タングステン
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外見 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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銀灰色 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一般特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
名称, 記号, 番号 | タングステン, W, 74 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | 遷移金属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 6, 6, d | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子量 | 183.84 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Xe] 4f14 5d4 6s2[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 12, 2(画像) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
物理特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
密度(室温付近) | 19.25 g/cm3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点での液体密度 | 17.6 g/cm3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点 | 3695 K, 3422 °C, 6192 °F | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
沸点 | 5828 K, 5555 °C, 10031 °F | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨界点 | 13892 K, MPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 35.3 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸発熱 | 806.7 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱容量 | (25 °C) 24.27 J/(mol·K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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原子特性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
酸化数 | 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0, −1, -2(弱酸性酸化物) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 2.36(ポーリングの値) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 第1: 770 kJ/mol | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第2: 1700 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子半径 | 139 pm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | 162±7 pm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 体心立方格子構造 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
磁性 | 常磁性[2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気抵抗率 | (20 °C) 52.8 nΩ⋅m | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | (300 K) 173 W/(m⋅K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱膨張率 | (25 °C) 4.5 μm/(m⋅K) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ (微細ロッド) |
(r.t.) (annealed) 4620 m/s | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヤング率 | 411 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
剛性率 | 161 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体積弾性率 | 310 GPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポアソン比 | 0.28 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
モース硬度 | 7.5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ビッカース硬度 | 3430 MPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブリネル硬度 | 2570 MPa | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CAS登録番号 | 7440-33-7 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主な同位体 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
詳細はタングステンの同位体を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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タングステンまたはウォルフラム(独: Wolfram [ˈvɔlfram]、羅: wolframium、英: tungsten [ˈtʌŋstən])は、原子番号74の元素。元素記号は W。金属元素の一つ。
原子量は183.84である。銀灰色の非常に硬く重い金属で、クロム族元素に属する。化学的に安定で、その結晶は体心立方構造 (BCC) を持つ。融点は 3380 °C で、沸点は 5555 °C 。比重は19.3。希少金属の一つである。
用途
金属のうちでは最も融点が高く、金属としては比較的大きな電気抵抗を持つので[3]、電球のフィラメントとして利用されるが、LEDの普及によりこの分野の使用量は減少してきている。また、タングステン合金や炭化タングステンは非常に硬度が高いため、高級な切削用工具に用いられる。比重が大きく、高い硬度を持つため砲弾、特に対戦車、対艦船用の徹甲弾に用いられるが、この用途では後発の劣化ウランと競合する。比重が金に近いことから、金の延べ板の偽造に用いられることがある[4]。野性動物への鉛害防止の観点から、狩猟用散弾銃の弾丸や釣りのおもりで使われる鉛の代替品としても注目されているが、コストや加工などの問題から普及は進んでいない。さらに、高温強度が強く、熱膨張係数は金属のうちでは最も小さいため、耐熱性の要求される分野でも用いられる[5]。
- ダーツのバレル(持つ部分)素材の一部
