けっきょく南極大冒険

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けっきょく南極大冒険
Antarctic Adventure
ジャンル 3Dアクション
対応機種 MSX
開発元 コナミ工業
発売元 コナミ販売
人数 1人
メディア 128キロビットロムカセット
発売日 日本 1983121983年12月
ヨーロッパ 1984年
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
その他 型式:RC701
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けっきょく南極大冒険』(けっきょくなんきょくだいぼうけん)は、コナミ工業(現在のコナミデジタルエンタテインメント)のMSX教育ソフト

概要[編集]

1983年12月発売。のちに、コレコビジョンファミリーコンピュータ、携帯アプリに移植されたほか、ゲームボーイの『コナミGBコレクション』にも収録された。続編的位置づけの作品として『夢大陸アドベンチャー』が存在する。

MSX版は『コナミアンティークスMSXコレクション』(PlayStationセガサターンゲームアーカイブス)に収録されたほか、i-revoで配信されている。ファミコン版は2007年8月7日からWiiの、2013年8月21日からニンテンドー3DSの、2014年6月19日からWii Uバーチャルコンソールで、またMSX版も2014年11月19日にWii Uのバーチャルコンソールで、2014年11月25日プロジェクトEGGで、それぞれ配信されている。 2002年には、携帯電話向けアプリ用に内容を縮小した「けっきょく南極ちょい冒険」が配信されていた。 MSX版とFC版では、ゲーム画面でのタイトルが"Antarctic Adventure"と表示されている。

2020年3月6日に『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボで製作された『ペンペン南極大冒険』がリリースされた[1][2]

ゲーム内容[編集]

主人公のペンギン南極大陸にある各国の基地群に決められた時間内に到達するのが目的。途中にアザラシやクレバス等の障害物が出現するが、いずれにせよ主人公が死ぬことはない(タイムアウトのみ)。道中では時折魚が飛び出してきてそれを集める事や、旗を回収することでスコアが上がる。ゲーム中のBGMはワルトトイフェル作曲の「スケーターズ・ワルツ」(1882年)のアレンジ。MSX版ではト長調、ファミコン版ではホ長調となっている。原曲はイ長調

内容の主な部分はアクションゲームであるが、実際には教育ソフトという位置づけで、発売時のキャッチフレーズは「I love 地理」である。ゴール到着時には各国の国旗が揚がり、世界の国々と国旗を覚えてもらうという目的があったとされる。スタート・ゴールは日本昭和基地付近。また南極点ではペンギンの旗が揚がる。

ファミリーコンピュータ版からは光る旗を取った時のアイテムとして「ペギコプター」が追加され、一定時間プロペラを使って浮遊しながら移動する事が可能となっている。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 Antarctic Adventure アメリカ合衆国 1984年
コレコビジョン コレコ コレコ 128キロビットロムカセット - -
2 けっきょく南極大冒険 日本 198504221985年4月22日
ファミリーコンピュータ コナミ開発2課 コナミ 192キロビットロムカセット[3] RC804 -
3 コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1 日本 199711201997年11月20日
PlayStation KCET コナミ CD-ROM SLPM-86052 - MSX版の移植
4 コナミGBコレクション VOL.3 日本 199802191998年2月19日
ヨーロッパ 2000年
ゲームボーイ KCEジャパン
トーセ
コナミ 4メガビットロムカセット 日本 DMG-AJKJ-JPN
ヨーロッパ DMG-AF7P-EUR
- 日本国内版はスーパーゲームボーイ対応、欧州版はゲームボーイカラー対応
5 コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック 日本 199807231998年7月23日
セガサターン KCE横浜 コナミ CD-ROM T-9530G - MSX版の移植
6 けっきょく南極ちょい冒険 日本 2002年5月[4]
503iシリーズ
iアプリ
コナミ コナミ ダウンロード
(コナミネットDX)
- -
7 けっきょく南極大冒険 日本 2002年8月2日[5]
Jスカイ
Javaアプリ
コナミ コナミ ダウンロード
(コナミ J-APPLI)
- -
8 けっきょく南極大冒険 日本 2003年3月19日[6]
EZアプリ コナミモバイル・オンライン コナミモバイル・オンライン ダウンロード
(コナミアプリコレクション)
- -
9 けっきょく南極大冒険対戦版 日本 2003年5月6日[7]
iアプリ コナミモバイル・オンライン コナミモバイル・オンライン ダウンロード
(コナミ対戦コロシアム)
- -
10 けっきょく南極大冒険 日本 2006年6月16日[8]
Windows コナミ アイレボ ダウンロード
(i-revo)
- -
11 コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1 日本 200611222006年11月22日
PlayStation Portable
(PlayStation Network)
KCET KDE ダウンロード
ゲームアーカイブス
- - MSX版の移植
12 けっきょく南極大冒険 日本 2007年8月7日[9]
Wii コナミ開発2課 KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
FCNJ - ファミリーコンピュータ版の移植
13 けっきょく南極大冒険 日本 2013年8月21日[10]
ニンテンドー3DS コナミ開発2課 KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
TDCJ - ファミリーコンピュータ版の移植
14 けっきょく南極大冒険 日本 2014年6月19日[11]
Wii U コナミ開発2課 KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
FC4J - ファミリーコンピュータ版の移植
15 けっきょく南極大冒険 日本 201411192014年11月19日
Wii U コナミ開発3課 KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
ULJM-05076 - MSX版の移植
16 けっきょく南極大冒険 日本 2014年11月25日[12]
Windows コナミ開発3課 D4エンタープライズ ダウンロード
プロジェクトEGG
- - MSX版の移植
17 Colecovision Flashback INT 2016年10月7日
Windows コレコ AtGames ダウンロード
Steam
529860 - コレコビジョン版の移植

