天使にラブ・ソングを…
天使にラブ・ソングを… | |
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Sister Act | |
監督 | エミール・アルドリーノ |
脚本 | ジョセフ・ハワード |
製作 | テリー・シュワルツ |
製作総指揮 | スコット・ルーディン |
出演者 |
ウーピー・ゴールドバーグ マギー・スミス ハーヴェイ・カイテル |
音楽 | マーク・シャイマン |
撮影 | アダム・グリーンベルグ |
編集 |
コリーン・ハルシー リチャード・ハルシー |
製作会社 |
タッチストーン・ピクチャーズ タッチウッド・パシフィック・パートナーズⅠ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 100分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
興行収入 |
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次作 | 天使にラブ・ソングを2 |
『天使にラブ・ソングを…』(てんしにラブソングを、原題: Sister Act)は、1992年製作のアメリカ映画。
ギャングの愛人であり、殺人事件の現場を目撃した、しがないクラブ歌手が、かくまわれた修道院で巻き起こす騒動を描いたコメディー[2]。アメリカでは6ヶ月を記録する大ヒットロングランとなり、主演のウーピー・ゴールドバーグの人気を不動のものにした。
キャラクターの名前のMaryは名前であればメアリー[3]またはマリー[4]であるが、シスターの場合も基本的にはメアリーと読む。
なお、マリアと読む人もいるがマリアはMariaで聖母マリアの名前である[5]。
あらすじ
ネバダ州リノのナイトクラブ「ムーンライトラウンジ」のクラブ歌手デロリスは、ネバダ一帯に縄張りを持つ大物マフィアのボス、ヴィンスの愛人。だがある日、ヴィンスが裏切り者を始末する現場を目撃したため命を狙われる。重要参考人として警察に保護された彼女は、ヴィンスの裁判の日までカトリック系の聖キャサリン修道院に匿われることになる。尼僧として振舞うことを余儀なくされたデロリスは堅苦しい生活に辟易するものの、やがて聖歌隊の指揮者を任され、俄然、歌手としての本領を発揮する。自身のノウハウから下手糞な聖歌隊を鍛え上げ、退屈な聖歌をモータウンの楽曲の替え歌にアレンジして派手なパフォーマンスを繰り広げ、保守的で厳格な修道院長との対立をよそに、一躍町中の人気者になる。そして、最初は疎んじていた修道院のシスターたちと、歌を通じて徐々に友情を育み、固い絆で結ばれていく。
しかし、平穏な日々も束の間、警察内部の情報が漏れたことでローマ法王を迎えたミサの前日にデロリスがさらわれてしまう。誘拐の現場に居合わせたために巻き添えでさらわれてしまい、デロリスの機転で逃げ出したシスター・ロバートの報告でデロリスの素性に対する疑いが持ち上がる。修道院長の口から彼女の本当の素性を知らされた修道院のシスターたちは動揺するが、シスター・ロバートの勇気ある進言をきっかけに、例え本物の尼僧でなくとも自分たちを教え導き、歌うことの楽しさや素晴らしさを教えてくれたデロリスを救うべく、一丸となってヴィンスのアジトであるリノのムーンライトラウンジへ乗り込んでいく。
仲間たちの活躍によりデロリスは無事救い出され、ヴィンスは逮捕された。デロリスは仲間たちに心からの感謝の意を述べて修道院長とも和解し、ローマ法王の御前でのコンサートを大成功に導くのであった。
キャスト
- デロリス・ヴァン・カルティエ / シスター・メアリー・クラレンス(Deloris van Cartier / sister mary Clarence)
- 演:ウーピー・ゴールドバーグ / 幼少時代:アイシス・カーメン・ジョーンズ
- 本作のメインキャラでリノのクラブ「ムーンライトラウンジ」で歌うしがない黒人クラブ歌手。
- ギャングである愛人ヴィンスが裏切り者を始末する現場を目撃して命を狙われる羽目になり、シスター・メアリー・クラレンスと名乗ってカトリックの修道院にかくまわれることになる。
