京都アニメーション放火殺人事件
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 | この記事は最新の出来事を扱っています。 |
| 京都アニメーション放火事件 | |
|---|---|
 | |
| 場所 |
 日本 京都府京都市伏見区桃山町因幡15-1京都アニメーション第1スタジオ |
| 座標 | |
| 標的 | 京都アニメーション第1スタジオ |
| 日付 |
2019年7月18日 午前10時30分頃（JST） |
| 攻撃手段 | 放火 |
| 武器 | ガソリン、ライター |
| 死亡者 | 33人 |
| 負傷者 | 36人 |
| 損害 | 建物全焼 |
| 犯人 | 41歳の男 |
京都アニメーション放火事件（きょうとアニメーションほうかじけん）は、2019年（令和元年）7月18日に京都府京都市伏見区で発生した放火殺人事件。京都アニメーション第1スタジオに男が侵入し、ガソリンを撒いて放火したことにより、京都アニメーションの関係者に多数の死傷者が発生した。放火と断定された事件としては[注 1]、平成以降最も死者が多い事件となった[1][2]。
概要
事件に至るまで
数年前から京都アニメーションには作品への批判や、スタッフへの殺害予告が相次いでいた。その都度、警察や弁護士へ相談し、対処していたという[3]。また、第1スタジオは通常、専用カードを使って出入りするセキュリティが採られていたが、この日は来客のため朝からセキュリティを解除していた[4]。
事件概要
2019年7月18日の午前10時半（日本時間[5]）ごろ、京都アニメーション第1スタジオ（地上3階建て、延べ面積691.02 m2[6]）に41歳の男が侵入し、ガソリン[7]を建物1階、従業員などにかけ着火、爆発を伴う火災が発生した[8][9][10]。ガソリンは事件直前に付近のガソリンスタンドから携行缶2個を使用して購入し、付近で携行缶からバケツに移し替えて台車で運び込んだと見られる[7]。また、現場からは包丁数本やハンマーの入ったリュックサックが発見された[11]。
目撃情報によると、男は建物に入った直後に火をつけながら「死ね」と叫んだという[7][12]。男は現場から逃走したが、スタジオから100メートル離れた場所で京都府警察により身柄を確保された[7]。このとき、警察の問いかけに対し「ガソリンを撒いてライターで火をつけた」と供述している[8]。また、怒った様子で「パクりやがって」と大声で叫ぶ姿が地域住民に目撃されている[13]。男は足や胸、顔などにやけどを負うなどの負傷をしていたため病院に搬送された[12][14][15]。
被害状況
 | マスコミの速報による死者数・負傷者数は正確性に問題があるため、公的機関の発表（総務省消防庁等）を元にした掲載・情報更新をお願いいたします。 |
18日22時00分の総務省消防庁発表によると、人的被害は69名、うち33名の死亡が確認された[6]。死者の発見場所は、1階2人、2階11人、2階から3階への階段に1人、3階から屋上への階段に19人であった[1]。事件発生当時、建物には73人の従業員らがいた[4]。なお、第1スタジオの建物は全焼と認定された[6]。
犯人についても搬送後、容体急変との報道がされていた[16]。
行政機関等の対応
10時35分に京都市消防局が火災を覚知[6]。以後消火・救急活動を行った。
総務省消防庁は事態を受け、同日12時30分に本庁第1次応急態勢に移行し、災害対策室を設置した。17時に火災原因の究明を目的として消防庁職員3名・消防研究センター職員2名の現場への派遣を決定した[6]。
消火・救助にあたっていた京都市消防局は、15時19分、火災の鎮圧を宣言した[17]。
事件に対する反応
アニメーション関係者
- 京都アニメーション社長の八田英明は、事件現場となった第1スタジオを「会社の核となる場所」としたうえで、「こんなことになり残念で断腸の思いだ」と述べ、「暴力行為に訴えてどうするのか。作品に批判があるならちゃんと主張すべきだ」と怒りをあらわにした[3]。
- 火災報道を受け、アニメーション関係者からは心配の声が上がった[18]。アニメーション作家の新海誠は「京都アニメーションの皆さま、どうかどうかご無事で」とTwitterに投稿したほか、京都アニメーション制作のアニメ『たまこまーけっと』において主人公の声を担当した洲崎綾や、同じく京都アニメーション制作の『映画 聲の形』に出演した小野賢章も火災について心配するコメントを寄せた[18]。
- アメリカでアニメ配給などを手がけているセンタイ・フィルムワークスは、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」にて京都アニメーションへの支援を呼びかけた[19][20]。目標金額は当初50万ドル（日本円で5400万円相当）とされており、開始からおよそ5時間で7200人余りから24万ドルの寄付が集まった[21]。同日23時ごろ当初の目標を達成した[22]。
- 日本アニメーション協会は報道機関などに「慎重かつ冷静な報道」をするよう公式Twitterアカウントで要請した[23]。インターネットニュースサイトのねとらぼは、アニメファンを犯罪者予備軍のように扱う、といった報道がなされることを不安視する声がSNS上にあると報じた[24]。
