近鉄生駒線

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近畿日本鉄道 生駒線
1021系による生駒行き各駅停車 (信貴山下駅 - 勢野北口駅間)
1021系による生駒行き各駅停車
信貴山下駅 - 勢野北口駅間)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 奈良県
起点 王寺駅
終点 生駒駅
駅数 12駅
路線記号 G
開業 1922年5月26日
最終延伸 1927年4月1日
所有者 近畿日本鉄道
運営者 近畿日本鉄道
車両基地 西大寺検車区
使用車両 1021系、1031系
路線諸元
路線距離 12.4 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線(東山 - 萩の台間、南生駒 - 生駒間)
単線(上記以外の区間)
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 近鉄型ATS
最高速度 65 km/h
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生駒線(いこません)は、奈良県北葛城郡王寺町王寺駅から奈良県生駒市生駒駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線

概要[編集]

奈良県西部にある生駒山地の東側を走る。沿線には住宅地が広がり大阪・奈良への通勤路線となっている。一部の駅をのぞきほぼ全線で複線化の用地が確保されているが複線化は生駒よりの一部区間に留まっている。なお、正式な起点は王寺駅だが、列車運行上は生駒駅から王寺駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。

スルッとKANSAI対応カードおよびJスルーカード自動券売機での乗車券引き換えのみ)や、PiTaPaICOCASuicaなどの全国相互利用サービスのIC乗車カードが使用できる。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):12.4 km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:12駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:東山駅 - 萩の台駅間、南生駒駅 - 生駒駅間
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 最高速度:65 km/h
  • 閉塞方式:自動閉塞式

全線、大阪統括部(旧上本町営業局)の管轄である。

沿線概況[編集]

生駒山地と矢田丘陵に挟まれた場所を、ほぼ国道168号および竜田川に沿って走っている。生駒駅では奈良線けいはんな線が乗り入れ、生駒鋼索線(生駒ケーブル)の鳥居前駅が近接している。

生駒線は専用ホームの5・6番のりばから発車している。駅を出てすぐに右にカーブして南下を始め直進する。しばらくすると高架になり、国道168号のバイパスと竜田川との交点ある菜畑駅から竜田川の左岸を走る。高架を下って住宅地が広がる中を進み、一分駅を過ぎると第二阪奈有料道路をくぐり、南生駒駅に到着する。次の萩の台駅まで単線で、そこから再び複線になるが、それも次の東山駅までである。東山駅は掘削部にホームが設置されており、東山駅を出ると下り勾配が続く。トンネルを3つ過ぎると急カーブが続くようになり、渓谷の中を走るようになり元山上口駅に到着する。萩の台駅 - 元山上口駅間は輸送改善工事により新線に切り替えられており、東山駅も移設されている。この際に路線総延長が12.6kmから12.4kmとなった。

平群駅竜田川駅を通過し、右にカーブして新興住宅地の中にある勢野北口駅信貴山下駅と続く。信貴山下駅は三郷町の中心駅で、奈良側からの信貴山への入り口として、かつて東信貴鋼索線(東信貴ケーブル)が接続していたが1983年に廃止されており、その廃線跡の一部は道路に転用されている。

信貴山下駅を出発すると左に大きくカーブし、大和川を渡って関西本線大和路線)や和歌山線田原本線新王寺駅との乗換駅である終点の王寺駅に到着する。

運行形態[編集]

王寺駅 - 生駒駅間の全線運転列車が1時間に4本運転されているほか、平日朝に東山駅 - 生駒駅間の区間運転がある。全列車が各駅に停車し、通過駅を伴う列車の運行はない。

2004年3月18日から全列車でワンマン運転を実施している(20m車両4両編成によるワンマン運転は近鉄では初めて)。過去には車庫があった南生駒駅発着の列車もあったが、1987年9月のダイヤ変更で萩の台駅発着となり、1993年の東山駅の移設後に実施したダイヤ変更(1994年3月)以後は東山駅発着となった。

運転本数に関してはここ数年変動はなく、2012年3月20日変更のダイヤでは、王寺駅 - 生駒駅間の全線運転列車は平日ダイヤ・土休日ダイヤともに1日74往復、東山駅 - 生駒駅間の区間運転列車は平日ダイヤの朝方に7往復、それぞれ運転されている。東山駅 - 王寺駅間の単線区間では平群駅でほぼ終日にわたって列車交換が行われる「ネットダイヤ」を形成している。

