オーネット・コールマン

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Ornette Coleman
Ornette-Coleman-2008-Heidelberg-schindelbeck.jpg
基本情報
生誕 1930年3月19日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国テキサス州フォートワース
死没 (2015-06-11) 2015年6月11日(85歳没)
ジャンル フリー・ジャズジャズ
職業 サックス奏者, 作曲家
担当楽器 アルトサックス; トランペット; ヴァイオリン; テナーサックス.
活動期間 1958年 - 2015年
レーベル コンテンポラリー・レコードアトランティック・レコードESPディスクブルーノートインパルス!レコードフライング・ダッチマン・レコードコロムビア・レコードヴァーヴ・レコード
公式サイト [1]

オーネット・コールマン(Ornette Coleman, 1930年3月19日[1] - 2015年6月11日)は、アメリカ合衆国テキサス州フォートワース生まれのジャズサックス奏者。アルトサックスの他、トランペットヴァイオリンもこなす。フリージャズの先駆者である[1]

来歴[編集]

1930年、南部テキサス州に生まれた。学生時代は、R&Bやビバップを演奏していたという。ニューオーリンズやバトン・ルージュで演奏をした後、西海岸のロサンゼルスへ演奏旅行。最初テナー・サックスを始め、後にアルト・サックスに転向した。ロサンゼルスコンテンポラリー・レコードと契約し、1958年ドン・チェリーらを従えて初のリーダー・アルバム『サムシング・エルス!』を発表。同レーベルではアルバム2枚の録音を残した。その後、オーネットの才能を高く評価していたジョン・ルイス(MJQ)の勧めでニューヨークに移り、1959年アトランティック・レコード[2]に移籍。そして、チャーリー・ヘイデンやドン・チェリーらと共に『ジャズ来るべきもの』、『フリー・ジャズ』などの実験的な前衛作品を発表[3]。カントリー・ブルース・シンガーが、ジャズを演奏しているかのようとも評された。

オーネットが生み出した新しい音楽は、一大センセーションを巻き起こした。ミュージシャンの間でも、前述のジョン・ルイスが在籍するモダン・ジャズ・カルテットのメンバー達から高く評価される一方、マイルス・デイヴィスマックス・ローチからは批判された。しかし、オーネットの先進性は、フリー・ジャズという新たな前衛ジャズの流れを生み出していった。

1960年代前半にいったん活動を停止したあと、後半から再び活発に活動を展開。ヨーロッパでのツアーを収めたライヴアルバム『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』等は高い評価を得た[4]。トランペットやヴァイオリンもマスターし、自身のリーダー・アルバムで成果を披露。

1970年代後半からは『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』[5]や『ボディ・メタ』などファンクやアフリカ音楽などの黒人のルーツを探求し、フリー・ファンクとも呼ばれるファンキーなアルバムを制作した。この頃に「ハーモロディクス理論」という独自の理論を考案する。当時のバンドのメンバーにはジェイムス・ブラッド・ウルマーや、ロナルド・シャノン・ジャクソンらがいた。1988年には『ヴァージン・ビューティ』を発表。ピーター・バラカンは、このアルバムを高く評価した。

1991年、同年公開の映画『裸のランチ』の音楽に参加した。2001年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。ジャズ・ミュージシャンでこの賞を受賞しているのは、オーネット以外ではオスカー・ピーターソンのみである。

2007年ピューリッツァー賞第49回グラミー賞において特別功労賞生涯業績賞(Lifetime Achievement Award)を受賞。

2015年6月11日ニューヨークにて心停止により、死去。85歳没。

ディスコグラフィ[編集]

リーダー作品[編集]

スタジオ録音[編集]

1950年代
1960年代
  • 『ジス・イズ・アワ・ミュージック』 - This Is Our Music(1960年録音)(Atlantic) 1961年
  • フリー・ジャズ』 - Free Jazz: A Collective Improvisation(1961年録音)(Atlantic) 1961年
  • 『オーネット!』 - Ornette!(1961年録音)(Atlantic) 1962年
  • 『オーネット・オン・テナー』 - Ornette On Tenor(1961年録音)(Atlantic) 1962年
  • 『ジ・エンプティ・フォックスホール』 - The Empty Foxhole(1966年録音)(Blue Note) 1966年
  • 『ニューヨーク・イズ・ナウ』 - New York Is Now!(1968年4月29日、5月7日録音)(Blue Note) 1968年
    • 『ラヴ・コール』 - Love Call(1968年4月29日、5月7日録音)(Blue Note) 1968年(『ニューヨーク・イズ・ナウ』と同日録音)
1970年代
  • 『サイエンス・フィクション』 - Science Fiction(1971年9月、10月録音)(Columbia) 1972年。
    のち(完全版)『コンプリート・サイエンス・フィクション・セッションズ』 - Complete Science Fiction Sessions (Sony) 2000年。
  • 『アメリカの空』 - Skies of America(1972年4月録音)(Columbia) 1972年
  • 『ブロークン・シャドウズ』 - Broken Shadows(1971年9月、1972年9月録音)(Columbia) 1982年(1971年9月録音は『サイエンス・フィクション』と同日セッション)
  • 『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』 - Dancing In Your Head(1973年1月~1975年12月録音)(Horizon) 1977年
  • 『ボディ・メタ』 - Body Meta(1976年12月録音)(Artists House) 1978年
  • チャーリー・ヘイデンと共演, 『ソープ・サッズ』 - Soapsuds, Soapsuds(1977年1月録音)(Artists House) 1977年
  • 『オフ・ヒューマン・フィーリングス』 - Of Human Feelings(1979年4月録音)(Antilles) 1982年
1980年代
  • パット・メセニーと共演, 『ソングX』 - Song X(1985年11月録音)(Geffen) 1986年
  • カルテット(リユニオン)とプライムタイムの両名義, 『イン・オール・ランゲージズ』 - In All Languages (Caravan Of Dreams) 1987年
  • プライムタイム名義, 『ヴァージン・ビューティ』 - Virgin Beauty(1988年録音)(Portrait) 1988年
1990年代
  • プライムタイム名義, 『トーン・ダイアリング』 - Tone Dialing(1995年録音)(Harmolodic/Verve) 1995年
  • 『サウンド・ミュージアム1』 - Sound Museum: Hidden Man(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1996年
  • 『サウンド・ミュージアム:スリー・ウィメン』 - Sound Museum: Three Women(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1996年

