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こまねこまつり

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こまねこまつり
mineyama komaneko festival
開催時期 9月上旬
初回開催 2016年
会場 金刀比羅神社 (京丹後市)及び周辺地域
主催 こまねこまつり実行委員会
後援 京都府・京丹後市商工会・海の京都DMO・丹後海陸交通・丹後機械工業協同組合・京丹後宿おかみさんの会
協賛 羽衣ステーション・峰山料飲組合
協力 金刀比羅神社・ 京都丹後鉄道・丹後織物工業組合
出展数 70店以上(第1回)
来場者数 2,000人以上(第1回)
金刀比羅神社への交通アクセス
最寄駅 京都丹後鉄道宮豊線 峰山駅
駐車場 京丹後市役所前、金刀比羅神社駐車場
公式サイト
ねこプロジェクトの陶器猫(金刀比羅神社屋外)

こまねこまつりは、京都府京丹後市峰山町金刀比羅神社と同町市街地で行われる祭り[1]。町内に鎮座する金刀比羅神社境内末社木島神社にある狛猫を核に据えた地域おこしをめざす町民らによって2011年平成23年)に発足した「ねこプロジェクト」の発展として、2016年(平成28年)より始まったまちあるきイベントである[2]。主催者によれば「世界が注目するであろう東京五輪の2020年は、丹後ちりめん創業300周年でもある。2020年がひとつの節目」と見据えて、毎年秋に開催している[3]

この狛猫は1832年天保3年)に奉納された親子石像猫、その14年後の1846年弘化3年)に吽形の猫が奉納され2体となり狛猫となった[4]は自分のテリトリーを持ち他者に侵されたときは怨霊となり化け猫になると語られており、そのため地蔵尊はあってもとしては考えにくく[5]、この一対の猫の石像は日本唯一の狛猫像である[4][6]

概要[編集]

江戸時代から昭和にかけて、丹後ちりめんで栄えた峰山町で、養蚕に害をなすネズミを退治するを大切にした歴史から、神社に奉納された猫の石像「こまねこ」にちなみ、猫や狛猫を町づくりのシンボルに掲げた有志によるまちおこしイベント[7]。主催者はまちのこしとも語る[8]。猫にまつわる様々な取組を行いながら、「まちの人たちが内外の人とつながりを得ること」、「峰山の素敵なところや面白いところを発見すること」、「一緒に楽しくまちづくりをしよう!と盛り上がること」、「やればできる!を少しでも体験すること」、「まちづくりのアイデアを実験的に挑戦できる場となること」、「子どもたちやまちに暮らす人々の楽しみをつくること」を柱に、広く一般市民のなかからアイデアや協力を募り、狛猫のある木島神社を含む金刀比羅神社境内およびその周辺地域で、年1回秋に開催されている[7]

人と人の輪を広げることをねらって開催されている「こんぴら手づくり市」のほか、ネコの保護などについて話し合う「保護猫セミナー」や、丹後半島の環境問題にふれるアート展「メタモルフォーゼ×アート×漂着」など、地域の様々な問題について紹介し、考える機会ともされている[9][10][11]

由来[編集]

木島神社(左)と猿田彦社(右)。狛猫は左が阿形の親子猫、右が吽形。
木島神社に奉納された「狛猫」
猿田彦社に奉納された「狛猫」

木島神社の狛猫[編集]

1720年享保5年)に絹屋佐平治によってこの地で織りだされた丹後ちりめんの主要産地として繁栄した峰山町では、をネズミから守る猫を大切にしており、同町の金刀比羅神社境内にある木島神社・猿田彦神社には「狛猫」が鎮座している[12]。木島神社は1830年文政13年)、養蚕の守護神として、峯山藩のちりめん業者によって京都太秦にある蚕ノ社から勧請された[13][14]1832年天保3年)に、まず阿形の親子猫の石像が奉納された[4]。木島神社と猿田彦神社は、一つの屋根の下に同居するような形で建てられており、向かって左が木島神社にあたり、その前に阿形の親子猫の石像「狛猫」がある[4]