- 破天荒かつ型破りな気質の持ち主で、堅苦しいことが何よりも大嫌い。少々ひねくれているが根は優しくて面倒見がよく、明るくお茶目な性格。そのため、当初は修道院の堅苦しい生活に辟易しながらも、やがて閉塞感の漂う修道院に改革の嵐を巻き起こし、修道院のシスターたちと固い絆で結ばれていくことになる。
- 彼女の型破りな行動が周囲に影響を与えていき、彼女自身もまた、周囲の人々が変わるにつれて心情や心境が少しずつ変化してゆく。
- 幼少時代はカトリック系の学校に通っていたが、当時から反抗的な性格で担任のシスターに将来を危ぶまれ見放されるほどの問題児であった。
- この映画のためにウーピーは歌唱訓練を受けており、コメンタリーでは「バスタブで歌う鼻歌がどれだけ気楽か思い知った」と答えている。ウーピーによると歌は「周りが思ってるよりはイケた(上手く歌えた)」との事。ちなみに本人はボイトレのキツさに「歌いたくない」とも発言した。他には修道服の下にジーパンを履いていることや、修道服が複雑かつ暑いことを話している。
- なお、ウーピーの歌について、エミール監督からは「歌えないと思ったよ」、パトリック役のキャシーからはデロリスについては「異質なシスター」と語り、ウーピーの歌について「共演した舞台では歌わずに語っていたの」「(前述から)歌はマズいと思ったわ」と心配していた旨を語られたが「(ウーピーは歌ったら)凄く上手だったわ」と語られた。
- ヴィンス・ラ・ロッカ(Vince La Rocca)
- 演:ハーヴェイ・カイテル
- ネバダ州一帯に縄張りを持つマフィアのボス。
- 本人は愛人関係にあるデロリスに歌の仕事を与え贈り物を送るなどして愛情を注いでやっていると主張しているが、正妻の使用済みの私物をプレゼントとして贈るなど扱いはぞんざいであり、デロリスには快く思われてはいなかった。そのあげく、デロリスに殺人現場を目撃されたため、多少躊躇する様子を見せつつ部下に抹殺を命じ、執拗に付け狙うようになる。
- 裏切り者を容赦なく始末する冷酷さを持つにも関わらず、浮気を神父に告白する、尼僧姿のデロリスを撃つことに躊躇するなど、意外と信仰に篤い面があるが、デロリスには小心者呼ばわりされている。
- 最終的にデロリスたちを追い詰めるものの、駆けつけてきたサウザー警部補に肩を撃たれ、怯んだ隙をつかれて逮捕された。多少の未練はあったのか、腹立ちまぎれの暴言を吐き捨てられたデロリスから「神のご加護を」と返された際には投げキッスをしている。
- 修道院長
- 演:マギー・スミス
- 聖キャサリン修道院の院長。
- 修道院の規律にかなり厳格で、筋金入りのお堅く生真面目な性格。かなりの毒舌でもあり、作中では丁寧な口調の中に一見分かりづらい毒舌を混ぜている。
- デロリスとは聖歌隊の一件をきっかけに頑固なまでに対立することになり、シスターたちが彼女の行動に賛同している様子を見て失望し、よその修道院へ異動しようとまで考えていた。その後、シスターたちが心から彼女に信頼を寄せていることを知り、閉鎖寸前だった修道院を蘇らせた功績や、シスターたちが歌う喜びを通じて活き活きと変わっていく過程を見て彼女を立派な尼僧の精神の持ち主として認め、和解した。
- なお、コメンタリーではデロリスを演じたウーピーやラザラスを演じたメアリー、エミール監督などから「プロ意識の塊」「素晴らしい女優」などと称され、さらにエミール監督は「彼女は笑いのセンスも良い」とも称した。ロバートを演じたウェンディは「(ウーピーとの)二人の掛け合いが面白い」「(2人が)修道衣の姿を見るだけで笑っちゃう」とも語っている。
- メアリー・パトリック(Mary Patrick)
- 演:キャシー・ナジミー
- ぽっちゃり体系の陽気な若いシスター。
- 大柄でふくよかな体型に反して踊りが上手く、動きがけっこう身軽。性格は非常に陽気でマイペースで優しく茶目っ気もあり歌やダンスなど楽しいことが大好き。楽しさが行き過ぎて暴走してしまう事もある。好物はアイスクリーム。
- 歌うことが好きなものの、声が大きいばかりで周囲と協調がとれておらず、デロリスの指導で周りの歌声を聴いて合わせる事を覚え、上達していく。
- 性格の明るさは本人曰く「昔からの性分」であり、彼女の母をして「将来は尼さんかスチュワーデスね」と言わしめたと自身が語るほど。
- 修道女仲間の中ではメアリー・ロバート、メアリー・ラザラスと特に親しい。
