唐草模様

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唐草文。二把手ギリシア陶器の一種(カンタロス英語版)。東イオニア。前540頃(バイエルン州立古代美術博物館ドイツ語版所蔵)

唐草模様(からくさもよう)[1] 唐草文(からくさもん)[2][3] とは、葉や茎、または蔓植物が伸びたり絡んだりした形を図案化した植物文様の、日本での呼称。

外国では、英語: foliage scroll(work)[2], ドイツ語: Laubwerk[2], フランス語: rinceaux[2], 中国語: 蔓草文 (màncǎowén)[2]などの呼称があてられる。

複数の曲線や渦巻き模様を組み合わせることで、つるが絡み合う様子を表す。写実的なものもあるが、図形的に描いたものでは、左右対称の渦巻き模様などに簡略されたり、多種多様の唐草模様が存在する。

古代ギリシアの神殿などの遺跡でアカイア式円柱などに見られる草の文様が唐草文様の原型であり、メソポタミアエジプトから各地に伝播したと考えられている。日本にはシルクロード経由で伝わったとされている。

概要[編集]

ザイン・アッディーンの銘入りの香炉。銀象嵌の部分に葡萄唐草文(三尖端の葉)が使われる。ペルシア(?)、15世紀 (ウォルターズ美術館所蔵)

異国のモチーフでは、スイカズラ(忍冬〔にんどう〕)をかたどった忍冬唐草(にんどうからくさ)や[2]ブドウを主題とした葡萄唐草[2]、またパルメット意匠をもちいたものがある。ギリシアの壺絵[2]に例がみられる。

イスラームでは食器、陶板など釉薬でデザインに描かれたり、建築美術でもモスクの天井、壁面の装飾によく用いられる。アラベスクという語は、狭義では唐草文系の意匠を意味するが、広義では、文字系や幾何学系も含む[2]

唐・朝鮮からもたらされた仏教美術、透かし彫りなどにみられるのが、ハスボタン宝相華(ほうそうげ。想像上の花)を唐草と合わせた、蓮華唐草[4]牡丹唐草[2]宝相華唐草[4]である。

ツタをかたどるものは、蔦花文様(ちょうかもんよう)、蔦蔓文様(つたかずらもんよう)などとも呼ばれる[要出典]

和様式の唐草文[編集]

唐草模様の風呂敷
使用例

日本では、奈良時代に渡来した様式から、次第に和様式となったものが好まれるようになり、有職文様にもちいられた[2]。中世をさかいに、キリフジ、松竹梅など身近な[2]種類の植物にうってかわるようになり、染織、織物、蒔絵などにもちいられた[1]名物裂(めいぶつぎれ)にも、金蘭唐草文などの例が認められる[2]

現在、一般に「唐草模様」として認識されることが多いのが、緑地に白の唐草模様がある風呂敷のそれで、獅子舞のかぶり物としてお馴染みであり、漫画コントの中では泥棒の小道具としての印象もある。図案化が進み、葉に当たる部分などは簡略化されほとんど原形をとどめていない。

蔓草の生命力を発展に結び付けて一種の吉祥文様として日用品などに使用されることが多い[要出典]

参考文献[編集]

  1. ^ a b 広辞苑 第2版補訂版 (1976年)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 新潮社 『新潮世界美術事典』 新潮社、1985年ISBN 4-10-730206-7
  3. ^ 東京国立博物館 『和英対照日本美術鑑賞の手引(An Aid to the Understanding of Japanese Art)』、1976年 (改訂版; 1964年初版), p.132/133
  4. ^ a b 広辞苑 第五版