この石像の作者は、台座に刻まれた記録によれば鱒留村の長谷川松助とされる[15]。松助は当時の丹後では名の知れた石工で、丹後地方最大の農民一揆である宮津藩文政一揆で犠牲となった吉田新兵衛の供養のために築かれたと伝わる平地地蔵の制作者としても知られている[4]。右の狛猫の作者は不詳とされ、寄進された年代も1848年弘化3年)と、松助の狛猫とは14年の開きがあることや、阿吽の左右が一般的な狛犬とは逆であることから、もともとは阿形の親子猫の石像のみがあり、これにあわせるために吽形の狛猫が製作され、奉納されたと考えられている[4]

阿形の親子猫は、像高75.5センチメートル。吽形の狛猫は像高78センチメートル[16]

「こまねこまつり」ができるまで[編集]

峰山町昭和の中期にはすべての家から機を織る音が聞こえたというほど絹織産業が栄えたが[3]オイルショック以降の不況や格安の輸入製品におされて生産量が激減し[17]、街の活気も失われていた[3]。その状況に危機感を覚えた地元住民らが、街の歴史に誇りを持つことを目的に、全国的にも珍しいこの狛猫を中心に地域おこしをしようと発案、2011年平成23年)の金刀比羅神社の御鎮座200年祭の記念協賛事業として「ねこプロジェクト」が発足した[18]。その年、網野町にあるヒカリ美術館[19]で活動するアーティスト池田修造が狛猫をモチーフにした陶製素焼きの狛猫400体(200対)を制作し、市内の小学生ら約150名が絵付けを行い、金刀比羅神社御鎮座200年祭や年始年末等に境内に並べられた[20][21][22]

ねこプロジェクト実行委員会では、「いずれはいたるところにネコが見えるような町にしていきたい[23]」と語り、素焼き狛猫の絵付けはその後も毎年、様々なイベントでワークショップとして開催され、参加した町民が自宅前や玄関先に飾るなどして、こまねこの町・峰山を印象付けるのに一役を担い[24]、京丹後市における体験プランのひとつとして旅行案内にも紹介されている[25][26]2015年(平成27年)からは、金刀比羅神社の参詣の石段に、自然の石に猫の絵を描いた「猫石」展示を常設した[27]。猫プロジェクトには、峰山町民のみでなく、京丹後市一帯から広く有志が参加し、こまねこまつりは、そのような猫によるまちおこし活動のうちの「まちあるきイベント」として、2016年(平成28年)に第1回目が開催された[28]。2017年(平成29年)10月28日に道の駅丹後王国「食のみやこ」で開催された日本遺産認定記念シンポジウムには、ねこプロジェクト代表として、こまねこまつり実行委員会委員長でもある田中智子が招かれ、こまねこまつりを始めたことを紹介した[29]

内容[編集]

「この町のこせ! この猫さがせ!」を合言葉に地域の活性化をめざし、金刀比羅神社エリアとまちなかエリア、峰山駅前等で開催される。神社のみならず、町内を巡って峰山の町の風情を楽しんでもらうことをねらい、町内10店舗以上の飲食店や菓子店で猫にちなんだ限定商品を提供し、空き店舗での作品展示を行っている[18]

金刀比羅神社エリア[編集]

金刀比羅神社エリア(こんぴら手づくり市)

イベントの中心となる金刀比羅神社エリアでは、こんぴら手づくり市や、陶製素焼きの狛猫ねこ絵馬の絵付けと奉納などの体験型の催し、プロのアーティストによるキルト展「猫の目」作品展といったアート展、丹後地域で猫の保護活動をおこなる「ねこ会議」による保護猫活動展示猫グッズ販売を行っている[12][3][20][24]。金刀比羅神社の社務所の内外で、丹後ちりめんを用いた伝統のつるし飾りや、顔出しパネルなどの撮影スポットも用意される[30]

地元の峰山高校茶道部によるお茶席も予定されていたが、第2回第3回とも天候不順により中止になった[31]

こんぴら手づくり市[編集]

