運び屋 (映画)
運び屋 | |
---|---|
The Mule | |
監督 | クリント・イーストウッド[1] |
脚本 | ニック・シェンク[1] |
原案 |
サム・ドルニック 『The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule』[1] |
製作 |
クリント・イーストウッド ティム・ムーア クリスティーナ・リベラ ジェシカ・マイヤー ダン・フリードキン ブラッドリー・トーマス[1] |
製作総指揮 | アーロン・L・ギルバート[1] |
出演者 |
クリント・イーストウッド ブラッドリー・クーパー ローレンス・フィッシュバーン マイケル・ペーニャ ダイアン・ウィースト アンディ・ガルシア[1] |
音楽 | アルトゥロ・サンドバル[1] |
撮影 | イブ・ベランジェ[1] |
編集 | ジョエル・コックス[1] |
製作会社 |
インペラティブ・エンターテイメント BRONクリエイティブ マルパソ[1] |
配給 | ワーナー・ブラザース[1] |
公開 |
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上映時間 | 116分[3] |
製作国 |
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言語 |
英語 スペイン語[4] |
製作費 | $50,000,000[5] |
興行収入 |
$164,004,407[5]![]() |
『運び屋』(はこびや、原題: The Mule)は、2018年のアメリカ合衆国の犯罪映画。監督と主演はクリント・イーストウッドが務めている[7]。原案は『ニューヨーク・タイムズ』のサム・ドルニックの記事「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule」であり[8]、脚本はニック・シェンクが執筆した[9]。80歳代でシナロア・カルテルの麻薬の運び屋となった第二次世界大戦の退役軍人であるレオ・シャープの実話に基づいている[10]。
イーストウッドの映画出演は2012年の『人生の特等席』以来のことであり[11]、自身の監督作品での出演は2008年の『グラン・トリノ』以来となる[12]。ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシアが共演した[13]。
アメリカ合衆国では2018年12月14日に公開された[2]。全世界での興行収入は1億ドルを超えている[5]。
あらすじ[編集]
かつて園芸家として名を馳せたアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は高齢となり、仕事もうまくいかず、頑なな性格から家族とは疎遠になっていた。たまたま麻薬の運び屋を引き受けてしまった彼は、それを続けてしまう。麻薬取締局のコリン・ベイツ(ブラッドリー・クーパー)に追われながらも、家族との壊れた関係を修復しようとするのであった[14][15][16]。
キャスト[編集]
※括弧内は日本語吹替[17]
- アール・ストーン[18] - クリント・イーストウッド(多田野曜平[19][20])
- コリン・ベイツ捜査官[18] - ブラッドリー・クーパー(桐本拓哉[20])
- 主任特別捜査官[18] - ローレンス・フィッシュバーン(相沢まさき[20])
- トレビノ捜査官[18] - マイケル・ペーニャ(石上裕一)
- メアリー[18] - ダイアン・ウィースト(鈴木れい子)
- ラトン[18] - アンディ・ガルシア(内田紳一郎[20])
- フリオ[18] - イグナシオ・セリッチオ(吉田健司)
- ジニー[18] - タイッサ・ファーミガ(北川里奈)
- アイリス[18] - アリソン・イーストウッド(苗村有香[20])
- グスタボ - クリフトン・コリンズ・Jr(中野裕斗)
製作[編集]
2014年、『ニューヨーク・タイムズ』にサム・ドルニックの記事「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule」が掲載された[21]。この記事が伝えるところによると、園芸家のレオ・シャープは長期にわたってシナロア・カルテルの麻薬の運び屋を秘密裏に務めていた[21]。インペラティブ・エンターテイメントは、この記事の権利を買い取り、映画化に着手した[21]。当初はルーベン・フライシャーが監督する予定であったが、最終的にはクリント・イーストウッドが監督することになった[22]。ニック・シェンクが脚本を執筆した[23]。イーストウッド、ティム・ムーア、クリスティーナ・リベラ、ジェシカ・マイヤー、ダン・フリードキン、ブラッドリー・トーマスが製作陣に名を連ねた[24]。
イーストウッドは本作の主演も務めた[25]。彼の映画出演は2012年の『人生の特等席』以来であり[26]、自身の監督作品での出演は2008年の『グラン・トリノ』以来である[27]。共演者にはブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシアが起用された[25]。撮影を担当したイブ・ベランジェと音楽を担当したアルトゥロ・サンドバルは、本作で初めてイーストウッドの監督作品に参加した[28]。シンガー・ソングライターのトビー・キースはオリジナル楽曲「Don't Let the Old Man In」を提供した[29]。
本作の撮影はニュー・メキシコ州ラス・クルーセス、ジョージア州アトランタ、ローム、オーガスタなどで行われた[30]。
エンド・クレジットにおいて、本作はピエール・リシアンとリチャード・シッケルに捧げられている[28]。2人はイーストウッドの親友であった[28]。
