SL人吉

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SL人吉
肥薩線を走行中のSL人吉(2009年6月)
肥薩線を走行中のSL人吉(2009年6月)
概要
日本の旗 日本
種類 快速列車
地域 熊本県
運行開始 2009年4月25日
運営者 九州旅客鉄道(JR九州)
路線
起点 熊本駅
終点 人吉駅
営業距離 89.8 km (55.8 mi)
運行間隔 1往復
使用路線 鹿児島本線肥薩線
車内サービス
クラス 普通車
座席 全車指定席
食事 ビュッフェ - 2号車
展望 1号車・3号車
技術
車両 50系客車
8620形蒸気機関車
熊本車両センター
軌間 1,067 mm
電化 交流20,000 V・60 Hz(熊本 - 八代間)[1]
非電化(八代 - 人吉間)
備考
肥薩線運行時のデータ
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SL人吉(SLひとよし)は、九州旅客鉄道(JR九州)が熊本駅 - 人吉駅間を鹿児島本線肥薩線経由で運行している、蒸気機関車 (SL) 牽引による臨時快速列車である。

沿革[編集]

矢岳駅前の人吉市SL展示館で静態保存されていた586548620形)は、1988年昭和63年)に動態復元され、同年8月28日に熊本 - 宮地間運行の快速「SLあそBOY」として営業運転を開始した。しかし、人吉市に保存されていた縁もあり、同10月9日からは年間数日程度、熊本 - 人吉間の「SL人吉号」としても運行されていた。このためSL・客車は「SLあそBOY」と共用であった。

2005年平成17年)3月試運転中に、58654が車両故障を起こし修復不能と判断されたことから、この年の当初の運行予定日のうち、SLでの運行日は大幅に絞られた上で、8月28日をもって58654による「SLあそBOY」は運行終了となった。本来の運行日でSLが使えなくなった日は、DE10形ディーゼル機関車が「SLあそBOY」用客車を牽引する「ディーゼルあそBOY」「ディーゼル人吉号」として運行されたが、2005年限りでともに運行終了となった(その後2006年〈平成18年〉から2010年〈平成22年〉まで「SLあそBOY」の事実上の後継列車となる「あそ1962」が運行開始)。

その後、58654は小倉工場で修復され、肥薩線が開業100周年を迎える2009年(平成21年)4月25日からは、熊本 - 人吉間で58654とリニューアルした客車による列車が運行開始された。愛称名は旧来の愛称名から「号」を省いた「SL人吉」とされた。雑誌等で「SL人吉号」と表記しているものもあるが、これは誤記である。

年表[編集]

運行概況[編集]

概ね3月から11月までの金・土・日曜日・祝日および夏休み期間中に、1日1往復運行する。午前中に熊本駅を出発して昼間に人吉駅に到着し、午後に人吉駅を出発して夕方に熊本駅に到着するダイヤとなっている。全車座席指定席で、指定席料金は820円(こども半額)である。2枚きっぷ・4枚きっぷ(10枚きっぷなど派生商品を含む)で利用する場合も指定席料金が別途必要。

2021年令和3年)5月1日より、肥薩線沿線応援企画第2弾と題し、鹿児島本線熊本 - 鳥栖間にて、58654DE10形ディーゼル機関車による「SL人吉」が、土休日限定で1日1往復運行されている。同年5月1日から5月5日までは毎日運行されたが、同5月8日からは土日限定で運行されている。

SL+客車3両+DLの合計5両編成。鳥栖駅に転車台がないため、上り熊本発鳥栖行き列車はSLが牽引し、下り鳥栖発熊本行き列車はDLが牽引する[9]。なお、同編成が鹿児島本線の熊本以北を運行するのは、2020年(令和2年)11月1日から12月27日にかけて、熊本発博多行きで運行された臨時列車「SL鬼滅の刃」以来、約5か月ぶりのことである。 [10] [11] [12] 乗車の際には乗車券と座席指定券が必要である。今回の運行より、座席指定券の値段が、従来の840円から1,680円(小児半額)に改定される。

