(2)”. スポーツナビ (2015年11月24日). 2015年12月2日閲覧。
  28. ^ <野球>「2015プレミア12」 韓国が日本と同じ組に入った理由は?”. 中央日報 日本語版 (2015年5月20日). 2015年11月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]