アミテージ・ザ・サード
アミテージ・ザ・サード | |
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ジャンル | サイバーパンク |
OVA | |
監督 | 越智博之 |
キャラクターデザイン | 越智博之 |
アニメーション制作 | AIC |
発表期間 | 1995年4月21日 - 1995年11月25日 |
話数 | 全4話 |
テンプレート - ノート |
『アミテージ・ザ・サード』(英文表記:ARMITAGE III)は、1995年に発売されたAIC制作のOVA[1]。火星を舞台とし、MPDの刑事アミテージとロスを描く、サイバーパンク作品である。
概要
[編集]アニメータの越智博之がキャラクターデザインだけでなく監督も兼任した意欲作である。1995年にOVA全4巻がリリースされ、漫画版も展開されるメディアミックスが行われたが、日本では商業的な成功は得られなかった。
一方、日本版OVAのリリース直後より発売されたアメリカ版OVA(Pioneer USA制作/Funimation配給)が大ヒット。そのためFunimation側の出資により、全米劇場公開を前提としてハリウッドの有名俳優を起用した全編の英語吹き替えと再編集がなされた『ARMITAGE III POLY-MATRIX』が1996年4月20日より日本の劇場で公開[2][3](アメリカでは1997年公開)。その続編として2001年に『ARMITAGE DUAL-MATRIX』が制作され、東京国際ファンタスティック映画祭2001にて10月31日に上映された[4]後、2002年に海外でも劇場公開された。
海外での人気と反対に日本での展開は弱く、海外でリリースされた英語吹き替え版DVDのみが市場に存在する状態が長らく続いていたが、2022年にOVA全4話および劇場版2作品のデジタルリマスターがなされた『ARMITAGE Ⅲ Complete Blu-ray BOX』がリリースされる。
ストーリー
[編集]火星警察(MPD)に赴任してきた刑事 ロス・シリバスは到着早々の空港で、殺人事件に巻き込まれてしまう。犯人の男を取り逃してしまうが、残された遺体を検めると意外な事実が判明する。殺されたのは人気のカントリー歌手のケリー・マッキャノンだったのだが、銃創から覗いた金属組織からして、その身体の中身がどう見てもロボットだとわかったのだ。遺体をMPDで詳細に調べるとそれは現行の水準を超える技術で作られた未知のロボットらしい。しかしそれはどういうことなのか。彼女はどこかでロボットと入れ替わったのか、それとも元々ケリー・マッキャノンという人間は存在せず、人間と見間違うほどのロボットが歌手として人前に立ち、人気を得ていたと言うのだろうか。
やがてMPDはそれが「サード」と呼ばれる非合法の存在であることを突き止める。はたしてサードは何者がどんな目的で作り、人知れず世に送ったのか。そしてそれを消そうとする謎の男ダンクロードの正体は何なのか。ロスは少女のような外見の刑事ナオミ・アミテージとパートナーを組み、共に事件を追う。
登場人物
[編集]声の表記は「OVA1版 / 英語吹き替え版 / OVA2版」。
主要人物
[編集]- ナオミ・アミテージ
- 声 - 笠原弘子 / エリザベス・バークレー / 柚木涼香
- 本作の主人公。MPDの巡査部長。サードをめぐる事件にかなりの執着を見せる。彼女自身がサードの一人。正確にはアサシンドロイドとサードをつなぐ一種の試作体である。アサクラは人にきわめて近い姿のアサシンドロイドをベースにサードを設計した。
- ロス・シリバス
- 声 - 増谷康紀 / キーファー・サザーランド / 花田光
- シカゴから赴任した警部補。パートナーを殺されたことでアンドロイドを憎んでいた。続編では警備員をしている。
- ルネ・ダンクロード
- 声 - 中尾隆聖 / ダン・ウォーレン
- サード連続殺害の犯人だが、正体はアサクラの助手にしてサードの開発者。
- ジュリアン・ムーア / プルート[5]