評価[編集]

ファミリーコンピュータ版

ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「コンティニューがないので、1回失敗してしまうと、もうお終いなのがとてもツライ」、「ペンギンはただ走るだけじゃなくて、障害物を避けてジャンプしたりするんだ。これがまた、とってもカワイイのだ」と紹介されている[3]

シリーズ作品[編集]

本作のMSX版は、コナミの「教育シリーズ」第一弾として発売され、これらのシリーズには「I love ○○」というキャッチコピーが付けられていた。後に「コナミ株式会社」名義で再発売された際、これらのタイトルのパッケージからシリーズ表記とキャッチコピーが外されている。

関連作品[編集]

このゲームで初登場した主人公のペンギン(後にペン太と名づけられる)は、モアイと共に当時のコナミのマスコットとして各種広告・パンフレットに登場した。

また、ペン太を主人公に据えたコンピュータゲーム、プライズゲーム、メダルゲームなども複数登場した。

ペンギン(ペン太)がプレイヤーキャラクターとして登場する作品[編集]

  • けっきょく南極大冒険(1983年・MSX) - 主人公。コナミゲーム初登場。この時点では名前が付けられておらず「ペンギン」として登場。
  • 夢大陸アドベンチャー(1986年・MSX) - 主人公として「ペンギン」が登場。
  • グラディウス2(1987年・MSX) - 『夢大陸アドベンチャー』のソフトを挿入すると、自機が「ペンギン」になる。PlayStation版の『コナミアンティークスMSXコレクションVOL.2』収録版でもコマンド入力で出現。
  • パロディウス(1988年・MSX) - プレイヤーキャラクターのひとりとして「ペンギン」が登場。
  • 牌の魔術師(1989年・MSX) - プレイヤーキャラクターのひとりとして「ペンギン」が登場。
  • 夢ペンギン物語(1991年・ファミリーコンピュータ) - 主人公として「ペン太」が登場。「ペン太」という名前が初登場した作品。以降、これまでの「ペンギン」がペン太と同一の扱いになる。
  • つりっ子ペン太[15](1991年・メダルゲーム
  • いもほりペン太(1992年・メダルゲーム)
  • ふうせんペン太(1993年・メダルゲーム)
  • スーパーつりっ子ペン太[16](1995年・大型筐体メダルゲーム)
  • ヒエヒエペン太(2001年・プライズゲーム
  • けっきょく南極大冒険対戦版 (2003年・携帯電話アプリ)コナミ雀〜ツインビー対戦版〜。
  • エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ(2004年・PlayStation 2) - 隠し自機として「ペン太」が登場。
  • ペン太の釣冒険DX[17](2006年・携帯電話アプリ)
  • コナミワイワイワールド(2006年・携帯電話アプリ) - 2006年の携帯電話アプリ版では、ファミコン版に登場していたコング(『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』)に代わって「ペン太」がプレイヤーキャラクターのひとりとして登場している。
  • 極寒ヒエヒエペン太(2019年・プライズゲーム)

息子のペン太郎がプレイヤーキャラクターとして登場する作品[編集]

パロディウスシリーズでは、ペン太とペン子(続編の『夢大陸アドベンチャー』に登場)の間に生まれた息子という設定の「ペン太郎」が活躍している。『パロディウスだ!』時点では9歳[18]、『New International ハイパースポーツDS』では12歳[19]。2P自機としてペン太郎の幼なじみで許嫁の「お花ちゃん」が登場する場合もある。ドラマCDでの声優は野沢雅子

背景などで登場する作品[編集]

