気象予報士
![]() | この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
気象予報士 | |
---|---|
実施国 |
![]() |
資格種類 | 国家資格 |
分野 | サービス・技能 |
試験形式 | 筆記 |
認定団体 | 気象業務支援センター |
等級・称号 | 気象予報士 |
根拠法令 | 気象業務法第24条の5 |
![]() ![]() |
気象予報士(きしょうよほうし)は、日本の国家資格の一つで、気象業務法第3章の2に基づき、指定試験機関(気象業務法第24条の5、一般財団法人気象業務支援センター)が実施する知識及び技能についての試験(以下、気象予報士試験という)に合格した者(同法第24条の4)であって、気象庁長官による登録(同法第24条の20)を受けた者をいう。
1993年(平成5年)の気象業務法改正によって、気象庁以外の者に対する予報業務の許可が一般向け予報業務についても実施されることになった際、その予報業務の技術水準及び信頼性を担保するための予想担当者の技能試験として創設された。第1回試験は、1994年(平成6年)8月28日に実施されている。
概要[編集]
気象庁長官の許可を受けて予報業務を行う予報業務許可事業者は、予報業務を行う事業所ごとに気象予報士を置かなければならず(同法19条の2)、予報業務のうち現象の予想については、気象予報士に行わせなければならない(同法19条の3)。
予報業務許可事業者は、一日当たりの現象の予想を行う時間に応じて、所要の人数の専任の気象予報士を置かなければならない(気象業務法施行規則第11条の2)。ただし、気象予報士と予報業務許可事業者との間に雇用などの専属の関係は必要ではなく、気象予報士は、複数の事業者のために現象の予想を行うこともできる[注釈 1]。
ただし、2007年(平成19年)の気象業務法の改正により新たに許可されることになった地震動(緊急地震速報)および火山現象の予報業務については、気象予報士を置く必要はなく、これとは別に所定の技術基準に適合した方法により現象の予想を行うこととされている。
この資格が新設された当初、テレビの気象解説者が試験を受けて話題になったが、現象の予想を伴わない単なる天気解説(気象庁や気象予報会社の発表した予報を解説するだけ)には、気象予報士の資格は必要ないため、以前からお天気お姉さんと通称される女性キャスターが登用されることもあった(予報は日本気象協会の職員が行う)。NHK・民間放送とも、気象予報士の資格を持つアナウンサーもみられる。
自衛隊において気象予報士は、予報官として幹部任用資格となっている他、技術曹制度の対象でもある。
2021年(令和3年)3月12日現在、気象予報士名簿に登録された気象予報士の数は、10,840名となっている[1]。男女比は男性 88%、女性12%[2]。気象予報士のうち、予報業務許可事業者に就職している者は700名程度、そのうち現象の予想を担当しているのは400 - 450名程度とみられる[注釈 2]。
一方、予報業務許可事業以外の業界において、多くの気象予報士が、経営判断のための気象情報の分析、報道・教育等用の気象コンテンツの作成等に携わっており、制度の目的外で活用される資格ともなっている。
気象予報士の団体として日本気象予報士会があるが、これは弁護士会などと違い、任意加入団体である。気象関連業務従事者の加入割合は少なく、また、活動のほとんどが同好会のような性格であることから、加入率は、4割を下回っている(詳しくは日本気象予報士会の項目参照)。
2021年(令和3年)4月現在の史上最年少合格者は、2017年(平成29年)に11歳11か月で合格した北海道北見市の小学6年生の女子で、4度目の受験で合格した[3]。男性最年少は2021年(令和3年)に12歳0か月で合格した福岡市の小学6年生で、同じく4度目の受験での合格だった[4]。最年長は1998年(平成10年)に74歳10か月で合格した元・高校教諭の男性。
国家試験[編集]
気象予報士試験は8月と翌年1月の日曜日に一年度2回行われている。法律では年1回以上と定められているが、2020年(令和2年)現在、一年度2回が通例となっている。合格率は第1 - 4回頃まで現業の受験者が多かったことから高めに推移した(過去最高は第1回の18.0%)。その後は4 - 6%台で推移し、平均の合格率は約5%である。2012年(平成24年)8月の第38回(通回)試験において沖縄会場で実施予定の試験が台風15号の影響で同試験史上初の延期となった。
受験資格[編集]
- 制限なし(年齢・学歴等に関係なく受験可能であるが、気象業務法による処分を受けた場合を除く)
試験科目[編集]
- 学科試験(多肢選択式)
- 実技試験1、2(記述式)…各75分間
- 気象概況及びその変動の把握
- 局地的な気象の予想
- 台風等緊急時における対応
学科試験に合格して実技試験に不合格だった、または学科試験の一部のみ合格点を取った者は、その後1年間(試験2回)、合格点を取った試験が免除される。また、気象庁または自衛隊で予報の実務経験がある者などについても、学科試験の免除制度が用意されている。
合格基準[編集]
- 学科試験(予報業務に関する一般知識):15問中正解が11以上
- 学科試験(予報業務に関する専門知識):15問中正解が11以上
- 実技試験:総得点が満点の70%以上
(※ ただし、難易度により調整される場合がある)
試験地[編集]
北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県の6都道府県で行われる。なお、一つの試験地で試験会場は複数ある場合がある。
試験手数料[編集]
- 免除科目なし - 11,400円
- 学科一科目が免除 - 10,400円
- 学科二科目が免除 - 9,400円
著名人の合格者[編集]
- 石原良純 - タレント
- 三浦奈保子 - タレント
- 小林豊 - TBS社員、元アナウンサー
- 市川寛子 - テレビ朝日社員、元アナウンサー
- 窪塚俊介 - 俳優
- 片岡信和 - 俳優
- 清原博 - 国際弁護士
- 泉麻人 - コラム二スト
- 3代目桂文之助 - 落語家
- 春風亭昇吉 - 落語家
- 春日萌花 - プロレスラー
- 武藤十夢 - AKB48
- 阿部亮平 - ジャニーズ事務所「Snow Man」
- 矢部太郎 - お笑い芸人「カラテカ」
- 藤井ペイジ - お笑い芸人「飛石連休」
- 白坂みあん - AV女優
- 南雲穂波 - 名古屋テレビアナウンサー
- 桜沢信司 - CBCテレビ社員、元アナウンサー
- 沢朋宏 - CBCテレビアナウンサー
- 古川枝里子 - CBCテレビアナウンサー
- 磯貝初奈 -フリーアナウンサー、 元・中京テレビアナウンサー
- 福島智之 - 東海テレビアナウンサー
- 山岸愛梨 - ウェザーニューズキャスター