色彩設定

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色彩設定 (しきさいせってい)とは、アニメーションにおいて重要な役職の一つで、着色の際にどの色を使うかに関しての決定権を持つ色の総合責任者。関係する仕事は「色彩設計」「色指定」「仕上」の3つのセクションに分かれる。近年では「色彩設計」と呼ばれている。

概要[編集]

色彩設定の仕事は、アニメーションの登場人物や画面に現れる物体の色(人なら服・靴の色)など、作画によって表現される全てのものについて、何に対してどの色をつけるかをあらかじめ設定しルール化する仕事である。登場人物・場面ごとに細かく決める。監督演出家の意向を具体化させ、作品の世界観やイメージを作っていくのでとても重要である。

当初は美術監督の領域の仕事であったが、分業化に伴い設けられるようになった役職である。

色指定・検査[編集]

色彩設計者から色のデータをもらい、各話のシーンそれぞれの色を指定していくのがこの色指定という役職。基本的に複数の人が分担して担当する。

これはシリーズを通じてではなく、主に特定の話数だけに登場する人物や小物(サブ・ゲストキャラクター)の指定など、色彩設計の補佐的な仕事をする。あらかじめ話数ごとに会議で決められた色を、彩色事にどのカットに対してどの色を用いて彩色するか指示を出す作業をする。どの色を塗ればいいかという指示は原画を数枚ピックアップして、それに直接描き入れる。

デジタルに移行する前はセル画に絵の具で手作業で色を塗っていた。

一方、検査とは仕上検査を略したものであり、アニメでは色指定担当者が仕上検査も兼ねて仕事するのが通例である。別名で「セル検」とも呼ばれる。

あがってきたペイントデータを色パカが無いか(動画にした際につけ間違えた色がパカパカと点滅して見える現象)検査し、問題があればリテイクを出す。

仕上[編集]

実際に動いて絵に色を塗るのがこの仕上という役職。別名で「色トレス」、東映アニメーションでは「デジタル彩色」、トムス・エンタテインメントでは「デジタルペイント」と呼ぶ。

鉛筆で描かれた動画をトレスマシンでセル画に輪郭を写して設定通りに色を塗る。デジタルに移行してからはスキャナーで取り込んで色を塗る。

本来、色彩の仕事に関わる人全てを総じて仕上と呼んでいたが、現在は主に狭義で「実際にペイント作業をしている人」を仕上と呼ぶことが多い。

スタッフクレジットではセルアニメとの区別のために「デジタルペイント」と表記されることが多い。

特殊効果[編集]

セル画を用いてアニメが制作された頃には、エアブラシや筆などを用いて、色々な技法で加工を加え、透明感や立体感、質感を出す仕事。特効とも呼ばれる。また、画面が光る透過光も特殊効果の1つではあるが、仕上の特殊効果と、撮影の特殊効果はアニメの作業では区別されており、仕上の特殊効果は絵に対する作業のことを指す。デジタル時代になり撮影の守備範囲が大きく広がったことから、今までは仕上げ側が行っていたブラシ作業やグラデーション処理などを撮影で担当するようなことも多くなっている。

テレビアニメでのクレジット[編集]

基本的に色彩設計だが、いまだに「色彩設定」とクレジットする会社もある。また、diomedéaでは「カラーコーディネイト」とクレジットされる。

1990年代まではエンディングテーマでのクレジットだったが、現在では「おじゃる丸」「忍たま乱太郎」を除くほとんどのテレビアニメがオープニングテーマでクレジットしている。

仕上協力関係会社 (海外含む)[編集]

基本的に仕上/着色のみを事業内容とする制作会社は無い。主に動画を引き受けている制作会社が動画と共に仕上・着色を引き受ける場合が多いが、まだスタッフの要員が足りず動画・原画を引き受けられない場合、スタッフが揃うまでの間、仕上/着色のみを引き受けている場合もある。以下には、主に仕上・着色の事業内容が多い会社を示す(または一部門)。


関連項目[編集]