Foveon X3

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Foveon X3は、アメリカのFoveon社によって設計されたデジタルカメラ用の撮像素子。製造はアメリカのナショナル セミコンダクターや、韓国の東部電子(Dongbu Electronics)が受注している。

目次

[編集] 概要

FOVEON X3はCMOSイメージセンサの一種である。光の三原色である赤 (R)・緑 (G)・青 (B)がシリコンを透過する特性が異なることを利用して、素子の厚み方向 (光が入射する方向) に3層にセンサを配置している。カラーフィルム(各層の間に色フィルタがある)と同様に、同一位置の異なる色の情報を分離できる。

3層のセンサのうち第1層(最上層)はRGBのすべての光の強さに反応する。第2層以深には波長が短いBの光は到達しないため、Bの要素を除くRGの光の強さに反応する。同様に第3層(最下層)では第2層までで吸収されたBGを除くRの光の強さに反応する。画像処理エンジンでは、最下層で取り込んだRの値を中層で取り込んだRGの値から引いてGの値を求め、最上層の値からRとGの値を引いてBの値を求める。

[編集] 特徴

FOVEON以外の半導体イメージセンサ (CCDイメージセンサなど) を1枚だけ用いた(単板の)デジタルカメラでは、2×2画素に配置された (ベイヤ配列) カラーフィルタを用いて、3原色の内の1色のみを各ピクセルで取り込んだ後、演算によって他の色の値を求める (演繹補完)。これに対してFOVEONでは、単板であるにも関わらず原理的には光の三原色をそのまま取り入れた画像を生成することができる。ベイヤ配列のイメージセンサでは演繹補完による画像生成を行なうため、偽色とよばれる実際には存在しない色が発生するが、FOVEON X3 イメージセンサでは、3原色それぞれのセンサが同じ位置に配置されているため、原理的に偽色は発生しない。

[編集] 搭載デジタルカメラ

2009年までにFoveon X3を搭載したデジタルカメラはシグマのSD9、SD10、SD14、DP1、DP2、およびポラロイドのx530がある。SD9、SD10はRAW画像専用となっていたが、SD14、DP1、DP2、x530はJPEGでも記録できる。

FOVEONを搭載しているデジタルカメラでは、ベイヤ配列の素子を用いるデジタルカメラの1画素にあたる面積(以下ドットとよぶ)で3画素分の情報を生成できるので、縦横の画素数を3倍した値が総画素数として表示されることがある。たとえばシグマのSD9(Foveon X3 F7)、SD10(Foveon X3 F7N)によって生成される画像は2268x1512の約350万ドットであるが、1ドットで3画素分の情報を生成できるとして1030万画素と表記されている。SD14(Foveon Fx17)では2640x1760ドットなので1400万画素という表示である。

[編集] 弱点

FOVEONでは、色の分離にシリコンの透過特性を利用しているために、各層の厚みは必然的に変更することができない。故に、その点においては設計の自由度が低い。また、全体的に良好なカラーバランスを得るために画像処理エンジンにベイヤ型センサを使用したものと異なる工夫が必要である。

[編集] ローパスフィルタ不要論

FOVEONを使用する撮影機器にローパスフィルタが必要かどうかについては複数の見解がある。

通常、ベイヤ型センサを搭載したカメラでは、色モアレを防ぐためにローパスフィルタが必要とされる。ローパスフィルタを通った画像はほんのわずか、ぼかされてセンサに到達する。そのためベイヤ型センサが生成する画像では周囲と極端に異なる色情報を持った画素が存在した場合はノイズであると判断される。つまり、ベイヤ型センサを搭載したカメラではソフト的にノイズを低減することが比較的容易である。

一方、Foveon社はFOVEON型センサは原理上偽色や偽解像がなく、ローパスフィルタは不要であると主張している。

[編集] ローパスフィルタは必要とする見解

  • モアレ現象などに代表される偽解像は、素子が配列される空間ピッチの1/2以上のピッチの明暗模様が到来する場合発生するものであり (ナイキストのサンプリング定理)、ローパスフィルタは依然、必要である (実装としてローパスフィルタを不要とし画像処理エンジンで除去するアプローチもあるが、これはFOVEONとは関係なく、ベイヤ配列のカメラでも行なわれていることである)。


[編集] ローパスフィルタは不要とする見解

  • フォトダイオードの直径より大きく、画素ピッチの1/2より小さい空間周波数に存在する信号はFOVEONの場合、偽色ではなく輝度ノイズのモアレとなって現れる。
    • 撮影結果への影響が顕著ではないために問題ではない。むしろベイヤー型センサに見られる偽解像の方が予測しにくい結果をもたらすために有害である。
    • 同様のノイズは印刷時にも発生し得るので、印刷機器やオペレータが扱いやすいようにモアレはそのまま残しておくべきである。
    • ローパスフィルタが必要かどうかはセンサー表面のそれぞれのセンサーの開口率による。開口率が低い場合、生成された画像のピクセルは独立し、オーバーサンプリングされていない状態になる。具体的には、緩やかな斜めのエッジ部分が階段状になったり、モアレが激しく発生したりする。(アンチエイリアスを参照)  マイクロレンズを使用してもなおカバーしきれない開口率をカバーする為にはローパスフィルタが必要である。しかしFOVEONによって生成された画像を見れば、十分にオーバーサンプリングされ、アンチエイリアシングがなされた物であるのは明白である。(すなわち開口率が十分に広い) このような場合、ローパスフィルタを付けるとピクセルの境界を越えてサンプリングする事となり、画像がぼける。FOVEONに関してはローパスフィルタは不要というよりもむしろ有害である。