「こんぴら手づくり市実行委員会」が主催し、2009年(平成21年)10月18日から1月2月を除く毎月1回(第3日曜日)に開催されてきた金刀比羅神社境内で行われる手づくり市で、通常は15から20の露店が並ぶ[32][33]。第1回目のこまねこまつりは、その70回目にあわせて開催されたことにちなみ、境内には猫にちなんだ作品などを販売する露店が70店が並んだ[28][18]。以来、こまねこまつりの主要企画として、毎年まつりにあわせて大規模な出店を募っている[34]。第2回目のこまねこまつりでは80回目の手づくり市開催日であったことから80店舗の出展が予定されていたが、悪天候によるまつりの中止とともに順延となった[30]。第3回目のこまねこまつりでも雨天により順延となり、翌週末に開催される[31]

定例のこんぴら手づくり市は開催回数を重ねるにつれ工夫され、雨天時には社務所や斎場を会場に室内で開催される[35]。内容は、手芸品、陶器や工芸、鞄、衣類、パン、野菜、鉢植えなど手づくりであればよいとされ[36]、ワンデイカフェやミニコンサート、占いなども行われる[35]。長く続けることを目標のひとつとして開催されている[35]

陶器ねこ塗りワークショップ・ねこ絵馬奉納[編集]

陶製素焼き狛猫の絵付けワークショップ

「ねこプロジェクト」が主催し、池田修造が製作して2011年(平成23年)から行っている陶製素焼きの狛猫の絵付けワークショップと、金刀比羅神社のオリジナルねこ絵馬の絵付けと奉納を行う[30]。素焼き狛猫の絵付けは、こまねこまつり以前のこんぴら手づくり市等のイベントでも「ねこプロジェクト」主催で続けられ、金刀比羅神社をはじめ町内各所で、色とりどりに絵付けされた狛猫を見ることができる[14][24][25][37]2014年(平成26年)からは、除災招福の縁起物として、ひとまわり小さなサイズの素焼きの狛猫も作られている[14]

保護猫セミナー[編集]

「丹後の猫好きネットワーク・ねこ会議」が主催し、ネコリパブリック代表の河瀬麻花の講演による保護猫セミナーや、バーチャル・リアリティを用いた猫カフェ体験、猫助けかるた大会など、子どもも楽しめるワークショップを交えて丹後地域の猫の保護活動を紹介する[38][18]

「ねこ会議」は、2010年頃に自然発生的に誕生した網野町を拠点に活動する保護猫活動グループで、おもに生後4カ月までの仔猫の保護と里親探しや、保護した成猫の不妊手術などを行っている[39][40]

まちなかエリア[編集]

まちなかエリア(左の飲食店の前に素焼き狛猫が飾られている。)
まちなかエリアの菓子店(入口の左に赤白に絵付けされた素焼き狛猫が飾られている。)
ショーウィンドーから町を眺めるように置かれた絵付けこまねこ

金刀比羅神社周辺や峰山駅周辺など、峰山町中心部に展開する「まちなかエリア」では、狛猫の由来である丹後ちりめんの老舗吉村商店が店内を公開し、伝統のつるし飾りや2015年(平成27年)に京都文化博物館で開催された大丹後展でも展示された打掛を展示する[41]。また、京都を拠点に活動するふろしき研究会森田知都子によるちりめん風呂敷のワークショップや、手機体験など丹後ちりめん縁の体験企画や、アート展、狛猫にちなんだ関連商品の販売など、町の空き店舗等を利用して様々なイベントが行われる[41][30][42]。飲食店でも、こまねこまつりに合わせて猫をモチーフとしたメニューを考案するなど、まちなかエリアでは各店舗ごとに狛猫にちなんだ工夫を凝らしている[43][44][45][6]

まちなかショップスタンプラリー[編集]

約1カ月前から、町内の協力店舗で買い物などをするとスタンプがたまるスタンプラリーが行われる[41][30][42]。スタンプ3個・5個・7個をためると、それぞれ対応するこまねこまつりオリジナルの手づくりの猫小物などの景品と交換することができ、景品はまつりの当日に交換することができる[18]

ねこまんまランチ・ねこスイーツ[編集]

