青春賦

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行く春来る春から転送)
青春賦
ももいろクローバーZシングル
初出アルバム『AMARANTHUS
B面 走れ! -Z ver.-
行く春来る春
Link Link
リリース
ジャンル 合唱曲
レーベル EVIL LINE RECORDS
プロデュース 冨田恵一(表題曲のみ)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間4位オリコン
  • 2015年3月度月間10位(オリコン)
  • 2015年度上半期34位(オリコン)
  • 2015年度年間77位(オリコン)
  • 登場回数10回(オリコン)
  • ももいろクローバーZ シングル 年表
    夢の浮世に咲いてみな
    (2015年)
    青春賦
    (2015年)
    『Z』の誓い
    (2015年)
    テンプレートを表示

    青春賦」(せいしゅんふ)は、2015年3月11日に発売された、ももいろクローバーZの14枚目のシングル。青春映画『幕が上がる』の主題歌・挿入歌を計4曲収録している。

    収録曲解説[編集]

    映像外部リンク
    「青春賦」Trailer - YouTube
    CD収録の4曲を映画のシーンに合わせて視聴することができるトレーラー映像。
    走れ! -Z ver.- - USTREAM
    映画のクランクインの際にカメラテストとして収められたミュージックビデオで、付属Blu-rayに収録されている正式なものとは異なる。

    「行く春来る春」と「Link Link」は小規模な作曲コンペ(選考会)で選ばれた作品であり、どちらかが映画『幕が上がる』の主題歌になる予定であった。しかし監督の要望が大きく変わったため、作曲者を決め打ち(指名)する形で「青春賦」が制作された[2]。なお、このCDに収録されていない挿入歌として「Chai Maxx ZERO」という曲がある。

    青春賦[編集]

    作詞:桑原永江 / 作曲:しほり / 編曲・プロデュース:冨田恵一
    歌詞・動画 - 歌ネット

    エンディングで使われている主題歌。映画のクランクアップ後にレコーディングを行い、歌途中のモノローグ部分は5人が役になりきって演じている。

    楽曲プロデュースは、MISIAの「Everything」も手がけた“ポップ・マエストロ”こと冨田恵一。ピアノ・ギター・ベースなどほぼ全ての楽器を自ら演奏し、トリートメント(音の質感を整える作業)まで施している。コーラスとストリングス(弦楽器)も加わったこのサウンドを、音楽評論家の堀埜浩二は「我が国の録音芸術における頂点」と評している[3]

    2016年には、横浜アリーナでソロライブを開催した佐々木彩夏が「青春賦」を手話つきで歌唱するシーンもあり話題に。これは2年前から手話を習い始めた母に影響され、「音楽は全ての人に平等に与えられるもの」と考え、自ら提案した企画であった[4]

    2017年2月8日、姉妹グループ・私立恵比寿中学のメンバー松野莉奈が18歳で夭逝したのを受け、4日後に横浜アリーナで開催されたイベント「ももクロくらぶxoxo〜バレンタインDE NIGHT だぁ〜Z!2017〈バレンタイン・裏〉」の開演前に5人揃って登場し、百田が代表して追悼の挨拶を行い、ライブパートのアンコールでは彼女のイメージカラーであった青いスポットライトに照らされ、この曲を捧げた[5]

    『月刊ピアノ』2015年4月号にピアノスコア、並びに“「幕が上がる」と音楽”という特集が掲載された。

    走れ! -Z ver.-[編集]

    作詞:NOBE・モリモトコージ[6] / 作曲:KOJI obamichitomo / 編曲:michitomo
    歌詞・動画 - 歌ネット

    エンディングで使われている挿入歌。早見あかりが所属していた「ももいろクローバー」時代に発表されたものを、Zバージョンとして5人で再録(なお、オリジナルバージョンは映画『モテキ』の挿入歌として使われていた)。

    ライブでこの曲が演じられる際には、最後のサビで全ての照明が消され、メンバーとファンが振る色とりどりのペンライトだけで場内が埋め尽くされる光景が名物となっている。東京大学准教授(当時)の安西信一は著書『ももクロの美学』の中で、ももクロとそれに同期する観客の「体」の動きによって、「ココロ」を超えた「体」の不思議な繋がりの力がもたらされ、両者の一体化が成就すると描写している[7]。『スペースシャワーTVプラス』のももクロ特集(2013年4月放送)では「ライブでアガる曲ランキング」の1位となった[8]

    行く春来る春[編集]

