安全フィルム

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現代の写真フィルムにはアセテートフィルムが使われている

安全フィルム(英語:Safety film、セーフティーフィルムとも)は、写真フィルムの一種。映画フィルム上に映像を記録する感光乳剤をアセチルセルローストリアセチルセルロース、あるいはポリエステル[1]に接着したあらゆるフィルム・ストックのこと。映画フィルム中の素地にあたる部分は透明で強度があり柔軟性のある素地を必要とする。

これらは、すべて可燃性が低く、燃えるにしてもゆっくり燃える。

1940年代までに映画用あるいは写真用に使われていたニトレートフィルムは、ベースにニトロセルロースを使っていたため、非常に燃えやすく不安定であった。この素地は、元々はニトロセルロースで作られていた。だがこの素地は、常温でも非常に発火しやすく、保存に適さない。そのため、初期の映画の多くは、燃えたり腐食したりして永久に失われた。

ニトロセルロースに代わり、アセチルセルロースをベース材料として採用したこれらのフィルムが安全フィルムと知られている。

このニトロセルロースは、1951年に、安全(セイフティ)フィルムであるアセテートセルロース(あるいはトリアセテートセルロース)にとって代わられた。

アセテートフィルム[編集]

1951年に導入され、ニトレートフィルムに取って代わった。

TACフィルム[編集]

トリアセチルセルロース(TAC)をベース素材としたフィルム。1950年代から長らく主流だったが、TACフィルムを日本のような高温多湿の場所で長期保存した場合、徐々に加水分解・劣化することが判明した。これは劣化したフィルムから酢酸臭がすることからビネガー・シンドローム (Vinegar syndrome) と呼ばれている。公文書の保管に使われるマイクロフィルムもTACフィルムを利用しており、このビネガーシンドロームに対する対処法の研究が急がれている。

ポリエステルフィルム[編集]

1990年代から市場導入された、アセテートフィルムよりも劣化が少ないとされる写真フィルム。アドバンストフォトシステムではPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂がベース素材として採用された[2][3]。 現在では、より強く長持ちするPETポリエチレンテレフタレート(通称「ESTERベース」)も使われている。

脚注[編集]

  1. ^ 近年増加傾向にある
  2. ^ APSの市場導入は1996年
  3. ^ 出典:"須藤正夫, 新しいポリエステル樹脂と包装材料"

外部リンク[編集]