早乙女勝元
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早乙女 勝元(さおとめ かつもと、1932年3月26日 - )は、日本の作家・児童文学作家。東京都足立区出身。
人物[編集]
- 東京の働く姿を描いた作品が多くまた反戦・平和をライフテーマとする。
- 1945年3月9日深夜から3月10日未明にかけ東京大空襲ミーティングハウス2号作戦を経験。
- 1946年に義務教育を終え、鐘紡附属東京理化学研究所(当時)に少年工として勤務する。かたわら旧制都立第七中学校(現・都立墨田川高校)夜間部に入学。
- 1952年に「下町の故郷」で直木賞候補。
- 1962年に音楽大学を卒業したばかりの金子直枝と結婚。直枝は小学校教師となる。
- 1970年に「東京空襲を記録する会」を結成。
- 2002年に東京都江東区にオープンした東京大空襲・戦災資料センター館長就任。
- ベトナム戦争のときの空爆被害の救援にも力をいれている。
- 山田洋次に「下町の太陽」制作に際してアドバイスをしており、また山田を初めて葛飾柴又に連れて行った。毎年3月9日前後には必ず朝日新聞の投書面「声」に、東京大空襲を忘れてはならぬ旨、投書し採用されている。
著書[編集]
- 『下町の故郷』(1952年、葦出版社)
- 『ハモニカ工場』(1956年、未來社)
- 『美しい橋』(1957年、文理書院)
- 『秘密』(1960年、角川書店)
- 『ゆびきり』(1960年、理論社)
- 『小麦色の仲間たち』(1964年、理論社)
- 『青春の歯車』(1965年、理論社)
- 『太陽がほしい!』(上・下、1968年、理論社)
- 『輝坊といっしょに』(直枝と共著、新日本新書・草の根出版会)
- 『愛と口笛とぼく』(1968年、東邦出版社→『それぞれの愛』に改題、草の根出版会)
- 『東京大空襲-昭和二〇年三月十日の記録』(1971年、岩波新書、ルポルタージュ)
- 『あした私は行く』(1972年、理論社)
- 『わが街角』(1974年~1976年、新潮社、全5巻)
- 『共働きはラクじゃないよ』(1974年、草土文化→草の根出版会)
- 『猫は生きている』(1974年、理論社)
- 『ベトナムのダーちゃん』(1974年、童心社)
- 『負元物語』(1978年、理論社)
- 『おトウの子育て』(1980年、学研)
- 『戦争と青春』(1991年、講談社)
- 『パパママバイバイ』(原作、門倉訣・詩、鈴木たくま・画、日本図書センター 2001年2月)
- その他
編者[編集]
- 『「パパ ママ バイバイ」ノート』(1984年8月、草土文化)
- 『日本の空襲』(三省堂、全10巻)
- 『母と子でみる愛と平和の図書館』(1989、草の根出版会)
全集[編集]
- 『早乙女勝元小説選集』(理論社、全12巻)
- 『早乙女勝元自選集“愛といのちの”記録』(草の根出版会、全12巻)
関連資料[編集]
- 人間の記録・第153巻(日本図書センター 2004年8月)
漫画原作[編集]
- ほるぷ平和漫画シリーズ第11巻『炎の街に生きる』(1984年、ほるぷ出版)
- 東京大空襲・火の瞳(画:政岡としや、1972年、週刊少年マガジン)
- 山ゆかば!(画:あすなひろし、1970年)
- 純情・博多っ子戦争(画:長谷川法世、1979年、アクションデラックス)
映画スタッフ[編集]
映画・ドラマ・舞台化作品[編集]
- 映画
- 「二人だけの橋」(1958年、東宝、監督:丸山誠治、主演:水野久美・久保明。「美しい橋」が原作)
- 「明日をつくる少女」(1958年、松竹、監督:井上和男、主演:桑野みゆき。「ハモニカ工場」が原作)
- 「秘密」(1960年、東映、監督:家城巳代治、主演:佐久間良子・江原慎二郎)
- 「猫は生きている」(1975年、監督:島田開。人形劇。)
- 「パパ ママ バイバイ」(1975年、監督:設楽博。アニメーション)
- 「戦争と青春」(1991年、監督:今井正、主演:工藤夕貴)
- 「ベトナムのダーちゃん」(1994年、こぶしプロ・テレビ朝日、監督:後藤俊夫、主演:古谷一行)
- ドラマ
- 「秘密」(1962年、NHK、主演:山本學)
- 「二人だけの橋」(1963年、日本教育テレビ、主演:関口宏)
- 「小麦色の仲間たち」(1964年、NHK、監督:今井正、主演:北大路欣也・佐々木愛)
- 「下町の青春」(1966年、日本教育テレビ、監督:今井正、主演:坂本九。「小麦色の仲間たち」が原作)
- 「秘密」(1975年、日本教育テレビ、主演:高橋洋子・火野正平)
- 「美しい橋」(1977年、東京放送テレビ(TBS)、主演:山口百恵)
- 「夫婦さかさま」(1982年、フジテレビジョン、主演:地井武男。「おトウの子育て」が原作)
- 舞台
- 「素晴らしい贈物」(1959年、新協劇団、演出:村山知義。「ハモニカ工場」が原作。後に前進座でも舞台にかかる)
- 「小麦色の仲間たち」(1964年、東京芸術座)
- 「青春の歯車」(1965年、労音自主製作ミュージカル、演出:山本薩夫・加藤盟、主演:九重佑三子)
- 「秘密」 (1979年、文化座)
- 「死んでもブレストを」(2013年、前進座 朗読劇 脚色・演出:鈴木幹二)
役職[編集]
- 千葉大学非常勤講師(1991年、1994年)
- NHK青年の主張全国コンクール東京地方審査員(1979年)
- 読売新聞全国綴方コンクール中央審査委員(1980年)
受賞歴[編集]
- 1971年 日本ジャーナリスト会議奨励賞(「東京大空襲-昭和二〇年三月十日の記録」)
- 1975年 菊池寛賞・日本ジャーナリスト会議奨励賞(東京空襲を記録する会「東京大空襲・戦災誌」)
- 1992年 第15回日本アカデミー賞特別賞(『戦争と青春』で企画賞)