GM大宇・マティス
スパーク(Spark)、旧称デーヴ・マティス(Daewoo Matiz)は、ゼネラルモーターズ(シボレーブランド)、とりわけ韓国GM(旧:大宇自動車)で販売していた小型ハッチバックである。
欧州ではAセグメント、韓国では軽自動車(キョンチャ)に分類されるが日本では排気量などから登録車扱いとなる。
歴史[編集]
初代(M100型/M150型、1998年-2005年)[編集]
初代マティスは3代目スズキ・アルトをベースにしたティコの後継車として1998年にデビューした。ジウジアーロがデザインしたボディは元々はフィアット車向けにデザインされたといわれている[1]。 エンジンは3気筒800ccで、これはスズキ製のF8C型エンジンの改良型が搭載されている。ヨーロッパを中心に輸出され、140万台以上も売れた。
2002年にはマイナーチェンジが行われ(M150型)、外装が変更になった。韓国ではCVT仕様も追加されたが、日本ではトルクコンバーター式オートマチックのままであった。また、日本のチューナー、トミーカイラが、同車をベースにしたコンプリートカー、「トミーカイラm08」を発売したことがあった。
中国ではGMグループの上汽通用五菱汽車によって楽馳(Lechi)として現在も製造・販売が行われている。 仕向地によっては、シボレーブランドからスパークの車名で販売されていた。
2代目(M200型、2005年-2009年)[編集]
2005年にフルモデルチェンジを実施し、二代目に移行。エンジンは3気筒800ccと4気筒1,000ccの二本立て。韓国国内では旧モデルの差別化から「オールニューマティス」と表記される場合がある。
2006年にノーマル仕様と若干外装などが異なるグレード「SE」が韓国国内で追加された。
日本では2006年にナゴヤドームで開催された名古屋輸入車ショーで初披露された。2007年には韓国内でキム・テヒがCMに出演し、CMに登場したマティスがオークションにかけられた[2]。
メキシコではポンティアックがマティスG2として販売を行っていた(同ブランド閉鎖後はシボレーが「マティス」として販売を行なっている)。
3代目(M300型、2009年-2015年)[編集]
GM大宇・マティス(3代目) シボレー・スパーク(3代目) M300型 | |
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2010年モデル | |
マティスクリエイティブ | |
2015年モデル | |
概要 | |
販売期間 | 2009年 - 2015年 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
エンジン位置 | フロント[3] |
駆動方式 | 前輪駆動[3] |
パワートレイン | |
エンジン | 1,200cc 直列4気筒[3] |
最高出力 | 60 kW (82 PS) / 6,200 rpm[3] |
最大トルク | 108N・m / 4,800 rpm[3] |
変速機 |
5速MT[3] CVT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,375 mm[3] |
全長 | 3,635 mm[3] |
全幅 | 1,597 mm[3] |
全高 | 1,522 mm[3] |
車両重量 | 993 kg[3] |
2009年1月の北米国際オートショーにて新型「シボレー・スパーク」が世界初公開された。続いて3月のジュネーヴモーターショーで欧州初公開され、翌4月にはソウルモーターショーでGM大宇版が初公開された[4]。新しいスパーク/マティスは従来型以上にGMグループの世界戦略車としての使命を任されることになったため、2年3ヶ月の開発期間と2950億ウォンにも及ぶ開発費用が投じられた。
外観は2007年のニューヨーク国際オートショーに出展された先行コンセプトのシボレー・ビートをほぼ踏襲している。
韓国では8月19日に正式に発表され、9月1日から発売開始した。旧モデルとの併売となり、M200はグレードを大幅に整理されたうえでマティス クラシック(Matiz Classic)、M300はマティス クリエイティブ(Matiz Creative)と、それぞれサブネームが付加されて販売されていたが、2011年に社名が韓国GMとなったことを受け、マティスクリエイティブが「シボレー・スパーク」に置換されると同時に、マティスクラシックは廃止された。パワートレーンは1Lエンジンと4速ATが組み合わせられ、軽車(キョンチャ、日本の軽自動車〜リッターカーに相当)として販売される[5]。
2010年1月、デリーオートエキスポ2010にてインド仕様車が発表された。車名はコンセプトモデルと同じビートとなり、スパーク(M200)と併売される[6]。併せて、スパークのEV版も発表された[7]。
2010年10月、シドニーで開催されるオーストラリア国際モーターショーにて豪州仕様車がホールデン・バリーナスパーク(Holden Barina Spark)の車名で発表された[8]。
2011年3月、GM大宇ブランドの廃止に伴い、韓国仕様の車名を「マティス」からシボレー「スパーク」に変更。
2013年5月16日、韓国で可変バルブ機構とタイミングチェーンを採用した新開発の1.0Lエンジン「GEN2」とジヤトコ製CVT「C-TECH」を組み合わせた「スパークS」を発表。
2020年現在では、南米にて独自改良された「スパークGT」が販売されている[3]。
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シボレー・ビート(インド仕様車)
-
