測量士補
測量士補 | |
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英名 | Assistant Surveyor[1] |
略称 | 士補 |
実施国 |
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資格種類 | 国家資格 |
分野 | 不動産・建築 |
試験形式 | 養成、単位、筆記のいずれか |
認定団体 | 国土交通省国土地理院 |
認定開始年月日 | 1949年9月1日 |
等級・称号 | 測量士補 |
根拠法令 | 測量法 |
公式サイト | https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm 国土地理院 |
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測量士補(そくりょうしほ)とは、測量業者に従事して測量を行うために必要となる国家資格である。測量法に基づき、国土交通省国土地理院が所管している。
概要[編集]
名称に「補」が付く通り、測量業者に従事する測量士が作製した計画に従って測量を行う、つまり測量業者の行う測量において測量士の補佐を行う技術者に求められる資格である。
測量法上、測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事するとされる(48条3項)。
なお、土地家屋調査士法の規定により、公共事業に関わる測量が登記にも関わる場合には測量業者が行うことはできず、土地家屋調査士が行う必要がある。ただし、当該測量が測量法第5条に定める測量(公共測量)に該当する場合は、土地家屋調査士であっても、測量士又は測量士補の資格を持たずに当該測量に技術者として従事し、または測量業者の登録を受けずに当該測量を請け負うことは違法である(測量法48条1項・55条1項)。
土木や測量の業界内では略して「士補(しほ)」と呼ぶ事がある。
資格[編集]
下記のいずれかに該当する者に、測量士補となる資格が与えられる[2]。
測量士補となる資格を有する者が、測量士補になろうとする場合は、測量士補名簿への登録を申請しなければならない[3]。
測量士補または測量士の有資格者は、土地家屋調査士の試験のうち土地及び家屋の調査及び測量についての平面測量および作図の筆記試験(午前試験)が免除される[4]。
測量士補または測量士の有資格者は、補償業務管理士の試験のうち専門科目の筆記試験が免除される。
試験[編集]
- 受験資格
- 年齢、性別、学歴、実務経験などに関係なく受験可能。
- 検定実施日
- 毎年、5月中旬頃に実施。
- 検定会場
- 札幌市、仙台市、秋田市、東京都、富山市、長野市、静岡市、名古屋市、大阪市、松江市、広島市、高松市、太宰府市、鹿児島市、那覇市などで行われる。
- 試験科目
計算機は使うことが出来ない。
測量士補試験はマークシート方式で、合格は28問中、18点合格である。
科目ごとの足きりはない。
- 合格率の推移
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1950年(昭和25年) | 30,437 | 24,171 | 79.41% |
1951年(昭和26年) | 15,127 | 8,029 | 53.08% |
1952年(昭和27年) | 10,095 | 1,669 | 16.53% |
1953年(昭和28年) | 8,241 | 1,459 | 17.70% |
1954年(昭和29年) | 7,022 | 1,686 | 24.01% |
1955年(昭和30年) | 7,684 | 2,620 | 34.10% |
1956年(昭和31年) | 8,789 | 1,496 | 17.02% |
1957年(昭和32年) | 9,070 | 1,700 | 18.74% |
1958年(昭和33年) | 8,365 | 1,128 | 13.48% |
1959年(昭和34年) | 8,730 | 2,849 | 32.63% |
1960年(昭和35年) | 9,855 | 1,406 | 14.27% |
1961年(昭和36年) | 9,422 | 1,508 | 16.01% |
1962年(昭和37年) | 9,069 | 1,811 | 19.97% |
1963年(昭和38年) | 10,606 | 1,407 | 13.27% |
1964年(昭和39年) | 11,727 | 2,527 | 21.55% |
1965年(昭和40年) | 12,257 | 1,437 | 11.72% |
1966年(昭和41年) | 13,716 | 1,687 | 12.30% |
1967年(昭和42年) | 13,717 | 1,948 | 14.20% |
1968年(昭和43年) | 13,449 | 2,306 | 17.15% |
1969年(昭和44年) | 13,493 | 2,894 | 21.45% |
1970年(昭和45年) | 15,348 | 3,167 | 20.63% |
1971年(昭和46年) | 16,611 | 3,541 | 21.32% |
1972年(昭和47年) | 18,143 | 3,669 | 20.22% |
1973年(昭和48年) | 19,383 | 3,694 | 19.06% |
1974年(昭和49年) | 22,155 | 4,498 | 20.30% |
1975年(昭和50年) | 22,188 | 4,409 | 19.87% |
1976年(昭和51年) | 21,844 | 4,062 | 18.60% |
1977年(昭和52年) | 20,963 | 3,923 | 18.71% |
1978年(昭和53年) | 21,614 | 4,233 | 19.58% |
1979年(昭和54年) | 20,942 | 4,536 | 21.66% |
1980年(昭和55年) | 23,973 | 5,059 | 21.10% |
1981年(昭和56年) | 25,029 | 4,781 | 19.10% |
1982年(昭和57年) | 24,376 | 5,086 | 20.86% |