- コメンタリーにおいて、演じたキャシー曰く、パトリックはデロリス同様に「形だけの」シスターって感じよ、と話し「パトリックの歌い方はずっと(ハイトーンを出す)なの。スタッフ達の中に耳を痛めた人がいたら、私のせいだわ」と笑って話している。
- なお、キャシーはパトリックを演じるに辺り、脚本には「唯一の特徴は『明るさ』と書いてあったの」と語り、偶然つけたTVに写った元気で明るく陽気なシスター『シスター・ハート』を見て、彼女がパトリックのモデルだと思い、彼女をモチーフにパトリックのキャラを作ったとも話した。
- メアリー・ロバート(Mary Robert)
- 演:ウェンディ・マッケナ / 歌唱シーン吹き替え:アンドレア・ロビンソン
- 最年少のシスター。シスター仲間の内で唯一、服装が他のシスターたちと異なる[6]。
- 内気で非常に大人しい性格だが、修道院に溶け込めずにいたデロリスのことを誰よりも先に気遣う優しさと思いやりを持つ。兄がいる。
- 奉仕の人生こそが自分の使命だと考えて修道女を志願したものの、引っ込み思案で不器用な性格からくる劣等感ゆえに自信が持てず、「自分にしか出来ない事で力を発揮したい」と願いつつも、それが虚栄心にすぎないのではないかと思い込んで落ち込んでしまう繊細な性根の持ち主であった。
- デロリスと出会い歌う楽しさや喜びを知ってからは徐々に明るく積極的な性格に変化すると共に勇敢さと毅然さも併せ持つようにもなり、デロリスが誘拐された際にはみんなで救出しに行こうと真っ先に院長に進言した。また、ちょっとした規則違反程度なら犯すことも平気になっていき、コンサート前日の夜、パトリック、ラザラスと共にこっそりアイスクリームを買ってきてデロリスにごちそうしたりもしている。
- 聖歌隊では最初は弱々しくか細い声しか出せなかったが、特訓の末に大きな声を出すことが出来るようになり、ソロパートを務めあげるまでに上達した。その歌唱力はかなりハイレベルである。
- なお、劇中での歌唱はアンドレア・ロビンソンによる吹き替えであり、作中で唯一の吹き替えである。理由は歌声が監督のイメージとは違ったため。
- ウェンディ・マッケナはコメンタリーにおいて「“もちろん歌えるわ"と言って(披露したら)恥をかいた」「口パクなら任せてよ」と発言しており、ロバートについては「最初はかなり内気で余り話さないけれど、デロリスのお陰で自信がつき、解放されて声に出せるようになるのよ」との事。
- メアリー・ラザラス(吹き替え版ではメアリー・ラザロ)(Mary Razarus)
- 演:メアリー・ウィックス
- 聖キャサリン修道院のシスターで聖歌隊の元指揮者。
- シスター内でも年はかなり年長で、本人によると法王4人分の年月をシスターとして人生を捧げている。好物はシロップをかけたアイスとピーカン味[7]のアイス。
- やや気難しい性格で、成り行きから聖歌隊の指揮をすることになった(彼女自身は院長直々にデロリスが指名されたと思い込んでいた)デロリスを煙たがるが、彼女の指導を見てからはその指導力からデロリスを認め、パトリックやロバートともに最も親しい友人となった。
- 性格からか表情にも気難しさが目立っていたが、歌唱シーンが増えていくにつれて笑顔が増えていき、性格も茶目っ気が見え始める。
- やや低い中間音の声質でパートはアルト。ロバートやパトリックと共にソロパートが多い。
- ラザラスを演じたメアリー・ウィックスはコメンタリーでラザラスについて「ラザラスは最初、固定観念を持っているけれど、それを覆される。そしてデロリスに歌の楽しさを教えて貰い、楽しく歌うことを知って、彼女(ラザラス)は変わっていくのよ」と語り、次に修道服の着用が複雑、かつ着ていて暑いなどの理由から「尼僧の役はごめんだわ」と笑って話した。ちなみに、my godでラザラスが逆を向いてしまうシーンは元々はNGシーン。
- なお、メアリーはコメンタリーでシスター役は全部で15人はいたと思うわ、と話しているが、実際は17人いる。
- ラザラスを演じたメアリー・ウィックスは当時の演者の中で最年長であり、81歳である。
- メアリー・アルマ(Mary Alma)
- 演:ローズ・パーレンティ