まちなかエリア内の飲食店や菓子店において、こまねこや猫をモチーフにした特別メニューや商品が用意される[18]。このうちプラザホテル吉翠苑の「狛猫ばらずし[45]」、戸田風月堂の「NEKO-NO-EN(猫のえん)[46]」、御菓子司大道の「狛猫もなか[47][48]」などは、各店を代表する定番商品に成長するとともに、猫をモチーフにした商品は峰山町の新定番となった[49][14][50]。また、2018年(平成30年)9月8日に初めて開催された関連企画ウィキペディアにゃウンでも、参加者の弁当には猫をあしらった「こまねこまつり特製の弁当」が提供された[51]

開催概要[編集]

「石ねこ」が並ぶ金刀比羅神社の境内の石段

第1回(2016年)[編集]

発起人の田中智子をはじめ女性を中心とする約30名の運営スタッフによって、発案からわずか3カ月後の2016年(平成28年)9月18日に開催された[28][18]。午前、狛猫が鎮座する木島神社で祈祷する狛猫祭を行った後、午前11時から町内各所で一斉に開催された[18]

「ねこプロジェクト」や「こんぴら手づくり市」の企画のほか、猫を描いたキルト展やダンボールアート展、アーティスト白川一恵石ねこ展[52]、池田修造の猫の目展などプロの作品展もあれば、地元高校生によるコンパネアートや、チェーンソーで猫の像を作る実演披露など、多彩な催しが行われた[20][18]。京丹後市観光協会峰山町支部羽衣ステーションでは、駅のコンコースで「らくざ」を開催し、ステーションLIVEには、セーリングが出演した[6][53]。空き店舗活用では、元にしがき峰山店前、元藤BAR、元高田酒店、元セレマ事務所が活用され、「この猫探せ!」ボードゲームや、陶器や布絵のアート展が開催された[18]

来場者1000人を目標に開催された第1回こまねこまつりは、SNSでの情報拡散もあり、猫好きを中心に京阪神など京丹後市外からも2000人以上が訪れて成功を収めた[20][22]。影響はまちなかにも及び、飲食店は満席となり、老舗の醤油店は創業以来最多の来客を記録した[3]。かつての金刀比羅神社では、秋の祭礼には丹後全域から人が訪れ、参道を露店が埋め尽くしたという。第1回こまねこまつりは、多くの人々に往年の賑わいを想起させた[3]

第2回(2017年)[編集]

2017年(平成29年)9月17日開催予定であった[1]が、台風18号直撃の予報により、2日前の15日に中止が決定された[8]。まつりに先立ち開催されていたスタンプラリーや京都丹後鉄道による限定切符の販売、関連イベントは予定通り行われ、まちなかショップスタンプラリーの景品交換は、翌10月のこんぴら手づくり市で行われた。

関連イベントでは、9月16日(土)に京都精華大学教授による 「峰山まち音あるき - サウンドスケープ&ミニ・コンサート」が開催された[54]。また、後述するこまねこウォークや、空き店舗である元田中家具店、元藤BAR、元高田酒店を活用したアート展が開催された[8]

第3回(2018年)[編集]

2018年(平成30年)9月9日(日)開催。大雨のため「こんぴらてづくり市」やシャッターアートのお披露目会などの屋外イベントは中止または延期とされたが、金刀比羅会館やまちなかエリアの吉村商店の公開、空き店舗である元田中家具店を活用したアート展などの屋内のイベントは開催された[55]

関連企画[編集]

こまねこきっぷ発売[編集]

京都丹後鉄道の普通・快速列車が1日乗り放題になるこまねこきっぷは、222枚(にゃんにゃんにゃん枚)限定で、2016年平成28年)の第1回目から毎年販売されている[30]。第3回こまねこまつりでは枚数を増やし、450枚限定で販売された[56]。切符は、丹後ちりめんの代表的な技法である紋ちりめんで、オリジナルの猫柄を描いたちりめん生地を使用した記念切符となっており、利用はこまねこまつり当日に限定せず、約1カ月の利用可能期間が設けられている[43][7]

京都丹後鉄道は、2018年(平成30年)の第3回こまねこまつりでは限定切符販売にとどまらず、こまねこまつりにあわせて鉄道フェスタを開催、峰山駅構内においてNゲージ運転体験や鉄道おもちゃプレイランドの解説、おもちゃ列車を運行するなどの関連企画を展開した[57][31]

