ドロミーティ

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ドロミーティ
Dolomites cablecar view 2009.JPG
ポルドイ(Pordoi)ケーブルカーからの眺め
所在地 イタリアの旗 イタリア
位置 北緯46度26分 東経11度51分 / 北緯46.433度 東経11.850度 / 46.433; 11.850座標: 北緯46度26分 東経11度51分 / 北緯46.433度 東経11.850度 / 46.433; 11.850
最高峰 マルモラーダ (3343m)
Dolomites area.pngSOIUSAの定義するドロミーティ(青緑)と
世界遺産としてのドロミーティ(茶)
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ドロミーティイタリア語: Dolomiti)は、イタリア北東部にある山地で、東アルプス山脈の一部。ドロミテなどとも表記される(#名称節参照)。おおむね北はリエンツァ川、西はイザルコ川アディジェ川、南はブレンタ川、東はピアーヴェ川に囲まれた一帯で、ボルツァーノ自治県(南チロル)、トレント自治県ベッルーノ県にまたがる。

上記の範囲以外にも、共通の地質的特徴を持つ山地が「ドロミーティ」と呼ばれている。たとえば、アディジェ川以西のドロミーティ・ディ・ブレンタ (it:Dolomiti di Brentaや、ピアーヴェ川以東(ポルデノーネ県ウーディネ県にまたがるフリウーリ地方北西部)に所在するドロミーティ・フリウラーネ (it:Dolomiti Friulaneなどである。

狭義のドロミーティおよび、ドロミーティ・ディ・ブレンタ、ドロミーティ・フリウラーネに含まれるいくつかの山塊は、ユネスコ世界遺産(自然遺産)に「ドロミーティ」の名で登録されている。

名称[編集]

ドロミーティの名は、18世紀フランスの地質学者デオダ・ドゥ・ドロミューDéodat de Dolomieu)に由来する。デオダ・ドゥ・ドロミューは、この山々で非常に豊富な鉱物である苦灰石 (ドロマイト dolomite) を発見した人物である(苦灰石を主成分とする苦灰岩(マグネシウム質石灰岩)もドロマイトと呼ばれる)。イタリア語では、モンティ・パッリディMonti Pallidi、青白い山々)とも呼ばれる。

イタリア語以外の言語では以下のように呼ばれる。

日本語文献では、ドロミティドロミテドロミチなどとも表記され、-アルプス-山脈-山塊が末尾につけられる事も多い。

地理[編集]

ドロミーティは、別々の100m程の先端を持った高い頂上を持つ形によって特徴づけられている。最も高い頂上は3342mのマルモラーダである。岩は (岸壁の) アルプス登山家の実践場所を提供している。例えばアルペ・ディ・シウージやアンペッツァーニ高原のような高い場所では、牧場が営まれている。

他のカルシウム質の地域とは反対にドロミーティには石灰岩侵食現象による洞窟などが存在しない。

1800m (北側斜面) または2200m (日射のある斜面) まで植物が生育し主に針葉樹林 (イツトウヒ、ヨーロッパモミ、ヨーロッパアカマツ) となっている、ヨーロッパハイマツとムゴマツの森となっている。

主な山群[編集]

  • ソラピス(Sorapiss)
  • アンテラーオ(Antelao)
  • ラゴライ(Lagorai)
  • ボスコネーロ(Bosconero)
  • ヴェッテ・フェルトリーネ(Vette Feltrine)
  • スキアーラ(Schiara)
  • ドロミーティ・ディ・ブライエス(Dolomiti di Braies)
  • ドロミーティ・ディ・セスト(Dolomiti di Sesto
  • ガルデナッチャ山群(Gruppo della Gardenaccia)

純粋なドロミーティの地域外:

  • ドロミーティ・フリウラーネ(Dolomiti friulane):南カルニケ・アルプス
  • ドロミーティ・ディ・ブレンタ(Dolomiti di Brenta)
  • Lienzer Dolomiten
  • 低エンガディーナのドロミーティ(Dolomiti della Bassa Engadina)
マルモラーダからの 360°の景観

主な峰[編集]

マルモラーダの氷河
Antelao
カティナッチョ/ローゼンガルテン(バラの園)
名称 高さ(m) 名称 高さ(m)
Marmolada 3344 Pala di San Martino 2996
Antelao 3263 Catinaccio (Rosengartenspitze) 2981
Tofana di Mezzo 3241 Marmarole 2961
Sorapiss 3229 Cima di Fradusta 2941
Monte Civetta 3220 Fermedaturm 2867
Vernel 3145 Cima d'Asta 2848
Monte Cristallo 3199 Cima Canali 2846
Cima di Vezzana 3191 Croda Grande 2839
Cimon della Pala 3186 Torri del Vajolet (maggiore) 2821
Langkofel 3178 Sass Maor 2816
Monte Pelmo 3169 Cima di Ball 2783
Cima dei Tre Scarperi (Dreischusterspitze) 3162 Cima della Madonna (Sass Maor) 2751
Piz Boe (Gruppo Sella) 3152 Cima della Rosetta 2741
Croda Rossa d'Ampezzo (Hohe Gaisl) 3148 Croda da Lago 2716
Piz Popena 3143 Central Grasleitenspitze 2705
Grohmannspitze (Langkofel) 3111 Schiara 2562
Zwolferkofel (Croda dei Toni) 3094 Sasso di Mur 2554
Elferkofel (Cima Undici) 3092 Cima delle Dodici 2338
Sass Rigais (Geislerspitzen) 3027 Monte Pavione 2336
Tre Cime di Lavaredo 3003 Cima di Posta 2235
Catinaccio d'Antermoia (Kesselkogel) 3001 Monte Pasubio 2232
Funffingerspitze 2997

