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ミヌエット (ネコ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミヌエット
タビー&ホワイトのミヌエット
原産国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
別名 ナポレオン[1][2]
起源 人工交配種
体形 セミコビー
平均体重  3-4kg  2.5-3.5kg 
被毛 短毛種・長毛種
各団体による猫種のスタンダード
TICA スタンダード

ミヌエット英語: Minuet)は、ネコの品種のひとつである。1996年にマンチカンをベースにペルシャヒマラヤンエキゾチック・ショートヘア英語版などとの交配で作出され[2]、後に国際ネコ協会英語版(TICA)に登録された[3]

歴史

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1996年、イヌバセット・ハウンド)のブリーディングの経験のあったジョー・スミスは、マンチカンとペルシャの交配に着手した[4]。マンチカンもバセット・ハウンドと同じく軟骨無形成症である[5]。スミスは、四肢の長さに関わらず、人々にアピールできる猫種を作り出そうと考えた[5][6]。「ナポレオン」という別名は、ナポレオン・ボナパルトが身長が低かったとされることに由来する[7]

TICAにおいては「ナポレオン」の名称で2001年に実験種となり、2002年に登録。予備新種となったのは2011年であった[7]。2015年1月、この猫種名を「ミヌエット」に変更することが理事会で議決され[2][8]、2016年には正式な猫種登録に昇格した[9][10]。希少種を扱っている別団体では、現在も「ナポレオン」として登録されている[1]

この名称変更の理由としては「フランスの英雄に対する不敬」という声が多くあったためとされる[11]

外見

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マンチカンのようなずんぐりとした四肢、ペルシャのような短く丸みのある顔と優雅な被毛をそれぞれ受け継いでいるが、マズルはペルシャほど低くはない[10]。体型はセミコビーに分類される。尾は胴の長さに比してやや長めである。耳は丸みがあり左右が離れており、丸い目を持つ[3]。毛色は様々である[12]

健康上の問題

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マンチカンとペルシャの特徴を受け継いでいるため、ミヌエットは双方の健康疾患に関する問題を抱えやすいとされる[11][13]

軟骨無形成症であるため、関節が太く見える、顎が小さい、背骨の湾曲、腰を屈めたり膝をついたような姿勢が一般的にみられる[14]。それにより、脊柱前弯英語版漏斗胸の発生率が高い[15][16]。また四肢が短いため、変形性関節症のリスクが高い[5][17]

ペルシャから受け継いだ短い顔は、短頭症として知られる。この変形により、呼吸困難を引き起こす可能性があるとされる[18]鼻涙管の奇形により流涙症英語版が起こることがあり、シミや(二次的な)皮膚炎の原因となる[11][19]。ミヌエットの眼窩は浅く、眼球突出英語版や猫角膜の病気を引き起こすことがある[20]。顎の変形により咀嚼し難くなることがあり、その結果として食べかすが溜まって歯垢となり、歯周病につながる[21]。また、短頭症のネコはそうでないネコに比べて難産になりやすく、死産の割合も高いとされる[22]。解剖学上起こり得るもうひとつの状況は、喘鳴英語版睡眠時無呼吸症候群の原因となり、死に至る場合もある短頭種気道閉塞症候群英語版である[21][23]