こまねこウォーク[編集]

こまねこウォーク 禅定寺にて寺宝の説明中

狛猫の由来である丹後ちりめんに縁の地を巡るウォーキング・イベントとして、『京丹後市史』編纂にも携わった研究者の小山元孝がガイドを務め、2017年平成29年)9月10日(日)に第1回目が開催され、35名の一般参加があった[58]。狛猫のある木島神社から金刀比羅神社本殿と、日本遺産丹後ちりめん回廊の構成文化財の一つにもなった吉村商店や、吉村家の別邸である通常非公開の桜山荘を訪れ、スタッフもあわせると総勢50名でまちあるきを行った[8]

2018年(平成30年)には、峰山こまねこウオーク第1弾として、5月26日(土)に開催、金刀比羅神社にゆかりのある増長院常立寺の2か所を訪れ、30名が参加した[59]。第2弾は羽衣ステーションが主催する第19回「てくてく我がまち再発見」との共催で8月19日(日)に開催され、丹後ちりめんの始祖である絹屋佐平治(のちの森田治郎兵衛)が、ちりめん製織の成功を祈願した寺院である禅定寺と、猫のような彫刻がある稲代吉原神社を訪れ、35名が参加した[60]

ウィキペディアにゃウン[編集]

2018年平成30年)9月8日(土)、第3回こまねこまつりのプレイベントとして、「ウィキペディアにゃウン Wikipedia town in 丹後峰山」が開催された[61]。午前中にまちあるきを行い、午後に文献調査を行ってWikipedia日本語版の記事を編集するいわゆるウィキペディアタウンの京都府北部地域で初の開催であり、地元住民を含む27名が参加して、狛猫のある金刀比羅神社境内を中心に、周辺地域を散策して記事を作成した[62]

シャッターアート[編集]

こまねこシャッターアートのある峰山町内

2017年平成29年)に京都産業大学法学部京丹後市地域づくり応援隊の学生から提案された企画で、13名の学生が実際に町を歩いて地域活性化策を検討し、「峰山を猫の聖地にしよう」と提言したことをきっかけに、空き店舗が目立つ峰山町中心街で、商店のシャッターに、金刀比羅神社とこまねこをモチーフにした絵が描かれた[63][64]。第1弾として、金刀比羅神社から北に徒歩3分の工場跡地にある[65]、縦2.3メートル、横4.65メートルの車庫のシャッターに、美術塗装の世界で「現代の名工」と称される荒木俊成がデザインした原案をベースとして、3Dトリックアートの技法を用いて、丹後ちりめんをイメージさせる白地に紺のグラデーションで、金刀比羅神社鳥居と狛猫を表現した[66][67][68]。制作には5日間を要し、提言者の京都産業大学の学生のほか、地元の京都府立峰山高校美術部の生徒も協力した[67][69][68]。第3回こまねこまつりで披露される予定であったが、雨天によりセレモニーが中止となり、公開は10月6日に延期された[31][68]。6日は、公開に先立ち除幕式が行われ、制作にあたった学生らの手で絵を覆っていた幕が外された[65][70]

第3回こまねこまつりでは、まつりにあわせて「峰山のまちを良くするための提言」と題したポスターセッションも、学生らによって行われる予定であったが、中止となった[71]

プレミアム猫缶[編集]

人も猫も食べられるプレミアム猫缶」と銘打ち、丹後の魚を用いたおいしくて安全な猫缶として、2018年平成30年)2月に開発された。味は付いていない[72]。1缶100グラム入りで、第1弾には地元産の輪切りのサワラが用いられた[73]。季節によっての魚を用いた猫缶の商品化をめざす方針で、トビウオなどが試作に用いられている[73]。2月27日に試食会で市民らにふるまわれ[72]、同年5月18日に猫缶を通した猫と人の幸せを祈る祈願祭が金刀比羅神社で行われ、こまねこまつりをはじめとするイベント会場で販売している[74][75]

