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細川興貫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
細川興貫
ほそかわ おきつら
細川興貫
生年月日 1833年1月28日
(天保3年12月8日)
没年月日 (1907-09-11) 1907年9月11日(74歳没)
(明治40年9月11日)
前職 常陸国谷田部藩
称号 正三位
子爵
配偶者 之寿(細川行芬娘)[1]
子女 興嗣(長男)、理(長女)、鎮(次女)、堀親篤(次男)、亀井貫一(三男)、健麿(四男)[2]

在任期間 1897年(明治30年)7月10日 - 1904年(明治37年)7月10日[3]

日本の旗 谷田部藩(茂木藩)知事
在任期間 1869年7月30日(明治2年6月22日) - 1871年8月29日(明治4年7月14日)[4]
天皇 明治天皇
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細川 興貫(ほそかわ おきつら)は、江戸時代末期の大名明治時代華族政治家位階爵位正三位子爵常陸国谷田部藩9代藩主、初代藩知事、貴族院の子爵議員などを歴任。

生涯

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天保3年(1832年)12月、常陸谷田部藩8代藩主・細川興建の長男として誕生した。嘉永5年(1852年)9月6日、父の隠居により家督を継ぎ、従五位下・玄蕃頭に叙位・任官する。藩政では凶作が続いて百姓一揆も頻繁に起こり、藩財政も苦しかったといわれる。

慶応4年(1868年)3月、家臣119名を率いて上京し、京都警護を務めて新政府に恭順の意を示した。明治2年(1869年)6月22日に版籍奉還で谷田部藩知事となる[4]。明治3年(1870年)12月、藩庁を茂木に移して、明治4年(1871年)2月8日に茂木藩と改名し、茂木藩知事に任じられた[4]。直後の7月14日、廃藩置県により知藩事を免職された[4]

版籍奉還の際に定められた家禄は、現米で385石[5][注釈 1]

明治9年(1876年)の金禄公債証書発行条例に基づき、家禄と引き換えに支給された金禄公債の額は、1万4203円67銭3厘(華族受給者中289位)[7]

明治17年(1884年)7月7日の華族令施行によって華族が五爵制になると翌8日に旧小藩知事[注釈 2]として興貫が子爵に叙された[9]

明治23年(1890年)7月10日、貴族院議員に選ばれて、明治37年(1904年)7月10日まで2期務めた[10]。明治40年(1907年)9月11日、東京府浅草の今戸で死去した。享年76。墓所は東京都練馬区桜台広徳寺。戒名は興信院殿正三位勲四等子爵貫忠宗徹大居士。

家族

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父母

子女

脚注

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注釈

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  1. ^ 明治2年6月17日の版籍奉還時、藩財政と藩知事の個人財産の分離のため、藩の実収入(現米)の十分の一をもって藩知事個人の家禄と定められた[6]
  2. ^ 旧茂木藩は現米3850石(表高1万6300石)で現米5万石未満の旧小藩に該当[8]

出典

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  1. ^ 霞会館華族家系大成編輯委員会 1996, p. 98.
  2. ^ 霞会館華族家系大成編輯委員会 1996, p. 483.
  3. ^ 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』53頁。
  4. ^ a b c d 新田完三 1984, p. 838.
  5. ^ 霞会館華族家系大成編輯委員会 1985, p. 21.
  6. ^ 刑部芳則 2014, p. 107.
  7. ^ 石川健次郎 1972, p. 55.
  8. ^ 浅見雅男 1994, p. 150-151.
  9. ^ 小田部雄次 2006, p. 335.
  10. ^ 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』53頁。

参考文献

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  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
  • 浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年(平成6年)。 
  • 石川健次郎「明治前期における華族の銀行投資―第15国立銀行の場合―」『大阪大学経済学』第22号、大阪大学経済学部研究科、1972年、27 - 82頁。 
  • 刑部芳則『京都に残った公家たち: 華族の近代』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー385〉、2014年(平成26年)。ISBN 978-4642057851 
  • 小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社中公新書1836〉、2006年(平成18年)。ISBN 978-4121018366 
  • 霞会館華族家系大成編輯委員会『昭和新修華族家系大成 別巻 華族制度資料集』霞会館、1985年(昭和60年)。ISBN 978-4642035859 
  • 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年(平成8年)。ISBN 978-4642036719 
  • 華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年(平成2年)。ISBN 978-4820540342 
日本の爵位
先代
叙爵
子爵
(谷田部)細川家初代
1884年 - 1907年
次代
細川興嗣