スズキ・F型エンジン

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スズキ・F型エンジン
生産拠点 鈴木自動車工業 → スズキ
製造期間 1972年 - 現在(海外向け)
1977年 - 2001年(日本向け)
タイプ 直列3気筒SOHC6バルブ
直列3気筒SOHC9バルブ
直列3気筒SOHC12バルブ
直列3気筒DOHC12バルブ
直列4気筒SOHC8バルブ
直列4気筒DOHC16バルブ
排気量 0.54L
0.55L
0.66L
0.8L
1.0L
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スズキ・F型エンジンスズキが製造する0.54L~0.97Lの小排気量車専用のガソリンエンジン。バルブ駆動方式は当初はSOHCのみ、のちにDOHC仕様が追加された。後述する3気筒796ccのF8Bを除き、1994年以降より順次K型エンジンに移行した。

F6A最終型。アルトのHA12Sに搭載。タイミングベルト・ダイレクトイグニッション採用。12バルブ660CC

沿革と概要[編集]

元々は2代目ジムニーの輸出用モデル(LJ80系)に搭載するエンジンとして、1972年昭和47年)に開発された同社初の自動車量産4ストロークエンジンである。

その後、2ストロークエンジンを搭載した同社のフロンテが、昭和53年排ガス規制を通過できない恐れが発生した[1]。このため、直列4気筒であった4ストロークエンジンF8Aをベースに、それから1気筒を減じて直列3気筒の543ccとしたF5Aが開発され、まずフロンテに搭載されたのを初めとし、スズキの各車種に広く搭載されるようになった。

死点付近で、シリンダーヘッドと、ピストンに刻まれた窪み(燃焼室)がハート型を描き、燃焼ガスが渦状になることで燃焼速度を高めるという独特の構造を持っていた。ただし、この構造はマルチバルブ仕様では採用されていない。

550cc規格では他に直列3気筒・SOHC4バルブヘッドのF5B、660cc規格では直列3気筒のF6A、および直列4気筒のF6B、他に、ジムニー1000や初代セルボの輸出仕様(SC100型)に搭載された直列4気筒のF10Aがあった[2]

オールアルミ化されたK型エンジンを後継とし、国内市場未投入のF8Bを除き、2000年代初頭に生産が終了している。

共通仕様[編集]

F5A(SOHC)[編集]

※初搭載車種:フロンテ7-S(4ストローク車)(LC31)

F5A(SOHC・キャブレター式インタークーラーなしターボ)[編集]

※初搭載車種:セルボ(SS40)

F5A(SOHC・インタークーラー付ターボ)[編集]

※初搭載車種:アルトターボ(CA71V)

F5A(SOHC3バルブ・スーパーチャージャー)[編集]

※初搭載車種:キャリイ(DA71T/DB71T)

F5A(DOHC4バルブ)[編集]

  • 生産期間:1986年(昭和61年) - 1988年(昭和63年)
  • 排気量:0.54 L (543 cc )
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトツインカム(CA72V/CC72V)

F5A(DOHC4バルブ・インタークーラー付ターボ)[編集]

  • 生産期間:1987年 - 1988年
  • 排気量:0.54L(543cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトワークス(CA72V/CC72V)

F5B(SOHC4バルブ)[編集]

  • 生産期間:1988年 - 1990年
  • 排気量:0.55L(547cc)
  • ボア×ストローク:65.0mm×55.0mm (F5Bシリーズ共通)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:セルボ(CG72V/CH72V)

F5Aのショートストローク版

F5B(SOHC・インタークーラー付ターボ)[編集]

  • 生産期間:1988年 - 1990年
  • 排気量:0.55L(547cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトワークス(S系、ie系)(CL11V/CM11V)

F5B(DOHC12バルブ・インタークーラー付ターボ)[編集]

  • 生産期間:1988年 - 1990年
  • 排気量:0.55L(547cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトワークス(RS系)(CL11V/CM11V)

F6A(SOHC)[編集]

  • 生産期間:1990年 - 2001年
  • 排気量:0.66L(657cc)
  • ボア×ストローク:65.0mm×66.0mm (F6Aシリーズ共通)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルト(CA21S/CA21V)

F6A(SOHC4バルブ)[編集]

  • 生産期間:1990年 - 2001年
  • 排気量:0.66L(657cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルト(CA21S/CA21V)

F6A(SOHC・インタークーラーなしターボ)[編集]

  • 生産期間:1997年 - 2000年
  • 排気量:0.66L(657cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:キャリイKUターボ(DC51T/DD51T)

F6A(SOHC・インタークーラー付ターボ)[編集]

  • 生産期間:1990年 - 2001年
  • 排気量:0.66L(657cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトワークス(ie系)(CA21S/CA21V)

F6A(DOHC4バルブ・インタークーラー付ターボ)[編集]

  • 生産期間:1990年 - 1995年
  • 排気量:0.66L(657cc)
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:アルトワークス(RS系)(CA21S/CA21V)

F6B(DOHC4バルブ・インタークーラー付ターボ専用)[編集]

  • 生産期間:1990年 - 1998年
  • 排気量:0.66L(658cc)
  • ボア×ストローク:65.0mm×49.6mm
  • シリンダー数:4

※初搭載車種:セルボモードSR-FOUR(CN31S/CP31S)

F8A(SOHC)[編集]

  • 生産期間:1972年 - 1982年
  • 排気量:0.8L(797cc)
  • ボア×ストローク:62.0mm×66.0mm
  • シリンダー数:4

※初搭載車種:ジムニー海外仕様(LJ80)

F8B(SOHC)[編集]

  • 生産期間:1983年 -
  • 排気量:0.8L(796cc)
  • ボア×ストローク:不明
  • シリンダー数:3

※初搭載車種:マルチ・800(インド市場専売車種)

F10A(SOHC)[編集]

  • 生産期間:1982年 - 1984年
  • 排気量:0.97L(970cc)
  • ボア×ストローク:65.5mm×72.0mm
  • シリンダー数:4

※初搭載車種:ジムニー1000(SJ40)

脚注[編集]

  1. ^ この際、スズキはダイハツ工業からAB型エンジンの供給を受けることとなった。のちに結果的には自社製2ストロークエンジンでも昭和53年排ガス規制をクリアしている。
  2. ^ カルタスやジムニー1300では、のちに開発されたG型エンジン系列が搭載された。

関連項目[編集]