停車駅[編集]

※ 2005年まで運行されていた「SL人吉号」「ディーゼル人吉号」は上記の駅のほか川尻駅宇土駅松橋駅有佐駅瀬戸石駅にも停車していた。

使用車両[編集]

SL人吉(2009年4月29日、熊本駅)
SL人吉に使用される50系客車(2009年4月29日、熊本駅)

SL・客車とも熊本鉄道事業部熊本車両センターに所属する。

牽引機関車[編集]

58654を使用する。

客車[編集]

50系客車700番台3両を使用する。編成内容は以下のとおり。人吉方が1号車。

  • 1号車 - オハフ50 701
  • 2号車 - オハ50 701
  • 3号車 - オハフ50 702

1号車の人吉方と3号車の熊本方に展望ラウンジを、2号車にはビュフェを備える。

「SL人吉」での運用にあたり、水戸岡鋭治のデザインによるリニューアル工事が実施されている。車体は地色が黒色一色となり、各種のロゴが入れられているほか、両端の先頭車の前面下部に窓が新設され、展望ラウンジの視界が拡大されている。車内は客室中央部にショーケースが設置され、床がフローリングとなり、座席の表地が張り替えられ、一部の座席は表地が本革となった。

58654が検査入場中に、客車をDE10形牽引による団体列車等に宛てられることがある。これまでは、回送を含めて通常では走行しない、鹿児島本線の陣原 - 門司間の貨物線や、筑豊本線などを走行したことがある。

脚注[編集]

  1. ^ ただし、蒸気機関車牽引のため電気動力不使用。
  2. ^ “今年の冬は、「快速人吉」を運転します!” (PDF) (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2012年11月20日), オリジナルの2012年12月7日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20121207003704/http://www13.jrkyushu.co.jp/NewsReleaseWeb.nsf/d1360c23cd486dae492578620003908a/9530cd11e84579b849257abc003b6a27/$FILE/%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%81%AE%E5%86%AC%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E5%BF%AB%E9%80%9F%E4%BA%BA%E5%90%89%E3%80%8D%E3%82%92%E9%81%8B%E8%BB%A2%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81.pdf 2017年2月17日閲覧。 
  3. ^ a b “復活の黒煙、力強く 「SL人吉」が運行再開”. 熊本日日新聞. (2016年4月29日). http://kumanichi.com/news/local/main/20160429017.xhtml 2016年5月13日閲覧。 
  4. ^ 新型コロナウイルス感染拡大に伴う運転計画について (2020年4月21日追加)”. 九州旅客鉄道. 2020年4月21日閲覧。
  5. ^ 新型コロナウイルス感染拡大に伴う追加の運転計画について”. 九州旅客鉄道. 2020年4月21日閲覧。
  6. ^ JR九州、「SL鬼滅の刃」出発 アニメとコラボ、熊本-博多間 (2020年11月1日追加)”. 神戸新聞. 2020年11月1日閲覧。
  7. ^ 臨時列車「SL鬼滅の刃」運行|鬼滅の刃 × JR九州 (2020年11月23日追加)”. 九州旅客鉄道. 2020年11月23日閲覧。
  8. ^ 「SL鬼滅の刃」追加運行決定!”. 九州旅客鉄道. 2020年12月20日閲覧。
  9. ^ a b SL人吉が熊本〜鳥栖を走ります! (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2021年3月22日). 2021年3月30日閲覧。
  10. ^ JR九州、「SL鬼滅の刃」出発 アニメとコラボ、熊本-博多間 (2020年11月1日追加)”. 神戸新聞. 2020年11月1日閲覧。
  11. ^ 臨時列車「SL鬼滅の刃」運行|鬼滅の刃 × JR九州 (2020年11月23日追加)”. 九州旅客鉄道. 2020年11月23日閲覧。
  12. ^ 「SL鬼滅の刃」追加運行決定!”. 九州旅客鉄道. 2020年12月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]