鹿目まどか

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鹿目まどか
悠木碧クリスティーン・M・カバノス(英語版)
出身地 日本
誕生日 10月3日[注 1]
性別
年齢 14歳
身長 152cm[2]
血液型 A型
武器
キャラクターデザイン 蒼樹うめ(原案)、岸田隆宏
出典 『ANICOM2010年12月号』
「ヒロイン:鹿目まどかへの100の質問」
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鹿目 まどか(かなめ まどか)は、テレビアニメ魔法少女まどか☆マギカ』に登場する架空の人物。まどか☆マギカの外伝漫画・『魔法少女おりこ☆マギカ』、『魔法少女まどか☆マギカ 〜The different story〜』にも登場する。

役柄[編集]

どの作品においても見滝原中学校に通う中学2年生の少女として設定されており、家族構成は母の詢子、父の知久、弟のタツヤの4人で、同じクラスの美樹さやか志筑仁美とは友人関係にある。本編時間軸では魔法少女としては途方もない素質を持っており、執拗にキュゥべえから契約を迫られることになる。

魔女化した際には救済の魔女に変化する。

魔法少女まどか☆マギカ[編集]

物語の主人公。当初は一見華やかではある魔法少女に夢を見ていたものの、巴マミの死やソウルジェムの真実に直面するたびに苦悩し、魔法少女としての契約に踏み出せない自分の臆病さに迷いながらも、「当事者になれない傍観者」[3]という立場で他の魔法少女に関わっていく。

第10話で暁美ほむらの回想として描かれた物語開始以前における時間軸の世界では既に魔法少女として活躍しており、ほむらが魔法少女の世界に足を踏み入れ、戦い続けるきっかけとなる人物でもあった。

最終的には自身の真の願いを見出し、「希望を抱くこと自体が間違いであるはずがない」という信念の元[4]、魔法少女の悲劇を終わらせるためにキュゥべえとの契約を決意した。彼女の非凡な素質は、元から彼女自身に備わっていたものではなく、ほむらが繰り返した時間遡行の副作用に由来することが終盤で明かされるが[5]、最終的にはその力が物語を決着へと導く。具体的には、「まどかを救うための時間遡行」を行い続けた結果あらゆる因果がまどかを中心とするようになり、「まどかがいるからこそこの世界が存在する」という因果関係となったことで、まどかは神にも等しい存在となるに至った。本編での魔法少女への変身は一度きりで、そのまま変身を解いて戻ることなく概念的な存在へと昇華している。概念となる際、事態の顛末を見届けていたほむらにリボンを託すと共に、自分の選択を後悔していないことを語っている。

再構成された世界においては、力尽きた魔法少女を別の次元へと導く存在、「円環の理」として、魔法少女達の間で語り継がれる存在となった。鹿目まどかという人物は、最初からこの世に存在しなかった事になったが、時間遡行を繰り返し、ことの一部始終を見届けてきたほむらはまどかのことを記憶しており、母の詢子や弟のタツヤもおぼろげながらもまどかの存在を認識しているかのように描かれた。

[新編]叛逆の物語[編集]

完全新作の[新編]叛逆の物語では、鹿目まどかが概念となった後の世界が描かれた。また、「円環の理」の詳細についても描写された。

円環の理
上記のように、鹿目まどかが、過去・現在・未来から別の時間軸の宇宙に至るまでの「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい」と願ってキュゥべえと契約したことで、因果律が書き換えられて成立した概念。魔力を使い果たした、あるいは、限界まで穢れをため込んだ魔法少女を浄化し、この世から消滅させる力・現象とされている。そのため、この世に魔女は存在しなくなった。
その正体は、概念となった鹿目まどかを中核とする、無数の救済された魔法少女の魂(魔女の魂)の集合体(一種の集合精神)であることが、[新編]叛逆の物語で明らかにされた。まどかが概念となるときに「みんないつまでも私と一緒だよ」と語っていた通り、まどかによって浄化・救済された魔法少女の魂もまた「円環の理」となり、時にはまどかの補佐役となって救済活動を手伝う。このことが、[新編]叛逆の物語で重要な意味を持つことになった。

