ホールデン (自動車)
種類 | limited company |
---|---|
略称 | ホールデン、GMH |
本社所在地 |
オーストラリア ヴィクトリア州ポートメルボルン |
設立 | 1856年 |
業種 | 輸送用機器 |
事業内容 | 自動車 |
代表者 | Mark Reuss 会長・専務理事 |
従業員数 | 7015人 (2008/03) |
主要株主 | ゼネラルモーターズ |
外部リンク | http://www.holden.com.au/ |
ホールデン(Holden )は、オーストラリアの自動車メーカーであり、ゼネラルモーターズ傘下ということもあってGMHやGMホールデンと呼ばれることがある。
沿革
オーストラリア唯一の自国独自ブランドの自動車メーカーで、J.A.ホールデンが1856年にアデレードで馬具製造の会社として設立したのが起源である。
1925年にクローズドタイプの自動車をはじめて製造、その後1931年にゼネラルモーターズ系列のメーカーとなった。以後はゼネラルモーターズグループの一員として、シボレーのノックダウン生産から、1940年代後半以降はシボレーの影響を受けつつもオーストラリアの国情に合った中型車をオリジナル開発して生産した。アメリカ車の平均より若干小柄だがヨーロッパ車よりも大きい独特のボディサイズ設定は、アメリカ同様に広大な未開地を抱えるオーストラリアならではの設定である。
1970年代以降は、自社開発の大型セダンとその派生車種のほか、欧州・日本のGM系メーカー(オペル、いすゞ、スズキなど)の一部車種をライセンス生産もしくは輸入している。1980年代後半から1990年代前半はトヨタとも提携し、カローラとカムリのOEM供給を受け自社のブランドで販売していた。2000年代後半からはオペルベースの車種は徐々にGM大宇/シボレーベースに置き換えられていった。
一方、近年では自社開発車種のオーストラリア国外への展開にも積極的である。2000年代半ばにクーペのモナーロをアメリカのポンティアックとイギリスのボクスホールにそれぞれポンティアック・GTO、ボクスホール・モナーロの名称でOEM供給していた。また、2005年からステーツマンの韓国および中国への輸出を開始し、それぞれGM大宇・ステーツマン、ビュイック・ロワイヨム (ROYAUM) の名称で販売された。現在はWM型ステーツマンがビュイック・パークアベニューとして販売されている(2008年からはGM大宇・ベリタスとして韓国でも発売されたが、不人気を理由に2010年に廃止)。2008年にはコモドアが北米でポンティアック・G8として発売されたが、ブランド廃止に伴いわずか1年で打ち切られている。
現在のロゴマークは1994年から使われているもので、エジプトライオンをモチーフとしたものになっている。
2005年にはサーブ・オーストラリアを統合した。
日本におけるホールデンの知名度は低いが、マツダへ大型セダンのプレミアを供給し、13B型ロータリーエンジンを搭載した最高級車ロードペーサーとして1975年から1979年まで販売、また1973年からいすゞへステーツマン・デ・ビルをOEM供給していたことがある。また、シボレー・オプトラ(製造:GM大宇)日本仕様車に搭載されるエンジンもホールデン製である。
2004年から、愛知県を中心に展開する輸入車販売会社「オートプレステージ」がSS UTE/HSV MALOO R8を中心に、少量ではあるが輸入して販売している。
車種一覧
現行車種
- バリーナスパーク(シボレー・スパークの豪州仕様車)
- バリーナ(シボレー・アヴェオの豪州仕様車)
- クルーズ(2代目。シボレー・クルーズの豪州仕様車、ヴィヴァの後継として登場)
- エピカ(シボレー・エピカの豪州仕様車、ベクトラの後継として登場)
- キャブティバ5/キャブティバ7(5人乗りはオペル・アンタラの、7人乗りはシボレー・キャプティバの豪州仕様車)
- コモドア(自社開発の大型セダン)
- スポーツワゴン(コモドアベースのステーションワゴン)
- ステーツマン(コモドア系がベースの高級セダン)
- カプリス(ステーツマンの上級仕様。コンポーネンツの殆どを共有する)
- ユート(コモドアがベースのピックアップトラック)
- コロラド(シボレー・コロラドの豪州仕様車)
- コンボ(オペル・コンボの豪州仕様車。コルサの高さと長さを大幅に拡大させたバン)
ホールデンの主力モデルであるコモドアは、オーストラリアでは、フォードのファルコン、トヨタのカムリと並んで人気が高い。
過去の車種
- クルーズ(初代。スズキ製シボレー・クルーズを日本から輸入)
- ドローバー (スズキ・ジムニーのOEM)
- スキュリー (スズキ・キャリィの姉妹車。イギリスのベドフォード製のものを輸入していた)
- ジェミニ(初代いすゞジェミニのライセンス生産車)
- シャトル (いすゞ・ファーゴのOEM)
- カミーラ(オペル・アスコナがベース)
- ノバ(トヨタ・カローラのOEM)
- アポロ(トヨタ・カムリのOEM)
- ヴィヴァ(シボレー・オプトラの豪州仕様車)
- アストラ(初代、2代目は日産・パルサーのOEM、3代目はオペル・アストラの豪州仕様車)
- ベクトラ(オペル・ベクトラの豪州仕様車)
- カリブラ(オペル・カリブラの豪州仕様車)
- プレミア(70年代のアメリカGMのセダンのプラットフォームを使用した自社開発車。マツダ・ロードペーサーはプレミアに13B型ロータリーエンジンを搭載して日本国内で1975年から1979年まで販売した)
- キングスウッド(プレミアの廉価版)
- ステーツマン・デ・ビル(プレミアの高級版。いすゞ自動車が1970年代前半から中頃にかけて日本国内で販売した)
- サンドマン(プレミアのバン型商用車)
- ジャッカルー(いすゞ・ビッグホーンの豪州仕様車)
- ロデオ(いすゞ・D-MAXの豪州仕様車)
オーストラリアの自動車生産
かつて1970年代まではフォルクスワーゲン、ルノー、オースチン、日産、クライスラーなど多くのメーカーが現地工場を持ち乗用車の生産をしていたが撤退が相次ぎ、2008年3月いっぱいでアデレードにあった三菱の工場も閉鎖され、現在この地で自動車を量産しているのは、ホールデン、フォード・オーストラリア、トヨタの3社だけとなっている。