- 声 - 緒方恵美 / ワンダ・ナウィキー / 斎賀みつき
- サードの一人で最終モデル。アミテージが自分に関わる真相を助けたりする。
その他の人物
[編集]- ラリー・ランドルフ
- 声 - 佐藤正治 / マイク・レイノルズ
- MPD部長。
- エディー・バローズ
- 声 - 掛川裕彦 / ブライアン・クランストン
- MPDの一員。
- クリス・ブラウン
- 声 - 神奈延年 / スティーヴ・アポストリナ
- MPDの一員。
- ローウェル・ガンツ
- 声 - 高木渉 / ダグ・ストーン
- MPDの一員。
- ユージン・H・アレン
- 声 - 田中秀幸 / サム・ストロング
- コンセプシオン社副社長。
- アサクラ
- 声 - 嶋俊介 / バリー・スティグラー
- サードの開発者。アミテージからは「パパ」と呼ばれている。
- ウィルバー・ダンクロード
- 声 - 中尾隆聖 / ダン・ウォーロン
- アサクラの助手。ルネによく似た容姿をしている。
- ケリー・マッキャノン
- 声 - 南場千絵子 / ドロシー・エリアス=ファーン
- サードの一人で人気歌手。
- ジェシカ・マニング
- 声 - 片石千春 / リーヴァ・スパイヤー
- サードの一人で画家。
- ヨーコ
- 声 - 今井由香
- ロスとナオミの娘。
- デミトリオ・マルディーニ
- 声 - 山路和弘
- ERU上級副社長。
- ストリングス
- 声 - 中田譲治
- デミトリオの部下。
- フレデリック・オハラ
- 声 - 家弓家正
- 火星開拓財団会長。
- マウス
- 声 - 山崎たくみ
- 傷ついたナオミを拾った修理屋。
用語
[編集]- セカンド
- この作品世界で一般的なアンドロイド(ガイノイド)、頭部に機能を停止させるスイッチを持つ。また、スイッチの存在で人間と容易に判別が可能。
- サード
- セカンドの水準を遙かに超える非合法のアンドロイド、セカンドと異なり人間と区別が困難。感情などの情緒面においても人間と同等である。その開発には火星の事情が見え隠れする。
- サードの真の特徴は受胎可能という点である。そのため、唯一の例外を除いて女性である。サード開発の理由は火星における出生数の低さである。それを補うためにサードは開発された。人間と変わらぬ情緒は人間を産むサードに必要な要素であった。
主題歌
[編集]- エンディングテーマ
- 「いい夢を思い出せない」(日本語版)
- 「I've Got It!」(最終話)
- 作曲・編曲 - 松宮恭子 / 変更 - 藤原いくろう / 歌 - 笠原弘子
- PHANTOM WORLD(英語版)
- 歌 : 笠原弘子
- PHANTOM WORLD(英語版)
サブタイトル
[編集]- Episode:1 Electro Blood
- Episode:2 Flesh and Stone
- Episode:3 Heart Core
- Episode:4 Bit of Love
関連作品
[編集]書籍
[編集]- 漫画『アミテージ・ザ・サード』
脚注
[編集]- ^ “ARMITAGE III (OVA)”. AIC. 2012年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月31日閲覧。
- ^ “ARMITAGE III POLY-MATRIX”. Movie Walker. ムービーウォーカー. 2017年10月31日閲覧。
- ^ “ARMITAGE III POLY-MATRIX”. 映画.com. エイガ・ドット・コム. 2017年10月31日閲覧。
- ^ “上映リスト10/31”. 東京国際ファンタスティック映画祭. 2001年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月31日閲覧。
- ^ ハンドルネームはLD版付属ライナーノーツにて判明。
外部リンク
[編集]- ARMITAGE III(OVA) (AIC - 作品紹介ページ) - ウェイバックマシン(2012年6月7日アーカイブ分)