常陽
高速実験炉常陽 | |
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Joyo | |
常陽俯瞰 | |
現況 | 休止中(2011年10月29日現在) |
種類 | 高速増殖炉(実験炉) |
電気事業者 | 日本原子力研究開発機構 |
所在地 |
日本 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 |
北緯36度16分5秒 東経140度33分14秒 / 北緯36.26806度 東経140.55389度座標: 北緯36度16分5秒 東経140度33分14秒 / 北緯36.26806度 東経140.55389度 | |
公式サイト | 高速実験炉「常陽」 |
1号機 | |
熱出力 | 7.5万 kW |
燃料 |
MOX燃料 |
着工 | 1971年1月10日 |
備考 | 休止中 |
常陽(じょうよう)は、茨城県東茨城郡大洗町にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉である。
概要
常陽は日本国で最初の高速増殖炉であり、高速増殖炉開発のために必要な技術・データ及び経験を得るための基礎研究、基盤研究を目的として建設された実験炉である。目標は自主技術で新型炉を開発することに貢献することであり、日本の国産技術である新型転換炉(ATR)と並列して計画が進んでいた。
常陽ではそのほか燃料・材料等の照射実験なども行われており、民間への施設の提供も行っている。
ここで得られた技術・データは次の段階となる原型炉であるもんじゅの建設につながった。なお、高速増殖炉の実験の最終段階である実用炉の開発は2050年頃とされているが、開発計画は事故などにより何度も遅延している。
名称の由来
常陽の名称の由来である「常陽」は、江戸時代の茨城県東部に立地した常陸国の中国風の呼称であり[1]、公式サイトによれば「高速実験炉「常陽」の設置場所大洗は、太平洋に面した明るく雄大な地形にあり、まさに「常陽」の名にふさわしい所です。」とある。
現況
ナトリウム循環を除き、休止中である。
2007年にMARICO-2と呼ばれる照射試験用実験装置の上部が大きく破損する事故が発生したため、炉の運転休止を余儀なくされている[2]。
設備
番号 | 形式 | 建設主体 | 電気出力 | 熱出力 | 運転開始 | 運転終了 |
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Mark-I(MK-I) | FR | 日立製作所・東芝・三菱重工業・富士電機 | 設備なし | 7.5万Kw | 1977年4月 | 1978年1月 |
Mark-II(MK-II) | 同上 | 同上 | 同上 | 10万Kw | 1982年11月 | 1997年9月 |
Mark-III(MK-III) | 同上 | 同上 | 同上 | 14万Kw | 2003年7月 |
規格
- 形式:ナトリウム冷却型高速増殖炉
- 熱出力:14万Kw (140Mw) - MK-I炉心5万Kw / 7.5万Kw(性能試験時 / 運転時)、MK-II炉心10万Kw、MK-III炉心14万Kw
- 炉心温度:435℃(MK-I)、500℃(MK-II、MK-III)[3]
- 原子炉格納容器:内径28m、高さ54.3m、厚さ12 - 27mm、炭素鋼製。完全気密構造。
- 原子炉容器:内径3.6m、高さ10m、厚さ25mmのステンレス製。
- 冷却器:主冷却機建物に主空気冷却器が4台
- 発電設備:設置されていない
- 製造メーカー:日立製作所・東芝・三菱重工業・富士電機
歴史
- 1960年(昭和35年):設計開始
- 1970年(昭和45年)2月12日:原子炉の設置許可
- 1971年(昭和46年)1月10日:格納容器建設開始
- 1977年(昭和52年)4月24日:MK-I炉心が初臨界を達成。高速増殖炉による臨界はこれが日本では最初、世界では5番目であった(出力5万Kw)
- 1978年(昭和53年)7月:MK-I炉心にて通常出力(7.5万Kw)による運転を開始
- 1982年(昭和53年)1月10日:MK-I炉心の運転を終了
- 1982年(昭和53年)11月22日:MK-II炉心で初臨界を達成
- 1997年(平成5年)9月12日:50000時間を超える運転の後に、MK-II炉心の運転を終了
- 2003年(平成15年)7月2日:MK-III炉心で初臨界達成
- 2007年(平成19年)6月11日:炉心で燃料棒の交換装置と計測線付実験装置(MARICO-2)が衝突する事故が発生[4]。燃料交換機能の一部に障害が発生しているが復旧作業を行って2016年度の運転再開を目指している[5][6]。
- 2010年(平成22年)1月22日原子炉付属建屋内で、ぼやが起きたと日本原子力研究開発機構が発表した。外部への影響や作業員の被曝はなかった。
注釈
- ^ http://www.jaea.go.jp/04/o-arai/joyo/faq/faq_frm.html(日本原子力研究開発機構)2011年10月27日閲覧
- ^ 高速増殖実験炉「常陽」の事故とその重大性(小林圭二)2011年10月29日閲覧
- ^ http://www.iaea.org/INPRO/cooperation/IAEA-GIF_WS_on_SFRs/4SafetyRelatedExperimentalOperationalExperience-JAEA-2010-06-JAEA-rev052a.pdf(国際原子力機関) - 2011年10月27日閲覧
- ^ 高速実験炉「常陽」における計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害に係る原子炉内観察について(日本原子力研究開発機構 - 2008年9月1日)2011年2月15日閲覧
- ^ 常陽について(日本原子力研究機構)2011年10月29日閲覧
- ^ (独)日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」の役割と今後の必要性に関する検討報告書2009年4月(日本原子力研究機構)2011年10月29日閲覧
出典
- http://www.iaea.org/inisnkm/nkm/aws/fnss/fulltext/0866_2.pdf(国際原子力機関)2011年10月25日閲覧
- http://www.jaea.go.jp/04/o-arai/facilities_share/joyo/index.html(日本原子力研究開発機構)2011年10月26日閲覧
- http://www.jaea.go.jp/english/news/p07030504/joyo.pdf(日本原子力研究開発機構)2011年10月26日閲覧
- http://www.iaea.org/INPRO/cooperation/4th_GIF_Meeting/35-Hirao_FBR_development__in_Japan.pdf国際原子力機関)2011年10月26日閲覧