ポルシェ・991

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ポルシェ・911(7代目)
991型
991型911
2012 NAIAS Red Porsche 991 convertible (world premiere).jpg
リア
Porsche911(991)rear.JPG
販売期間 2011年-
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン 水冷 水平対向6気筒 DOHC 3,436cc
水冷 水平対向6気筒 DOHC 3,799cc
駆動方式 RR / 4WD
変速機 7速MT
7速PDK
サスペンション 前 マクファーソンストラット+コイル
後 マルチリンク+コイル
全長 4,491mm
全幅 1,808mm
全高 1,303mm
ホイールベース 2,450mm
車両重量 1,350kg
先代 997
-自動車のスペック表-

ポルシェ・991911の7代目モデルである。

解説[編集]

2011年8月23日、新型911カレラおよび911カレラSが正式発表され、翌9月のフランクフルトモーターショーで世界デビューを飾った。同年11月10日より日本での受注開始。2012年8月27日にカレラ4およびカレラ4Sの日本での受注を開始した。2013年5月3日にターボモデルである911ターボが発表され、日本では5月14日から受付を開始した。

最大の特徴は車体への軽量金属の大幅な導入であり[1]、これによって997型と比較して剛性を高めつつ、60kgの軽量化が図られた[1]。軽量金属は主にアルミニウム合金が使用され[1]、ドア・フロントからボンネットの外装など広範囲に用いられ[1]、スチール・アルミハイブリッドシャシと呼ばれた[1]。またセンタートンネル近辺にはマグネシウム合金も使用された[1]。997型と比較してAピラーは寝かされ、ヘッドライト間の距離も長くなり、ホイールベース・全長も延長され、全体的に997型と比較してワイド&ローの印象が強くなったが[1]、全高はほとんど変化していない。ホイールベースの延長は主にレース活動サイドからの要求で[1]、フロントのトレッド幅の拡大も同じ理由による[1]。空気抵抗係数は997型と変わらず0.29である[2]。最大幅は1,810mmで997型と同一である[2]。外装部品に関しては996型・997型で不評だった、ボクスターとの共通部品の使用はなくなった。ただし従来どおり車両内部の部品については、シャシやエンジン、サスペンションアームなど多くの部品をボクスターと共有している。

エンジンの搭載位置は変わっていないが[1]、ホイールベースの延長に伴い後輪の位置が変わりドライブシャフトとトランスミッションの角度がより好ましい角度に修正されている[1]。ホイールは911カレラで19インチ、911カレラSでは20インチが標準装着された[2]。911カレラSでは従来どおりPSM、PASMが標準装備された(911カレラは標準ではPSMのみ)。またアクティブスタビライザー(PDCC)やトルクベクタリング(PTV)、ダイナミックエンジンマウント(997ターボには搭載済み)などの機能がオプションとして新たに用意された[2]。PASM(可変減衰力ダンパー)も4つの車高センサーが追加され制御精度が向上した[2]。リヤエンジンフードを開けてもエンジン本体は目視できず、オイル交換や冷却水追加などのメンテナンス用の開口部となった[2]。可動性リヤウイングは面積が拡大され、立ち上げ高さも増え、より効果的に作用するようになり、スポイラー自体も20%軽量化されている[2]。乗り味としては997と比較してさらにリヤの安定性が増し[1]、もはやRRを意識させられない印象で、996-997とは完全に異なった乗り味になっている[1]。このため911らしくないという声も自動車評論家から聞かれた[1]が、特にホイールベースの延長によってピッチングが抑制され、より上質な乗り心地となった[2]、直進性や高速コーナーの安定性が増した[2]とされた。

