南弟子屈駅

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南弟子屈駅
駅舎(2017年5月)
みなみてしかが
Minami-Teshikaga
B62 磯分内 (6.5 km)
(8.2 km) 摩周 B64
地図
所在地 北海道川上郡弟子屈町熊牛原野144
北緯43度25分43.16秒 東経144度30分53.02秒 / 北緯43.4286556度 東経144.5147278度 / 43.4286556; 144.5147278座標: 北緯43度25分43.16秒 東経144度30分53.02秒 / 北緯43.4286556度 東経144.5147278度 / 43.4286556; 144.5147278
駅番号 B63
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 62.3 km(網走起点)
電報略号 ミテ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1929年昭和4年)8月15日[1]
廃止年月日 2020年令和2年)3月14日[2]
備考 無人駅
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南弟子屈駅(みなみてしかがえき)は、北海道川上郡弟子屈町熊牛原野にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線廃駅)。電報略号ミテ事務管理コードは▲111608[3]駅番号B63

歴史[編集]

1977年の南弟子屈駅と周囲約500m範囲。上が網走方面。駅舎側の単式ホーム1面1線で、かなり早い時期に貨物取扱を止めていて、駅裏の副本線は撤去されて久しく、草生して殆んど跡形も無い。駅舎横の釧路側貨物積卸場の引込み線がまだ残されているが、荷物扱い廃止後に一旦撤去され、その後保線車両用に再び引き直されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
  • 1929年(昭和4年)8月15日鉄道省釧網線標茶駅 - 弟子屈駅(→摩周駅)間開業に伴い開業[4]一般駅[1]
  • 1960年(昭和35年)10月25日:貨物取扱い廃止[5]
  • 1968年(昭和43年)4月1日:業務委託化[6]
  • 1984年(昭和59年)
  • 1986年(昭和61年)10月13日:駅舎改築に伴い、既存駅舎の公開入札を実施[8]
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[1]
  • 1992年(平成4年)4月1日:簡易委託廃止、完全無人化。
  • 2019年(令和元年)9月6日:JR北海道が南弟子屈地区の住民に対し、当駅の廃止の検討について説明会を実施[9]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月14日:利用者減少とダイヤ改正に伴い、廃止[2][10]
      • 当駅を含む区間は、降水と気温上昇によって冠水、路盤流出、土砂流入などの異常が生じたため3月11日以降運休していた[11]
      • 正式な営業終了日である3月13日に地元の愛好家が資料やポストカードを500部作成し、駅訪問客に配布した[12]
    • 5月13日:駅舎を撤去[JR北 1]。弟子屈町に譲渡され、今後は資料館としての活用を検討[JR北 1][13]

駅名の由来[編集]

開業時点で所在地名の「クマウシ(熊牛)」がすでに河西鉄道(当時、十勝鉄道を経て1951年廃止)で用いられていたため、弟子屈駅(現・摩周駅)の南方に所在することから「南弟子屈」とした[14]

駅構造[編集]

地上駅で、1面1線の単式ホームを有していた。摩周駅管理の無人駅。かつては貨物ホームや側線を有していた[15]

駅舎は車掌車が転用されていた。1929年(昭和4年)の開業時から使用されてきた旧駅舎は1986年(昭和61年)10月、駅舎の取り壊しを条件に公開入札が行われ、弟子屈町の建設会社社長によって落札・解体された[8]。また、廃止時の駅舎は郷土資料として活用するため、2020年(令和2年)6月に駅舎が移設された[13]

利用状況[編集]

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
2016年(平成28年) 1.0 [JR北 2]
2017年(平成29年) 1.0 [JR北 3]
2018年(平成30年) 1.2 [JR北 4]
2019年(令和元年) 1.6 [JR北 5]

駅周辺[編集]

駅前には倉庫、ガソリンスタンド(ENEOS)、商店、住宅が数軒あるのみで、広大な牧場地帯である。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線(当駅廃止時点)[16]
摩周駅 (B64) - 南弟子屈駅 (B63) - 磯分内駅 (B62)

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、924頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b 2020年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2019年12月13日。 オリジナルの2019年12月13日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20191213082940/http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20191213_KO_kaisei.pdf2019年12月13日閲覧 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  4. ^ 大蔵省印刷局(編)「鉄道省告示 第149号」『官報』第783号、国立国会図書館デジタルコレクション、1929年8月8日。 
  5. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 95
  6. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 101
  7. ^ a b 『鉄道百年の歩み』 p. 113
  8. ^ a b “古いといえど駅舎1万円ちょい 釧網本線美留和駅と南弟子屈駅 落札した坪井さん「復元し保存を」”. 北海道新聞. (1986年10月14日) 
  9. ^ “釧網線・南弟子屈駅の廃止検討 JR、6日に住民説明会”. 北海道新聞. (2019年9月3日). オリジナルの2019年9月3日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/WsOLK 2019年9月3日閲覧。 
  10. ^ “寂しいけどありがとう 白糠・古瀬駅、南弟子屈駅が最後の営業 ファンら別れ惜しむ”. 北海道新聞. (2020年3月14日). オリジナルの2020年3月27日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/IrrMs 2020年3月26日閲覧。 
  11. ^ 低気圧通過に伴う列車への影響について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年3月12日。 オリジナルの2020年3月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200317091310/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200312_KO_Train%20information.pdf2020年3月17日閲覧 
  12. ^ 今井潤「揺れる鉄路 白糠・古瀬駅、南弟子屈駅 最後の営業 鉄道ファンら別れ惜しむ」『北海道新聞』2020年(令和2年)3月14日付15面(釧路・根室)。
  13. ^ a b 開成建設工業に駅舎移設で感謝状”. 釧路新聞社電子版. 2020年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月14日閲覧。
  14. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、162頁。ASIN B000J9RBUY 
  15. ^ 『北海道 釧網本線』 p. 85
  16. ^ 下り順に記載。路線は磯分内駅方の東釧路駅が起点。

JR北海道[編集]

  1. ^ a b アクションプラン 第1期計画2年 報告書 (令和2年度) 釧網線”. 北海道旅客鉄道 (2021年8月). 2022年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月1日閲覧。
  2. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。 オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102545/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/08.pdf2017年12月10日閲覧 
  3. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818153329/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/08.pdf2018年8月19日閲覧 
  4. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  5. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]