ロモグラフィー

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ロモグラフィー
ロモグラーフィシェ株式会社
Lomographische AG
Lomo lc-a.JPG
種類 株式会社
略称 ロモグラフィー
本社所在地 オーストリアの旗 オーストリア
1150
ウィーン市ホラーガッセ41番地[1]
設立 1994年[2]
代表者 ヴォルフガング・シュトランツィンガー[1]
関係する人物 サリー・ビバウィー[1]
マティアス・フィーグル=ビバウィー[1]
外部リンク lomography.com
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ロモグラフィー英語: Lomography)は、オーストリアの企業であるロモグラーフィシェ株式会社ドイツ語: Lomographische AG)の登録商標であり、同社の通称である[1]。同呼称のもと、ウェブサイトや実店舗を通じて銀塩写真、とくにスナップ写真のための写真機フィルム、アクセサリー等を販売している[1]

日本法人は株式会社ロモジャパンである[3]

略歴・概要[編集]

ロモグラフィーは、その前史として、1982年(昭和57年)に当時のソビエト連邦において、ロモLC-Aの生産計画が始まったことを起点としている[4]。「ロモLC-A」は、日本のカメラメーカーであるコシナが1980年(昭和55年)11月に発売した「コシナCX-2」のコピー製品である[4]サンクトペテルブルクロモ社では、1984年(昭和59年)に「ロモLC-A」の大量生産が開始され、月産1,100台がソビエト連邦内のほか、主にポーランドチェコスロバキアキューバなどの共産圏へ輸出された[4]

1991年(平成3年)、当時学生であったオーストリア人、ヴォルフガング・シュトランツィンガー、マティアス・フィーグル(現マティアス・フィーグル=ビバウィー[1])が、プラハでLC-Aを「発見」したことをきっかけに、翌1992年(平成4年)「ロモグラフィック・ソサエティ」を設立、同年11月5日には「ロモグラフィー宣言」を新聞に発表、700本の「ロモLC-A」を完売する[4][2]。1994年(平成6年)、それぞれ大学を卒業したシュトランツィンガーとフィーグルは、「ロモLC-A」で撮影した1万枚以上のスナップ写真を用いて米国のニューヨーク市、ロシアのモスクワで大規模な展示を行い、その収入をもとに起業した[2]。同年には初の「ロモグラフィー・エンバシー」をドイツのベルリンに開設する[4]。しかしながら、1996年(平成8年)にはロモは「ロモLC-A」の生産終了を決めてしまう[4]。そこでロモグラフィーはサンクトペテルブルクに赴き、当時の副市長だったウラジーミル・プーチンと会見、「ロモLC-A」再生産の約束とともにその販売についての排他的契約を結ぶ[2][4]。ロモグラフィーの公式ウェブサイトには、会談時のプーチンらの写真が歴史的証拠および記念として掲載されている[4][5]

1997年(平成9年)には、スペインのマドリッドで、第1回ロモグラフィー世界会議を開催、120メートルにもおよぶ「ロモウォール」には3万5,000枚ものロモグラフ(ロモLC-Aで撮った写真)が張り巡らされた[4]。翌1998年(平成10年)に開かれたケルンでのカメラ見本市フォトキナで「アクションサンプラー」を発表[4]。2000年(平成12年)にはロモグラフィーが特許権を取得し設計・製造した「スーパーサンプラー」を発表する[4]。2001年(平成13年)、ウィーンに初のロモグラフィーショップを開店、2003年(平成15年)にはオリジナルバッグを発表、ファッションにも進出する[4]

2005年(平成17年)に魚眼レンズを使用した「フィッシュアイ」を発表[4]、同年、創業者シュトランツィンガー、フィーグルらを描くドキュメンタリー映画をクリスチャン・シュミット=ダヴィットが監督してドイツで製作され、『LOve & MOtionドイツ語版』のタイトルで公開された[6]

