ふるさときゃらばん
ふるさときゃらばんは、かつて活動していた日本のミュージカル劇団。本部所在地は東京都小金井市であった。略称はふるきゃら。
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[編集] 来歴
1983年、統一劇場から独立するかたちで劇団ふるさときゃらばんを創立。この時、統一劇場からは現代座、希望舞台などが独立している。
ミュージカルを主体とした地方公演を数多くこなし、ミュージカルを通じた村おこしや独自のミュージカルスクールなどを実施していた。独自の人脈や応援団と称する地方実行委員会を組織したプロモーション活動により、公演回数もさることながら、動員観客数も10年余で100万人を突破するなどの特徴をもっていた。
1990年代以降は、日米合作のミュージカルによる海外公演などを行ったほか、バルセロナオリンピックや日中国交正常化記念イベントなどにも参画。1999年からは日本の棚田を守る自然環境イベントなどを企画し、舞台芸術のみならず幅広い活動を展開していた。
また木村政雄が吉本興業在籍時、ふるさときゃらばんの芝居を観劇し、低迷していた吉本新喜劇を再生させるきっかけを作るなど、他の劇団の運営に多大な影響を与えた。
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地方公演を主とする劇団の多くは、慢性的な財政困窮に苦しんでおり、ふるさときゃらばんも設立当初から劇団員に苦しい生活を強いていた。特にミュージカルは1回の出演俳優が多数のため、安定的な財政基盤の確保は急務とされていた。
そのため、劇団では企業スポンサーを獲得し、企業広告やユニットイベントを開催することでその苦境を打開しようとした。統一劇場時代から商業主義とは一線を画す舞台を行ってきた劇団員や関係者からは疑問の声もあったが、安定した生活収入を望む劇団員からは歓迎された。以後、大企業の社会メセナをバックにした公演活動にスタイルを変えていった。
上記の流れから、近年は中央省庁のほか、地方自治体や公共団体が主催するイベントを企画・出演する機会も多く、設立当初の理念との解離を指摘する声もある。前述の棚田イベントには農林水産省の関連団体から後援があったほか、リバーミュージカル「川と人と橋のものがたり」では国土交通省の支援を受けた。2008年2月には国土交通省の道路特定財源から約5億円が支出されたミュージカル「みちぶしん」に対する委員会質問[1]により、劇団自体も「税金のムダ使い」を指摘するマスコミの批判を受けた。ミュージカル「地震カミナリ火事オヤジ」も総務省消防庁やその関連団体から多額の助成を受けている。
劇団の人脈には保守系政治家も多く、保守化、商業主義化との批判もある一方、地方にミュージカルを普及させた功績や、熱烈な地方応援団の存在など、劇団を支持する声も多い。最終的な所属劇団員は約100名であった。
[編集] 自己破産
先述にもあるとおり、ふるさときゃらばんは設立当初から人件費や機材運搬などの費用負担が大きなネックとなっており、企業などのスポンサーからの支援に依存している部分が多かった。しかし、世界的な経済不安によって撤退するスポンサーが出るなど、経営状態は悪化していった。このため、出演者を含めた全従業員の雇用形態を変更(正社員→契約社員)するなどのリストラ策を講じてきたが、2010年2月8日、東京地裁に自己破産を申請、同月17日に破産手続き開始決定を受けて倒産した。同劇団が映画製作のために設立した「株式会社ふるきゃらシネマ」も22日までに同様に破産手続き開始決定を受けた。負債は2社合計で6億4700万円と報じられた[2]。
[編集] 石塚事務所・新生ふるきゃら
ふるさときゃらばんの関係者は自己破産後の2010年4月、「石塚事務所・新生ふるきゃら」を創立した。管財人の許可を得て、ふるさときゃらばんの舞台装置などを継承した。劇団員は約3分の1に減少したが、ふるさときゃらばんの演目や新作を上演している。
[編集] 主な上演作品
( )は公演期間
[編集] カントリーミュージカル
- 親父と嫁さん(1983年 - 1986年) - 1985年度文化庁芸術祭賞受賞
- 兄んちゃん(1985年 - 1987年) - 1987年度文化庁芸術祭参加作品
- ザ・結婚(1986年 - 1988年)
- ムラは3・3・7拍子(1988年 - 1992年) - 初の47都道府県公演を達成
- 男のロマン女のフマン(1993年 - 1995年)
- パパは家族の用心棒(1996年 - 1998年) - 1997年第4回水産ジャーナリストの会年度賞受賞
- 噂のファミリー 1億円の花婿(1999年 - 2001年) - 2000年第2回東京芸術劇場ミュージカル月間公演優秀賞
[編集] サラリーマンミュージカル
- ユーAh!マイSUN社員(1990年) - 1990年度文化庁芸術祭参加
- サラリーマンの金メダル(1992年 - 1993年) - 1992年度文化庁芸術祭参加
- 裸になったサラリーマン(1996年) - 1996年第4回スポニチ文化芸術大賞グランプリ受賞
- Oh!マイSUN社員(1997年 - 1998年) - 初の特設劇場FURUCARAシアター公演
- パパの明日はわからない(2002年 - 2005年) - 2002年第14回池袋演劇祭大賞受賞
[編集] おとなとこどものファンタジーミュージカル
- クマゴンの森(1993年 - 2000年)
- 瓶ヶ森の河童(1999年 - 2002年)
- 天狗のかくれ里(2003年 - 2006年)
[編集] スペクタクルイベント
- LABOR OF LOVE(1991年 - 1992年) - 初の日米ツアー作品、バルセロナオリンピック芸術祭参加作品
- 川と人と橋のものがたり(1989年 - 1996年) - 1989年第6回日本イベント大賞最優秀企画賞受賞
- 朝日村ファンタジー(1993年) - 信州博覧会イベント、上條恒彦との共演
- ミュージカルとJAPAN食のイベント(1997年)
- 駆けろ!架けろ!YATTOSEY!(1997年 - 98年) - 神戸-鳴門ルート全通記念事業
- リバー・ピープル〜川とたたかう人々(2000年) - 白根市制40周年記念事業、大河津分水路通水80周年・関屋分水路通水30周年記念イベント
- 20世紀から21世紀へ HOP STEP NAGOYA(2000年) - 年越しカウントダウンミュージカル
- ホクトウの森(2001年、2003年) - 2001年うつくしま未来博ジャパンエキスポ大賞優秀賞受賞
- みちぶしん(2003年 - )
- われら地球族!(2005年) - 愛・地球博ウェルカム特別公演
- どんどんどんどん(2005年) - 愛・地球博モリゾー・キッコロメッセ出展プログラム
[編集] 脚注
- ^ 第169回国会衆議院予算委員会議録 (平成20年2月14日)
- ^ “劇団ふるさときゃらばんが破産=全国各地で公演、負債6億円”. 時事通信. (2010年2月23日) 2010年2月23日閲覧。
[編集] 関連書籍
- 金丸弘美「ふるさときゃらばんが走る」(白水社、1990年)