名古屋市消防局

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名古屋市消防局
Nagoya City Hall 2011-10-28.jpg
消防局本部が入居する市役所本庁舎
情報
設置日 1948年(昭和23年)3月4日
管轄区域 名古屋市内16区
職員定数 2,363人
消防署数 16
出張所数 44
所在地 460-0001
愛知県名古屋市中区三の丸3-1−1
リンク 名古屋市WEBサイト 消防局
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名古屋市消防局(なごやししょうぼうきょく)は、愛知県名古屋市の消防部局(消防本部)。

1947年昭和22年)に定められた消防組織法によって、従来は警察任務の一部であった消防業務が市町村の任務とされたことから、法律施行日の1948年(昭和23年)3月7日に発足した。

歴史[編集]

万治の大火1660年)ののち、尾張藩によって寛文年間(1661年 - 1672年)に設置された火消組合[1][注 1]が長らく名古屋の防火を担ってきたが、これは明治時代に消防組と改称された[2]1909年明治42年)、名古屋市は翌年に控えた第10回関西府県連合共進会での防火・消防用に馬引き蒸気ポンプを購入[3]。巡査2名をこの機関員として配置するとともに翌年1月には市内の消防組から10名を消防夫として割り当て、開催直前の3月には20名に増員した[3]。共進会終了後、この装備と人員を引き継いで発足したのが名古屋市初の常設消防組織である名古屋市常備部消防隊で、詰所は当時の市役所内に置かれた[3]1919年大正8年)には特設消防署規程が公布されたため[4]、消防隊を改組して同年7月に中消防署と南消防署、中消防署門前町出張所が設置され、合計54名が消防活動に従事するようになった[5]。以降、1939年(昭和14年)に市内4ヶ所となった消防署は1943年(昭和18年)12月には各区1ヶ所ずつの13ヶ所体制まで増備された[6]

1914年(大正3年)、ベンツ社製の消防ポンプ車を購入したのに始まり、以降ポンプ車や水管運搬用のオートバイなど車両の導入が進められた[7]1916年(大正11年)にはフィアット製のはしご車(梯子長12メートル)が[7]1935年(昭和10年)には市内の高層化に対応するためダイムラー・ベンツ製のポンプ付き機械式はしご車(梯子長30メートル)が導入されて、後者は1968年(昭和43年)まで運用された[8][注 2]。また、1934年(昭和9年)には消防救護隊が発足して救急車による救護業務が行われるようになったが[9]、これは戦時体制への移行によってすべての救急車と合わせて1944年(昭和19年)9月に警察部警備隊へと移管されている[10]

太平洋戦争終結後の1945年(昭和20年)10月1日、栄区の中区再編入(11月)に先駆けて橘消防署が廃止され、12消防署体制へ移行[11]。約2,000名の消防職員は約1,400名に削減された[11]

1947年(昭和22年)、消防組織法の公布に伴って名古屋市でも再編計画が進められ、1,366名の消防職員を更に750名まで削減した上で名古屋市消防部として発足することになった[12]。しかし、発足直前の1948年(昭和23年)3月4日に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)公安課主任消防行政官を務めるジョージ・ウィリアム・エンジェルが来名したことで事態は一変[12]。エンジェルは名古屋市の規模などから職員の削減に反対するとともに「消防部ではなく消防局とすべき」との勧告を行なった。これによって3月6日に関係条例が公布され、3月7日に名古屋市消防局が発足した[12]

1949年(昭和24年)9月1日から救護業務を再開[13]。翌年1月には港消防署内に水上課を設置し、水上消防業務を開始した[14]。また、1973年(昭和48年)4月1日にはシュド・アビアシオンアルウェットIIIを運用する消防航空隊を発足している[15]

組織[編集]

  • 本部

消防署[編集]

消防署は2013年(平成25年)4月1日時点で市内に16ヶ所あり、出張所は44ヶ所[16]

消防署 住所 出張所(★印は救急隊のある出張所)
千種消防署 千種区希望ケ丘2-6-21 ★覚王山:千種区覚王山通9-31
吹上:千種区吹上2-5-11
東山:千種区東山通2-19
東消防署 東区筒井1-8-30 富士塚:東区泉1-9-24
矢田:東区矢田南4-2-1
北消防署 北区萩野通2-1 飯田:北区芦辺町3-4
★楠:北区2-965
西消防署 西区児玉2-25-22 押切:西区天神山町1-24
★山田:西区八筋町56
大野木:西区大野木5-10
中村消防署 中村区大宮町1-53 日比津:中村区高道町5-2-18
★椿:中村区則武2-1-21
岩塚:中村区剣町158
中消防署 中区1-23-13 橘:中区橘1-22-15
★老松:中区新栄1-46-12
昭和消防署 昭和区御器所通2-16-1 ★八事:昭和区花見通3-29
白金:昭和区福江2-8-11
瑞穂消防署 瑞穂区北原町3-17 ★堀田:瑞穂区塩入町13-11
熱田消防署 熱田区高蔵町4-9 ★船方:熱田区一番2-42-2
中川消防署 中川区高畑1-224 ★日置:中川区福住町6-39
尾頭橋:中川区尾頭橋1-1-41
下之一色:中川区一色新町3-105
★富田:中川区東春田2-41
港消防署 港区千鳥1-11-19 ★東海橋:港区川西通2-6
東築地:港区昭和町13
★稲永:港区野跡1-1-9
★南陽:港区春田野2-2904
荒子川:港区善進本町72-2
南消防署 南区桜本町24 ★大同:南区大同町3-4-2
大江:南区加福本通1-11
道徳:南区泉楽通1-8
星崎:南区鳴尾1-79
守山消防署 守山区西新11-8 ★志段味:守山区大字下志段味字長廻間2280-12
★守西:守山区鳥羽見2-20-12
大森:守山区大森1-2016
緑消防署 緑区滝ノ水4-2007 ★大高:緑区大高町字下塩田41-1
有松:緑区有松町大字桶狭間字生山48-27
鳴海:緑区鳴海町字乙子山85-11
★徳重:緑区鳴海町字神ノ倉3-1244
名東消防署 名東区野間町40 星ヶ丘:名東区名東本町162
★猪子石:名東区香流1-1112
豊が丘:名東区豊が丘802
天白消防署 天白区原5-2506 島田:天白区島田3-301
★植田:天白区焼山1-807

