熊本鉄道事業部

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熊本鉄道事業部
基本情報
鉄道事業者 九州旅客鉄道
帰属組織 熊本支社
所属略号 熊クマ、熊
配置両数
蒸気機関車 1両
内燃機関車 7両
電車 50両
気動車 33両
客車 4両
合計 95両
備考 2020年4月1日現在のデータ
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熊本鉄道事業部(くまもとてつどうじぎょうぶ)とは、熊本県熊本市西区熊本駅構内にある九州旅客鉄道(JR九州)の事業部の一つであり、熊本支社の管轄。

管轄路線

現在は熊本支社管内全区間を管轄対象としているため、JR九州熊本支社の管轄路線を参照されたい。

歴史

  • 1891年(明治24年)4月1日九州鉄道が熊本延伸にさきがけ熊本機関庫を創設[1]
  • 1907年(明治40年)7月1日:九州鉄道の国有化により官設鉄道の熊本機関庫となる。
  • 1936年昭和11年)9月1日熊本機関区に改称。
  • 1987年昭和62年)4月1日:JR九州発足に伴い、当時の国鉄熊本機関区を組織変更してJR九州熊本運転所に名称変更[2]
  • 1992年平成4年)6月1日:人吉鉄道事業部が発足[3]
  • 1999年(平成11年)12月1日:熊本鉄道事業部発足[3]。熊本運転所が熊本鉄道事業部の下部組織となり熊本運輸センターに改称。
  • 2004年(平成16年)6月1日:人吉鉄道事業部と統合。
  • 2006年(平成18年)3月18日:熊本運輸センターの車両部門を熊本車両センターに分離。
  • 2008年(平成20年)4月1日:阿蘇鉄道事業部と統合。

熊本乗務センター

熊本乗務センター(くまもとじょうむセンター)は、熊本県熊本市西区の熊本駅付近にある、熊本鉄道事業部管轄の運転士車掌所属区所である。2012年度のダイヤ改正より熊本車掌センターと統合の上、現在の名称へ変更となった。

熊本車両センター

熊本車両センター(くまもとしゃりょうセンター)は、熊本県熊本市西区蓮台寺の熊本駅付近にある、熊本鉄道事業部管轄の車両基地である。

配置車両の車体に記される略号

  • 旅客車:「熊クマ」熊本支社を表す「熊」と、熊本の電報略号「クマ」から構成される。
  • 機関車:「」熊本を意味する「熊」から構成される。

所属車両

以下は、2020年4月1日現在の所属車両である[4][5][6]

電車

当センター配置の電車は全車両がワンマン運転に対応している。

  • 815系 (NT編成)
    • 2両編成14本(NT001~014)の計28両が配置されている。このうち、NT007~010の4編成は豊肥本線高速鉄道保有(株)所有車両であったが、2015年度に九州旅客鉄道へ売却された。なお、これまで当センター所属だったNT027(元NT015)編成は、2016年3月に大分車両センターへ転属した。
  • 817系 (VT編成)
    • いずれも2両編成で、0番台が7本(VT001・012・013・015~017・021)と、1000番台が4本(VT105 - 107・112)の計11編成22両が配置されている。VT021編成以外の全車が直方車両センターからの転属車(ただし、VT012・013編成は直方→大分→当センター、VT105編成は直方→鹿児島車両センター→当センターの順で配置)である。
    • 2017年3月に直方から1000番台1本(VG112)が転属、VT112となった[7]。2019年3月に佐世保車両センターから0番台1本(VN021)が転属、VT021となった[8]
    • 運用区間は815・817系ともに、鹿児島本線博多駅 - 鳥栖駅 - 熊本駅 - 八代駅)、豊肥本線(熊本駅 - 肥後大津駅)で運用される。ただし、博多駅 - 鳥栖駅間のみ通常は817系が運用される。なお、両系列とも運用自体は分離されている(ただし、互いに代走での運用や両系列を併結した運用がある)。