内装はセンターコンソールの両側にスイッチ類が並べられるパナメーラに準じている。中央タコメーター右側にはVGAディスプレイが用意され、左右前後方向のGなど様々な情報が表示される[2]。997と比較してホイールベースが延長されたが[1]、室内の居住空間は997同等で広くなっていない[1]が、レッグスペースは6mmとわずかに拡大している[2]。室内高は997型と不変。唯一後部座席背面の荷物収納スペースが明らかに広くなった[2]。フロントのトランク容量は997と比較して減少した[1]。運転席のペダル類はアームの断面積を拡大して剛性を向上させている[1]エア・コンディショナーは左右独立温度調整システムとなった。また日本仕様には全車にクラリオン製オーディオ統合型カーナビゲーションが搭載され、オプションでボーズ製サウンドシステムに変更することも可能。911としては初の電動可倒式サイドミラーもオプション設定された。サンルーフはアウタースライド式となり従来式と比較すると室内スペースの犠牲が少なくなった。サンルーフの状態に対応してリヤスポイラーの角度と高さは自動的に最適位置に制御される[2]

2013年3月5日、ポルシェ・996からカタログモデルとなっている911 GT3がサロン・アンテルナショナル・ド・ロトにおいて発表された。日本での予約受注開始は3月12日からとなっている。911 GT3の発表は2013年であり911誕生50周年の節目の年であるため、2013年3月現在のカタログのページには911 50thアニバーサリーのロゴが入れられている。

2013年6月4日、1963年の初代911から50周年を迎えたことから、911 50thアニバーサリーエディションを発表した。生産台数は1963年にちなみ1963台生産される。911カレラSをベースとし、リアには50thアニバーサリーのエンブレムが装着される。

2014年1月14日、ポルシェAGは911タルガ4、911タルガ4Sを発表した。991型は、初代901型、930型、964型に採用されていたクラシカルなタルガをモチーフにしている[3]993型996型997型のタルガモデルはリアウインドウと内部で重なるかたちでルーフが格納される仕組みだったが、991型はリアウインドウがせり上がり、布製ルーフが折りたたまれて格納される仕組みである。

後期型カレラ4S

2015年3月3日、ポルシェAGはサロン・アンテルナショナル・ド・ロトにおいて、911 GT3RSを発表した。2015年3月23日には日本でも予約受注を開始し、ポルシェAGは2016年始めまでに2,000台を生産する事を目標としている。

エンジン[編集]

エンジンは997型のエンジンをベースに新開発され行程が82.8mmから77.5mmに短縮された。911カレラのエンジンは、981型のボクスターSと同一で(セッティングは異なりより高回転型になっている)[2]、従来モデルよりも排気量が200cc小さい新開発の直噴3,436cc水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する。最大出力・最大トルクの発生回転はともに997型のエンジンと比較して高回転化され、最高出力は350PS/7,400rpm、最大トルク39.8kgm/5,600rpmで、排気量が減少したにもかかわらず出力は増大している[2]。高出力バージョンのカレラSは、先代モデルと同排気量の直噴3,799cc自然吸気ユニットを搭載しながら、最高出力は15PS増となる400PS/7,400rpm、最大トルクは44.9kgmを発生する[2]。911カレラと911カレラSの排気量の違いは内径の違いによるもので、行程は77.5mmと同一である[2]。減速時に集中的にバッテリーへの充電を行う回生システム[2]とアイドリングストップ機能も導入された[1][2]。ステアリングも燃費改善のために911としては初の電動パワーステアリングが採用されている[1]。冷却水は室内メーターでは摂氏90と表示されるが、従来85度管理だったものが105度まで高められ、エンジンとトランスミッションの摩擦を低減し2%の燃費改善をしている[2]。高負荷時にはエンジン保護のためにサーモスタットを強制的に開口させて水温を85度に下げる制御を行なっている[2]。100kmあたりの走行に必要なガソリンは、アイドリングストップで0.6リットル、エンジントランスミッションの温度管理とバッテリー回生システムで0.35リットル、PDKの空走システムで最大1.0リットル、電動パワーステアリングで0.1リットル削減された[2]。911カレラSも997型と比較して、最大で15%の燃費改善となっている[2]ラジエーターは左右分割されて前輪前に配置され、裏側にエア・コンディショナーのコンデンサーが設置され、その後方に吸出し式の電動ファンが付く[2]。燃料タンクは64リットルで10リットルのリザーブタンクが装備される[2]。オイルポンプは997型を改良した可変容量式で吐出量を無段階に調節できる。911カレラSには可変吸気システムが具えられ、3,000rpmと5,000rpmを境にチャンバー効果を3段階に変化させている[2]。吸気システムにはサウンドチューニング用にさまざまな工夫が織り込まれている。エアクリーナーボックスには吸気音を開放するために4箇所に穴が開けられ(空気は吸い込まないように空気抵抗の高い不織布が張られている)、インテークサイレンサーの手前には稼動フラップが設置され4,500rpm-6,000rpmで開放され、吸気音を濁す周波数成分を減らす工夫がされている[2]。吸気管からは吸気音をキャビンに故意に伝達させるために「サウンド・シンポーザ」が採用され、スポーツモードをオンにすると、バタフライバルブが開き振動板を経由した共鳴管の脈動音がリヤシェルフに伝導される。エキゾーストシステムはカレラ・カレラS・スポーツエキゾーストの3種類存在する。カレラSとエキゾーストシステムは4本出しであるが、末端で4本に分割されているのはなくバルブによって経由するサイレンサーを制御して排気抵抗と排気音を可変するために4本開口となっている[2]