特別消防隊[編集]

「ハイパーレスキューNAGOYA」と呼ばれ特別な対応を要する災害に関する警防業務を行う。特別高度救助隊に相当。

特別消防隊
(★印は救急隊のある特別消防隊)
住所 任務
第一方面隊 中川区太平通3-39 震災及び水難対応
★第二方面隊 西区那古野2-26-16 低所災害及び地下災害対応
第三方面隊 北区上飯田南町4-1-11 高所災害対応。航空隊との連携
第四方面隊 瑞穂区田辺通5-9 車輌事故、鉄道事故など交通災害対応
第五方面隊 港区金城ふ頭1-1−3 NBC災害及び船舶火災、石油コンビナート災害対応

消防航空隊[編集]

1973年(昭和48年)4月1日発足[15]。県営名古屋空港内に配置され、2014年現在2機の消防ヘリコプターを運用している[17]

製造メーカー 機種 名称 備考 画像
シュド・アビアシオン アルウェットIII[18] なごや 1973年導入・1988年引退[18]かかみがはら航空宇宙科学博物館にて展示 SA316B-1.JPG
アエロスパシアル SA365C1(ドーファン2) なごや2 1981年3月導入・1996年3月引退[18]名古屋市港防災センターにてコクピットおよびエンジンを展示 Nagoya City Minato Disaster Prevention Center-02.jpg
アエロスパシアル SA365N3(ドーファン2) のぶなが(JA758A) 1988年5月導入[17]。公募により2014年(平成26年)9月に「なごや」から「のぶなが」に改名[17] Eurocopter Dauphin AS365N3 of Nagoya.jpg
アエロスパシアル SA365N3(ドーファン2) ひでよし(JA6779) 1996年3月導入[18]。公募により2014年(平成26年)9月に「なごや2」から「ひでよし」に改名[17]
エアバス・ヘリコプターズ SA365N3+(ドーファン2)[19] - 2015年度導入予定[19]

消防学校[編集]

  • 名古屋市消防学校:消防吏員の教育を行う。
    • 住所:愛知県名古屋市守山区大字下志段味字長廻間2280-12

消防音楽隊[編集]

消防音楽隊として1958年(昭和33年)に名古屋市消防音楽隊を発足、1987年(昭和62年)にはカラーガードとしてリリーエンゼルスが結成され、名古屋市の行事や各種イベントへの演奏出場を行なって防災についてのPR活動を行なっている[20]。また、自主演奏会として「キラッ都ブラスコンサート」を、愛知県警察音楽隊陸上自衛隊第10音楽隊との合同演奏会として「トライアングルコンサート」を実施している[20]

ギャラリー[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 住民によって編成され、火消奉行に従って消火活動を行なうもの。
  2. ^ 消防学校の教材となり、現在も保存されている

脚注[編集]

  1. ^ 名古屋消防史、P.13
  2. ^ 名古屋消防史、P.30
  3. ^ a b c 名古屋消防史、pp.46 - 47
  4. ^ 名古屋消防史、P.57
  5. ^ 名古屋消防史、P.58
  6. ^ 名古屋消防史、pp.125 - 126
  7. ^ a b 名古屋消防史、P.91
  8. ^ 名古屋消防史、P.95
  9. ^ 名古屋消防史、P.84
  10. ^ 名古屋消防史、P.86
  11. ^ a b 名古屋消防史、P.152
  12. ^ a b c 名古屋消防史、pp.176 - 177
  13. ^ 名古屋消防史、P.238
  14. ^ 名古屋消防史、P.257
  15. ^ a b 名古屋消防史、pp.263 - 264
  16. ^ 消防局(市政情報)”. 名古屋市 (2013年4月1日). 2014年5月14日閲覧。
  17. ^ a b c d 消防車両の種類(暮らしの情報)”. 名古屋市 (2014年9月10日). 2015年1月19日閲覧。
  18. ^ a b c d 名古屋市消防航空隊 (PDF)”. 全国航空消防防災協議会 (2012年11月30日). 2014年7月1日閲覧。
  19. ^ a b City of Nagoya orders Eurocopter AS365 N3+ Dauphin for firefighting and rescue services”. AIRBUS GROUP (2013年10月1日). 2014年7月1日閲覧。
  20. ^ a b 名古屋市消防音楽隊”. 名古屋市 (2014年7月1日). 2014年7月2日閲覧。

参考文献[編集]

  • 名古屋消防史編集委員会『名古屋消防史』、名古屋市消防局、1989年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]