五十石駅

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五十石駅
駅舎(2017年2月)
ごじっこく
Gojikkoku
B59 茅沼 (5.4 km)
(8.5 km) 標茶 B61
地図
所在地 北海道川上郡標茶町オソベツ723-1
北緯43度14分19.53秒 東経144度32分43.94秒 / 北緯43.2387583度 東経144.5455389度 / 43.2387583; 144.5455389座標: 北緯43度14分19.53秒 東経144度32分43.94秒 / 北緯43.2387583度 東経144.5455389度 / 43.2387583; 144.5455389
駅番号 B60
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 36.7 km(網走起点)
電報略号 コク
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1927年昭和2年)9月15日[1]
廃止年月日 2017年平成29年)3月4日[JR北 1]
備考 無人駅
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五十石駅(ごじっこくえき)は、かつて北海道川上郡標茶町オソベツにあった北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線廃駅)。駅番号B60事務管理コードは▲111605[2]

歴史[編集]

1977年の五十石駅と周囲約500m範囲。上が網走方面。釧路湿原の最北端の駅。現在は周辺の一部が、国立公園内の普通地域という若干の制約がある地区になっている。相対式ホーム2面2線で、かなり早い時期に貨物取扱をやめており、かつては駅舎横の釧路側に貨物ホームと引込み線、駅裏の網走側にも引込み線を有していたが、既に僅かな痕跡しか認められない。戦後間もなくの1948年米軍撮影航空写真では、貨物ホーム側のストックヤードに木材が野積みされているのが認められる。後に駅舎ホーム側へ棒線化されるのに併せ、保線車用として駅舎側の釧路方面に、反対向きに引込み線が設けられた。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来[編集]

1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では、明治20年代にアトサヌプリの硫黄運搬のために釧路川を五十石船がここまでさかのぼってきたための名称[7]、と紹介している。

駅構造[編集]

単式ホーム1面1線の地上駅摩周駅管理の無人駅だった。旧下り本線が使われており、かつては上り本線(相対式ホーム)も有していた[8]。駅舎は車掌車を改造したものである。

利用状況[編集]

廃止直前の2016年(平成28年)時点で通学などで定期利用している乗客が3人いたが、翌年度以降は1人になる見通しであった[新聞 3]

廃止直前までの乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1975年(昭和50年) 825 (2.3) [9]
1976年(昭和51年) 737 (2.0)
1981年(昭和56年) 365 (1.0)
1982年(昭和57年) 160 (0.4)
1983年(昭和58年) 80 (0.2)
1984年(昭和59年) 50 (0.1)
1985年(昭和60年) 365 (1.0)
1986年(昭和61年) 365 (1.0)
1987年(昭和62年) 365 (1.0)
1988年(昭和63年) 365 (1.0)
1989年(平成元年) 365 (1.0)
1990年(平成02年) 116 (0.3)
1991年(平成03年) 92 (0.3)
1992年(平成04年) 31 (0.1)
1993年(平成05年) 28 (0.1)

駅周辺[編集]

駅前(2018年9月)

小さな集落がある。

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線(当駅廃止時点)[11]
標茶駅 (B61) - 五十石駅 (B60) - 茅沼駅 (B59)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この時点では釧路駅 - 別保信号場(→東釧路駅)間は根室本線との重複区間。

出典[編集]

  1. ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、924頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ 内閣印刷局, ed (1927-09-08). “鉄道省告示 第198号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (210). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2956670/2. 
  4. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 95
  5. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 104
  6. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 117
  7. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、161頁。ASIN B000J9RBUY 
  8. ^ 『北海道 釧網本線』 p. 86
  9. ^ Ⅴ. 建設・運輸・水道” (PDF). 標茶町統計書(2021年版). 標茶町. p. 51 (2021年). 2022年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月4日閲覧。
  10. ^ 阿歴内線路線図” (PDF). 標茶町. 2019年11月14日閲覧。
  11. ^ 下り順に記載。路線は茅沼駅方の東釧路駅が起点。

JR北海道[編集]

  1. ^ a b 平成29年3月ダイヤ改正について” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2016年12月16日). 2016年12月16日閲覧。

新聞記事[編集]

  1. ^ “古いといえど駅舎1万円ちょい 釧網本線美留和駅と南弟子屈駅 落札した坪井さん「復元し保存を」”. 北海道新聞. (1986年10月14日) 
  2. ^ どうしんウェブ/電子版(社会) (2016年9月7日). “釧網線五十石駅、来春廃止の意向 JR、標茶町に伝える” (日本語). 北海道新聞 (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161023084707/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0313335.html 2016年10月23日閲覧。 
  3. ^ a b 釧路新聞 (2016年9月7日). “五十石駅を廃止する方針/JR北海道” (日本語). 釧路新聞 (釧路新聞社). オリジナルの2016年9月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160907142759/http://www.news-kushiro.jp/news/20160907/201609074.html 2016年9月7日閲覧。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]