- 聖キャサリン修道院のシスターの1人で、ピアノを弾く担当で補聴器をつけた比較的小柄な年配のシスター。補聴器は片一方のイヤホン部分に本体が繋がり、それを胸元に付けるタイプのものを使用し、左耳につけている。デロリスからは最初以外、アルマと呼ばれている。
- ピアノ伴奏の担当だが耳が遠いために補聴器が必須であるが、度々スイッチを入れ忘れてしまう[8]。
- デロリスのアレンジした聖歌が大好きで、デロリスが指揮者になる以前よりも活き活きとしたピアノ演奏を披露するようになる。
- ピアノは長年弾いているだけはある巧さで、弾いている際は可愛らしく楽しげな笑顔である[9]。初期段階から楽しくピアノを弾きたいという考えと今の聖歌隊を嫌う部分があった為、最初から終わりの部分をテンポ良く奏でた上で最初の少しと最後以外、弾くのを放棄していた。デロリス及びデロリスがアレンジした曲が非常に大好きで、普通に弾く時よりもより楽しげに、より良い笑顔になる。その好みっぷりは、修道院長に「通常の賛美歌と(デロリスがアレンジした)前衛的な賛美歌」の多数決の際、前衛的な賛美歌で真っ先にピンと手を挙げたほど。
- I will follow Him内では、数秒ながらも手元を見ずにピアノを弾きながらリズムをとり横にステップを踏むというおばあちゃんらしからぬプロのような高等技術を見せている(演じた当時のローズの年齢はラザラス役のメアリーに次ぐ80歳)。
- CDのShoutという曲の歌詞カードの中では歌詞カードを書いた人のミスにより「Sister Allen(シスター・アレン)」と表記されている。曲内でデロリスはしっかりアルマと呼んでいる。
- エディー・サウザー(サウザー警部補)(Eddie Souther / Lieutenant Souther)
- 演:ビル・ナン
- 事件の捜査とデロリスの警護を担当する警部補。優しく曲がった事が嫌いで正義感にあふれる一方、かなりの猪突猛進型。内通者を見抜くなど頭の回転と勘は良い。職務に忠実な性格で保護を担当した人物を守り抜こうとする意志が強く、その思いから強い口調になったり、強くなりすぎて暴言を吐くことも度々。
- デロリスは鏡張りの壁を拳銃でぶち抜き、壁越しにヴィンスを狙撃するという強引な手段で駆けつけてきたエディーに対し「人を警護するよりも攻撃の方が得意ね」と皮肉った。
- サウザー警部補を演じたビル・ナンはコメンタリーで「演じたサウザーの台詞に面白い台詞が無かったのが不満だったんだ」と笑って話した。
- オハラ司教(Bishop O'Hara)
- 演:ジョゼフ・メイハー
- 聖キャサリン修道院の司教。性格は穏やかで優しく、保守的な考え方に固執しない柔軟さも持ちあわせており、賛美歌をモータウン風(ゴスペル風)に勝手にアレンジしたデロリスに対して怒ることなく「こんな楽しい礼拝は何年ぶりでしょう、とても新鮮で胸が震えました」「次の礼拝が待ち遠しい」と嬉しそうに褒めている。
- 法王が聖歌隊の評判を聞きつけ日曜の夜に御閲覧に際した際はかなり嬉しげにソワソワしており、その話を勿体ぶった為、ラザラスから「焦らさないで」と言われている。
- ジョーイ(Joey)
- 演:ロバート・ミランダ
- ヴィンスの部下。
- 裏切り者を容赦なく始末する非情さを持つが、追い詰めたデロリスに対し「尼僧は撃てない」と躊躇するなど小心で信心深い一面も持つ。
- 死を前に自分たちの行いの罪深さを許すよう必死で神に祈るデロリスの様子に感化され、一緒にお祈りをした隙に股間を殴られて逃げられた。
- ウィリー(Willy)
- 演:リチャード・ポートナウ
- ヴィンスの部下。
- ジョーイ同様、小心かつ敬虔で尼僧に対し銃を向けられない性格。
- 聖キャサリン修道院聖歌隊のシスター達(和訳では聖歌隊の修道女、英語ではChoir Nun)
- 演:スーザン・ジョンソン、スーザン・ブロウニング、エディス・ディアス、ダーリーン・コルデンホーヴェン、ベス・ファウラー、 プルーデンス・ライト・ホームズ 、カルメン・サパタ、パット・クロフォード・ブラウン、エレン・アルバーティーニ・ダウ、シェリ・イザード、ジョージア・クレイトン、ルース・コバルト
- 聖キャサリン修道院における聖歌隊のシスター達。年齢層は中年~老年くらい。
- 最初こそ生真面目で固い雰囲気が強かったが、デロリスが指揮者として着任してからは、みな見違えるように活き活きとした姿を見せるようになる。
