チョコパイ

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ソフトケーキのチョコパイ

チョコパイとは、しっとりとした生地にマシュマロまたはクリームを挟んでチョコレートでコーティングされた二層のパイに似た菓子、ソフトケーキ菓子、スナックケーキ。

経緯[編集]

オリジナルは1917年のアメリカ合衆国南部にさかのぼる。テネシー州チャタヌーガにあるチャタヌーガ・ベイカリーが地元の炭鉱労働者向けにグラハム・クラッカーにマシュマロを挟んだムーン・パイを製造した[1]

日本では第二次世界大戦の後、アメリカ兵が持ち込んだことによりこの菓子は人気が上がった。1958年、森永製菓からビスケットにマシュマロを挟んでチョコレートでコーティングされたエンゼルマークの「エンゼルパイ」が販売されている。[2] [3]1983年にはロッテがケーキ生地にクリームを挟んだ「チョコパイ」を販売開始。

類種・バリエーション[編集]

  • パイ生地
パイ生地から作られるチョコパイは、パイ生地に挟み込んでオーブンで焼き上げて作る。パイ生地を利用した菓子・デザート料理のバリエーションの一つとして人気がある。
  • ソフトケーキ
ソフトケーキのチョコパイは1917年、アメリカ合衆国テネシー州Chatanooga Bakeries で、地元の炭鉱労働者向けに売り出されたグラハム・クラッカーにマシュマロを挟んだムーンパイが元祖であり、アメリカ南部ではポピュラーな菓子である。(しかしアメリカの北部西部東部地域のコンビニスーパーマーケットでは、現在はあまり見かけない)。
このムーンパイは、1951年に発売されたカントリーソング「Gimmee (=give me) an RC Cola and a Moon Pie」のヒットもあり、コーラと一緒に食べるアメリカの肉体労働者のおやつとして受け入れられ、更に第二次世界大戦後は、類似品であるビスケットにマシュマロとジャムを挟んだ「ワゴン・ホイールズ英語版」が、オーストラリアカナダイギリスなどで発売されたこともあり、アメリカ以外の国で普及した。

各国のチョコパイ[編集]

  • 韓国の東洋製菓が似た製品であるオリオン・チョコパイを1974年に発売した。1973年頃、東洋R&Dのチームがジョージア州のホテルを訪れた際、ホテルレストランで出されたチョコレートでコーティングされた菓子からインスパイアされたものである。韓国に戻り、チョコレート・ビスケット・ケーキの試作を始め、チョコパイとして製造された[4]。同社がオリオン・チョコパイを発売して以降、韓国ではチョコパイという名が広まり、マシュマロの味と安価な価格により子供から大人まで親しまれた。東洋製菓はオリオン・チョコパイの人気にあやかり、2003年に社名をオリオンに変更した。1979年、ロッテ製菓 も似た製品の発売を開始した。ロッテ製菓のロッテ・チョコパイが市場に出た際、ハングル쵸코파이と東洋製菓とは違う文字にした。ヘテクラウン製菓もそれぞれチョコパイを発売した。1999年、東洋製菓は「チョコパイ」という名の使用についてLotte Confectionery を提訴した。しかし判決では「チョコパイ」は一般的な名詞であるとしてこれを棄却した[5]
  • 北朝鮮では2004年開城工業団地でオリオンのチョコパイが、北朝鮮で現金支給が禁じられてるため、残業代わりの報酬として支給されたところ瞬く間に人気となり[6][7]北朝鮮ウォンに取って代わる「第2の通貨」[8]として流通する有様から、北朝鮮当局は労働者への支給を禁止した[6]。これを受けて北朝鮮の国営企業は中国から原材料を輸入してチョコパイを国産化している[9]
  • 韓国映画JSA』では、北朝鮮軍兵士がチョコパイを欲しがるので韓国軍兵士が与えたり、韓国軍兵士が北朝鮮軍兵士へ南への逃亡を誘う理由にチョコパイを腹いっぱい食べられるという場面が描かれている。また、韓国国内ではチョコパイに北朝鮮の体制を批判するメッセージを添付して風船で飛ばす活動も行われている[10][11]2017年12月にオリオンは共同警備区域(JSA)から亡命した北朝鮮軍兵士の脱北者オ・チョンソンに対してチョコパイ100箱と生涯無料でチョコパイを購入できる権利を与えて話題となった[12]

脚注[編集]

  1. ^ MoonPie: About”. Chattanooga Bakery. 2012年6月3日閲覧。
  2. ^ 森永製菓株式会社公式ホームページ エンゼルパイ
  3. ^ エンゼルパイの歴史”. 森永製菓. 2018年3月28日閲覧。
  4. ^ 남형도기자 (2011年5月4日). “새우깡의 ‘깡’ 무슨 뜻? ‘장수과자’ 이야기” (Korean). The Financial News. 2011年5月5日閲覧。
  5. ^ “"Choco Pie" is a "Common Noun"”. Chosun Ilbo. (1999年8月5日). http://english.chosun.com/site/data/html_dir/1999/08/05/1999080561428.html 2012年9月4日閲覧。 
  6. ^ a b “「チョコパイ中毒」撲滅狙う?―北朝鮮が労働者への支給禁止”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2014年7月3日). http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304174304580006573564310324 2017年12月30日閲覧。 
  7. ^ 毎日新聞『雑記帳:開城工業団地で韓国の「チョコパイ」人気…北朝鮮』2009年7月4日
  8. ^ “韓国のおいしすぎる“チョコパイ”が北朝鮮と一触即発の時限爆弾に?”. 週刊プレイボーイ. (2014年11月6日). http://wpb.shueisha.co.jp/2014/11/06/38373/ 2017年12月30日閲覧。 
  9. ^ “北朝鮮製チョコパイを食べてみた! そのお味は?”. デイリーNK. (2015年8月10日). http://dailynk.jp/archives/49815 2017年12月30日閲覧。 
  10. ^ “ビラと一緒にチョコパイも 北朝鮮へ飛ばした風船”. ANNnewsCH. (2012年1月20日). https://www.youtube.com/watch?v=mOih9Lwva7I 2014年6月22日閲覧。 
  11. ^ “韓国団体 北へ向けチョコパイ付き風船=砲撃訓練と同時刻”. 聯合ニュース. (2014年4月29日). http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2014/04/29/0300000000AJP20140429004000882.HTML 2014年6月22日閲覧。 
  12. ^ “韓国企業、JSAからの脱北兵に「一生分のチョコパイ」無料で提供=韓国ネット「あふれる情を感じる」「必死の思いで来た人にチョコパイ?」”. Record China. (2014年7月3日). http://www.recordchina.co.jp/b216341-s0-c30.html 2017年12月30日閲覧。 

関連項目[編集]