美樹さやか

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美樹さやか
喜多村英梨、サラ・ウィリアムズ(英語版)
出身地 日本
性別
身長 158cm
武器 刀剣
キャラクターデザイン 蒼樹うめ(原案)、岸田隆宏
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美樹 さやか(みき さやか)は、テレビアニメ魔法少女まどか☆マギカ』に登場する架空の人物。まどか☆マギカの外伝漫画『魔法少女おりこ☆マギカ』、『魔法少女まどか☆マギカ 〜The different story〜』にも登場する。

役柄[編集]

見滝原中学校に通う2年生で、鹿目まどかと同じクラスの親友として設定されている。魔法少女への変身後の武器は護拳のあるサーベル状の刀剣

魔女化した際には人魚の魔女(オクタヴィア)に変化する。人魚の魔女はコンサートホールのような結界に住み、演奏をする使い魔を従える。時空軸によっては、ディスコのような結界に住み、ダンスをする使い魔を従えることもある。

魔法少女まどか☆マギカ[編集]

まどかと共に魔法少女の世界に足を踏み入れる。幼馴染上条恭介に一途な想いを寄せており、治療不可能な怪我によってバイオリン奏者になる夢を絶たれた恭介を救うため、巴マミの死後、恭介の腕の治癒を願ってキュゥべえと契約、魔法少女となる。だが、生前のマミからは、自分の願いを他者の願いを叶えるために使うことの危うさを指摘されており、やがてその指摘通りの問題に直面することになる。

他者のために戦い戦死したマミを強く尊敬しており、同じく「他者のためだけに魔法を使う」ことを正義と信じて行動する。そのため、利己的な佐倉杏子に対して反感を抱いており、マミを見殺しにしたという誤解から暁美ほむらのことも嫌っている[注 1]。魔法少女となった当初は戦うことへの自信に溢れ[1]、劇中において物語を牽引する「第二の主人公」としての立場を担う[2]。しかし契約により自分が人間ではないものに変質していた事実に衝撃を受け、さらに恭介と親友の志筑仁美との三角関係に直面したことをきっかけに、人間ではなくなってしまった自分は恭介と結ばれることができないと思い詰めるようになる[3][1]。次第にまどかや杏子の言葉にも耳を貸さなくなり[注 2]、心身共に消耗しつつ無謀な戦いを続けた結果、急速にソウルジェムは穢れを溜め込み、信念も見失った末に「人魚の魔女」へと変貌してしまう。杏子とまどかはさやかを救おうとするが、魔女に変貌してしまった魂が元に戻ることはなく、最終的に杏子と相討ちになり消滅した。あらかじめ杏子が回収していた遺体は現世で発見され、世間的には家出した末の衰弱死として葬儀が行われた。こうした最期は物語の残酷さを象徴するような[4]、劇中における悲劇のヒロイン[5]としての役割が意図されている。

第10話の過去の時間軸でも魔女化しており、そこではほむらに倒された。その際、さやかのソウルジェムが変化したグリーフシードはまどかの手に渡り、後のワルプルギスの夜との戦いで黒く染まったほむらのソウルジェムを浄化するために用いられた。

再構成された世界でも魔法少女としてマミ・ほむら・杏子と共に戦っていたが、魔獣との戦いで力を使い果たした末に、その魂は「円環の理」となったまどかに導かれ、現世から消滅した。杏子からは「友達になれたのに」と惜しまれたが、恭介の腕を治すためには避けられない運命だったためさやかに後悔はなく、仁美と恭介の仲を祝福しながら成仏した。

[新編]叛逆の物語[編集]

[新編]叛逆の物語では「円環の理」に導かれた後の物語が描かれた。

本作でのさやかは、「円環の理」の一部となっており、女神まどかの補佐役として登場する。 魔法少女として限界を迎え、本来なら「円環の理」に導かれるべきほむらが、インキュベーターの実験により通常の救済が不可能になっていたため、まどか・なぎさと共に行動を起こす。インキュベーターの目を欺くため、なぎさと共にまどかの記憶を預かり、ほむらのソウルジェムの中に構築された魔女結界=偽りの見滝原へ潜入。その世界で日常生活を演じる一方で、秘かにほむらを救出する機会を伺っていた。改変前の世界やインキュベーターの実験の影響などの事情を全て認識していたため、活動中はかつて心を通わせた杏子と同居し、毛嫌いしていたほむらに対しても歩み寄りの姿勢をとっている。

ほむらの結界の中には魔法少女としてではなく、魔女として現れており、ほむらを救済する戦いにおいて、なぎさと共に中心的な役割を果たした。「円環の理」の他の魔女から借り受けた使い魔の大軍を召喚・使役し、くるみ割りの魔女の使い魔の軍隊と交戦したり、また杏子とのコンビネーションとして、自らの半身である「人魚の魔女」の刀を杏子の武器である長槍に変形させ、魔女結界の壁を突き破るなど、奮戦している。