トランスミッション[編集]

7速MTと7速PDKが設定され、PDK車はNEDCモード燃費で従来モデルより約2km/リットル向上し、8.2リットル/100km(=12.2km/リットル)を達成。二酸化炭素排出量はポルシェのスポーツカーとして初めて200g/kmを下回り、194g/kmを実現した。PDK仕様においては、下り坂など空走状態と判断された場合クラッチが自動的に切られてエンジンがアイドリング状態(700rpm)となり燃費を改善するようにプログラムされている。急加速を繰り返す状況ではエンジンブレーキを優先させ、この機能は作動されない[1]。シフトショックなども997型と比較して制御が改善され、より軽減されている[2]。7速MTは7速PDKのトランスミッションケースを利用したものになり[1]、誤ったシフト作業を避けるために5速と6速からしか7速に入らないようにロック機構が組み込まれている[1]。PDKと比較して3速が若干ハイギヤ、7速がローギヤとなっている以外はギヤ比は同一でファイナルも同じである[2]。7速MTでは100km/h走行時に5速で3,000rpm、6速で2,400rpm、7速で1,800rpmとなる(997型は6速で2,400rpm)[2]。クラッチは997型より重くなっており[2]、シフトフィーリングも悪化しているが、これらはPDKベースであり機械式アクチュエーター(MECOSA;メカニカル・コンバート・シフト・アクチュエーター)でPDKシステムを駆動していることに由来している[2]。911カレラSにはトルクベクタリンク(PTV)が標準装備されたが、7MTとPDKモデルではPTVの動作方法が異なり、7MTモデルでは機械式LSDと後輪のブレーキ制御介入で実施されるが、PDKモデルではデフ内部の多板油圧制御クラッチと後輪のブレーキ制御介入で実施される。ロック率は双方とも25-27%と同一である[2]

ブレーキ[編集]

911カレラは997型と比較してフロントブレーキディスクが318mmから330mmに拡大され(厚さは28mmで不変)、911カレラSは前後330mmだったものが前側が340mmに拡大された[2]。911カレラは前後4ポットキャリパー、911カレラSは前6ポット後4ポットキャリパーが装備され、オプションでカーボンディスク採用のPCCBも設定された。PSMも9世代に進化し4輪のストローク量変化より路面の凹凸を測定して路面推定する制御を盛り込んでいる[2]