本作では、くるみ割りの魔女に捏造された空間にいるまどか、「円環の理」としてのまどか、「円環の理」から引き裂かれたまどかの、三種の状態が登場する[6]

捏造された空間とは、くるみ割りの魔女(魔女化寸前のほむら)のソウルジェムの中に築かれた世界・すなわち「魔女の結界」である。そこには偽りの見滝原が築かれており、外からやってきた魔法少女たちは記憶が改竄され、街に毎夜出現する敵・ナイトメアを退治しながら理想的な学校生活を送っていた。こうした状態は「円環の理」を観測し、利用しようと考えたインキュベーターの実験の影響で発生した出来事であった。

結界世界では、まどかも「円環の理」としての記憶を持たない通常の魔法少女となっていた。これは、インキュベーターにとって想定外の事態で、彼らはその原因を、ほむらの結界による記憶操作の影響と推測していた。また実際に、結界世界のまどかは、結界の主であるほむらに記憶を改変されていた。

だが実は、まどかが「円環の理」としての記憶を持っていなかったのは、「円環の理」がほむらの結界世界へ潜入する段階で、あらかじめ自身の「記憶」と「力」を、同じ「円環の理」である(すでにまどかによって導かれていた)美樹さやかと百江なぎさに預けていたためであった。結界の影響とインキュベーターの注意がまどかに向いている裏で、さやかとなぎさは「円環の理」として秘かに活動することができた。こうして「円環の理」としてのまどかは、さやかとなぎさの助力を得て、インキュベーターの企みを阻止することに成功した。

その後、「円環の理」としての記憶と力が戻ったまどかが、ほむらを導こうとが天から訪れる。だがこの時、ほむらが「円環の理」の力の一部をもぎ取り、因果律を再構成させるという予想外の行動に出た。その結果、「円環の理」から「人間としての鹿目まどかの記憶」が強引に引きはがされることになった。こうして再び因果律が書き換えられた世界では、「円環の理」は力尽きた魔法少女を導く存在として存続する一方で、引きはがされた「人間としての鹿目まどかの記憶」の部分は“三年ぶりにアメリカから帰国してきた転校生”として学校生活を送ることとなった。

だが、引き裂かれたまどかから「円環の理」としての記憶が完全になくなったわけではないらしく、ほむらに引率されて校内の案内をされる際に、自分には何か大切な使命があったはずだと思い出しそうになる(この際にまどかが変身しかかり、再度の世界改変が起こりそうな描写がある)も、かろうじて抱きついたほむらに抑えられる。その際にほむらから投げかけられた「欲望と秩序では、どちらが大事と思うか」との問いに、まどかは戸惑いながらも「ルールを勝手に破るのはよくない」と答える。それに対してほむらからは、「私はいずれあなたの敵になるかもしれないが、それでも構わない」との言葉と共に、かつて因果律が構成された際に(「円環の理」としての)まどかがほむらに託したリボンを返されている。

魔法少女おりこ☆マギカ[編集]

外伝漫画のおりこ☆マギカでは魔法少女の存在を終盤に知るようになるが、まどかの魔女化および契約を阻止しようとする美国織莉子の策略によってキュゥべえとは接触していない。

終盤で織莉子達と佐倉杏子達との戦闘に巻き込まれ、その際織莉子の最期の攻撃が直撃、魔法少女でも回復することができない致命傷を負って死亡した。

魔法少女まどか☆マギカ〜The different story〜[編集]

アニメのスピンオフ作品であり、巴マミを主人公に据えた漫画『The different story』においては、アニメ本編同様、当初はマミのために魔法少女になろうとしていたが、さやかが先に魔法少女になったため、「確かな願いを見つけたい」という理由で契約することを保留していた。その後さやかが仁美と恭介の問題を抱え、マミとコンビを解消し、苦悩しているのを見るに見かね、恭介本人にさやかの願いを打ち明けるが、その行動は返ってさやかを魔女化させる原因となる。

