| この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "電磁場テンソル" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL(2012年12月) |
電磁テンソルとは、電磁場を相対性理論にもとづいた形式で記述したものである。以後、相対論と言えば、特に断りがなければ特殊相対性理論を指す。
定義
電磁場の強度(field strength) F は二階のテンソル
と定義される[1]。
A は相対論的な4元ベクトルの電磁ポテンシャル
である[註 1]。
微分も相対論的な4元ベクトル
である。
定義から電磁場テンソルは明らかに反対称テンソルである。従って独立成分は6つある。
これは3次元空間のベクトル場である電場の強度 E と磁束密度 B の各成分に対応する。
電場の強度と磁束密度は3次元空間の電磁ポテンシャルによって
と表される。
あるいは各成分毎に
と書くことが出来る。
具体的には
である。上付きの
は
となり[註 1]、行列の形で表せば
となる。
媒質中の電磁場
媒質中での電磁場を表す電束密度 D と磁場の強度 H は二階のテンソル Gμν によって相対論的な形式で記述される。
それぞれの成分は具体的には
である[2]。Gμν はサブ電磁テンソルとも呼ばれる。
サブ電磁テンソル G と電磁場の強度 F は
と関係付けられる。ここで Mμν は磁化テンソルである。
その成分は誘電分極 P と磁化 M である。
行列の形で表せば
である。
双対テンソル
完全反対称テンソル ε を用いれば、電磁場の強度 F に双対なテンソル
が定義される。
具体的には
であり、行列の形で表せば
となる。
マクスウェルの方程式
電磁場テンソルによって、相対論的な形でマクスウェルの方程式を記述することができる。
定義から恒等式
が成り立つ。
完全反対称テンソルを用いれば
と表すことも出来る。
この式は添え字 σ=0,1,2,3 についての4つの方程式であり、それぞれ
である。
真空中の電磁場の運動方程式は
と表される。
ここで j は4元電流密度である。
この式は添え字 ν=0,1,2,3 についての4つの方程式であり、それぞれ
である。
媒質中の運動方程式
媒質中の運動方程式は
と表される。
成分ごとにそれぞれ
である。
ローレンツ力
電磁テンソルは、荷電粒子に作用するローレンツ力を相対論的に記述した式の中に現れる。
電荷 q を持ち、相対論的な位置 z=(ct,r) を運動する荷電粒子に作用する相対論的なローレンツ力は以下のようになる。
p は相対論的な運動量である。ドットは運動のパラメータによる微分である。
脚注
- ^ a b ここではミンコフスキー計量の符号を η=diag(+1,-1,-1,-1) に選んでいる。
- ^ ランダウ, リフシッツ 68頁
- ^ ジャクソン 820頁
参考文献
関連項目