歯垢
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歯垢(しこう)とは一般に歯表面に付着した黄白色を帯びた粘着性の微生物叢を指す。食事の後8時間で食べかすの中で細菌が増殖して歯垢になる。デンタルプラーク (dental plaque)、また単にプラーク、歯糞、歯屎(はくそ)、歯滓(はかす)、バイオフィルムとも。
歯との接触面は唾液由来の獲得被膜(ペリクル)と呼ばれる被膜で覆われており、細菌が段階的に吸着してプラークバイオフィルムが形成される[1]。歯垢は歯磨き、洗口液で除去出来る。歯垢が石灰化すると歯石となる[2]。
概要
[編集]細菌
[編集]歯垢の細菌は、その時期により大きく変わる。歯垢付着直後は通性嫌気性菌が多いが、成熟するにつれ、偏性嫌気性菌が増加する。
1人の人間の口内には、500‐700種以上が生息している場合がある[3]。
ストレプトコッカス・ミュータンス由来の酵素グルカンスクラーゼによりグルカン(水溶性グルカンのデキストラン)が合成され、グルカンは食べカスや他の口腔細菌を巻き込んで歯垢を形成する[4]。
う蝕
[編集]歯垢の増加はう蝕(虫歯)の大きな要因となる。食事を摂取後、しばらくの間、歯垢のpH(水素イオン指数、溶水の酸性、アルカリ製の程度)は歯の脱灰の臨界pH(一般に5.5前後とされるが、歯の石灰化度により大きく変動する)を下回る。これは歯垢を構成するう蝕原因菌が食料の糖質を代謝により酸に変えるためであり、産生された酸により歯が脱灰され、う蝕となる。なお、このpHは唾液の作用により数十分後には臨界pHを上回る。これを再石灰化という。
歯周病
[編集]歯垢の増加は歯周病の大きな要因ともなる。歯周病は大きく歯肉炎の段階と歯周炎の段階に分けられるが、数日歯を磨かないと歯垢がたまって容易に歯肉に炎症が起きる。この段階で口腔内を清潔にすると歯肉炎は治癒する。
脚注
[編集]出典
[編集]- ↑ 河村, 好章、長谷川, 義明、佐藤, 拓一「口腔内細菌叢のコントロール」2010年10月1日、doi:10.14894/faruawpsj.46.10_929。
- ↑ 歯垢(しこう)と歯石(しせき)の違いって? アパガード 2021年7月28日閲覧。
- ↑ Lasserre, Jérôme Frédéric (2018年9月22日). “Oral Microbes, Biofilms and Their Role in Periodontal and Peri-Implant Diseases”. Materials (Basel, Switzerland). pp. 1802. doi:10.3390/ma11101802. 2025年5月27日閲覧。
- ↑ “虫歯の病原因子である酵素の立体構造を世界で初めて解明~虫歯の予防物質を探索するための手がかりを得る~”. www.jst.go.jp. 2025年5月27日閲覧。