平成四天王

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 平成四天王 
名前 平成四天王
出身地 台湾台北市北海道旭川市三重県志摩市千葉県千葉市
所属 日本棋院東京本院・中部総本部
師匠 林海峰菊池康郎羽根泰正藤沢秀行
概要
七大タイトル
棋聖 10期 (2003-12)
名人 9期 (2004-08・11-12・16・18)
本因坊 9期 (2003-11)
王座 9期 (2003-11)
天元 7期 (2001-04・08-09・14)
碁聖 6期 (2000・06-09・11)
十段 4期 (2008-10・14)

平成四天王(へいせいしてんのう)は、平成期に活躍しているトップ囲碁棋士四名の総称。張栩山下敬吾高尾紳路羽根直樹の四人を指す。

棋士[編集]

棋士 段位 生年 7大
棋戦
主な実績
張栩 九段 (1980-01-20) 1980年1月20日(38歳) 24期 五冠グランドスラム名人本因坊王座7期
山下敬吾 九段 (1978-09-06) 1978年9月6日(40歳) 14期 棋聖4連覇、本因坊2期、名人本因坊
高尾紳路 九段 (1976-10-26) 1976年10月26日(42歳) 8期 名人2期、本因坊3連覇、名人本因坊
羽根直樹 九段 (1976-08-14) 1976年8月14日(42歳) 8期 棋聖2期、本因坊2期、天元3連覇

概要[編集]

1970年代後半から木谷一門大竹英雄石田芳夫武宮正樹加藤正夫小林光一趙治勲など)が台頭して以降、依田紀基を除いては若手の世代の棋士達からタイトルを奪取できる棋士が長らく現れない時代が続いていた。その中で木谷一門から一世代若手で活躍していた4人の棋士(片岡聡山城宏王立誠小林覚)が若手四天王と呼ばれていた。若手四天王は82・83年の片岡聡による天元戦2連覇、王立誠による1998-2000年の王座戦三連覇、2000-2002年の棋聖戦三連覇など、木谷一門の勢力を駆逐する新たな世代と思われていた。

しかし1990年代後半から張、山下、羽根、高尾の四人が二十歳前後の若さで相次いで好成績をあげ始めたことから「新若手四天王」と呼ばれ将来を嘱望されるようになった。2000年の山下の碁聖位獲得を皮切りに、2004年から2008年までは三大タイトルを独占、2008年には七大タイトルを独占、2006年から2010年までの全ての七大タイトルに登場するなど、その後の活躍も大きく、「平成四天王」と呼ばれるようになり平成囲碁界の中心的存在となった。

2009年に張から最年少で名人位を奪取した井山裕太が台頭し始める。2000年から2012年までの13年間は4人のうち誰かがタイトルを保持していたが、2013年は井山が史上初の六冠を獲得したことで4人とも無冠となった。

2016年は張がNHK杯戦で優勝、さらに高尾が七冠独占を果たしていた井山から名人位を奪い返すなど奮闘。

2017年1月19日張栩が通算900勝を達成したことにより4人全員通算900勝達成[1]。達成順は高尾(2014)[2]→山下(2015)[3]→羽根(2016)[4]→張栩(2017)[1]。まず高尾が史上最年少記録・史上最短期間・達成時勝率(史上初の.700)を更新し[2]、山下が高尾の史上最年少記録・史上最短期間を更新(勝率は高尾に次ぐ2位)[3]。羽根は高尾・山下に次ぐ到達期間史上3位になり、年少記録は山下・高尾・趙治勲名誉名人に次ぐ4位に[4]。さらに張が山下の最年少記録を更新。到達期間は山下に次ぐ2位、勝率は高尾に次ぐ2位に着けた[1]

2017年は高尾が井山六冠から名人位を奪われ再び井山七冠を許す。また、タイトル挑戦手合に年度で3回以上出られなかったのは2002年以来15年ぶり。

2018年の第43期名人戦において張は井山から10期ぶりに名人位を奪取した[5]

若手時代[編集]

  • 1995 羽根:新鋭トーナメント戦優勝
  • 1996 高尾: 新人王戦優勝
  • 1998 山下: 新人王戦優勝(以後4連覇)高尾:新人王戦準優勝
  • 1999 羽根: 王冠、新人王戦準優勝
  • 2000 張栩: 棋聖・本因坊リーグ入り; 山下:碁聖; 高尾:竜星; 羽根:名人・本因坊リーグ入り、新人王戦準優勝
  • 2001 張栩: 本因坊戦挑戦者; 羽根:天元、棋聖リーグ入り
  • 2002 張栩: NHK杯、新人王戦優勝; 山下:棋聖・名人・本因坊リーグ入り; 羽根:天元

七大タイトル歴[編集]

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色付きのマス目は獲得(奪取または防衛)、濃い色付きのマス目は四天王同士の対決(上段が勝者)。青色は挑戦者または失冠。他の棋士との比較は、囲碁のタイトル在位者一覧囲碁の記録一覧を参照。