主な峠[編集]

名称 形態 標高(m)
Passo d' Ombretta (Campitello - Caprile) 小道 2738
Langkofeljoch (Val Gardena - Campitello) 小道 2683
Tschagerjoch (Karersee - Valle Vajolet) 小道 2644
Grasleiten Pass (Valle Vajolet - Valle Grasleiten) 小道 2597
Passo di Pravitale (Altopiano di Rosetta - Valle Pravitale) 小道 2580
Passo delle Comelle (Altopiano di Rosetta - Cencenighe) 小道 2579
Passo Rosetta (San Martino di Castrozza - Altopiano di Rosetta) 小道 2573
Passo Vajolet (Tiers - Valle Vajolet) 小道 2549
Passo di Canali (Primiero - Agordo) 小道 2497
Passo dell'Alpe di Tierser (Campitello - Tiers) 小道 2455
Passo di Ball (San Martino di Castrozza - Valle Pravitale) 小道 2450
Forcella di Giralba (Sesto - Auronzo) 小道 2436
Col dei Bos (Valle del Falzarego - Valle Travernanzes) 小道 2313
Forcella Grande (San Vito - Auronzo) 小道 2262
Passo Pordoi (Caprile - Campitello) 道路 2250
Passo Sella (Val Gardena - Campitello) 道路 2218
Passo Tre Sassi (Cortina - San Cassiano) 小道 2199
Mahlknechtjoch (Alta Val Duron - Alpe di Siusi) 小道 2168
Passo Gardena (Val Gardena - Colfosco) 道路 2137
Passo Falzarego (Caprile - Cortina) 道路 2117
Passo Fedaia (Campitello - Caprile) 道路 2046
Passo Valles (Paneveggio - Falcade) 道路 2032
Passo Rolle (Predazzo - San Martino di Castrozza e Primiero) 道路 1984
Forcella Forada (Caprile - San Vito) 道路 1975
Passo di San Pellegrino (Moena - Cencenighe) 道路 1910
Forcella d'Alleghe (Alleghe - Valle di Zoldo) 小道 1820
Passo Tre Croci (Cortina - Auronzo) 道路 1808
Passo di Costalunga/Karerpaß (Nova Levante - Vigo di Fassa) 道路 1753
Passo di Monte Croce (San Candido/InnichenとSesto/Sexten - Valle del Piave と Belluno) 道路 1638
Passo di Ampezzo (Dobbiaco/Toblach - Cortina と Belluno) 道路 1544
Passo Cereda (Primiero - Agordo) 道路 1372
Passo di Dobbiaco/Toblach (Brunico/Bruneck - Lienz) 道路と鉄道 1209
Passo Duran (La Valle Agordina - Zoldo) 道路 1601

主要な谷[編集]

  • ヴァッレ・デル・ボイテ (Valle del Boite)
  • コンカ・アンペッツァーナ (Conca Ampezzana)
  • ヴァル・ガルデーナ (Val Gardena)
  • ヴァル・バディーア (Val Badia)
  • ヴァル・ディ・ファッサ (Val di Fassa)
  • ヴァッレ・デル・プリミエーロ (Valle del Primiero)
  • ヴァルゾルダーナ (Valzoldana)
  • ヴァル・ディ・フィエンメ (Val di Fiemme)
  • ヴァル・デーガ (Val d'Ega)
  • ヴァッレ・ディ・リヴィナッロンゴ (Valle di Livinallongo)または、ラディン語でフォドム(Fodom)
  • ヴァッレ・デル・コルデヴォーレ (Valle del Cordevole)
  • ヴァル・フィオレンティーナ (Val Fiorentina)
  • ヴァルベッルーナ (Valbelluna)
  • ヴァッラータ・アゴルディーナ (Vallata Agordina)

主要な湖[編集]

カレッツァ湖

世界遺産[編集]

世界遺産 ドロミーティ
イタリア
ドロミーティ最高峰マルモラーダ
ドロミーティ最高峰マルモラーダ
英名 The Dolomites
仏名 Les Dolomites
面積 135,910.9370 ha
(緩衝地域98,511.9340 ha)
登録区分 自然遺産
登録基準 (7),(8)
登録年 2009年
公式サイト ユネスコ本部(英語)
地図
ドロミーティの位置
使用方法表示

世界遺産としての「ドロミーティ」 (de:Welterbe Dolomitenは、以下の地域から構成される(番号は右表内の地図に対応する)。

  1. Pelmo-Croda da Lago
  2. Marmolada
  3. Pale di San Martino San Lucano – Dolomiti Bellunesi – Vette Feltrine
  4. Dolomiti Friulane e d`Oltre Piave
  5. Dolomiti Settentrionali Cadorine, Sett Sass
  6. Puez-Odle / Puez-Geisler / Pöz-Odles
  7. Sciliar-Catinaccio
  8. Rio delle Foglie
  9. Dolomiti di Brenta

世界遺産登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。

地域社会[編集]

イタリア北東部のフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州フリウーリ地方で使われるフリウリ語スイスの第四の公用語ロマンシュ語とともにレト・ロマンス語群のひとつであるラディン語(ドロミテ語、ドロミーティ語)が使われている地域でもある。

この地域の経済は主として冬と夏の観光で成り立っている。

ドロミーティに因む名称[編集]

  • 登山靴、スキーブーツのブランド「ドロミテ」名の由来ともなっている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • visitfassa.com ファッサ渓谷 山を愛し、平和を愛する皆様に。 ドロミティ山 イタリア

主にイタリア語

Icon of Sekaiisan.svg Icon of Sekaiisan.svg イタリアの世界遺産
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