- ルース・コバルト演じる、ベースパートの白枠眼鏡のラザラスと同じぐらいに長身のおばあちゃんシスターがシスター・メアリー・イグネイシャス(Sister Mary Ignatius)[10]、カルメン・サパタ演じる、ソプラノパートのイグネイシャスに少し似た顔立ちの度の強いフチなし丸眼鏡の比較的長身の落ち着ついているお上品系シスターがシスター・メアリー・エマニエル(Sister Mary Emmanue)と名前がそれぞれ出ている[11]。
- 聖歌隊の初期段階ではパートごとに並ぶ基本すら出来ていない上、それぞれが音程やテンポすら取れず[12]、更には好き放題かつぐちゃぐちゃに歌っていて、ソロまでいるという(主にパトリック[13])、自分達でもはっきり自覚出来るほどかなり酷い状況[14]だったが(ラザラス曰く、ド素人)、ロバートのささやきからパトリックがデロリスに聖歌隊への助けを求めたのちに全員がデロリスに期待を寄せて助けを求め、みるみるうちに聖歌隊が成長していくにつれ、歌う楽しさや喜び、素晴らしさを知り、より心から信頼を置くようになり、ロバートやパトリック、ラザラス同様にデロリスと親友となり固い絆で結ばれて心を開いていき、デロリス無しでは歌えないほどに心の支えにしている[15]。法王が観覧に際した際はそれぞれが多少葛藤したものの皆がデロリス側に恐る恐る挙手しており[16]、全員が修道院長の方を見られなくなっていた。その後デロリスが誘拐され、修道院長の口から語られたデロリスの素性を知った際は全員が動揺し、エマニエルが「彼女は嘘を?」と話したりしていたが、デロリスとの今までの経緯に加えてロバートやパトリック、ラザラスの言葉にさらに感化され、デロリスへの強い絆から助けに行こうと修道院長にそれぞれが言葉を発していた。パトリックは元より、デロリスに近い思考のイグネイシャスやネバダ州のリノが好きだと話したエディス演じるシスターなど、修道女にしては人間味が濃いタイプも割といる模様。
- ジョージア・クレイトン演じる底抜けに明るい笑顔が魅力的なこぶしを回すような歌声のソプラノパートのおばあちゃんシスター、スーザン・B演じるアルトパートの少し厳しそうにも見えるふくよかおばちゃんシスター、エレン・アルバーティーニ・ダウ演じる一番小柄だが非常に身軽な可愛い声のソプラノパートの年長組おばあちゃんシスター(エレンは当時79歳で、ラザラス役のメアリー、アルマ役のローズに次ぐ年齢)、パット・クロフォード・ブラウン演じる三番目に小柄で胴縁の楕円眼鏡のベースパートの車が修理出来るハイスペックな左利きおばあちゃんシスター(なお、オイルが顔にクリーンヒットする方)、プルーデンス・ライト・ホルムズ演じるソプラノパートの若めだが暗めに見える比較的に小柄で一際小顔な銀の腕時計をつけている可愛い声の左利きのおばちゃんシスター、シェリ・イザード演じる表情がパトリックに負けないほど豊かなアルトパートの左利きで丸眼鏡に丸顔のシスター内では若めのシスターなど、台詞が少ないまたは無いにもかかわらず、実は非常に可愛らしく個性豊かである。
- なお、シスター達を演じたキャストはバランスと、何よりも『個性』を最重視して選ばれ、エミール監督やラザラス役のメアリーはシスター役の彼女達を「それぞれが際立った個性の持ち主」と話している。
- シスターを演じたキャストは女優が多いが、車を修理していた、ずらして眼鏡をかけている車修理が出来る器用なベースパートの2列目右端のシスターを演じたスーザン・ジョンソンやシスター1の長身でタンバリン担当シスターを演じたダーリーン・コルデンホーヴェン、2列目右から三番目のポジションのシスターのベス・ファウラー、シスター・メアリー・イグナティウス役のルース・コバルト(ルースはオペラ経験もある)など、女優と歌手を両立しているキャストも多い。
- タンバリンのシスターことダーリーン・コルデンホーヴェンは声楽教師でもある為、作中の歌のコーチを請け負っており、EDクレジットにも表記されている。
- 二番目に小柄で丸っこい体格のシスターを演じたエディス・ディアスは歌手ではないが、シスター内での歌唱力は高い。また、エディス演じるシスターは初期段階ではアルトパートで挙手していたが、歌う時にはソプラノパートに変わっている。エディス演じるシスターはネバダ州のリノが大好き(字幕では憧れのリノ)。