棋聖 十段 本因坊 碁聖 名人 王座 天元 備 考
2000年
(平成12)
山下敬吾 山下新碁聖
2001年
(平成13)
張栩 山下敬吾 羽根直樹 羽根新天元
2002年
(平成14)
羽根直樹
2003年
(平成15)
山下敬吾 張栩 山下敬吾 張栩 羽根直樹
山下敬吾
山下新棋聖、張新本因坊、張新王座
2004年
(平成16)
羽根直樹
山下敬吾
張栩 張栩 張栩 張栩
山下敬吾
山下敬吾
羽根直樹
羽根新棋聖、張新名人、山下新天元
2005年
(平成17)
羽根直樹 高尾紳路
張栩
張栩 張栩
山下敬吾
山下敬吾 高尾新本因坊
2006年
(平成18)
山下敬吾
羽根直樹
山下敬吾 高尾紳路 張栩 高尾紳路
張栩
山下敬吾
張栩
山下敬吾 張新碁聖、高尾新名人、山下新王座
すべてのタイトル戦に四天王が出場。
2007年
(平成19)
山下敬吾 山下敬吾 高尾紳路 張栩 張栩
高尾紳路
山下敬吾 山下敬吾
2008年
(平成20)
山下敬吾 高尾紳路 羽根直樹
高尾紳路
張栩
山下敬吾
張栩 張栩
山下敬吾
張栩 高尾新十段、羽根新本因坊、張新天元
四天王がタイトル独占
2009年
(平成21)
山下敬吾 張栩
高尾紳路
羽根直樹
高尾紳路
張栩 張栩 張栩 山下敬吾
張栩
張新十段、張史上初の五冠
張碁聖4連覇、山下棋聖4連覇
2010年
(平成22)
張栩
山下敬吾
張栩
山下敬吾
山下敬吾
羽根直樹
張栩 高尾紳路 張栩 山下敬吾 張新棋聖、山下新本因坊
張史上二人目のグランドスラム
2011年
(平成23)
張栩 張栩 山下敬吾
羽根直樹
羽根直樹 山下敬吾 張栩
羽根直樹
羽根新碁聖、山下新名人、張王座4連覇
2012年
(平成24)
張栩
高尾紳路
張栩 山下敬吾 羽根直樹 山下敬吾
羽根直樹
張栩
2013年
(平成25)
張栩 高尾紳路 山下敬吾 張栩 四天王11年10ヶ月ぶりの無冠に
相手はすべて井山裕太
2014年
(平成26)
山下敬吾 高尾紳路 高尾紳路 高尾新天元
2015年
(平成27)
山下敬吾 高尾紳路 山下敬吾 山下敬吾 高尾紳路 高尾紳路 四天王再び無冠に
2016年
(平成28)
山下敬吾 高尾紳路 高尾紳路 井山裕太七冠から高尾が奪取
2017年
(平成29)
山下敬吾 高尾紳路 高尾が取られ再び井山七冠に
2018年
(平成30)
山下敬吾 張栩 張が井山から10期ぶりに名人位を奪取
棋聖 十段 本因坊 碁聖 名人 王座 天元 備 考

2018年11月現在54タイトル獲得(名人戦まで)

囲碁七大タイトル獲得記録
順位 獲得回数 棋士名
1位 42期 趙治勲名誉名人*
2位 41期 井山裕太棋聖*
3位 35期 小林光一名誉棋聖*
4位 31期 加藤正夫名誉王座
5位 24期 張栩名人*
6位タイ 21期 二十三世本因坊栄寿 | 林海峰名誉天元*
8位 17期 大竹英雄名誉碁聖*
9位タイ 14期 藤沢秀行名誉棋聖| 山下敬吾九段*
*は現役棋士
2018年名人戦終了時点

棋道賞[編集]

  • 最優秀棋士賞 9回(9年連続) 張栩:7回 / 山下敬吾:2回
  • 優秀棋士賞 16回(7年連続) 張栩:3回 / 山下敬吾:6回 / 高尾紳路 : 2回 / 羽根直樹 : 5回
  • 最多勝利賞 13回 (9年連続) 張栩:5回 / 山下敬吾:3回 / 高尾紳路 : 2回 / 羽根直樹 : 3回

その他のタイトル[編集]

  • 2004 高尾紳路:竜星戦; 羽根直樹:阿含・桐山杯
  • 2005 張栩:NECカップ、NHK杯
  • 2006 張栩:阿含・桐山杯、竜星戦; 高尾紳路:大和証券杯; 羽根直樹:NHK杯
  • 2007 張栩:NECカップ、阿含・桐山杯、竜星戦; 高尾紳路:大和証券杯
  • 2008 張栩:阿含・桐山杯、NHK杯
  • 2009 羽根直樹:NECカップ、阿含・桐山杯
  • 2010 山下敬吾:阿含・桐山杯、竜星戦
  • 2011 張栩:NECカップ
  • 2012 張栩:阿含・桐山杯; 高尾紳路: NECカップ
  • 2013 山下敬吾:竜星戦
  • 2016 張栩:NHK杯

国際棋戦での活躍[編集]

四天王同士の対戦成績[編集]

挑戦手合[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]