ほむらが“導かれ”ようとする際にまどかの力の一部を奪い取り、因果律が再改変された影響で、さやかは「円環の理」に帰れなくなり、再び人間(魔法少女)として生きていくことになった。ほむらに対面した際には、『円環の理』を踏みにじる行為を厳しく糾弾したが、「『悪魔』の自分が神の理に逆らうのは当然」と返される。ほむらの態度に怒りがおさまらないさやかだったが、ほむらの力によって「円環の理」としての記憶が失われつつある中では「だけどこれだけは忘れない。暁美ほむら、あんたが悪魔だってことは!」と告げるに留まった。その一方で、かつての思い人である恭介や恋敵であった仁美に出会った時は、以前のことを覚えているも吹っ切れた様子で「こうやってまた“おはよう”が言えるのは幸せ」と、照れ隠しを交えつつ、両者との再会を喜んだ。

魔法少女おりこ☆マギカ[編集]

外伝漫画のおりこ☆マギカでは、まどかやほむらのクラスメイトとして一緒に行動していた。魔女の結界の中では逃げ惑い生き延びようとし、最後にまどかとともに行動する。尚、さやかは魔法のことは知らず、魔法少女とはなっていないが、使い魔に攻撃を仕掛けたり、ほむらに助太刀しようとしたりする勇敢さを見せる。

魔法少女まどか☆マギカ 〜The different story〜[編集]

アニメのスピンオフ漫画であるThe different storyでは、アニメ本編より早い段階で契約し、お菓子の魔女戦でマミのピンチを救う。しかし、恭介と仁美の三角関係に直面した際、魔法少女の使命のために自分が身を引くことにしたが、無意識とはいえ仁美が魔女に襲われた際に放置したことで罪悪感を覚え、それが精神的負担となり、その後の戦闘で注意力が散漫になってしまってしまったことでマミを負傷させてしまう。そのことに責任を感じたさやかは「自分は正義の味方失格であり、マミとコンビを組む資格が無い」と、マミとのコンビを解消してしまう。さらに恭介本人にも自分の願いを知られ、「自分の悪いところを知られたくない」と苦悩を深め、ソウルジェムを限界まで濁らせてしまう。

そして、影の魔女との戦闘中、窮地に陥っていたさやかを助けに現れたのは、マミであった。マミは自分の本当の願いは正義の味方であることではなく、誰かと一緒にいることなのだと初めてさやかの前に本音をさらけ出し、「さやかと一緒にいるために、正義の味方を辞める」ことを宣言する。しかし、ここまでに穢れを溜め込みすぎたさやかのソウルジェムは既に限界であり、マミの目の前で魔女化してしまう。

その後杏子によって倒されるが、ソウルジェムの真実を知らないまま契約したまどかの願いによって見滝原にワルプルギスの夜がやってくる前に生き返る。

キャラクター設計[編集]

ソウルジェムと髪の色は[6]。魔法少女への変身時は剣と魔法ファンタジーに登場する軽装の剣士のようなデザインで[6]ビスチェ風のトップと左右非対称なスカートの上にマントを羽織っている。ソウルジェムは臍部に装着される。キャラクター原案を担当した蒼樹うめはボーイッシュさと女の子らしさの両方を表現したかったとしており、その中間点を探った結果、魔法少女姿のデザイン案は最終稿近くになるまで浮かんでこなかったと述べている[7]。そのため、女性らしさを体現する右半身は髪が長くてスカートが短く、ボーイッシュに見えるようにと描かれた左半身は髪が短くスカートが長いデザインになっている[6]。通常時は黄色のヘアピンをしているが、テレビアニメにおいては変身後に髪飾りの類はなくなる。これは派手な装飾を付けるよりはシンプルな方がいいという判断によるものだったが、監督の新房はテレビ版の放送終了後に「やはりなにかつけとくべきだったかも」と述べており[8]、劇場版では演奏記号のフォルティッシモをあしらった意匠の髪飾りが追加された。この音楽をモチーフとした意匠はテレビアニメ版での演出から着想を得たと蒼樹は述べている[9]

名前とイメージカラーは脚本の虚淵玄の発案[10][8]。能動的に戦いに身を投じていくというキャラクターであるため、主人公のまどかが蒼樹の作風に寄せて書いたキャラクターであるのに対し、さやかは自らの作風の中にあるヒロインのイメージで脚本を書いたと虚淵は述べている[11]

武器の刀剣にはトリガーを引くことで刀身を射出するギミックや[注 3]、刀身が分割するというギミックが設定されていたが劇中ではあまり生かされなかった[13][12]

特色[編集]

特別なステータスや潜在能力はないが[14]、お調子者な[15]ムードメーカーであり、さやかを演じた喜多村英梨はどこにでもいる一番リアルな女の子だと述べる[14]。活発で正義感が強く[16]、物事を自らの力で能動的に解決していく考え方の持ち主であり[2]、一見行動派にみえるが、実際は思い悩んで行動するタイプだと心理学者の富田たかしは分析している。そして、思い込むと一つのことにこだわり続けてしまう意固地さと不器用さを持っており、行き詰まるとストレスを溜めこみやすいのだという[17]