- ベス・ファウラー演じたチャーミングなシスターはHail Holy Queenの楽曲の中において、賛美歌部分ではアルトパートを、アレンジされた賛美歌ではベースパートを歌っている(他にも、彼女の腕をよく見ると腕時計が現れたり消えたりしている)。
- ローマ法王(聖ヨハネ・パウロ2世)
- 演:ジーン・グレイタック
- 聖キャサリン修道院の聖歌隊の話題を耳にし、サンフランシスコに来るついでに礼拝に臨席した。聖歌隊の素晴らしさについノッてしまうなどお茶目。あまりの素晴らしさに観覧客らと共にスタンディングオベーションをした。
- 演じたジーン・グレイタックは法王に似ている事で有名で、ラザラスを演じたメアリーは「本当にそっくりだったわ」「仕草や手つきなどが堂に入っていたわ」と話している。
- ジーン本人によると「見た時に自分と瓜二つだと思ったんだ」と話し、法衣を着ると皆が僕に「お会いできて光栄です」と言うんだ、との事。ジーンはこの作品以外でも法王の役を演じている。
日本語吹替
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | 日本テレビ版[17] | ||
デロリス・ヴァン・カルティエ シスター・マリア・クラレンス |
ウーピー・ゴールドバーグ | 後藤加代 | 中村晃子 |
ヴィンス・ラ・ロッカ | ハーヴェイ・カイテル | 堀勝之祐 | |
修道院長 | マギー・スミス | 京田尚子 | 藤波京子 |
メアリー・パトリック | キャシー・ナジミー | 信沢三恵子 | さとうあい |
メアリー・ロバート | ウェンディ・マッケナ | 石川悦子 | 矢島晶子 |
メアリー・ラザラス | メアリー・ウィックス | 牧野和子 | 河村久子 |
エディー・サウザー | ビル・ナン | 西村知道 | 玄田哲章 |
ジョーイ | ロバート・ミランダ | 山下啓介 | 西村知道 |
ウィリー | リチャード・ポートナウ | 曽我部和恭 | 千田光男 |
オハラ牧師 | ジョセフ・マーハー | 小林修 | |
テイト | ガイ・ボイド | 筈見純 | |
デロリス(幼少時代) | アイシス・カーメン・ジョーンズ | 押谷芽衣 | |
日本語版スタッフ | |||
演出 | 谷清次 | 木村絵理子 | |
翻訳 | いずみつかさ | 徐賀世子 | |
調整 | 伊藤恭介 | 山田均 | |
録音 | スタジオ・エコー | セントラル録音 | |
監修 | 岡本企美子 | ||
担当 | 稲毛弘之 | ||
プロデューサー | 大塚恭司 | ||
プロデューサー補 | 小林三紀子 | ||
制作 | DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC. |
東北新社 | |
初回放送 | 2012年2月11日 BS日テレ 『プレシャスタイム』 |
1996年4月26日 『金曜ロードショー』 |
地上波放送履歴
回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 視聴率 | 吹替版 | 出典 |
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初回 | 日本テレビ | 金曜ロードショー →金曜ロードSHOW! |
1996年4月26日 | 日本テレビ版 | ||
2回目 | 1998年9月11日 | 18.1% | ||||
3回目 | 2000年7月21日 | 16.7% | ||||
4回目 | 2004年8月6日 | 12.5% | ||||
5回目 | 2010年1月22日 | 13.5% | [18] | |||
6回目 | 2020年5月15日 | 15.2% | ソフト版 | [19] |
挿入曲
- Hail Holy Queen - ヘイル・ホーリー・クイーン(サルヴェ・レジーナ)
- My Guy(My God) - マリー・ウェルズ
- I Will Follow Him - リトル・ペギー・マーチ
- Rescue Me - フォンテラ・バス
- Just A Touch Of Love - C+C Music Factory
- Gravy
ミュージカル版
