ジョス・ウィードン

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ジョス・ウィードン
Joss Whedon
Joss Whedon
2010年のコミコン・インターナショナルでのジョス・ウィードン。
本名 Joseph Hill Whedon
生年月日 1964年6月23日(50歳)
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 脚本家
映画監督
俳優
主な作品
アベンジャーズ

ジョセフ・ヒル・ウィードン: Joseph Hill Whedon, 1964年6月23日 - )はアメリカ著作家脚本家映画監督エグゼクティブプロデューサーであり、時には俳優もこなす人物。アカデミー賞ノミネート経験があり、ヒューゴー賞を受賞したことがある。

テレビ番組バフィー 〜恋する十字架〜』、『エンジェル』、『ファイヤーフライ』の脚本家兼制作者としてよく知られている。映画脚本やコミックの原作もいくつか手がけている。日本語ではジョス・ウェドンあるいはジョス・ホエッドとされることもある。

ニューヨーク生まれ。イギリスのウィンチェスター・カレッジを卒業後、映画製作を学ぶためウェスリアン大学に入学し、1987年に卒業している。

経歴[編集]

テレビ[編集]

ロサンゼルスに移住後、ウィードンは『Roseanne』というテレビシリーズの脚本の仕事を得た。その後数年間は映画用脚本の手直しの仕事をし、再びテレビの世界に戻り、4つのテレビ番組の制作に関わった。自身の手がけた『バフィー 〜恋する十字架〜』、『エンジェル』、『ファイヤーフライ』ではカメオ出演もしており、『ヴェロニカ・マーズ』にもゲスト出演している。2007年には『The Office』という番組でも2エピソードを監督した(「Business School」と「Branch Wars」)[1]

ウィードンは、父(トム・ウィードン)も祖父(ジョン・ウィードン)もテレビ脚本家として活躍した人物であるため、世界初の第三世代テレビライターなどと称される[2]

彼の脚本に基づいた映画『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』は不評だったが[3][4]、ウィードンはこれをテレビ番組として復活させた。『バフィー 〜恋する十字架〜』はカルト的人気を呼んだ。彼が脚本と監督を務めたエピソード「静けさ」は2000年のエミー賞優秀脚本賞にノミネートされた。このシリーズは The WBネットワークで第5シーズンまで放送され、その後の放送権獲得合戦の結果UPNネットワークで2シーズンを放送した。

エンジェル』は『バフィー』からのスピンオフ作品で、バフィーのボーイフレンドである吸血鬼を主人公にしたドラマである。企画にはウィードンのほかにバフィーの脚本も書いていたデヴィッド・グリーンウォルトも参加した。ティム・マイナーも重要な部分で関わっている。1999年9月からWBで放送開始され、『バフィー』のすぐ後に放送されるという番組構成になっていた。2001年に『バフィー』がUPNに移ると、『エンジェル』は様々な時間枠で放送されるようになった。最終回の視聴率はバフィーよりも良かった。WB は2004年2月、第5シーズンの途中で打ち切った。

ウィードンがティム・マイナーと企画した『ファイヤーフライ』は2002年にFOXが放送したが、途中で打ち切った。14エピソードのうち11エピソードだけが放送され、しかも放送順序が意図したものとは違っていた。特に初回の2時間特番として企画したエピソード「セレニティー」が最後に放送された。このFOXの仕打ちに関して、ウィードンは二度とFOXとは仕事をしないと述べていた[5]。打ち切り後、ウィードンはファイヤーフライの映画版『セレニティー』の脚本を書いた。ユニバーサル・ピクチャーズがこの制作に乗り出し、ウィードン自身が監督を務め、2005年9月30日に全米公開となった。

2007年8月、かつて『バフィー』や『エンジェル』にも出演していたエリザ・ドゥシュクはFOXとの契約を行った[6]。その直後、ドゥシュクはウィードンと昼食を共にし、彼女を主役とするシリーズのアイデアを話し合った。結果として、ウィードンはFOXで放送されるパイロット版の脚本と監督を務めることを約束した[7]。ウィードンは、「全く新しい知的で協力的な人々」と仕事をすると発表した[8]。2008年5月、FOXはこの番組 Dollhouse を2009年1月に放送開始すると発表した[9]。FOXに戻ることについて聞かれ、ウィードンは「彼らは『ファイヤーフライ』のときの人々とは全く違う」と述べている。実際、『ファイヤーフライ』放送当時と比べるとFOXの経営陣が一新されている[10]。このSFアクションドラマ『ドールハウス』は2009年2月から第1シーズンが、同年9月から第2シーズンが放送されたが、そのシーズンで途中打ち切りとなった。

映画[編集]

ウィードンは、『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』、『トイ・ストーリー』、『エイリアン4』、『タイタンA.E.』といった映画脚本を執筆(あるいは共同執筆)した。『トイ・ストーリー』の脚本では、アカデミー賞にノミネートされた。

また、スタッフとして名前は出ていないが、『スピード』、『ウォーターワールド』、『ツイスター』、『X-メン』といった作品で脚本のドラフト版の修正や書き直しなどを行った。ただし、『スピード』以外ではウィードンが書いた部分は最終脚本には残っていない[要出典]。インタビューではウィードンは残る3作品との関わりを否定している。『エイリアン4』向けに彼が書いた脚本は、監督のジャン=ピエール・ジュネが変えてしまった[要出典]。『ウォーターワールド』向けの脚本は捨てられ、『X-メン』の最終脚本には彼の書いた部分は2行しか残らなかった[11]。バフィーの映画版でさえ、彼の脚本との類似点は少ない[12]。『スピード』の脚本家として名前が出ているグレアム・ヨストによれば、台詞の大部分はウィードンが書いたものだという。