日本語吹替版では、これまで山田康雄の代役として過去作の追加録音部分でイーストウッドの吹替を担当することが多かった多田野曜平が、初めて新作主演映画の吹き替えを担当することとなった[31] 。
公開[編集]
2018年12月10日、カリフォルニア州ロサンゼルスのリージェンシー・ヴィレッジ・シアターで本作のプレミア上映が行われた[32]。クリント・イーストウッドのほか、娘のアリソン、息子のスコットとカイルらが出席した[33]。アメリカ合衆国では2018年12月14日に全国公開された[34]。日本では2019年3月8日に全国公開された[35]。
評価[編集]
Rotten Tomatoesでは、172件の批評家レヴューで支持率は70%、平均点は6.1/10となっている[36]。Metacriticでは、37件の批評家レヴューで平均点は58/100となっている[37]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g h i j k l “『運び屋』公式サイト”. ワーナー・ブラザース. 2018年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月12日閲覧。
- ^ a b White, James (2018年10月4日). “Clint Eastwood's A Drug Runner In The Mule Trailer”. Empire. 2018年12月12日閲覧。
- ^ a b “運び屋”. Movie Walker. 2018年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月12日閲覧。
- ^ Hassenger, Jesse (2018年12月12日). “Clint Eastwood re-emerges from retirement for one last drug run in The Mule”. The A.V. Club. 2018年12月16日閲覧。
- ^ a b c “The Mule”. Box Office Mojo. 2019年3月23日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 62頁
- ^ Gilyadov, Alex (2018年5月18日). “Clint Eastwood to Direct, Star in True Crime Movie About Elderly Drug Runner”. IGN. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Dolnick, Sam (2018年12月5日). “The Long Path From My Desk to a Clint Eastwood Film”. The New York Times. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Roffman, Michael (2018年10月5日). “Bradley Cooper chases Clint Eastwood in trailer for drug thriller The Mule: Watch”. Consequence of Sound. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Xu, Linda (2018年10月4日). “'The Mule' Trailer: Clint Eastwood Plays Real-Life Drug Courier”. The Hollywood Reporter. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Lang, Brent (2018年9月27日). “Clint Eastwood's 'The Mule' Gets December Release Date”. Variety. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Whalen, Andrew (2018年12月10日). “'The Mule' True Story: How Clint Eastwood and Toby Keith Dramatize Elderly Sinaloa Cartel Drug Smuggler”. Newsweek. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Blistein, Jon (2018年10月4日). “Watch Clint Eastwood Dodge DEA in Tense Trailer for 'The Mule'”. Rolling Stone. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Truitt, Brian (2018年11月27日). “Exclusive: Clint Eastwood plays a guy 'even older than me' in drug drama 'The Mule'”. USA Today. 2018年12月12日閲覧。
- ^ Edelstein, David (2018年12月12日). “The Mule Is a Modest Twist on the Clint Eastwood Myth”. Vulture. 2018年12月15日閲覧。
- ^ Ehrlich, David (2018年12月12日). “'The Mule' Review: Clint Eastwood's Best Movie in More than 25 Years”. IndieWire. 2018年12月15日閲覧。