2017年10月23日の台風21号による勢野北口駅 - 竜田川駅間の土砂災害以降、同区間の一部で徐行運転が行われ、2018年9月現在も継続中である。この区間は単線であり、従来約15分間隔、1時間に4本を基本とするダイヤで運転されていた。2017年10月25日に運転は再開されたが、被害による徐行のため遅延が常態化し、15分間隔の運行が維持できなくなった。このことから、同年11月6日より、東山駅 - 王寺駅間は約20分間隔、1時間に3本運転(一部時間帯は4本)を基本とする臨時ダイヤに変更された。2018年3月17日のダイヤ変更でもこの運行形態が継承されている。臨時ダイヤの詳細は「1988年からの近畿日本鉄道ダイヤ変更#2017年(未実施)」を参照。

大晦日から元旦にかけての終夜運転は、2000年代以降は生駒駅 - 王寺駅間に普通を60分間隔で運転しているが、2009年12月31日から2010年1月1日にかけての終夜運転では、2010年が「寅年」で信貴山朝護孫子寺への初詣客が例年より多くなることが予想されたことから、例年よりやや多い10往復が運転された[1]

車両[編集]

運用[編集]

車両の出入りは生駒駅の西側にある奈良線との連絡線を使用し、奈良線の上り本線で折り返して西大寺検車区に回送されている。平日ダイヤの深夜帯に、当線運用後の回送列車を活用した普通列車(車掌乗務)が奈良線生駒駅→大和西大寺駅間に1本設定されている。ワンマン回送列車待避用として奈良線東生駒駅の4両編成停止位置付近にカーブミラーが設置されている。

変遷[編集]

ワンマン化される前の生駒線は、1988年までは田原本線と共に820系800系400系といった中型車で運行されていた。1984年からは支線区の冷房化率向上の一環で冷房改造された8000系2両編成の併用を開始し、1989年からはVVVF制御車の1230系(奈良線系統用は1233系)を同線に集中投入して中型車を完全に置き換えた。1233系の運行開始に際しては当時奈良線系統に所属する在来車の連結器高さが同系や大阪線等他線区の車両と異なるため(他線は880mmだが奈良線のみ800mm)、これらの連結器高さが揃うまでの間は連結時に運用上制約の生じる編成(8000系・8400系8600系8800系および8810系の4両編成車、900系および9000系の2両編成車)を同線へ優先的に投入した。

1992年からは8000系列の4両編成車をラッシュ時間帯に併用開始。1996年のダイヤ変更からはそれまで早朝深夜帯に残存していた2両編成による運転が廃止されて終日4両編成による運転とされた。

なお、2001年3月ダイヤ変更から2003年3月ダイヤ変更までの間には、昼間時間帯における輸送力適正化の一環として一部列車が3両編成で運転され、8000系・8400系3両編成車を主体として使用された。

歴史[編集]

信貴山朝護孫子寺への参詣鉄道として、信貴生駒電気鉄道が王寺駅 - 山下駅(現在の信貴山下駅)間の鉄道と山下駅 - 信貴山駅間の鋼索線(のちの東信貴鋼索線。1983年廃止)を開業させたのが始まり。生駒まで全通したのは1927年である。信貴生駒電気鉄道改め信貴生駒電鉄は王寺駅 - 枚方駅間を結ぶ計画を立て、1929年私市駅 - 枚方東口駅(現在の枚方市駅)間に枚方線を開業させたが、これはのちに交野電気鉄道を経て京阪交野線となった。生駒駅 - 私市駅間は地形が複雑で勾配がきついことから、建設を断念した(のちに国道168号が建設された)。王寺駅 - 生駒駅間が近鉄の路線となったのは1964年のことである。