2005年、彼は『セレニティー』の監督・脚本を務め、2006年のヒューゴー賞 Best Dramatic Presentation, Long Formを受賞した。2006年1月には映画会社の後援もあり、『セレニティー』を世界各地でチャリティ公開するファンの活動が始まった[13]。収益金はジョス・ウィードンも支援している人権団体Equality Nowに寄付されている。

ウィードンは『ワンダーウーマン』映画版の監督・脚本を務める契約を結んでいたが、2007年2月3日に降板することを公表した[14]

2008年には、自主製作で短編のホラー・ミュージカル・コメディ映画『Dr. Horrible's Sing-Along Blog』をインターネット上で発表。この作品で様々な賞を受賞している。

2011年には製作・共同脚本担当(監督、共同脚本:ドリュー・ゴダード)のホラー映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』が公開。2012年には監督・脚本を務めた『アベンジャーズ』が公開。

コミック[編集]

ウィードンはコミックファンでもあり、ダークホースコミックスで『バフィー』の世界の遠未来[15]を描いた『Fray』の原作も書いている。『Buffy the Vampire Slayer Season Eight』のエピソード「Time of Your Life」でも、この『Fray』の世界に再び戻っている[16]。他にも『聖少女バフィー』シリーズのコミックの原作をいくつも手がけている。

また、『ファイヤーフライ』および映画版『セレニティー』へとつながるコミック『Serenity: Those Left Behind』と『Serenity: Better Days』の原作も書いた(共同執筆)。

マーベル・コミックでは『Astonishing X-Men』の原作を書いていた(2008年に原作をWarren Ellisに引き継いだ)。

フィルモグラフィー[編集]

タイトル クレジット
バッフィ/ザ・バンパイア・キラー 1992 脚本
ゲッタウェイ 1994 共同脚本 (クレジットなし)
スピード 1994 共同脚本 (クレジットなし)
ウォーターワールド 1995 共同脚本 (クレジットなし)
トイ・ストーリー 1995 共同脚本
エイリアン4 1997 脚本
タイタンA.E. 2000 共同脚本
X-メン 2000 脚本 (トリートメント)
アトランティス/失われた帝国  2001 脚本 (トリートメント)
セレニティー 2005 監督/脚本
マイティ・ソー 2011 ラストシーンのみ監督
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 2011 共同脚本 (クレジットなし)
キャビン 2012 共同脚本
アベンジャーズ 2012 監督/脚本
Much Ado About Nothing 2012 監督/脚本/製作/編集/音楽
In Your Eyes 2012 脚本/製作総指揮
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 2015 監督/脚本

受賞歴[編集]

受賞[編集]

  • ネビュラ賞最優秀脚本賞 - 『セレニティー(映画版)』(2006年)
  • ヒューゴー賞 Best Dramatic Presentation - 『セレニティー(映画版)』(2006年)
  • プロメテウス賞特別賞 - 『セレニティー(映画版)』 (2006年)
  • アイズナー賞最優秀継続中シリーズ - 『Astonishing X-Men』(2006年)
  • アイズナー賞最優秀新シリーズ - 『Buffy the Vampire Slayer Season Eight』(2008年)
  • アイズナー賞最優秀デジタルコミック - 『Sugarshock!』(2008年)
  • ヒューゴー賞 Best Dramatic Presentation, Short Form - 『Dr. Horrible's Sing-Along Blog』(2009年)

ノミネート[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Joss Whedon to Direct Another Episode of The Office.”. 2007年7月17日閲覧。
  2. ^ Joss Whedon - Biography”. IMDB. 2008年8月1日閲覧。
  3. ^ Buffy the Vampire Slayer (1992)”. Rotten Tomatoes. 2008年2月29日閲覧。
  4. ^ Buffy the Vampire Slayer (1992) Weekend Box Office”. Box Office Mojo. 2008年2月29日閲覧。
  5. ^ Completely completed SERENITY screens at Comic-Con! And...”. Ain't It Cool News (2005年7月25日). 2006年6月24日閲覧。
  6. ^ Michael Schneider (2007年8月26日). “Fox, Dushku stake project”. Variety. 2007年5月17日閲覧。
  7. ^ Maria Elena Fernandez (2008年5月15日). “Q & A with Joss Whedon, writer, producer and director”. Los Angeles Times. 2008年5月17日閲覧。
  8. ^ James Hibberd - Joss Whedon Returns to Fox With New Series 'Dollhouse' - TVWeek - Blogs”. TV Week (2007年10月31日). 2007年11月2日閲覧。
  9. ^ Gary Levin (2008年5月15日). “Fox's fall schedule sets up for '24' and 'Idol'”. USA Today. 2008年5月17日閲覧。
  10. ^ Lee, Patrick (2008年7月15日). “Dollhouse's Whedon OK with Fox”. Sci Fi Wire. http://www.scifi.com/scifiwire/index.php?category=1&id=57653 2008年8月18日閲覧。 
  11. ^ In Focus | August/September 2005 | Serenity Now! Uncut
  12. ^ Joss Whedon - Web Exclusive | The A.V. Club
  13. ^ Can't Stop The Serenity”. 200-09-30閲覧。
  14. ^ Whedonesque : Comments on 12385 : SATIN TIGHTS NO LONGER
  15. ^ 23世紀。「Time of Your Life」参照。
  16. ^ Buffy the Vampire Slayer Season 8: #16 Time of your Life”. 2008年8月22日閲覧。

外部リンク[編集]