脚注

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  1. ^ a b "Napoleon". Rare and Exotic Feline Registry (英語). 2024年1月27日閲覧
  2. ^ a b c ねこまみれ事典, p. 107.
  3. ^ a b まるごとわかる猫種大図鑑, p. 125.
  4. ^ Simón Martínez; Raúl Fajardo; Jesús Valdés; Raúl Ulloa-Arvizu; Rogelio Alonso (2007年). "Histopathologic study of long-bone growth plates confirms the basset hound as an osteochondrodysplastic breed". Canadian Journal of Veterinary Research (英語). 71 (1). PMC 1635992. PMID 17195339
  5. ^ a b c "Munchkin Limb Deformity". Universities Federation for Animal Welfare (英語). 2024年1月21日閲覧
  6. ^ "Gene Anomalies". Messy Beast (英語). 2024年1月21日閲覧
  7. ^ a b "TICA Minuet Breed Introduction". TICA (英語). 2015年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月21日閲覧
  8. ^ "2015 Winter Board Meeting" (PDF). TICA (英語). 2015年1月25日. 2015年9月12日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2015年6月6日閲覧
  9. ^ "Minuet Breed". TICA (英語). 2018年8月13日. 2023年1月27日閲覧
  10. ^ a b いちばんよくわかる猫種図鑑, p. 138.
  11. ^ a b c "ミヌエットってどんな猫?性格や注意すべき病気などを解説!". 日本ペット少額短期保険. 2024年2月12日閲覧
  12. ^ "MINUET BREED GROUP (MNT/MNL)" (PDF). TICA (英語). 2024年1月21日閲覧
  13. ^ "Napoleon". International Cat Care (英語). 2024年1月21日閲覧
  14. ^ "Feline Dwarfism". Basepaws (英語). 2019年3月6日. 2019年9月14日閲覧
  15. ^ "Munchkin Cat Health Problems". VetInfo (英語). 2019年3月24日閲覧
  16. ^ M. Hubler; S.J. Langley-Hobbs (2009). “Hereditary and congenital musculoskeletal diseases”. In P.M. Montavon; K. Voss; S.J. Langley-Hobbs (英語). Feline Orthopedic Surgery and Musculoskeletal Disease. Saunders. pp. 41-53. doi:10.1016/B978-0-7020-2986-8.00010-0. ISBN 978-0-7020-2986-8 
  17. ^ Stephen J. Ettinger; Edward C. Feldman; D. Bennett; C. May (1995). “Joint diseases of Dogs and Cats” (英語). Textbook of Veterinary Internal Medicine (4 ed.). Saunders. p. 2053. ISBN 978-0721667959 
  18. ^ W. Künzel; S. Breit; M. Oppel (2003年7月7日). "Morphometric Investigations of Breed-Specific Features in Feline Skulls and Considerations on their Functional Implications". Anatomia, Histologia, Embryologia (英語). 32 (4). doi:10.1046/j.1439-0264.2003.00448.x. PMID 12919072. S2CID 2721559
  19. ^ Claudia Schlueter; Klaus D Budras; Eberhard Ludewig; Elisabeth Mayrhofer; Horst E Koenig; Alice Walter; Gerhard U Oechtering (2009年11月1日). "Brachycephalic Feline Noses: CT and Anatomical Study of the Relationship between Head Conformation and the Nasolacrimal Drainage System". Journal of Feline Medicine and Surgery (英語). 11 (11). doi:10.1016/j.jfms.2009.09.010. PMID 19857852
  20. ^ Heidi J. Featherstone; Jane Sansom (2004年6月16日). "Feline corneal sequestra: a review of 64 cases (80 eyes) from 1993 to 2000". Veterinary Ophthalmology (英語). 7 (4). doi:10.1111/j.1463-5224.2004.04028.x. ISSN 1463-5216. PMID 15200618
  21. ^ a b Richard Malik; Andy Sparkes; Claire Bessant (1 November 2009). "Brachycephalia - a Bastardisation of what Makes Cats Special". Journal of Feline Medicine and Surgery (英語). 11 (11). doi:10.1016/j.jfms.2009.09.009. ISSN 1098-612X. PMID 19857851. S2CID 1789486
  22. ^ D. A. Gunn-Moore; M. V. Thrusfield (1995年4月8日). "Feline dystocia: prevalence, and association with cranial conformation and breed". Vet Rec (英語). 136 (14). doi:10.1136/vr.136.14.350. PMID 7610538. S2CID 46646058
  23. ^ "Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome in Dogs and Cats". University of Illinois College of Veterinary Medicine (英語). 2023年11月2日. 2024年1月21日閲覧

参考文献

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外部リンク

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