- 電子顕微鏡や電子線描画装置の電子線(電子ビーム)発生源として
- 反物質生成実験 陽子や電子を衝突させて、粒子(陽子や電子]と反粒子(反陽子や陽電子)を対生成させるための的の素材として
- ドリルなどの高速度鋼(タングステンと鉄の合金)。
- 切削工具などに用いられる超硬合金(炭化タングステン)として
- 生体試料の微細な解剖用具(タングステン針)の材料として
- X線遮蔽用の金属のひとつ
- 戦車等の装甲に純タングステンあるいはタングステン合金が使われる
- 対戦車用、対艦用として強硬な装甲を持つ攻撃目標を破壊するための徹甲弾(高速徹甲弾、APDS、APFSDSなど)の弾芯として
- 真空蒸着による薄膜形成の際、薄膜の素材となる金属の加熱・溶融・保持に使用される
- TIG溶接の非消耗電極の素材、またはプラズマアーク溶接、プラズマ切断の電極の材料として
- 指輪、腕時計等のアクセサリー素材として
- 電球のフィラメントとして
- 固体潤滑剤(二硫化タングステン)として
- 真空遮断器等のバルブ内の接触子材料、銀タングステンカーバイド (AgWC)、銅タングステン (CuW) として
- 印鑑、手袋[6]
産出
タングステンの産出量は、中華人民共和国が52,000トンで、世界の産出量の83.7%を占めており、次いでロシア連邦、カナダ、オーストリアなどで、多く産出される。
前記の様に産業上・軍事上非常に重要性が高い金属であるが地殻存在度が低い物質であり、産出地にも偏りがある。日本においても多くを他国からの輸入に頼っている状況であるため、万一の国際情勢の急変に対する安全保障策として国内消費量の最低60日分を国家備蓄すると定められている。
歴史
1781年、スウェーデンのカール・ヴィルヘルム・シェーレが灰重石から酸化タングステン(VI)の分離に成功し、タングステン酸と命名。1783年、スペインのファン・ホセとファウストのエルヤル兄弟が、タングステン酸を木炭で還元して初めて単体を得、ウォルフラムと命名。
タングステン (tungsten) とは、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語で「重い石」という意味である。元素記号の W はドイツ語の Wolfram にちなむ[7]。これは、タングステン鉱石(鉄マンガン重石)Wolframit から来ており(エルヤル兄弟の命名もここから)、これがスズ鉱石の中に混入すると、スラグを作ってスズの精製を阻害することから、スズを狼 (Wolf) のようにむさぼり食べるという意味で名づけられた[8]。
米国では2010年、コンゴ民主共和国および周辺国で紛争地域のテロ活動の資金源となっている鉱物、いわゆる「紛争鉱物」に指定され、製品に使用する企業は米証券取引委員会に報告義務が課された[9]。
日米欧からの提訴を受けて世界貿易機関(WTO)が協定違反と断じたことにより、2015年に生産をほぼ独占していた中国はタングステンとレアアースとモリブデンに賦課している「輸出税」と「輸出数量制限」を廃止した[10]。
同位体
タングステンには158Wから192Wまで、35種類の同位体が知られており、このうち180W、182W、183W、184W、186Wが天然に存在する。全ての同位体が放射性同位体と考えられているが、いずれも極めて半減期が長く、崩壊が観測されたことはない。計算上、1gのタングステンは2日に1個の原子が崩壊しているはずである。
タングステンの化合物
- タングステン酸ジルコニウム (ZrW2O8) - 負の熱膨張を示す
- タングステン酸アルミニウム (Al2(WO4)3) - Al3+ イオン伝導体
- 酸化タングステン(VI) (WO3) - 鉱物として産出する。
- 炭化タングステン (WC) - 最も沸点の高い物質。約6000 °C。
- パラタングステン酸アンモニウム(APT) - タングステンを鉱石から精錬する際に作られる中間生成物。
タングステン酸塩鉱物
鉱物学において、タングステン酸塩からなる鉱物をタングステン酸塩鉱物(タングステンさんえんこうぶつ、英: tungstate mineral)と呼ぶ。灰重石 CaWO4(タングステン酸カルシウム)、鉄重石 FeWO4(タングステン酸鉄)、マンガン重石 MnWO4(タングステン酸マンガン)などがある。
脚注
- ^ “Why does Tungsten not 'Kick' up an electron from the s sublevel ?”. 2008年6月15日閲覧。
- ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds Archived 2004年3月24日, at the Wayback Machine., in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
- ^ “タングステンの特徴|株式会社アライドマテリアル”. www.allied-material.co.jp. 2020年5月21日閲覧。
- ^ “金の延べ板の偽造工場を摘発、ブローカーの男ら6人逮捕”. asahi.com. (2007年6月5日). オリジナルの2007年6月6日時点におけるアーカイブ。 2016年12月5日閲覧。
- ^ “タングステンの基本物性|融点・比重・電気抵抗など|岳石電気株式会社”. www.takeishi.co.jp. 2020年5月21日閲覧。
- ^ “ダイヤの次に硬い「タングステン印鑑」パナソニックが12月発売 蛍光灯製造技術を応用”. ITmedia ニュース. (2016年12月5日) 2016年12月5日閲覧。
- ^ 日本タングステン タングステンのすべて https://www.nittan.co.jp/tech/all/detail01.html
- ^ 桜井弘『元素111の新知識』講談社、1998年、304~305頁。ISBN 4-06-257192-7。
- ^ “米国における紛争鉱物に関する開示規制の概要”. 経済産業省. 2016年6月3日閲覧。
- ^ “中国のレアアース等原材料3品目に関する輸出税が廃止されます”. 経済産業省. (2015年5月1日) 2018年3月24日閲覧。
参考文献
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関連項目
外部リンク
- 国際化学物質安全性カード タングステン(粉末) (ICSC:1404) 日本語版(国立医薬品食品衛生研究所による), 英語版
- タングステン講座
- タングステンのすべて
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1 | H | He | |||||||||||||||||||||||||||||||
2 | Li | Be | B | C | N | O | F | Ne | |||||||||||||||||||||||||
3 | Na | Mg | Al | Si | P | S | Cl | Ar | |||||||||||||||||||||||||
4 | K | Ca | Sc | Ti | V | Cr | Mn | Fe | Co | Ni | Cu | Zn | Ga | Ge | As | Se | Br | Kr | |||||||||||||||
5 | Rb | Sr | Y | Zr | Nb | Mo | Tc | Ru | Rh | Pd | Ag | Cd | In | Sn | Sb | Te | I | Xe | |||||||||||||||
6 | Cs | Ba | La | Ce | Pr | Nd | Pm | Sm | Eu | Gd | Tb | Dy | Ho | Er | Tm | Yb | Lu | Hf | Ta | W | Re | Os | Ir | Pt | Au | Hg | Tl | Pb | Bi | Po | At | Rn | |
7 | Fr | Ra | Ac | Th | Pa | U | Np | Pu | Am | Cm | Bk | Cf | Es | Fm | Md | No | Lr | Rf | Db | Sg | Bh | Hs | Mt | Ds | Rg | Cn | Nh | Fl | Mc | Lv | Ts | Og | |
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