開発者は、丹後の猫好きネットワーク・ねこ会議で副代表を務める廣瀬啓子[72]2017年(平成29年)5月頃から自宅で研究を重ね、量産・商品化は京都市内の缶詰工場で行われた[72]。収益の一部は、野良ネコの去勢など、ネコの保護活動に充てられる[73]

まちなかアートプロジェクト[編集]

アート展と漂着物ワークショップが行われていた旧田中家具店

陶製素焼きこまねこの製作者である池田修造が所属する丹後アート会議ヒカリ美術館の主催による、作品展[42]。こまねこまつり当日には、海岸漂着物を用いたワークショップを開催する。

  • 2017年平成29年)9月9日~18日には、旧藤BAR、旧高田酒店、旧田中家具にて、「日本海×アート×漂流 -大地は器-」展を開催した[76]1997年(平成9年)に日本海で沈没したロシア船籍のタンカー・ナホトカ号の重油流出事故網野町の海岸に流れ着いた重油画材に用いた油絵や、漂流物を用いたオブジェ等、丹後地方を拠点に活動する6人のアーティストの作品約30点展示し、最終日には浮きやシーグラス貝殻などを用いたアートワークショップを行った[76][77]
  • 2018年(平成30年)9月2日~9日には、旧田中家具にて、「メタモルフォーゼ×アート×漂着」展を開催した[78]丹後半島に打ち寄せられた漂着物を用いた芸術作品20点が展示された。最終日には、流木に彩色を施してアクセサリーやオブジェに加工したり、貝殻片などを入れた万華鏡を作るアートワークショップを行った[78]

運営体制[編集]

主催団体「こまねこまつり実行委員会」は、ねこプロジェクト実行委員会こんぴら手づくり市実行委員会丹後の猫好きネットワーク・ねこ会議の3団体のメンバーを中心に構成される[18]。実行委員長は、発起人でもある田中智子[3]。実行委員の顔ぶれや人数は一定ではなく、上記団体の構成メンバーのほかにも、個人で参加するものもいれば、関連イベントによって各々主催者が異なる場合もある。

行政に頼らず[28]みんなでつくるお祭りを信条に、「家の庭や玄関先に猫アイテムを飾る」、「困ってそうなお客さんを見つけたら道案内をする」、「ちりめんを使ったつるし飾り作りに協力する」、「まちの歴史や昔の暮らし、素敵なお店や人の情報などをおしゃべりしたりSNSで紹介する」などの些細な行動もまちづくりへの参加ととらえ、町民ひとりひとりにできる一歩からのまちづくりを推奨している[7]。2018年(平成30年)の第3回こまねこまつりでは、ボランティアを含めて総勢100人規模の運営体制が敷かれ、ボランティアのための事前説明会も行われた[79]

また、第1回目から、京都府立大学COC+の地域創生フィールド演習の一環として、毎年2名から4名の学生を受け入れている[80]

アクセス[編集]