ホールデン・バリーナスパーク(豪州仕様車)
4代目(M400型、2015年- )[編集]
GM大宇・マティス(4代目) シボレー・スパーク(4代目) M400型 | |
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フロント | |
リア | |
スパーク・アクティブ | |
概要 | |
販売期間 | 2015年 - |
ボディ | |
ボディタイプ |
5ドアハッチバック 5ドアクロスオーバーSUV (スパーク・アクティブ) |
エンジン位置 | フロント[3] |
駆動方式 | 前輪駆動[3] |
パワートレイン | |
エンジン | 1,399cc 直列4気筒ターボ[3] |
最高出力 | 73 kW (99 PS) / 6,200 rpm[3] |
最大トルク | 127N・m / 4,400 rpm[3] |
変速機 | 5速MT[3] |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,385 mm[3] |
全長 | 3,635 mm[3] |
全幅 | 1,595 mm[3] |
全高 | 1,483 mm[3] |
車両重量 | 1,019 kg[3] |
2015年4月3日のソウルモーターショーにて新型「シボレー・スパーク」が世界初公開され、その2日後の4月5日にはニューヨーク国際オートショーでも公開された。その後、7月1日に韓国で「ザ・ネクスト・スパーク」のキャッチコピーで発表された(販売開始は8月から)[9]。
内外装のデザインは、韓国GMデザインセンターとGMグローバル軽自動車開発本部の「米国ウォーレン技術研究所」との合作により完成した。
先代後期からのキャリーオーバーである1.0L・GEN2ガソリンエンジンにジヤトコ製「C-TECH」および5速マニュアルを組み合わせる。最上グレードには、前方衝突警告システムや車線離脱警告システムなどの先端仕様も備える。
なお、今回から2014年に生産が終了したオペル/ボクスホール・アギーラ及び、欧州から撤退したシボレー・スパークの代替としてオペル・カールとボクスホール・ヴィヴァが兄弟車として加わる。
日本仕様[編集]
日本では1999年にヤナセと大宇自動車の合弁の株式会社マティス(現:オートレックス)が輸入を開始した。日本での車名はマティスもしくはGMマティスで、広告やカタログには「大宇」「DAEWOO」「デーウ」の文字は出ていない(ただし、初期型のものに余程注意しなければわからないくらい小さく出ていたことはあった)。当初は右ハンドル仕様をメインに輸入していたが、意外にも左ハンドル仕様を求めるユーザーが多く、左ハンドルのラインナップを強化したという。
2006年に日本仕様も2代目にモデルチェンジ、800ccエンジンと1,000ccエンジン(マニュアル車のみ)が選択可能になった。
関連項目[編集]
- GM大宇
- シボレー
- スズキ・アルト - 大宇・ティコ
- チェリー・QQ - マティスに似てるとしてGMが奇瑞汽車に対し訴訟を起こした。
- トングリ - 韓国鉄道公社で新しく導入されている通勤形電車の俗称。このうち、新トングリ(319000系)は本車に似ていることから一部でマティスと呼ばれている。
脚注[編集]
- ^ “マッキナあらモーダ 第55回:たとえ「パンダ」になれなくても……「マティス」10年の大逆襲”. (2008年8月23日). オリジナルの2013年5月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ “キム・テヒCM出演のマティスを競売へ…難病児童を支援”. 中央日報. (2007年6月28日). オリジナルの2012年7月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、189頁。ISBN 978-4-7796-4170-1。
- ^ “Seoul Motor Show 2009 Photo Spread I.” (英語). Korea IT Times (2009年4月2日). 2009年5月16日閲覧。
- ^ “GM大宇が新小型車「スパーク」発表 新GM飛躍托す”. MSN産経ニュース (2009年8月20日). 2009年8月22日閲覧。
- ^ “GM launches Chevrolet Beat in India” (英語). Canadian Driver (2010年1月5日). 2010年1月11日閲覧。
- ^ “Chevrolet Spark EV Unveiled in New Delhi” (英語). World Car Fans (2010年1月8日). 2010年1月11日閲覧。
- ^ “Chevy Spark to Debut as Holden Barina Spark at Sydney Motor Show” (英語). Carscoop (2010年10月8日). 2010年10月13日閲覧。
- ^ “韓国GMの新車「ザ・ネクスト・スパーク」=ソウル”. 中央日報. (2015年7月2日)
外部リンク[編集]
- GM大宇公式サイト
- welcome to Matiz World!!(株式会社オートレックス)
- 有限会社フィクスター (マニタセヨカーズ)
- Matizであそぼう![リンク切れ]
- M200系マティスの試乗記 (WebCG)
- Daewoo Matiz Owners' Club - ウェイバックマシン(2005年8月30日アーカイブ分)
- 楽馳公式サイト[リンク切れ]
- Tommykaira m08 - ウェイバックマシン(2004年8月13日アーカイブ分)