最終話では、暁美ほむらの提案を受け入れてワルプルギスの夜と戦うか否かを迷っていたマミに、契約を思い留めようとする彼女の制止を振り切り、マミに「普通の女の子に戻ってほしい」と告げる。そして魔女化の真実を知らないまま「さやかの蘇生」を願ってキュゥべえと契約して魔法少女となる。劇中において、マミに戦うことを求めなかったのはまどかだけであった。

キャラクター設計[編集]

イメージカラーおよびソウルジェムの色はピンク[7]、桃色の髪をリボンで左右2つに結ったデザインをしている。最初の企画会議では、メインヒロインは明るく理想主義の少女として想定されており[8]、脚本の虚淵がキャラクター原案の蒼樹うめに指定したイメージカラーはであった。虚淵はまどかを書くに当たって蒼樹の作風に寄せたと述べており[9]、蒼樹のキャラクター原案が出来上がるまでは『ひだまりスケッチ』の主人公・ゆのを想定して、キャラクターイメージを膨らませた[10]。イメージカラーの指定は蒼樹がキャラクター原案を起こす段階でその色を忘れ、ピンクへと変わった[11]

変身時の服はまどか自身が夢を膨らませてデザインしたという設定が反映されており[10]、他の魔法少女のデザインと異なりフリルやリボンをあしらいかわいらしさが強調された白と桃色を基調とした姿となっている[12]。また、テレビアニメでは最終話に1度きりの変身をした後に、白と桜色をベースとした衣装へ変化しており、髪も長くなり、瞳の色は金色に変わっている。この形態は「無限の時空を転戦して超進化を遂げた究極形態」であると説明されており、脚本のト書きでは「ハイパーアルティメットまどか」と呼称されていたが[13][14]、BD/DVD第6巻初回限定版の特典ブックレットおよび他の商品展開では「アルティメットまどか」と呼称されている。

アニメでまどか役を演じた声優の悠木碧はまどかのテーマについて、マミの死亡する第3話以降に泣かない回はないことから「痛みで人は成長する」と捉えていたとしている[15]

特色[編集]

物語が始まる当初のまどかは、平凡な中学二年生の少女であり、声優の悠木によれば自分に自信がなく自分の個を模索している状態にある[16]

母親が外で働き父親が主夫を担当するという家庭環境が設定されているが、これはまどかが男女の役割にとらわれない環境で育ち、女性でありながらヒロイズムを自然に受け入れる下地として位置づけられている[17]。当初は遊び心的な発想であったというが、最終的にはまどかと、まどかを支える「強い母親」との関係性は劇中において重要な位置を占め[18]、第11話のハイライトにもなった[19][20]。まどかは本編に登場する魔法少女の中では他人に依存する傾向のない人物でもあり[21]、声優の悠木碧はまどかが主人公である理由は自ら答えを出せるからだとしている。また、唯一家族との描写がある魔法少女であることからもあり、他人からの愛され方を知っているキャラクターだとほむら役の斎藤千和は述べている[21]

第10話で描かれたほむらが魔法少女になる前の時間軸にて、魔法少女として活躍しているまどかは本編の時間軸と異なり、強気な性格の少女として描かれている。監督の新房や脚本を書いた虚淵によれば、魔法少女となったことでコンプレックスを克服して自信をつけたということであり[22][23]、まどか役を演じた悠木は、自分を過信して少々調子に乗っていると語っている[24]

テレビアニメ最終話においてまどかは世界を再構成し、概念的存在と化しており、これはまどかが自分の役割をみつけ、義務を果たしたのだと評されていたが[25]、劇場版[新編]叛逆の物語の公開に際して、新房は「概念と化すことまでは想定していなかったかもしれない」と述べており、概念となったまどかは「悟りを開いているように見えるが、戸惑いもどこかにあるのではないか」と述べている[26]

現実での反響[編集]

作品タイトルで「魔法少女」とされている主人公ながら、物語上の焦点は彼女がどのような動機で魔法少女となるのかという点や[27]、そもそも戦うべきなのか否かという選択に置かれ[28]、本編の時間軸では最終回まで変身しないという展開は視聴者から驚きをもって受け止められた[29]