完全欲が強いがために現実とのギャップから自己嫌悪に陥る面もあり[17]、ライターの上田繭子は自己評価の低さに反して理想が高いところが欠点であると評し[15]、声優の喜多村は思春期の青さを象徴するキャラクターだと述べている[14]

戦闘に置いては接近戦を主体とするキャラクターで、アニメでシリーズディレクターを務めた宮本幸裕によると戦闘技術こそ拙いもののパワーとスピードの両面を備え、また防御力に長けるなど全体的にバランスのとれた資質を持つ[18]。契約時の願いから発現した強力な治癒能力を併せ持っており、劇中ではその回復力を利して自らの痛覚を遮断し、ほとんど防御を無視して戦う戦法も用いる[19]

テレビアニメ版での最終話においては、まどかによって世界が改変された後でも消滅してしまうという最期を迎えている。このことについて脚本を担当した虚淵は「さやかが助からない」のではなく、自分の本望を認めたさやかが覚悟を固めたために「恭介を助けてしまった」結果であるとして、ニュアンスの違いを強調している[20]

玩具展開[編集]

2012年にはフィギュア販売も展開され、販売をしたグッドスマイルカンパニー内の年間ランキングにおいてfigmaが10位、ねんどろいどが13位となる販売数を記録した[21]。アマゾンジャパンでのホビー2012年間ランキングにおいてはねんどろいどが13位、figmaが14位についた[22]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 杏子に対しては歩み寄りがあったものの、ほむらとは最後まで相容れなかった。
  2. ^ 魔法少女として途方もない資質を秘めながら傍観者の立場に甘んじるまどかに八つ当たりして辛辣な言葉をぶつけ、その後自己嫌悪に陥る場面もあった。
  3. ^ 第4話で「ハコの魔女」に対するとどめとして、気がつきにくい形で使用されている[12]

出典[編集]

  1. ^ a b 『メガミマガジン』2011年4月号、32頁。
  2. ^ a b 娘TYPE』Vol.16、角川書店2011年、 42-45頁、 雑誌07010-03。
  3. ^ BD/DVD第4巻、テレビアニメ第7話。コミカライズ版第2巻第7話、100頁。『The Beginning Story』第7話脚本決定稿、100頁。
  4. ^ 「特別付録(2) 書き下ろしB2ポスター&特集記事 魔法少女まどか☆マギカ 最高の魔法少女の願い」、『月刊ニュータイプ』第27巻第9号、角川書店、2011年5月、 付録ポスター裏面、 雑誌07009-05。
  5. ^ 新房昭之、『メガミマガジン』2011年7月号付録、8頁。
  6. ^ a b c 公式ガイドブック、32-33頁。
  7. ^ 蒼樹うめ、公式ガイドブック、106頁。
  8. ^ a b 新房昭之・虚淵玄・蒼樹うめ・久保田光俊・岩上敦宏、公式ガイドブック、100-103頁。
  9. ^ 蒼樹うめ、『まんがタイムきらら☆マギカ』vol.3 2012年11月号、8頁。
  10. ^ 虚淵玄・新房昭之、『The Beginning Story』、263-269頁。
  11. ^ 虚淵玄、『メガミマガジン』2011年3月号、79頁
  12. ^ a b 阿部望・神谷智大、公式ガイドブック、112頁。
  13. ^ 公式ガイドブック、94頁。
  14. ^ a b c 喜多村英梨、劇場版 魔法少女まどか☆マギカ LOVE! さやか&杏子ver.、26頁
  15. ^ a b 上田繭子、『オトナアニメ』vol.21、18頁。
  16. ^ 虚淵玄「あの娘のハートをキャッチ バレンタイン大作戦 魔法少女の世界もっと知りたい! 脚本 虚淵玄インタビュー」、『アニメディア』第31巻第3号、学研パブリッシング、2011年3月、 28-29頁、 雑誌01579-03。
  17. ^ a b 富田たかし、劇場版 魔法少女まどか☆マギカ LOVE! さやか&杏子ver.、19頁
  18. ^ 宮本幸裕、『メガミマガジン』2011年4月号、34頁。
  19. ^ 別冊オトナアニメ魔法少女マガジン、〈洋泉社MOOK〉、9頁
  20. ^ 虚淵玄・前田久、『オトナアニメ』vol.21、32-35頁。
  21. ^ 2012年総決算!「グッスマ取り扱い商品&色々ランキング」 大発表ー!!|フィギュアメーカー・グッドスマイルカンパニー勤務 『ミカタンブログ -押上駅から17up-』
  22. ^ 2011年12月1日から2012年11月30日までの売り上げランキングを発表。(2013年5月1日時点のアーカイブ) - Amazon.co.jp

参考文献[編集]

外部リンク[編集]