出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b ねこのきもち第141号付録「ねこ好きのきもち ねこイベントパーフェクトBOOK2017保存版」ベネッセ、2017年1月10日、13頁
  2. ^ “我が町のこま猫さんです”. 毎日新聞. (2018年1月7日). https://mainichi.jp/articles/20180107/ddl/k26/040/246000c 2018年9月11日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g 木村ひとみ (2017年1月7日). “京を磨く 和の伝道師たち6”. 読売新聞: p. 27 
  4. ^ a b c d e f 京丹後市史編さん委員会『京丹後市史資料編 京丹後市の伝承・方言』京丹後市、2012年、68頁
  5. ^ 会誌『旦波』第九号。pp.34-35 。2016年3月発行。
  6. ^ a b c Kado Bits編集部 『Bits Vol.28』 Kado Bits編集部、2016,8,5、22-23頁。
  7. ^ a b c d 第3回こまねこまつりまちあるきマップ 2018年 (PDF)”. 2018年10月17日閲覧。
  8. ^ a b c d ことひら28号2頁 (PDF)”. 金刀比羅会. 2018年9月15日閲覧。
  9. ^ こんぴら手づくり市公式サイト”. 2018年9月11日閲覧。
  10. ^ 保護猫セミナー、京丹後で開催へ”. 2018年9月11日閲覧。
  11. ^ 漂着物をアートに 京丹後で展覧会 流木や漁網…20作品”. 2018年9月11日閲覧。
  12. ^ a b 木村ひとみ (2016年9月13日). “蚕の守護神こま猫PR”. 読売新聞: p. 32 
  13. ^ 田中尚之 『石工松助を語る』 清水印刷、2003年、32頁。
  14. ^ a b c d ことひら22号2面 (PDF)”. 金刀比羅会. 2018年9月15日閲覧。
  15. ^ 月刊キャッツ「猫おじさんが行く 日本全国ネコ紀行」ペットライフ社、1997年、78頁
  16. ^ 和田博雄『石工松助について-丹後の石工について-』6頁(「両丹地方史第58号」1993.10.24発行より抜粋)
  17. ^ 内橋克人『共生の大地新しい経済が始まる』岩波書店、1995年、60-62頁
  18. ^ a b c d e f g h i j k ことひら26号1-2面 (PDF)”. 金刀比羅会. 2018年9月15日閲覧。
  19. ^ ヒカリ美術館
  20. ^ a b c d 寺脇毅 (2018年3月13日). “「狛猫」で地域おこし”. 朝日新聞: p. 33 
  21. ^ 金刀比羅神社のねこプロジェクト”. 2018年9月11日閲覧。
  22. ^ a b ずっと地元を見守ってきたニャ 金刀比羅神社の「狛猫」”. シッポ. 2018年9月10日閲覧。
  23. ^ “京都・織物まちの「なんでネコやねん」”. 産経新聞. (2012年5月3日) 
  24. ^ a b c ことひら27号1-2面 (PDF)”. 金刀比羅会. 2018年9月15日閲覧。
  25. ^ a b 京丹後市観光振興課「京丹後へGO! 2016年春・夏」京丹後市観光情報センター、2016年、9頁
  26. ^ 『海の京都体験手帖 2016秋・冬』 海の京都DEMO、2016年、2-3頁。
  27. ^ ことひら24号2面 (PDF)”. 金刀比羅会. 2018年9月15日閲覧。
  28. ^ a b c d 塩田敏夫 (2016年9月19日). “こまねこまつり 猫の手借りて町再生 京都”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20160919/k00/00e/040/181000c 2018年9月10日閲覧。 
  29. ^ 日本遺産認定記念シンポジウムの開催(10/28)”. 2018年9月11日閲覧。
  30. ^ a b c d e f 「第2回こまねこまつり」チラシ、裏面
  31. ^ a b c d 第3回こまねこまつり開催予定変更のお知らせ”. 2018年9月11日閲覧。
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  81. ^ 『まっぷる城崎・天橋立 湯村温泉・舞鶴』昭文社、2012年、87頁

参考文献[編集]

  • 京丹後市史編さん委員会『京丹後市史資料編 京丹後市の伝承・方言』京丹後市、2012年、68頁
  • 田中尚之『石工松助を語る』 清水印刷、2003年、32頁
  • 和田博雄『石工松助について-丹後の石工について-』6頁(「両丹地方史第58号」1993.10.24発行より抜粋)
  • 金刀比羅会 社報「ことひら」復刻1号-29号、2004年7月-2018年7月
  • 内橋克人『共生の大地 -新しい経済が始まる-』岩波書店、1995年、60-62頁
  • 日本繊維製品消費科学会「繊維製品 消費科学」vol.58、2017年12月号、新治昌弘「4,丹後の織物-丹後ちりめん-」12頁
  • 広報京丹後2017年10月号(第163号)、2018年7月号(第172号)、2018年10月号(第175号)
  • 月刊キャッツ「猫おじさんが行く 日本全国ネコ紀行」ペットライフ社、1997年、78頁
  • 「ねこじゃらし№110」キャットテール、2016年9月10日発行、3面

この他、各種の新聞報道、観光パンフレット、ねこ雑誌、主催者作成の各種イベントチラシ等を参照しました。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度37分15.7秒 東経135度3分40.2秒 / 北緯35.621028度 東経135.061167度 / 35.621028; 135.061167