作品の放映後にはフィギュアでの展開も行われ、販売を担当するグッドスマイルカンパニー内での2011年のランキングにおいてはねんどろいどが3位、figmaが7位、制服ヴァージョンのねんどろいどが23位に入り[30]、2012年には1/8スケールのアルティメットまどかが年間1位となる販売数を記録した[31]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ まどかの誕生日の設定は虚淵によれば、企画書提出稿のファイル作成日付が10月3日だったからだという[1]

出典[編集]

  1. ^ 虚淵玄 (2012年10月3日). “10/3は鹿目まどかさんのお誕生日! というのも ...”. Twitter. 2012年10月3日閲覧。
  2. ^ シャフト、『魔法少女まどか☆マギカPRODUCTION NOTE』、34頁、「対比表 最終案」。
  3. ^ 廣田恵介、『オトナアニメ』vol.20、10頁。
  4. ^ BD/DVD第6巻、テレビアニメ最終話。コミカライズ版第3巻最終話、122頁。
  5. ^ BD/DVD第6巻、テレビアニメ第11話。コミカライズ版第3巻第11話、80-83頁。
  6. ^ 『劇場版魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 パンフレット』、16頁
  7. ^ 虚淵玄、公式ガイドブック、105頁。
  8. ^ 公式ガイドブック、124頁。
  9. ^ 虚淵玄、『メガミマガジン』2011年3月号、79頁
  10. ^ a b 新房昭之・虚淵玄・蒼樹うめ・久保田光俊・岩上敦宏、公式ガイドブック、100-103頁。
  11. ^ 蒼樹うめ、公式ガイドブック、106頁。
  12. ^ 公式ガイドブック、46-47頁。
  13. ^ 公式ガイドブック、43頁。
  14. ^ 虚淵玄、『The Beginning Story』最終話脚本決定稿、164頁ト書き。
  15. ^ 悠木碧、別冊オトナアニメ魔法少女マガジン、〈洋泉社MOOK〉、11頁
  16. ^ 『まどかマギカ』悠木碧&斎藤千和が語る“ほむらのまどかへの深い思い”とは
  17. ^ 新房昭之・虚淵玄・蒼樹うめ・久保田光俊・岩上敦宏、公式ガイドブック、120-123頁。
  18. ^ 虚淵玄・新房昭之、『The Beginning Story』、268-272頁。
  19. ^ 藤津亮太 (2011年5月7日). “茶話 アニメ 魔法少女の成長物語”. 朝日新聞東京版夕刊 (朝日新聞社): p. 文化面 
  20. ^ 宮崎哲弥、『SPA!』2011年7月19日号、56頁。
  21. ^ a b 悠木碧・斎藤千和、ユリイカ 2011年11月臨時増刊号 総特集†魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を、青土社、24-38頁
  22. ^ 虚淵玄、『メガミマガジン』2011年7月号付録、3頁。
  23. ^ 新房昭之、『メガミマガジン』2011年7月号付録、8頁。
  24. ^ 悠木碧、『メガミマガジン』2011年7月号付録、14頁。
  25. ^ 宮台真司、『SPA!』2011年7月19日号55頁、2011年9月12日閲覧。
  26. ^ 新房昭之、『まんがタイムきらら☆マギカ』vol.11 2014年1月号、5頁。
  27. ^ 娘TYPE』Vol.16、角川書店2011年、 42-45頁、 雑誌07010-03。
  28. ^ 多根清史、『オトナアニメ』vol.20、87頁。
  29. ^ “2011年アニメ界最大の衝撃作「魔法少女まどか☆マギカ」って知ってる!?”. Walkerplus (角川マーケティング). (2011年3月31日). http://news.walkerplus.com/2011/0331/7/ 2011年4月1日閲覧。 
  30. ^ 2011年総決算!毎年恒例 「グッスマ取り扱い商品ランキング」 大発表ー!!|フィギュアメーカー・グッドスマイルカンパニー勤務 『ミカタンブログ -押上駅から17up-』
  31. ^ 2012年総決算!「グッスマ取り扱い商品&色々ランキング」 大発表ー!!|フィギュアメーカー・グッドスマイルカンパニー勤務 『ミカタンブログ -押上駅から17up-』

参考文献[編集]

外部リンク[編集]