気動車

当センターに配置されている気動車の中で、キハ40系キハ185系キハ200形の全車両は機関換装施工済み車両である。また、キハ183系を除く各系列(形式)車は全車両ワンマン運転に対応している。

  • キハ183系
    • 臨時の観光特急「あそぼーい!」の専用車であるキハ183形2両(1001・1002)と、キハ182形2両(1001・1002)のいずれも1000番台車の計4両が配置されている。4両で1編成を組む。
    • 豊肥本線(阿蘇高原線)の熊本駅 - 別府駅間の特急あそぼーいで限定運用されている。
    • 元々はJR発足直後の1988年に「オランダ村特急」として生産された車両で、その後「ゆふいんの森II世」→「シーボルト」→「ゆふDX」→「あそぼーい!」と転用改造されている。
  • キハ40形
    • 8000番台の3両(8102・8103・8126)が配置されており、いずれも前照灯がLEDに交換されている。
    • 8103・8126の2両のみ自動切替式液体変速機コマツ製KTF3335A)を搭載しており、JR九州所属のキハ40系気動車のなかで異彩を放っている。
    • 8102は2018年3月17日付で直方へ転出したが、2019年3月11日付で再び転入している。
  • キハ140形
    • 2000番台の3両(2039・2040・2125)が配置されている。
    • このうち、2125は観光特急「いさぶろう・しんぺい」仕様車となっている(同じ観光特急の「かわせみ やませみ」との共通予備車)。
    • キハ40・140形の運用区間はキハ140-2125が鹿児島本線・肥薩線(熊本駅 - 八代駅 - 人吉駅 - 吉松駅)の限定運用となっている。その他の車両は鹿児島本線(熊本駅 - 八代駅)・三角線(全線)・肥薩線(八代駅 - 人吉駅 - 吉松駅)の快速普通列車で運用されている。
  • キハ47形
    • 3500番台の1両(3509)、4500番台の1両(4510)、8000番台の5両(8076・8087・8129・8135・8159)と、9000番台の4両(9031・9041・9051・9082)の計11両が配置されている。
    • このうち、3509・4510の2両は寒冷地仕様(2軸駆動・エアサス)車、8159・9082の2両は観光特急「いさぶろう・しんぺい」仕様車、8087・9051の2両は同じく観光特急の「かわせみ やませみ」仕様車となっている。
    • 2017年3月に8087(大分)と9051(直方)が転属してきた(代わりに、当センター所属だった3509・4510・8158の3両が2017年3月に大分へ、9049が同月に直方へ転属したが、3509・4510の2両は2018年3月17日付で大分から当センターに再転属、さらに同日付で8135が上記のキハ40 - 8102との交換により直方から転属している)。
    • 2019年3月に8129と9031が、同年6月に8076が、同年7月に9041が、それぞれ直方から転属してきた。
  • キハ147形
    • 0番台の4両(59・61・104・182)と、1000番台の1両(1044)の計5両が配置されている。
    • キハ47・147形の運用区間はキハ47 - 8087・8159・9051・9082の4両が鹿児島本線・肥薩線(熊本駅 - 八代駅 - 人吉駅 - 吉松駅※ただし、8087と9051は熊本駅 - 人吉駅間のみ)の限定運用となっている。その他の車両は豊肥本線(熊本駅 - 豊後竹田駅)・三角線(全線)の普通列車で運用されている。
  • キハ200形
    • 100・1100番台(101+1101・102+1102)の2両編成2本、計4両が配置されている。豊肥本線(熊本駅 - 宮地駅)・三角線(全線)の普通列車で運用されている。
  • キハ220形
    • 1100番台の1両(1102)が配置されている。鹿児島本線(熊本駅 - 八代駅)・肥薩線(八代駅 - 人吉駅 - 吉松駅)の快速・普通列車で運用されている。
    • 元々は指宿枕崎線快速「なのはなDX」仕様に改造されて鹿児島に所属していた車両で、2011年3月のダイヤ改正後に営業運転終了となり、同年6月4日から6日にかけて小倉総合車両センターへ回送され[10]、再改造を経て同年10月1日付で当センターへ転属配置されている。