グレード 駆動方式 過給器 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 備考
カレラ
カレラカブリオレ
RR NA 3,436cc 350PS/7,400rpm、39.7kgm/5,600rpm 7速MT
7速PDK
カレラはシリーズのベーシックモデル。いわゆる“素の911”である[4]
カレラS
カレラSカブリオレ
3,799cc 400PS/7,400rpm、44.9kgm/5,600rpm
GT3 3,799cc 475PS/8,250rpm、44.8kgm/6,250rpm 7速PDK ポルシェ初の4WSシステム「アクティブリアホイールステアリング」を搭載。
GT3 RS 4,000cc 500PS/8,250rpm 46.9kgm/6250rpm
カレラ4
カレラ4カブリオレ
4WD 3,436cc 350PS/7,400rpm、39.7kgm/5,600rpm 7速MT
7速PDK
両側リアテールランプにつながる極細テールランプが装備されている。
リヤフェンダーはカレラ対比で+44mmワイド化されている。PTMの制御が997型より進化している。
専用デザインのフロントバンパー装着。
カレラ4S
カレラ4Sカブリオレ
3,799cc 400PS/7,400rpm、44.9kgm/5,600rpm-6000rpm
ターボ ツインターボ 3,799cc 520PS/6,000rpm-6,500rpm、67.3kgm/1,950rpm-5,000rpm 7速PDK 911シリーズのハイエンドモデルである。ポルシェ初の4WSシステム「アクティブリアホイールステアリング」を搭載。
ターボSにはフロントスポイラーが可変する「アクティブエアロダイナミクスシステム」を搭載。
タルガにも搭載されている「ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)」を搭載。
ターボカブリオレ
ターボS 560PS/6,500rpm-6,750rpm、71.3kgm/2,100rpm-4,250rpm
ターボSカブリオレ
タルガ4 NA 3,436cc 350PS/7,400rpm 「ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)」をタルガで初搭載。
タルガ4S 3,799cc 400PS/7,400rpm
カブリオレはクロースドボディと比較して60-70kgの重量増と、cd値の悪化(0.29が0.30)、PDKモデルのみという点などが異なる。PTV(ポルシェ・トルクベクトリンクシステム)を標準装備。なお、カブリオレはすべてソフトトップ式である。

マイナーチェンジ[編集]

2015年9月に、フランクフルトモーターショーにおいてマイナーチェンジモデルの911カレラ、911カレラSが発表された[5]。新型では従来の自然吸気エンジンに代わり、ライトサイジング(rightsizing)ターボエンジン[6]が搭載される。また、2015年10月に開催された東京モーターショーでは、カレラ4およびカレラ4Sのマイナーチェンジモデルが発表された。

2017年6月30日にGoodWood festival of speed 2017にてGT2 RSが発表された。

2017年9月20日に、GT2 RSがニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで公道走行可能な市販車の最速ラップである6分47秒3を記録した。タイヤはミシュラン・パイロット・カップ2タイヤであった。[7]

グレード 駆動方式 過給器 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 備考
カレラ RR ツインターボ 2,981cc 370PS/450Nm 7速MT
7速PDK
カレラシリーズは全車ターボ化された。四輪操舵であるリアアクスルステアはカレラシリーズでもオプション設定された。
カレラS
カレラSカブリオレ
420PS/500Nm
カレラ4
カレラ4カブリオレ
4WD 370PS/450Nm
カレラ4S
カレラ4Sカブリオレ
420PS/500Nm
タルガ4 370PS/450Nm
タルガ4S 420PS/500Nm
ターボ
ターボカブリオレ
3,800cc 580PS/700Nm
ターボS
ターボSカブリオレ
GT3 RR NA 3,996cc 500PS/460Nm 7速PDK
6速MT
2017年3月に開催されたジュネーブモーターショーにて発表された。オプション設定として6速MTが復活した。
GT2 RS RR ツインターボ 3,800cc 700PS/750Nm 7速PDK 2017年6月に開催された"ForzaMotorsport 7"の発表会で初公開され、同30日"GoodWood festival of speed 2017"にて発表された。

脚注[編集]

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