ポルシェ・968

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ポルシェ968
リアビュー
ポルシェ968カブリオレ

ポルシェ 968Porsche 968 )はポルシェにより1991年944の後継としてリリースされ、1995年まで生産されたスポーツカーである。ポルシェの水冷FRスポーツカーの最後のモデルである[注釈 1]

概要[ソースを編集]

北米の好景気に大量に売れた944が中古車市場で値崩れを起こし始めた中で根本てこ入れ策としてモデルチェンジが必要となったポルシェは、かつて924のデザインを手がけたハーム・ラガーイに944のデザインをリニューアルさせるとともに944S2のエンジンをベースにポルシェ特許の可変バルブタイミング機構であるヴァリオカム(Vario Cam )を吸気側に組み込みボアφ104xストローク88mmで2990ccはそのままに自然吸気で240馬力/6,200rpm、31.0kgm/4,100rpmを発生する新4気筒エンジンを搭載し、1991年のフランクフルトモーターショーで1992年モデルとして発表された。生産はそれまでのアウディネッカーズルム工場に変わって、シュトゥットガルトのポルシェ・ツッフェンハウゼン工場で行われた。

944ターボや944S2とシルエットや内装が似ているところから多くのパーツを共用できると誤解されがちであるが、ドアパネルの形状、ウィンドウガラス面の処理、内装パーツなど一見同じに見えるところでも違っているところが多く、基本構成の83%が新部品となっている。パーツ番号が944または951で始まるパーツは基本的に944シリーズと共通である。ホイールはABSに対応した944シリーズ後期型のホイールであれば流用できる。 市場での反応は、944の焼き直しと受け取られ、価格設定が高価だったこともあり販売はあまり振るわず、4年間でクーペ、カブリオレ合わせて計12,776台を生産し、後継にあたるボクスターに組み立てラインを明け渡す格好で生産を終了した。

なお、開発当初は直列6気筒エンジンの搭載も検討されていた。しかし、当時のポルシェの財政状況では新規開発が難しかったため、以前ポルシェがボルボ向けに設計したエンジンや、BMW製の2.5Lエンジンが候補に挙がり、BMW製のエンジンを搭載した試作車まで完成していたが、最終的に944S2を超えるパフォーマンスを得ることは難しいと判断され、計画は凍結された。

モデル[ソースを編集]

1991年
  • 968 - ベースモデル。ABS標準装備。240馬力/6,200rpm、31kgm/4,100rpm。車輛重量は1,370kg。ゲトラグ製の6速マニュアルトランスミッションと4速ティプトロニック(セミオートマチックトランスミッション)のモデルがある。LSDはオプション。
1992年
  • 968 - カブリオレモデルが追加された。カブリオレの車輛重量は1,440kg。人気が高く出荷台数の半数近くがカブリオレとなった。
1993年
  • 968
  • 968クラブスポーツ - スポーツモデル。リアシート撤去等による軽量化と、サスペンションの強化が行われている。エンジンスペックは変わらないが重量はパワーウインドウエアコン、後部座席、エアバッグなどを取り払って50kg軽量化し1,320kg。新車販売価格はベースモデルやカブリオレより安価であったが中古車市場ではベースモデルより人気が高く、概して高い価格を維持している。LSD標準装備。軽量な3スポークステアリングハンドル(エアバッグ無し)、フルバケットシートやLSD、車高調整式サスペンションを組み込んだ純粋にスポーツ性能を高めたモデルで、価格も16%安い645万円に設定されていた。これはヨーロッパでは好評で若干だが販売に寄与することとなった。市場性の違いから日本仕様ではパワーウィンドウやエアコンが残され、コニ製車高調整式スポーツサスペンションと大容量ブレーキシステムがオプションで設定された。外見上の特徴はボディ同色の17inカップホイール(グランプリホワイト、スピードイエロー、ガーズレッド、リビエラブルーの場合、スタンダードカラーを選択するとホイールカラーはシルバー)、リアスポイラーが挙げられる。サーキットトラックでの走行モデルとしてクラブスポーツは現在でも最高のバランスと評価されている。
  • 968ターボS - 968CSをベースにした限定モデル。944ターボ同様SOHCヘッドが装着され、KKKターボチャージャーインタークーラーを採用。305馬力/5,600rpm、51.0kgm/3,000rpm。最高速度は280km/h。新車販売価格は1,740万円であった。外観上の特徴としてフロントボンネットのNACAダクト、フロントスポイラー、角度調整式リアウイング、スピードライン製18in3ピースホイールが挙げられる。ポルシェ本社工場の968生産ラインではなくバイザッハにて生産されていた。
  • 968ターボRS - 限定モデル。新車販売価格は2,230万円であった。ドイツGT選手権用の限定モデルで、最高出力337馬力。ルマン仕様は350馬力。生産台数は4台が確認されている。
1994年
  • 968
  • 968クラブスポーツ

注釈[ソースを編集]

  1. ^ クーペについては968、928以降、具体的な商品や計画はない。ただし2009年に登場したスポーツセダンパナメーラは、FRおよび4WDレイアウトである。

関連項目[ソースを編集]