ライヴ録音[編集]

1950年代
  • Coleman Classics Vol.1(1958年10月録音)(Improvising Artists) 1977年。
    のち Complete Live At The Hillcrest (Gambit) 2007年。
1960年代
  • Town Hall, 1962(1962年12月録音)(ESP-Disk) 1965年
  • An Evening With Ornette Coleman(1965年録音)(Polydor) 1967年。
    のち『クロイドン・コンサート』 - Croydon Concert (Free Factory) 2008年。
  • Live At The Tivoli(1965年11月録音)(Magnetic) 1992年(コペンハーゲン「チボリ公園」におけるライヴ)
  • 『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』 - At The "Golden Circle" Vol. 1&2(1965年12月録音)(Blue Note) 1965年(ストックホルム「Gyllene Cirkeln」におけるライヴ)
  • The Paris Concerts 1965-1966(1965年11月、1966年2月録音)(Gambit) 2007年(1965年11月録音の#1~#4がパリ「メゾン・ド・ラ・ミュチュアリテ」におけるライヴ。1966年2月録音の#5~#7はラジオ放送の録音。)
  • 『オーネット・コールマンの世界』 - The Music of Ornette Coleman(1967年3月録音)(RCA Victor) 1967年。のち(改題・再発)The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds (RCA) 1987年。(ニューヨーク市「Village Theater」「Webster Hall」におけるライヴ)
  • Live In Milano 1968(1968年2月5日録音)(Jazz Up) 1989年(ミラノにおけるライヴ)
    • 『未踏峰』 - The Unprecedented Music Of Ornette Coleman (1968年2月8日録音)(Joker) 1977年(ローマにおけるライヴ)
  • The Love Revolution/Complete 1968 Italian Tour(1968年2月録音)(Gambit) 2005年(ローマとミラノにおけるライヴ。CD 2枚組。)
  • 『オーネット・アット・トゥエルヴ』 - Ornette at 12(1968年7月録音)(Impulse!) 1968年(のち『クライシス』と併せてCD化)
    • 『クライシス』 - Crisis(1969年3月録音)(Impulse!) 1972年
  • Broken Shadows(1969年8月録音)(Moon) 1990年。(Jazz Bilzenにおけるライヴ。非公式版。)
    のち Ornette Coleman Quratet Belgium 1969 (Gambit) 2008年。
1970年代
  • 『フレンズ&ネイバーズ(オーネット・ライヴ・アット・プリンス・ストリート)』 - Friends and Neighbors: Live at Prince Street(1970年2月録音)(Flying Dutchman) 1972年(自宅録音)
  • European Concert(1971年11月録音)(Unique Jazz) 発売年不明(非公式版)
  • 『パリ・コンサート』 - Live In Paris 1971(1971年録音)(Trio) 1977年
  • The Belgrade Concert(1971年録音)(Jazz Door) 1995年
  • Broadcasts - Never On LP Before(1972年録音)(J For Jazz)
  • Lonely Woman Trio '66 - Quartet '74(1966年、1974年録音)
1980年代
  • Opening The Caravan Of Dreams(1985年録音)(Caravan Of Dreams Productions) 1985年
  • The 1987 Hamburg Concert(1987年録音)(Domino) 2011年
  • Live at Jazzbuehne Berlin '88 (Repertoire)(1988年録音)
1990年代
  • Reunion 1990(1990年録音)(Domino) 2010年
  • ヨアヒム・キューンと共同名義, 『カラーズ』 - Colors(1996年録音)(Harmolodic/Verve) 1997年
  • Sound Grammar(2005年録音)(Sound Grammar) 2006年

コンピレーション[編集]

