JR東海キヤ95系気動車

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JR東海キヤ95形気動車
DR2編成(2007年7月・沼津駅)
DR2編成(2007年7月・沼津駅)
基本情報
製造所 日本車輌製造
主要諸元
編成 3両固定
最高速度 120km/h[1]
車両定員 非営業車両(事業用[1]
最大寸法
(長・幅・高)
20,900*×2,800×3,560(mm)
*中間車は17,000mm
車体材質 ステンレス[1]
台車 軽量ボルスタレス台車
* C-DT60A形(動力)
* C-TR249形(付随)
コイルバネダイレクトマウント台車
* C-TR250形(付随中間)
機関出力 350ps(C-DMF14HZB)×2 DR1編成[1]
360ps(C-DMF14HZC)×2 DR2編成
変速段 変速1段・直結2段
駆動方式 液体式
制動装置 電気指令式ブレーキ
機関ブレーキ・コンバータブレーキ
保安装置 ATS-PT ATS-ST EB装置 TE装置
備考 2M1T編成。中間車は付随車[1]
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キヤ95系気動車(キヤ95けいきどうしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)が保有する事業用気動車[1]。車両先頭に黄色の塗装を施し「ドクター東海」の愛称がある。

全車が日本車輌製造で製造され、3両編成2本(6両)が名古屋車両区に配置されている。

従来の検測車193系50番台)の老朽化と、従来西日本旅客鉄道(JR西日本)から車両(キヤ191系)を借り入れ、別々の車両で行っていた軌道関係と電気関係の検測を効率良く行うため、1996年平成8年)に登場した[1]2005年(平成17年)4月には第2編成(DR2・従来の編成はDR1)が登場した。

車両概要[編集]

気動車であるため、JR東海管内の在来線電化非電化を問わず検測が可能である。JR東海の路線城北線を含む)のほか、線路が繋がっている名古屋港線塩浜線伊勢鉄道樽見鉄道愛知環状鉄道天竜浜名湖鉄道あおなみ線内での検測も担当している。

キハ75形を設計のベースとしており、エンジンカミンズ社製C-DMF14HZB (350ps) を両先頭車に各2基搭載し、変速機は新潟コンバータ製C-DW14A(変速1段・直結2段)、ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキを採用している。これにより最高速度120km/hでの検測が可能となり、営業列車運転中の時間帯でも他列車の運転に影響を与えることなく検測列車の運転が可能となった[1]。なお、DR2編成ではエンジンを電子燃料制御方式のN14ER (C-DMF14HZC 360ps/2100rpm) とし環境にも配慮されている。

冷房装置は従来気動車の機関直結式とは異なり、ディーゼル発電機を電源とする集約分散式が採用された。冷房装置自体は373系電車と同一のC-AU714形×2である。

また高い測定精度の確保、非営業列車のため高速化を必要としないなどの理由から振り子装置は搭載されておらず、曲線での速度制限から運転速度が低くなる中央本線ではエル特急しなの」を待避することもある。

車両には架線との接触状態などを確認するための下枠交差式パンタグラフが1基搭載されている。パンタグラフの近くには確認用のドーム型の小窓が設置されている。

ATS-PTへの対応は改造によって行われた。

車両構成と役割[編集]

キヤ95-2
キヤ95-2
キサヤ94-2
キサヤ94-2
キヤ95-102
キヤ95-102
  • ハイフンの右、1はDR1編成、2はDR2編成。
キヤ95-1/2
東海道本線上で東京向きの先頭車。架線測定など電力関係を担当しており、ここの上部にパンタグラフが搭載されている。もちろん非電化区間では架線測定はしない。第2編成にはパンタグラフは設置せずに落成したが、2016年現在は設置されている。
キサヤ94-1/2
駆動用エンジンを搭載しない付随車であり、編成の中間に組み込まれ軌道検測を担当する。走行用のほか、軌道検測用に3つめの台車を車両中央に装着していることが、外観上の特徴となっている。本系列の台車はボルスタレス台車が基本であるが、この検測用台車のみコイルばねによる枕ばり台車となっている。車内は検測機器のほか、職員用の休養室が設置されている。
なお、この部分を外し、先頭車同士を連結した編成での運用もある。
キヤ95-101/102
東海道本線上で神戸向きの先頭車で、信号列車無線など信通関連の測定を担当している。また、冷房装置や車内電源を供給するディーゼル発電機が搭載されている。

DR2増備および新技術の導入[編集]

第1編成 (DR1) の登場から10年が経過し、DR2の増備にあたっては新たな技術の導入が行われた。旧来のDR1に対しても機器の更新が行われ、DR2と同等の検査精度を確保した。導入された新技術は以下のとおりである。

  • 継目板監視装置
  • 画像処理のデジタル化
  • 位置精度の向上
  • 軌道データ処理の精度向上
  • レール遊間測定精度の向上

これらの新技術搭載にあたり、それぞれの編成において3か月間の試験・確認・調整を行い、2006年(平成18年)4月から2編成による検査体制となった。これ以降、各路線において1か月に2回(昼間・夜間各1回)の軌道検測が実施されている。

日本国外への転移について[編集]

1997年ドイツ鉄道より本系列と検測システムを導入したいという打診があり、交通新聞紙上において報じられたが、その後ドイツ側の事情により立ち消えとなった。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h 「JR東海 キヤ95系軌道・電気総合試験車」、『鉄道ジャーナル』第30巻第12号、鉄道ジャーナル社1996年12月、 84頁。

参考文献[編集]

  • 中澤 毅基 「在来線試験車2編成体制の確立」 『日本鉄道施設協会誌』 vol.44 pp.20-22、2006年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]