ペン太とペン太郎のどちらなのかが明確にされない作品もある。

  • コナミのピンポン(1985年・MSX) - タイトル画面や背景に登場。
  • コナミのゲームを10倍楽しむカートリッジ(1985年・MSX) - 背景などに登場。
  • コナミの新10倍カートリッジ(1987年・MSX) - 背景などに登場。
  • コナミワイワイワールド(1988年・ファミリーコンピュータ) - 転送機を操るキャラクターとして登場。2006年の携帯電話アプリ版では、ペン太がプレイヤーキャラクターになったためお花ちゃんに差し替えられた。
  • コナミの占いセンセーション(1988年・MSX)
  • がんばれゴエモン2(1989年・ファミリーコンピュータ) - ステージ5でゲームを買うと敵として現れる。
  • がんばれペナントレース!(1989年・ファミリーコンピュータ)- イースタンドーム及びアメリカンスタジアムの攻守チェンジ中、電光掲示板で流れるCMに登場する事がある。
  • ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城(1991年・ファミリーコンピュータ)
  • バイオレントストーム(1993年・アーケード)
  • ワイワイビンゴ(1993年・アーケード)
  • ワイワイポーカー(1993年・アーケード)
  • ワイワイジョッキー(1995年・アーケード)
  • セクシーパロディウス(1996年・アーケード) - 「ペン太郎」が会計役などで登場。
  • コロコロペン介(1997年・メダルゲーム) - 「ペン介」が登場。ペン太やペン太郎との関係は不明。
  • コナミ ワイワイレーシング アドバンス(2001年・ゲームボーイアドバンス) - 「ペン太郎」が背景などに登場。
  • オトメディウス(2007年・アーケード) - 雑魚キャラクターとしてペンギンが多数登場。
  • カラコロッタ(2014年・メダルゲーム)- 司会進行役のペンギンのアニマの名前が「ペンタ」
  • ピクロジパズル(2018年・iOS/Android)

本ゲームに関する逸話[編集]

本ゲームは当初は「数」をテーマにしたゲームとして企画され、ペンギンが氷原に空いた穴から飛び出す魚を決められた数だけジャンプで捕まて、お邪魔キャラとして氷原に穴を空けるノコギリザメが登場する内容だった。それが途中からスクロールを入れたいという話が出て汽車が登場する横スクロールのゲームになり、さらに3D処理で長い道のりを表現するゲームになり、テーマも算数から地理に変更された[20]

脚注[編集]

  1. ^ エヴァ公式アプリ『EVA-EXTRA』でミニゲーム『ペンペン南極大冒険』が配信開始”. Social Game Info. 2020年8月24日閲覧。
  2. ^ 無料ゲーム「ペンペン南極大冒険」がエヴァ公式アプリに登場へ”. GIGAZINE. 2020年8月24日閲覧。
  3. ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、50頁。 
  4. ^ 横田真俊 (2002年5月8日). “コナミ、「コナミネットDX」にアクションゲーム「王家の谷」を追加”. ケータイ Watch. インプレス. 2018年12月29日閲覧。
  5. ^ コナミ、新アプリ「沙羅曼蛇」「けっきょく南極大冒険」を提供”. ITmedia Moblie. アイティメディア (2002年8月2日). 2018年12月29日閲覧。
  6. ^ 関口聖 (2003年3月19日). “コナミ、EZweb向けに「悪魔城ドラキュラC」など6本追加”. ケータイ Watch. インプレス. 2018年12月29日閲覧。
  7. ^ コナミ、iモード向け通信対戦ゲームサイトをオープン”. ITmedia Moblie. アイティメディア (2003年5月6日). 2018年12月29日閲覧。
  8. ^ 大久保有規彦 (2006年6月16日). “i-revo、「グラディウス」などを30分無料プレイ可能なコーナーを新設” (日本語). BB Watch. インプレス. 2019年2月23日閲覧。
  9. ^ VC けっきょく南極大冒険”. 任天堂ホームページ. 任天堂. 2018年12月29日閲覧。
  10. ^ けっきょく南極大冒険|ニンテンドー3DS”. 任天堂ホームページ. 任天堂. 2018年12月29日閲覧。
  11. ^ けっきょく南極大冒険|Wii U”. 任天堂ホームページ. 任天堂. 2018年12月29日閲覧。
  12. ^ けっきょく南極大冒険|プロジェクトEGG”. プロジェクトEGG. D4エンタープライズ. 2018年12月29日閲覧。
  13. ^ コナミ・教育シリーズの謎 - MSX研究所
  14. ^ Konami Games Flyer Archived 2009年7月1日, at the Wayback Machine. - Generation MSX
  15. ^ Arcade Game Flyers: Tsurikko-Penta, Konami - Arcade-History
  16. ^ Super Fisherman Penta (redemption game), Konami (1995) - Arcade-History
  17. ^ 【コナミネットDX】ペン太の釣冒険DX - KONAMI
  18. ^ 【コナミネットDX】アプリゲーム|パロディウスだ! - KONAMI
  19. ^ ニュー インターナショナル ハイパースポーツDS - ファミ通.com
  20. ^ 月刊ログイン 1994年4月号 p.63

外部リンク[編集]