1983年(昭和58年) | 22,600 | 5,779 | 25.57% |
1984年(昭和59年) | 22,340 | 4,346 | 19.45% |
1985年(昭和60年) | 21,197 | 4,539 | 21.41% |
1986年(昭和61年) | 19,386 | 3,731 | 19.25% |
1987年(昭和62年) | 18,962 | 3,798 | 20.03% |
1988年(昭和63年) | 19,215 | 3,537 | 18.41% |
1989年(平成元年) | 19,530 | 3,573 | 18.29% |
1990年(平成2年) | 18,353 | 3,202 | 17.45% |
1991年(平成3年) | 18,858 | 3,396 | 18.01% |
1992年(平成4年) | 19,374 | 3,840 | 19.82% |
1993年(平成5年) | 19,772 | 3,457 | 17.48% |
1994年(平成6年) | 21,391 | 4,407 | 20.60% |
1995年(平成7年) | 23,317 | 4,538 | 19.46% |
1996年(平成8年) | 25,324 | 4,897 | 19.34% |
1997年(平成9年) | 26,610 | 5,336 | 20.05% |
1998年(平成10年) | 25,360 | 4,531 | 17.87% |
1999年(平成11年) | 23,757 | 4,015 | 16.90% |
2000年(平成12年) | 21,874 | 4,414 | 20.18% |
2001年(平成13年) | 19,749 | 4,550 | 23.04% |
2002年(平成14年) | 18,566 | 2,237 | 12.05% |
2003年(平成15年) | 17,102 | 2,294 | 13.41% |
2004年(平成16年) | 15,449 | 3,844 | 24.88% |
2005年(平成17年) | 13,189 | 3,726 | 28.25% |
2006年(平成18年) | 11,583 | 2,716 | 23.45% |
2007年(平成19年) | 11,052 | 2,654 | 24.01% |
2008年(平成20年) | 10,858 | 2,435 | 22.43% |
2009年(平成21年) | 10,520 | 2,704 | 25.70% |
2010年(平成22年) | 10,387 | 2,757 | 26.54% |
2011年(平成23年) | 10,233 | 2,192 | 21.42% |
2012年(平成24年) | 10,551 | 4,289 | 40.65% |
2013年(平成25年) | 10,596 | 2,248 | 21.22% |
2014年(平成26年) | 11,118 | 4,417 | 39.73% |
2015年(平成27年) | 11,608 | 3,251 | 28.01% |
2016年(平成28年) | 13,278 | 4,767 | 35.90% |
2017年(平成29年) | 14,042 | 6,639 | 47.27% |
2018年(平成30年) | 13,569 | 4,555 | 33.57% |
2019年(令和元年) | 13,764 | 4,924 | 35.77% |
2020年(令和2年) | 10,361 | 3,138 | 30.29% |
2021年(令和3年) | 12,905 | 4,490 | 34.79% |
- 受験対策
詳細は「予備校#土地家屋調査士/測量士・測量士補/不動産鑑定士の各予備校」を参照
沿革[編集]
- 1949年(昭和24年)9月1日 : 測量法により資格を新設。
- 1950年(昭和25年)5月6日 : 第1回試験を実施[5]。
- 1960年(昭和35年)4月1日 : 不動産登記法の一部を改正する等の法律(昭和35年法律第14号)附則第17条により土地家屋調査士法が改正したことにより、測量士若しくは測量士補又は建築士となる資格を有する者は、土地家屋調査士試験のうち土地及び家屋の調査及び測量についての平面測量及び作図の試験を免除することとされた。(経過規定により改正法の施行の際現に土地家屋調査士名簿に登録を受けている者及び昭和35年9月30日までに土地家屋調査士名簿に登録を受ける者の土地家屋調査士の資格に関しては従前の例による。)
- 1969年(昭和44年)11月23日 : 沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の施行に伴い、琉球政府において試験が開始される[6]。
脚注[編集]
- ^ Surveyorは、積算・調査・鑑定等をする様々な職種に使われる語であり、日本では積算士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、建築士等にも使われることから、それらの職種の補助者もAssistant Surveyorとなる。 法務省作成の日本法令外国語訳データベースシステムでは測量士以外に建築主事の訳語としても使用されており、建築主事を補助する建築職の公務員もAssistant Surveyorとなる。そのため、測量士補をAssistant Surveyorと呼ぶことも可能であるが、測量技術者の補助者という意味には受け取られない可能性があり注意が必要である。
- ^ 測量法第51条
- ^ 測量法第49条
- ^ a b 1950年(昭和25年)7月31日法律第228号「土地家屋調査士法」
- ^ 1950年(昭和25年)2月7日官報本紙第6920号60ページ建設省公告「測量士及び測量士補試験公告」
- ^ 1969年(昭和44年)9月23日官報第12831号13ページ国家試験「沖繩における昭和44年測量士試験及び測量士補試験の施行」
参考文献[編集]
- 『Selected and Current Works (Master Architect)』 Arup Associates、1994年
- 積算技術研究会著、建設省住宅局建築指導課監修『全訂建築積算資格者試験問題と解説学科編』大成出版社、2000年
- 布野修司『近代世界システムと植民都市』京都大学学術出版会、2005年