2006年(平成18年)には「ロモLC-A」のレプリカ版「ロモLC-A+」を発表、同写真機のためのアクセサリー類も販売を開始する[4]。2007年(平成19年)、2004年に北京で開いたロモグラフィー世界会議をふまえ、香港の1960年代の中判カメラであるダイアナカメラをリスペクトしたレプリカ版「ダイアナ+」、およびホルガのレプリカ版を発表、香港、フランスのパリ、韓国のソウルに出店する[4]。2008年(平成20年)には「ロモLC-A」と同じ工場でかつてつくられていた二眼レフカメラである「ルビテル166」のレプリカ版「ルビテル+」等を発表、レッドスケールやクロス現像を念頭に置いたリバーサルフィルムの発売も開始する[4]。2009年(平成21年)には「ダイアナ+」をインスタントカメラ化する「ダイアナ・インスタント・バック+」を発表、「ロモLC-A」生誕25周年を祝う[4]

2011年(平成23年)、同社による初めての動画のための撮影機である「ロモキノ」の販売を開始する。同機は、36枚撮りの135フィルムを使用し、30秒の動画が撮影できるものである。

同社は、ロモ( Lomo )、ロモグラフィー( Lomography or Lomographie )、ロモグラフィック( Lomographic )、ポップ9Pop9 )、ホルガHolga )、ルビテル英語版Lubitel )、ダイアナDiana )、スメナ英語版Smena )、アクションサンプラー( Actionsampler )、スーパーサンプラー( Supersampler )等の全世界対象の商標権を握っている[2]

おもなオフィス[編集]

本社
アジア地区
北米地区

おもなギャラリー・ストア[編集]

2012年1月現在の一覧である[7]。ロモグラフィー・エンバシー・ストアはもっと多くの場所に存在する。

おもな製品[編集]

ロモLC-A+で撮影した写真。
写真機
  • ロモLC-A+ - 2006年
  • ルビテル+ - 2008年
  • スメナ8M
  • ダイアナ+ - 2007年
  • ダイアナF+
  • ホルガ120+ - 2007年
  • アクションサンプラー - 1998年
  • スーパーサンプラー - 2000年
  • オクトマット
  • フィッシュアイ - 2005年
  • サーディンカメラ
  • スプロケットロケット - 2010年
  • ロモキノ - 2011年
フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ100_35mm - 135フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ400_35mm - 135フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ800_35mm - 135フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ100_120 - 120フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ800_120 - 120フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴ400_120 - 120フィルム
  • ロモグラフィーレッドスケール100_35mm - 135フィルム
  • ロモグラフィーカラーネガティヴレッドスケールXR 50/200_35mm - 135フィルム

ギャラリー[編集]

芸術運動[編集]

ロモグラフィー・ソサエティ・インターナショナルは、ロモグラフィーの写真機を使用するスナップ写真家であるロモグラファーたちに、ギャラリーや店舗や、作家としての成長のための「ショウケース」、支援と作品の公開のための場所を用意している。展示や教育的ワークショップ、作品を共有する熱意と啓発を促すようなギャラリー、といったソーシャル・イヴェントを通じて、創作意欲が発露しつつあるロモグラファーたちを支援しており、たんなる小売りの供給やギャラリー・ストアや集まるための場所を提供して、社会化するに留まらない活動を行っている。同ソサエティの本部はオーストリアのウィーンにあり、そこでほとんどのイヴェントが編成されている[7]

ロモグラファーたちの才能のショウケースとなる同ソサエティの文化イヴェントの例として、「ロモキクユ」コンペティションが挙げられる。同コンペティションは、ウィーンの視力援助機関である「ライト・フォー・ザ・ワールド」との強力により、ケニヤにおける目の手術や視力のケアのための募金活動英語版をおこなっている[8]。同機関は、さまざまな開催都市で実務協議の国際会議である「ロモグラフィー世界会議」をも組織している。

