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'''スクルド'''({{lang-non|Skuld}}、または{{lang|non|Sculd}}<ref>『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁で確認した綴り。</ref>)は、[[北欧神話]]に登場する[[運命]]の[[女神]]、[[ノルン]]たち(ノルニル)の一柱で、三姉妹の三女<ref name="kodai253">『エッダ 古代北欧歌謡集』253頁。</ref>。その名前は「税」「債務」「義務」<ref>『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁。</ref>または「未来」<ref name=ORCHARD151>Orchard (1997:151).</ref>を意味する<ref>たとえば英語に於いて「義務」と「未来」を表す助動詞 shall, should は古英語 sceal, sceolde (< sculan: owe, be obliged)に由来し、この語はゲルマン祖語*skal- *skul-に遡る。ドイツ語「負債・恩義 schuld」も同根である。本項のスクルド(Skuld)もまた、これらの語と同根であり「義務・負債・未来」の意味を有する。</ref>。 |
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== 概説 == |
== 概説 == |
2010年10月24日 (日) 10:55時点における版
スクルド(古ノルド語: Skuld、またはSculd[1])は、北欧神話に登場する運命の女神、ノルンたち(ノルニル)の一柱で、三姉妹の三女[2]。その名前は「税」「債務」「義務」[3]または「未来」[4]を意味する[5]。
概説
『古エッダ』の『巫女の予言』によれば、三姉妹はユグドラシルの根元の海から現れたという[6]。
一般的にスクルドは未来を司ると解釈される。
スクルドという名はワルキューレの一柱にもみられる。『巫女の予言』では、ヘリアン(「軍勢の父」の意)すなわちオーディンの娘であるワルキューレ達が、楯を持ったスクルドを先頭にして天を飛んでいく様子が描写される[7]。また、『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第36章では、運命の女神で一番年下のスクルドが、ワルキューレのグズ(en)、ロタと共に戦場に現れては戦いの決着に関与し、戦死者を選び取っているとされている[2]。ただし、ノルンとしてのスクルドとワルキューレとしてのスクルドが同一神格であるかについては議論が分かれている[要出典]。シーグルズル・ノルダルは、ワルキューレとしてのスクルドがより古くから知られていたと考えている[8]。
脚注
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁で確認した綴り。
- ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』253頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁。
- ^ Orchard (1997:151).
- ^ たとえば英語に於いて「義務」と「未来」を表す助動詞 shall, should は古英語 sceal, sceolde (< sculan: owe, be obliged)に由来し、この語はゲルマン祖語*skal- *skul-に遡る。ドイツ語「負債・恩義 schuld」も同根である。本項のスクルド(Skuld)もまた、これらの語と同根であり「義務・負債・未来」の意味を有する。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』12、21頁。
- ^ 『巫女の予言 エッダ詩校訂本』167頁。
関連項目
参考文献
- V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- シーグルズル・ノルダル『巫女の予言 エッダ詩校訂本』菅原邦城訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01225-2。
- Orchard, Andy (1997). Dictionary of Norse Myth and Legend. Cassell. ISBN 978-0-304-34520-5.