映画公開から19年後の2011年に本作がブロードウェイミュージカル化された。プロデューサーは映画版の主演を務めたウーピー・ゴールドバーグが、音楽は『リトル・マーメイド』や『アラジン』などのディズニーミュージカルアニメ作品を作曲したアラン・メンケンが担当している。ストーリーの大筋と登場人物は映画版を踏襲してはいるが、楽曲は全て書き下ろしであり、映画版での挿入曲は使用されていない。
2014年6月1日[20]、日本上演[21]。2014年8月3日、千秋楽。2016年5月22日~6月20日再演[21]。2019年11月~12月再演。
脚注
- ^ a b “Sister Act (1992)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年3月30日閲覧。
- ^ 心ぽかぽか&キュン!秋の夜長に見たいミュージカル映画10選【後編】 - Peachy - ライブドアニュース
- ^ メアリ、メアリーと読むが伸ばすかどうかは好み等で変わる。
- ^ また、マリーにおいてもmarryやMarie、Marrieなどいくつか綴りがある。
- ^ なお、Mary(メアリー)はこの聖母マリアの名前から派生した名前となる。
- ^ 修道会によって違いはあるものの、誓願を受ける前の修練者が他のシスターと違う服装をしている事は多いため、メアリー・ロバートも修練者の可能性がある。
- ^ ピーカンは胡桃(クルミ)の1種。
- ^ 初期の練習ではパトリックのハイパワーボイスを聞かないように自分で切って補聴器をいじっているシーンがある。
- ^ ただし、初期段階の調律されていない状態のピアノを弾いている際は苦い、嫌そうな表情をして補聴器を塞ぐような素振りをしている
- ^ Ignatiusは元はラテン語の名前である為に読み方が2つあり、修道院長はイグネイシャスと呼ぶが字幕ではイグナティウスになっている。
- ^ イグネイシャス(イグナティウス)はデロリスを助けに行った際にリノのカジノでいつの間にかスロットをしており、修道院長がそれを叱った際に名前を呼ばれた。エマニエルの名前は修道院長が神父の修道院長に助けに行く旨を伝えるよう指示した際に名前を(早口に)呼んでいるが、字幕には出ない。
- ^ ジョージア・クレイトン演じる底抜けに明るい笑顔のおばちゃんシスターはあまりにもリズムが取れず、2回も歌詞を先走ってしまった。
- ^ パトリックのあまりの声量とハイトーンに、シスター・エマニエルは顔を苦みばしらせ、シスター・イグネイシャスさ顔をかなりしかめて空いている手で耳を塞ぐ仕草をするほど。
- ^ デロリスが言葉巧みに言いくるめながら、何とか彼女たちの音感と音程を矯正して、やっと和音で歌えるようになったとパトリックが言い放ったレベル。
- ^ ロバートの「彼女無しじゃ歌えない!」という言葉に全員が「無理よ!」という表情になり強く首を横に振ったほど
- ^ エマニエルは修道院長を慮って修道院長側にも挙手している
- ^ ただし、2020年5月15日の『金曜ロードSHOW!』ではソフト版の吹替が放送された。
- ^ “天使にラブ・ソングを…”. 金曜ロードショー. 2020年6月8日閲覧。
- ^ “名作「天使にラブ・ソングを…」15・2%の高視聴率 28年前公開も リクエスト企画で女性から支持”. スポーツニッポン (2020年5月18日). 2020年5月26日閲覧。
- ^ “シスター・アクト 全国公演スケジュール”. 2015年1月19日閲覧。
- ^ a b “帝国劇場 ミュージカル『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』:”. 東宝. 2013年7月3日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 天使にラブ・ソングを…|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式(日本語)
- 天使にラブ・ソングを… - Disney+(日本語)
- 天使にラブ・ソングを… - allcinema
- 天使にラブ・ソングを… - KINENOTE
- Sister Act - オールムービー(英語)
- Sister Act - インターネット・ムービー・データベース(英語)