同ソサエティは、ウェブベースの雑誌『ロモグラフィー』を続けており、同誌は、ロモグラファーたちの作品のための写真用アーカイヴ倉庫を用意している。同誌の記事は、写真の新しくかつたのしい手法についての動向やアイデアを追求している。サイコロを使用してプレイする「ロモグラフィー・ザ・ロールプレイイング・ゲーム」が好例である[9]。趣味の愛好家たちが、ブログに独自のチュートリアルを掲載して発見を分かち合ったりして、ロモグラフィー的芸術への情熱を育成している。公式ウェブサイトでは、ロモグラファーたちの作品を祝福し、オンライン作品展やコンペティションを開催している[10]

ロモグラフィー10の黄金律[編集]

ロモグラフィーとはスナップ写真である。「真面目なロモグラファーは、次の10の戒律を心に刻むべし」としている[11]。ロモグラフィーが考えるロモLC-Aの極意である。

  1. どこに行くにもカメラを持って行け。
  2. 夜でも昼でもいつでもカメラを使え。
  3. ロモグラフィは生活の邪魔にはならない、生活の一部である。
  4. 状況をすばやく判断して撮ることを試してみよう。
  5. ロモグラフィ的欲望の対象にできるだけ接近しよう。
  6. 考えるな。(ウィリアム・ファイアブレイス)
  7. すばやく。
  8. フィルムに収めるものがなんなのかをあらかじめ知る必要はない。
  9. どちらかはその後で。
  10. どんなルールにも煩わされるな。

ロモグラフィー世界会議[編集]

  1. 1997年 - スペイン・マドリッド(第1回)
  2. 2002年 - オーストリア・ウィーン
  3. 2004年 - 中国・北京
  4. 2007年 - 英国・ロンドン
株式会社ロモジャパン
Lomography Japan
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 ロモグラフィー・ジャパン
ロモグラフィー
本社所在地 日本の旗 日本
154-0004
東京都世田谷区太子堂5-29-2
本店所在地 150-0001
東京都渋谷区神宮前6-23-6 石川ビル1階・2階
設立 2000年12月
代表者 北川卓司[12]
従業員数 12名[12]
外部リンク lomography.jp
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日本法人[編集]

株式会社ロモジャパン英語: Lomography Japan)は、ロモグラフィーを日本で展開する日本の企業である[3]。通称・屋号は英文表記と同様のロモグラフィー・ジャパンである[3]

2000年(平成12年)12月に設立された[12]。代表は北川卓司[12]

2008年(平成20年)7月にロモグラフィー・ギャラリー・ストア・トーキョーを東京都港区の南青山にオープン、当時は本社機構も同地に存在した。これを2010年(平成22年)12月16日を持って閉店[13]、同時期に本社機構も世田谷区内に移転、翌12月17日、ロモグラフィー・ギャラリー・ストア・トーキョーは渋谷に移転、オープンした[14]。「ロモラボ」を開き、現像所としての機能を併設、動画の撮影機「ロモキノ」で撮影したフィルムを「現像・スキャン・動画」を一括で行なうサービスを開始した。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j The Law (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e Wolfgang Stranziger, the eye catcher, (英語), cafebabel.co.uk, 2006年9月19日付、2012年1月6日閲覧。
  3. ^ a b c 利用規約、ロモジャパン、2012年1月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q About - Timeline (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  5. ^ Provide for the future (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  6. ^ LOve & MOtion - インターネット・ムービー・データベース(英語), 2012年1月6日閲覧。
  7. ^ a b Lomography Store Gude (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  8. ^ Lomokikuyu (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  9. ^ Lomography the Roleplaying Game! (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  10. ^ Find A Little Bit of Hong Kong Competition: The Smiley Faces (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  11. ^ Chapter 2: The Ten Golden Rules of Lomography (英語), ロモグラフィー、2012年1月6日閲覧。
  12. ^ a b c d ロモジャパンリクナビ、2012年1月6日閲覧。
  13. ^ 青山のLomography Gallery Storeは閉店しちゃったの?、ロモジャパン、2012年1月6日閲覧。
  14. ^ Lomography Gallery Store Tokyo オープニングパーティー写真、ロモジャパン、2012年1月6日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]