  • 『即興詩人の芸術』 - The Art of the Improvisers(1959年~録音)(Atlantic) 1970年
  • The Best Of Ornette Coleman(1959年~録音)(Atlantic) 1970年
  • 『ツインズ』 - Twins(1959年~録音)(Atlantic) 1971年
  • 『未知からの漂着』 - To Whom Who Keeps A Record(1959年~録音)(Atlantic) 1975年
  • Beauty Is a Rare Thing(1959年~録音)(Atlantic) 1993年
  • The Best Of Ornette Coleman: The Blue Note Years(1965年~録音)(Blue Note) 1997年
  • 『ブロークン・シャドウズ』 - Broken Shadows(1971年~録音)(Columbia) 1972年
  • Harlem's Manhattan (Giants Of Jazz) 1999年
  • Ornette Coleman (Ken Burns Jazz) 2000年
  • Introducing: Ornette Coleman (Warner) 2006年

サウンドトラック[編集]

現代音楽[編集]

  • The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds(1967年3月録音)(RCA) 1967年
  • Prime Design/Time Design(1985年録音)(Caravan of Dreams) 1985年

参加作品[編集]

映像作品[編集]

  • Saturday Night Live: Milton Berle (1979)
  • Made In America (1987)
  • Playboy Jazz Festival Vol.2 (1988)
  • Reed Royalty (1999)
  • 「チャパクア」(コンラッド・ルークス監督,2003)
  • 「オーネット・コールマン・トリオ:デヴィッド、モフェット、オーネット」
    &「ローランド・カーク&ジョン・ケージ:サウンド??」(2006)

作曲[編集]

関連作品[編集]

書籍[編集]

  • ジョン・リトワイラー『オーネット・コールマン:ジャズを変えた男』仙名紀訳、ファラオ企画、1998年3月
  • 「特集:オーネット・コールマン」『ユリイカ』(1998年11月号)青土社
  • 「特集:オーネット・コールマン大全集」『ジャズ批評』(No.98 )1999年1月
  • A discography of free jazz: Albert Ayler, Don Cherry, Ornette Coleman, Pharaoh Sanders, Archie Shepp, Cecil Taylor(Erik Raben)
  • Ornette Coleman, 1958-1979: A discography(David Anthony Wild)
  • Ornette Coleman: His Life and Music(Peter Niklas Wilson)
  • Ornette Coleman: A Harmolodic Life(John Litweiler)
  • Ornette Coleman (Jazz Masters Series)(Barry McRae)
  • Miles, Ornette, Cecil: How Miles Davis, Ornette Coleman, and Cecil Taylor Revolutionized the World of Jazz(Howard Mandel)
  • The Battle of the Five Spot: Ornette Coleman and the New York Jazz Field(David Lee)
  • The Jazz Life(Nat Hentoff)
  • Jazz Masters of the 50's(Joe Goldberg)
  • Free Jazz(Ekkehard Jost)
  • The FREEDOM Principle(John Litweiler)
  • The Lenox School Of Jazz(Jeremy Yudkin)

カヴァー / トリビュート[編集]

主な共演者[編集]

1960年代前半[編集]

ドン・チェリー(cor)ビリー・ヒギンス(ds)ポール・ブレイ(p)レッド・ミッチェル(b)パーシー・ヒース(b)シェリー・マン(ds)エド・ブラックウェル(ds)チャーリー・ヘイデン(b)エリック・ドルフィー(bcl)スコット・ラファロ(b)フレディ・ハバード(tp)ジミー・ギャリソン(b)

1960年代後半[編集]

チャールス・モフェット(ds)デヴィッド・アイゼンソン(b)ファラオ・サンダース(ts)デナード・コールマン(ds)エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1970年代前半[編集]

デューイ・レッドマン(ts)ボビー・ブラッドフォード(tp)ジム・ホール(g)シダー・ウォルトン(p)

1970年代後半[編集]

ジェームス・ブラッド・ウルマー(g)ジャマラディーン・タクマ(b)バーン・ニックス(g)チャールス・エラービー(g)ロナルド・シャノン・ジャクソン(ds)グラント・カルヴィン・ウェストン(ds)

1980年代[編集]

アル・マクダウェル(b)クリス・ウォーカー(b)パット・メセニー(g)ジャック・ディジョネット(ds)ジェリー・ガルシア(g)

1990年代[編集]

バール・フィリップス(b)ケン・ウェッセル(g)クリス・ローゼンバーグ(g)バダル・ロイ(tabla)ブラッドリー・ジョーンズ(b)ジェリ・アレン(p)チャーネット・モフェット(b)

2000年代[編集]

グレッグ・コーエン(b)トニー・ファランガ(b)

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 参照 オーネット コールマンコトバンク
  2. ^ R&Bのカタログで有名だが、アーティガン兄弟はジャズ・ファンでありジャズのレコードも多数発表している
  3. ^ http://www.ornettecoleman.com/
  4. ^ 富澤えいち「オーネット・コールマン」『ジャズを読む事典』NHK出版〈生活人新書〉、2004年、241頁。ISBN 978-4140881316
  5. ^ モロッコのジャジューカの音楽家たちと共同で制作されたアルバム

外部リンク[編集]