オウシュウトウヒ

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オウシュウトウヒ
GemeineFichte.jpg
オウシュウトウヒ Picea abies
保全状況評価[1]
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
Status iucn2.3 LC.svg
分類クロンキスト体系
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Gymnospermae
: マツ綱 Coniferopsida
: マツ目 Coniferae
: マツ科 Pinaceae
: トウヒ属 Picea
: オウシュウトウヒ P. abies
学名
Picea abies
L.H.Karst.
和名
オウシュウトウヒ(欧州唐檜)
ドイツトウヒ
ヨーロッパトウヒ
ドイツマツ
英名
Norway Spruce

オウシュウトウヒ(欧州唐檜、学名Picea abies)は、マツ科トウヒ属針葉樹。別名ドイツトウヒヨーロッパトウヒドイツマツ

特徴[編集]

ヨーロッパ原産の常緑針葉高木で、アルプスなどの山岳地帯や、スカンジナビア半島の北方針葉樹林の主要樹種である。花期は5月頃。公園庭園によく植えられている。モミの木などとともにクリスマスツリーとしてもよく使われるが、本来は高さ50mにも至る高木であり、直径も2mに達することがある。若木のうちはモミの木と区別が困難であるが、長さが10cmを超える独特のコーン(球果)とやや固めの葉で区別が出来る。深根性のモミの木に対して、本種は浅根性で移植に対して耐性がある。成長が早く、そのため苗木は安価で流通している。日当たりを好み、乾燥を嫌う。

名前のとおりドイツでよく見られる木で、有名なシュヴァルツヴァルト(黒森)の多くの木がドイツトウヒである。10mを超える高さになると小枝が下側に垂れ下がるようになり、独特の外観となる。生育は容易であるが、酸性雨や排気ガスには弱く、公害の深刻な地域では枯死することがある。寒冷への耐性があり、土壌は選ばない。防風林などにも適しているが、根張りが強くない為に強風で倒れてしまうことがある。また庭木としては大きくなりすぎる為に不向きである。

2008年スウェーデンウメオ大学レイフ・クルマン(Leif Kullman)教授らのチームが、同国ダラルナ(Dalarna)地方で発見されたオウシュウトウヒの樹齢(正確には根の部分の年齢)を約9,550年とする報告を発表した。これは現在確認されている中では世界最長の樹齢である。

材木として[編集]

材木は、全体的に白色〜淡い黄白色で、辺心材の境目は明瞭ではない。木理はほぼ通直、肌目も緻密で光沢を持つ。やや軽軟で加工性がよく、乾燥による収縮も小さく狂いも少ない。スプルース類の代替材として利用され、建築材、ヴァイオリンの表板やピアノの響板などの楽器用に使われる。耐朽性は悪く、腐りやすい。そのために集成材の原料として使われることが多い。

ギャラリー[編集]

葉 
球果 
幹の断面 
Picea abies - Museum specimen 

脚注[編集]

  1. ^ Conifer Specialist Group 1998. Picea abies. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.

関連項目[編集]