新潮ミステリー大賞

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新潮ミステリー大賞(しんちょうミステリーたいしょう)は、株式会社新潮社が主催する長編ミステリーの公募文学賞。

概要[編集]

募集対象は、ストーリー性豊かな、広義のミステリー小説[1]。新潮社主催、東映後援で、最終候補作品は東映が優先的に映像化する権利を保有し、映像化が検討される[2][3]

かつて開催されていた日本推理サスペンス大賞日本テレビ主催、新潮社協力、1988年 - 1994年)、新潮ミステリー倶楽部賞(新潮社主催、1996年 - 2000年)、ホラーサスペンス大賞(新潮社・幻冬舎テレビ朝日主催、2000年 - 2005年)の3賞の後継と位置づけられている[2]

選考委員[編集]

選考結果[編集]

回(年) 作者 タイトル 初刊 映像化
第1回(2014年) 大賞 彩藤アザミ[注 1] サナキの森[5] 2015年1月
最終候補 相川啓太 世界の果てより、愛をこめて
九頭竜正志 さとり世代探偵のゆるやかな日常[注 2] 2015年4月
森下淳士 クロス・ザ・ボーダー・オールスター
第2回(2015年) 大賞 一條次郎[注 3] レプリカたちの夜 2016年1月
最終候補 九頭竜正志 卵の中
黒澤主計 宇宙の果てのフォークロア
中村哲也 歌姫の罪と罰
森下淳士 僕らの時代とタイムカプセルアンサンブル
第3回(2016年) 大賞 生馬直樹[注 4] 夏をなくした少年たち[4][注 5] 2017年1月
最終候補 瑞穂はじめ むらぎもの
雨地草太郎 絶滅蝶洗礼
長谷川也 この平和な街ではなにも起こらない
第4回(2017年) 大賞 該当作なし[6]
最終候補 齋藤正信 ころがる肝臓
石井しんぎゅら プロジェクト・パトリオット
瑞穂はじめ Aガール
大鴉こう 82%のなみだ
第5回(2018年) 大賞 結城真一郎 名もなき星の哀歌[注 6] 2019年1月
最終候補 入谷近眞 明治銀座煉瓦 開化の幽霊
甲斐太朗 贖罪
才川真澄 拳客 The Knuckle Athlete
第6回(2019年) 大賞 該当作なし
優秀賞 村木美涼[注 7] 箱とキツネと、パイナップル 2020年1月
最終候補 凛野冥 探偵・渦目摩訶子は明鏡止水
河瀬涼 廃墟の夢を語る女
甲斐太朗 インターン・ヤクザ
第7回(2020年) 大賞 荻堂顕 擬傷の鳥はつかまらない[注 8] 2021年1月
最終候補 入谷近眞 僕と帝都と萬朝報の謎
宮田光 沼の国
甲斐太朗 御母堂さまアドベンチャー・ワールド
長沼憲弘 ポグロムの船
第8回(2021年) 大賞 京橋史織[注 9] 午前0時の身代金[注 10] 2022年3月
最終候補 入谷近眞 ベロ藍の空 トウキョウブルー
雨宮千秋 悪魔に願う
和倉稜 赤屍はいなくなった
第9回(2022年) 大賞 寺嶌曜[注 11] キツネ狩り 2023年3月
最終候補 五条紀夫 クローズドサスペンスヘブン[注 12] 2023年4月
和居ナラブ 箱庭島に日は昇る
笹木嬰児 不謹慎な遊び
第10回(2023) 大賞 該当作なし
最終候補 タカタマサト 幽霊探偵
大神晃 天狗屋敷の怪事件
佐伯祐一郎 急迫不正
入谷眞琴 ミスティックアロマ調合師マーリーチーとカルトなナラティブ

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 応募時の「手羽崎ささみ」から改名
  2. ^ 応募時の『さとり世代探偵の緩やかな日常』から改題
  3. ^ 応募時の「一條」から改名
  4. ^ 応募時の「新下なおき」から改名
  5. ^ 応募時の『グッバイ・ボーイ』から改題
  6. ^ 応募時の『スターダスト・ナイト』から改題
  7. ^ 応募時の「村木そら」から改名
  8. ^ 応募時の『私たちの擬傷(ぎしょう)』から改題
  9. ^ 応募時の「京橋史」から改名
  10. ^ 応募時の『プリマヴェーラの企み』から改題
  11. ^ 応募時の「嶌日糸」から改名
  12. ^ 応募時の『クローズドサスペンスヘヴン』から改題

出典[編集]

  1. ^ “「新潮ミステリー大賞」創設 映像化権は東映”. Book.asahi.com (朝日新聞社). (2013年5月23日). オリジナルの2014年2月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140202121841/http://book.asahi.com/booknews/update/2013052300005.html 2014年2月1日閲覧。 
  2. ^ a b 「新潮ミステリー大賞」に東映(株)の後援が決定!|東映[広報] - 2014年2月1日閲覧
  3. ^ a b 第一回新潮ミステリー大賞「サナキの森」に決定”. 映画.com (2014年8月11日). 2014年8月12日閲覧。
  4. ^ a b 東映後援、第3回新潮ミステリー大賞が決定”. 映画.com (2016年8月20日). 2016年8月30日閲覧。
  5. ^ 【書評】『サナキの森』彩藤アザミ - 横丁カフェ”. WEB本の雑誌. 2017年9月18日閲覧。
  6. ^ ミステリー、新人賞は増えてるが… 「受賞作なし」続く”. 朝日新聞 (2017年11月5日). 2017年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月16日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]