    読み:ゆくはる くるはる
    作詞:久保田洋司 / 作曲:ツキダタダシ / 編曲:近藤研二
    歌詞・動画 - 歌ネット

    映画挿入歌。主人公のさおりと中西さんが全国高等学校演劇大会の見学に向かうシーンで使われている。
    作詞の久保田曰く、松尾芭蕉をイメージして作詞したとの事。

    Link Link[編集]

    作詞:只野菜摘 / 作曲:小川コータ / 編曲:生田真心
    歌詞・動画 - 歌ネット

    映画挿入歌。富士ケ丘高校の演劇部が夏の合宿に向かうシーンで使われている。

    佐々木彩夏がフィーチャーされた曲で、ちょうど高校卒業を迎えた彼女と歌詞の内容に近かったこともあり、歌い出しと落ちサビのソロパートを任された。また、曲名も担当カラーの「ピンク」に近い語呂になっている。

    アウトロのラストはチャイム」という歌詞に合わせ、実際に曲の終わりでは鐘が鳴る。また、メンバーが出演している米久「御殿場高原あらびきポーク」のCMソングにも起用された。

    10周年BESTアルバム『MOMOIRO CLOVER Z BEST ALBUM「桃も十、番茶も出花」』〈初回限定 -モノノフパック-〉のファン投票企画で3位に選ばれている。

    2023年には、「Link Link -ZZ ver.-(ダブルゼータ バージョン)」を、2018年以降のメンバー4人体制バージョンとして制作。配信限定アルバム『ZZ’s III』に収録された。

    参加ミュージシャン[編集]

    青春賦

    走れ! -Z ver.-

    行く春来る春

    Link Link

    トラックリスト[編集]

    初回限定盤A[編集]

    1. 青春賦 [5:16]
    2. 走れ! -Z ver.- [4:45]
    3. 行く春来る春 [5:01]
    4. 青春賦(off vocal ver.
    5. 走れ! -Z ver.-(off vocal ver.)
    6. 行く春来る春(off vocal ver.)
    Blu-ray:青春賦(ミュージック・ビデオ)

    初回限定盤B[編集]

    1. 青春賦
    2. 走れ! -Z ver.-
    3. Link Link [5:14]
    4. 青春賦(off vocal ver.)
    5. 走れ! -Z ver.(off vocal ver.)
    6. Link Link(off vocal ver.)
    Blu-ray:走れ! -Z ver.-(ミュージック・ビデオ)

    通常盤[編集]

    1. 青春賦
    2. 走れ! -Z ver.-
    3. 行く春来る春
    4. Link Link
    5. 青春賦(off vocal ver.)
    6. 走れ! -Z ver.-(off vocal ver.)
    7. 行く春来る春(off vocal ver.)
    8. Link Link(off vocal ver.)

    映画「幕が上がる」オリジナル・サウンドトラック[編集]

    映画「幕が上がる」
    オリジナル・サウンドトラック
    ももいろクローバーZサウンドトラック
    リリース
    時間
    レーベル キングレコード
    テンプレートを表示

    シングル「青春賦」と同日に映画『幕が上がる』のサウンドトラックも発売された。

    「青春賦(Movie ver.)」を含む全26曲。本編において使われた、以下グループ歴代曲の映画用BGMを収録。

    さらにボーナストラックとして、以下のシーン(映画の音声)がその場面のBGMとともに収録されている。

    • 銀河鉄道みたい(シーン #57) - 駅のホームで、さおりと中西さんが語り合うシーン
    • 行くぞ全国(シーン #94) - 大会の直前に、さおりが部員を前にして想いを語るシーン
    • 幕が上がる(シーン #100〜106) - ラストシーン

    出典[編集]

    1. ^ レコ協、3月ゴールドディスク認定作品発表”. MUSICMAN-NET. 2016年1月11日閲覧。
    2. ^ 『月刊ピアノ』2015年4月号
    3. ^ 堀埜浩二『ももクロを聴け!』p.263
    4. ^ ももクロあーりんや大島優子も 手話使うアイドル増える理由”. ニュースポストセブン. 2016年9月27日閲覧。
    5. ^ ももクロライブのアンコール曲が話題「りななんへの鎮魂歌」「青い未来へ...」”. モデルプレス. 2017年2月12日閲覧。
    6. ^ 映画のエンドロールおよびパンフレットではINFLAVA名義になっているが、ここではCDの表記を用いた
    7. ^ 安西信一『ももクロの美学 〈わけのわからなさ〉の秘密』廣済堂出版、2013年4月13日。 
    8. ^ “1位は「走れ!」ももクロライブでアガる曲トップ30決定”. ナタリー. https://natalie.mu/music/news/89148 2014年10月31日閲覧。 

    外部リンク[編集]