コンテンツにスキップ

松坂世代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Aki032 (会話 | 投稿記録) による 2009年3月30日 (月) 23:51個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎松坂世代と関連の深い人物)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

松坂世代(まつざかせだい)とは、松坂大輔と同学年にあたる1980年4月2日から1981年4月1日までに生まれた世代の野球選手のことを総称して呼ぶ言葉である。

概説

名前の由来

松坂大輔が生まれた1980年、高校野球では当時早稲田実業荒木大輔が活躍し、その力投と甘いマスクで女性ファンから絶大な人気があった。1つの社会現象となり、明治安田生命の調べによると、1979年から1986年までの間生まれた新生児(男児)に付けられた名前の第1位が「大輔」になったほどである。[1] プロ野球に所属したのは、松坂大輔加藤大輔酒井大輔植大輔の4人。

松坂大輔が横浜高校のエースとして甲子園で活躍した1998年は松坂以外にも優れた高校生を多く輩出したことで知られ、大学・社会人を経由の者も含め、多くの選手がプロ入りを果たした。特に甲子園に出場した選手の活躍が目覚しかったこと、東京六大学東都大学と言った有名なリーグで下級生時からエースとして活躍する選手が非常に多かったこと、各スポーツ界(後述)、芸能界からもそれなりの実績を持った人物を輩出したことから、1980年4月2日1981年4月1日生まれに対しマスコミが「松坂世代」と呼ぶようになった。それだけの選手層の中でも松坂は圧倒的な実績を上げたとも逆説的に言えるのだろう。特定の組織や球団が名付けたのではなく、自然発生的に生まれた言葉である。

従来日本のプロ野球界に於いて、その生まれ年の数字を使った「昭和○○年組」というものが一般的であり、選手達自らが組織を作る場合にも同様に生まれ年を使った「昭和○○年会」という名称を使用しており、松坂世代も「昭和55年会」を組織している。一選手の名前が使われ、「○○世代」と呼ばれるのはこの「松坂世代」にはじまったことである。

批判

この言葉で一括りにされることについて当事者となる各選手の受け止め方はまちまちである。拒否した例で有名なものとして、読売ジャイアンツは「我がチームの松坂世代該当選手は80’s(エイティーズ)と呼んで下さい」と発表した。阪神タイガース久保田智之は「松坂だけでなりたってるみたいじゃないですか。同い年ってだけで繋がりはないし」と、露骨に不快感を示している。福岡ソフトバンクホークス新垣渚は「いつか新垣世代と言わせてみせる」と発言しており、「松坂世代」とひとくくりにされることを嫌う選手も多数いる。横浜ベイスターズでは、高校時代のチームメイトであった小池正晃(現・中日)の名を冠して「小池世代」と呼ばれる事もあった。

最後の大物

同い年の選手であっても、アマチュア野球などで過ごす年数の違いによりプロ入りの年次は異なる。松坂世代の選手が続々とプロになり、「松坂世代」という言葉が定着するにつれ、アマチュアで長く実績を残した松坂世代の選手がドラフト候補として注目されたり、新人として活躍した際に、松坂世代最後の大物という呼称が使用されるようになった。

松坂本人を含む1999年にプロ入りした選手や、大学を4年で卒業した後2003年にプロ入りした選手にこの呼称が使用された形跡はない。「最後の大物」と初めて呼ばれた選手は久保康友だと思われる。久保は甲子園準優勝投手として高校時代から注目されていたが、高校卒業後は社会人野球で6年間プレイした後の2005年にプロ入りしたために、「最後の大物」と呼ばれた。

その後2006年にプロ入りした梵英心が1年目に活躍を見せたときにも一部では「最後の大物」と呼称されたが、これはそれほど定着していない。梵には松坂や久保のようなアマチュア時代の実績がなかったためと思われる。2007年にも渡辺直人らがプロ入りしたが、やはり「最後の大物」とは呼ばれていない。2008年には、久保以来のアマチュアでの実績を持つ多田野数人の日本プロ野球入りにより、再びこの呼称が用いられた。ただし多田野はMLBの出場経験があり、純粋な意味での「新人」ではない。現時点での最後のプロ入りは2009年に楽天入団の森田丈武

その他

日本だけでなく、MLBにおいても1980年生まれの選手達が素晴らしい成績を残している。サンディエゴ・パドレスマーク・プライアーボストン・レッドソックスジョシュ・ベケットジョナサン・パペルボンらは1980年生まれの選手である。

松坂世代に該当する選手

日本のプロ野球には56名が所属している。退団者を含めると93名にも及ぶ(助っ人外国人を除く)。

☆は新人王を獲得した選手(獲得年、リーグ)

メジャーリーグ

日本プロ野球

セントラルリーグ

パシフィックリーグ

退団選手

松坂世代と関連の深い人物

脚注

  1. ^ 生まれ年別名前ランキング 男性(明治安田生命)
  2. ^ 週刊ベースボール2007年9月17日号「こだわり野球熱伝」のインタビューより。