  • 1922年大正11年)5月16日:信貴生駒電気鉄道 王寺駅 - 山下駅(現在の信貴山下駅)間、鋼索線山下駅 - 信貴山駅間が開業。
  • 1925年(大正14年)11月6日:信貴生駒電鉄に信貴生駒電気鉄道の路線全線を譲渡。
  • 1926年(大正15年)10月21日:信貴生駒電鉄 山下駅 - 元山上口駅間が開業。
  • 1926年(大正15年)11月1日:竜田川駅が臨時駅として開業。
  • 1926年(昭和元年)12月28日:信貴生駒電鉄 元山上口駅 - 仮新生駒駅間が開業。
  • 1927年(昭和2年)
    • 4月1日:信貴生駒電鉄 仮新生駒駅 - 生駒駅[2][3] 間が開業。仮新生駒駅が廃止。菜畑駅が開業。
  • 9月21日:茸山駅が臨時駅として開業。
  • 1930年(昭和5年)12月19日:竜田川駅が常設駅となる。
  • 1951年(昭和26年)
    • 9月10日:山下駅が信貴山口駅に、茸山駅が常設駅となり東山駅に改称。
    • 11月20日:勢野北口駅が開業。
  • 1956年(昭和31年)
    • 9月10日:信貴山口駅が信貴山下駅に改称。
    • 12月13日:生駒線の生駒駅が奈良線の駅に統合[2]
  • 1964年(昭和39年)10月1日:近畿日本鉄道が信貴生駒電鉄を合併。生駒線・東信貴鋼索線となる。
  • 1969年(昭和44年)
  • 1977年(昭和52年)7月31日:菜畑駅 - 南生駒駅間が複線化。
  • 1980年(昭和55年)4月23日:萩の台駅が開業。
  • 1983年(昭和58年)9月1日:東信貴鋼索線 信貴山下駅 - 信貴山駅間が廃止。
  • 1992年平成4年)12月13日:菜畑付近が高架化。
  • 1993年(平成5年)
    • 1月29日:元山上口駅 - 萩の台駅間が線路移設され、0.2km短縮。東山駅が移設。
    • 3月17日:東山駅 - 萩の台駅間が複線化。
  • 1994年(平成6年)2月10日:菜畑駅 - 生駒駅間が複線化。
  • 2001年(平成13年)
  • 2003年(平成15年)3月6日:再び全列車が4両編成となる。
  • 2004年(平成16年)3月18日:ワンマン運転開始。
  • 2007年(平成19年)4月1日:各駅でPiTaPaICOCAの取り扱い開始。
  • 2009年(平成21年)3月1日:Jスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了[4]
  • 2017年(平成29年)

駅一覧[編集]

  • 運行系統上の下り方向に記述。『鉄道要覧』では起点を王寺駅としている。
  • 全駅奈良県に所在。
  • 線路 … ∥:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可)、∨:ここより上は複線・下は単線、∧:ここより上は単線・下は複線、▽:ここより上は複線・下は単線および生駒発着列車のみ交換可能
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 線路 所在地
G17 生駒駅 - 0.0 近畿日本鉄道:A 奈良線 (A17)・C けいはんな線 (C27)、Y 生駒鋼索線 …鳥居前駅 (Y17) 生駒市
G18 菜畑駅 1.2 1.2  
G19 一分駅 1.1 2.3  
G20 南生駒駅 1.2 3.5  
G21 萩の台駅 1.0 4.5  
G22 東山駅 0.9 5.4  
G23 元山上口駅 1.3 6.7   生駒郡平群町
G24 平群駅 1.2 7.9  
G25 竜田川駅 1.4 9.3  
G26 勢野北口駅 1.4 10.7   生駒郡三郷町
G27 信貴山下駅 0.8 11.5  
G28 王寺駅 0.9 12.4 近畿日本鉄道:I 田原本線 (I43) …新王寺駅
西日本旅客鉄道:Q 関西本線大和路線)・T 和歌山線
北葛城郡王寺町

過去の接続路線[編集]

主要駅の乗降客数[編集]

2015年11月10日調査による主要駅の乗降客数は次の通り[8]

  • 生駒 49,283人
  • 一分 5,418人
  • 南生駒 5,272人
  • 東山 3,802人
  • 平群 3,308人
  • 信貴山下 3,187人
  • 王寺 10,150人

脚注[編集]

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  1. ^ 年末年始ダイヤのご案内(大阪) (PDF) - 近畿日本鉄道 2009年11月10日
  2. ^ a b 日本鉄道旅行地図帳 p. 25
  3. ^ 和久田康雄『私鉄史ハンドブック』(電気車研究会 1993年)では「新生駒」となっていたが、正誤表 では「生駒」と訂正。
  4. ^ Jスルーカードの利用終了について (PDF) - 近畿日本鉄道 2008年12月2日
  5. ^ 台風第21号による被害状況等について(第3報) (2017/10/23 12:00現在) (PDF) - 国土交通省
  6. ^ 台風第21号による被害状況等について(第4報) (2017/10/24 7:00現在) (PDF) - 国土交通省
  7. ^ 一部運休の近鉄生駒線が全線で運転再開 線路流入土砂の「撤去完了」 - 産経新聞、2017年10月25日
  8. ^ 駅別乗降人員 生駒線 田原本線 信貴線 けいはんな線 - 近畿日本鉄道

参考文献[編集]

関連項目[編集]