- ^ “運び屋”. ふきカエル大作戦!! (2019年6月11日). 2019年6月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “運び屋 (2018)”. シネマトゥデイ. 2019年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月23日閲覧。
- ^ “イーストウッド「運び屋」ソフト化&配信、吹替担当・多田野曜平のコメント到着”. 映画ナタリー (2019年5月8日). 2019年5月8日閲覧。
- ^ a b c d e “『運び屋』2019年6月19日(水)ブルーレイ&DVD発売・レンタル開始/<4K ULTRA HD&ブルーレイセット>発売”. ワーナー公式 (2019年5月8日). 2019年5月8日閲覧。
- ^ a b c Kit, Borys (2014年11月4日). “'Zombieland' Director Tackling Tale of the 87-Year Old Drug Mule”. The Hollywood Reporter. 2018年12月13日閲覧。
- ^ White, James (2018年1月31日). “Clint Eastwood Looking To Direct And Star In True Drug Tale The Mule”. Empire. 2018年12月13日閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (2018年9月27日). “Clint Eastwood's 'The Mule' Kicks Its Way Onto December Release Calendar”. Deadline. 2018年12月13日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2018年10月4日). “Clint Eastwood, Bradley Cooper Reunite in Trailer for Drug Drama 'The Mule'”. Variety. 2018年12月13日閲覧。
- ^ a b Pedersen, Erik (2018年10月4日). “'The Mule' Trailer: Clint Eastwood Runs Drugs For The Cartel – And The DEA Is On His Trail”. Deadline. 2018年12月13日閲覧。
- ^ Rubin, Rebecca (2018年12月11日). “Box Office: 'Spider-Man: Into the Spider-Verse' Flying High, 'Mortal Engines' Bracing for Fall”. Variety. 2018年12月15日閲覧。
- ^ Goldberg, Matt (2018年5月18日). “Clint Eastwood to Play Octogenarian Drug Mule Opposite Bradley Cooper”. Collider. 2018年12月15日閲覧。
- ^ a b c McCarthy, Todd (2018年12月12日). “'The Mule': Film Review”. The Hollywood Reporter. 2018年12月13日閲覧。
- ^ O'Neill, Megan (2018年12月6日). “Exclusive Premiere: Toby Keith's 'Don't Let the Old Man In' Featured in Clint Eastwood's The Mule”. Parade. 2018年12月15日閲覧。
- ^ Gomez, Adrian (2018年12月14日). “Las Cruces economic impact from 'The Mule' at $1.3M”. Albuquerque Journal. 2018年12月15日閲覧。
- ^ ““僕が演じるイーストウッドは100%山田康雄さんリスペクトです”『運び屋』多田野曜平インタビュー【前編】”. SCREEN ONLINE (2019年6月18日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ Quinn, Dave (2018年12月11日). “Clint Eastwood's Kids, Granddaughter, First Wife and Girlfriend All Unite at Movie Premiere”. People. 2018年12月13日閲覧。
- ^ Gardner, Chris (2018年12月11日). “Clint Eastwood on Retiring: "You Never Know When You're Going to Give Up"”. The Hollywood Reporter. 2018年12月13日閲覧。
- ^ McClintock, Pamela (2018年9月27日). “Clint Eastwood's 'The Mule' Gets December Release Date”. The Hollywood Reporter. 2018年12月13日閲覧。
- ^ “学ぶことに老いは関係ない 「運び屋」クリント・イーストウッド主演・監督”. 朝日新聞 (2019年3月15日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ “The Mule”. Rotten Tomatoes. 2019年3月23日閲覧。
- ^ “The Mule”. Metacritic. 2019年3月23日閲覧。