客車

  • 50系客車
    • SL人吉」用に改造されたオハフ50形(701・702)2両と、オハ50形(701)1両の計3両が配置されている。同列車を中心に団体列車にも運用されている。
  • マヤ34形客車
    • 2009の1両が配置されている。軌道試験車で現役稼働しているのは同形式で唯一の車両である。

機関車

  • DE10形ディーゼル機関車
    • 1000番台の4両(1195・1206・1207・1209)と、1500番台の3両(1638・1753・1756)の計7両が配置されている。レール輸送などの工事列車の牽引、車両基地内での入換作業に使用される。状況により、客車列車を牽引する運用がある(SL人吉の58654号機代走や、特別なトワイライトエクスプレスの九州内走行時、マヤ34形を連結しての軌道検測運用など)。
    • このうち、1195・1638は車番が銀色、その他の5両は車番が金色である。なお、全車両黒色塗装、手摺は金色塗装となっている。
    • ななつ星in九州」に関連し、編成最後尾に連結して牽引するティータイム列車運用や、博多駅 - 博多運転区間の回送運用等があるため、竹下駅横の博多運転区大分車両センター長崎駅などに常駐している車両がある。

過去の所属車両

気動車

  • キハ28・58形気動車
    • 2018年4月1日時点ではキハ28形1両(2401)と、キハ58形1両(139)の計2両が配置されていた[11]
    • 観光快速列車の「あそ1962」用に改造された車両で、2両固定編成を組んで運用されていたが2010年12月26日をもって運行を終了した。その後、臨時・団体列車での運行を経て保留車となり、2018年3月30日から31日にかけて小倉へ回送され、2019年1月16日付でキハ28 2401が、同月23日付でキハ58 139が、それぞれ廃車された。
  • キハ31形
    • 6・9・10・11・17・22の6両が最後まで配置されていたが、2019年11月から12月にかけて廃車された。
    • かつては豊肥本線、肥薩線でも使用されていたが、晩年は三角線のみの運用に限定されていた。

客車

  • 24系客車
    • 14系と同じく1986年11月1日のダイヤ改正で寝台特急「はやぶさ」「富士」の付属編成を品川運転所から、「なは」の付属編成を向日町運転所から移管する形で転入し、一部を除きすべて24系25形100番台であった。当初は付属編成のみであったが、「はやぶさ」西鹿児島乗り入れ廃止の1997年11月と「なは」西鹿児島乗り入れ廃止の2004年3月にかけて電源車を含む基本編成が鹿児島運転所から転入した。「はやぶさ」「富士」の14系化と「なは」の廃止により全車廃車となった。

貨車

  • チキ6000形貨車
    • チキ6245・6302の2両が配置されていたが、2019年4月に廃車された。レール輸送用長物車。(『八代駅常備』表記がされていた)

設備保全区所(保線・電気)

  • 熊本工務センター(同一建物内に九州電気システム熊本支店がある。)
  • 八代工務センター
  • 玉名工務センター

脚注

  1. ^ 『鉄輪の轟き』p.54
  2. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第14号、鉄道ジャーナル社、1987年12月、58頁。 
  3. ^ a b “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日) 
  4. ^ 交友社鉄道ファン』 2020年7月号「JR旅客会社の車両配置表」
  5. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2020夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.226-227。ISBN 9784330050201
  6. ^ 『JR気動車客車編成表』2018 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年
  7. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2017年、p.359。ISBN 9784330787176
  8. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2019夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2019年、p.360。ISBN 9784330972190
  9. ^ 鹿児島本線の熊本駅 - 宇土駅間を含む。
  10. ^ キハ220-1102が小倉総合車両センターへ - ネコ・パブリッシング『鉄道ホビダス』RMニュース 2011年6月7日
  11. ^ 交友社鉄道ファン』 2018年7月号「JR旅客会社の車両配置表」

関連項目