- 2020年夏に公開予定となる新作劇場版『Free!』において、2019年7月19日の『2020 夏』続報公開が中止となった[25]。
日本国内
- 内閣総理大臣の安倍晋三は、事件について「多数の死傷者が出ており、あまりの凄惨さに言葉を失います」「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。負傷された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りしています」[26]と自身のTwitterなどに投稿した[27]。
- 国家公安委員会委員長の山本順三は事件を受け、「犯行の動機や背景も含め、事件の全容解明に全力を尽くすとともに、被害関係者の支援にも努める」とインタビューで述べた[28]。内閣総理大臣の安倍晋三からも、捜査を徹底するよう指示があったという[28]。
日本国外
- 駐日フランス大使ローラン・ピックは駐日フランス大使館の公式Twitterを通じて、「京都のアニメ制作会社の火災を知り、恐怖を覚えました。」「犠牲になられた方々と、ご家族の方々、また京都アニメーションの皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、フランスの全体的な連帯の意を表します」と弔意を表した[29]。
- 駐日中華人民共和国大使館は「京都で発生した悲惨な事件で、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りし、負傷された皆様にお見舞いを申し上げます。」という追悼のツイートを投稿した[30]。
- 中華民国の蔡英文総統は「京都アニメーションは台湾の多くの人にとって、青春の思い出でもあります。亡くなられた方のご冥福と、負傷された方の一日も早い回復をお祈りしています。」という追悼のツイートを日本語で投稿した[31]。
- 事件後、日本駐在特派員を通して英国BBC[32]、オーストラリアABC[33]、米国CNN[34]、中国環球時報[35]で速報および詳細が報道された。また、AP通信を引用する形[36]で米国ABC[37]でも報道された。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “33人の死亡確認、平成以降最悪 京都アニメーション火災”. 京都新聞 (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ “アニメ会社で放火 33人の死亡確認 35人けが”. NHKニュース. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “京アニ社長「残念で断腸の思い」＝惨劇に悔しさあらわ”. 時事ドットコム (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “京アニ火災 33人の死亡確認 平成以降最悪 第1スタジオ、18日朝はセキュリティー解除”. 毎日新聞. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ Junko Ogura; Helen Regan (2019年7月18日). “23 feared dead in suspected arson attack in Japanese animation studio” (英語). CNN 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b c d e “京都府京都市伏見区で発生した爆発火災（第5報）” (PDF). 総務省消防庁. 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b c d “京アニ火災、死者２５人に＝確保の男、ガソリンまき「死ね」－殺害予告メールも：時事ドットコム”. 時事ドットコム (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “若い女性「知らない人から灯油のような液体をかけられた」京アニ火災”. 毎日新聞. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2019年7月18日). “アニメ製作会社で火事けが人多数｜NHK 関西のニュース”. NHK NEWS WEB. 2019年7月18日閲覧。
- ^ “「京アニ」スタジオで爆発＝複数死亡か、負傷３０人以上－放火の疑い、男を確保：時事ドットコム”. 時事ドットコム (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京アニ火災、死者３３人に 身柄確保された男は意識不明”. 朝日新聞デジタル (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “男は火をつけながら「死ね」と話す アニメ会社で火事”. www3.nhk.or.jp (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年7月18日). “京アニ火災 「パクリやがって」「死ね」液体まいた男が叫ぶ ズボンには火がついたまま…”. 産経ニュース. 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京都アニメ放火、30人超けが 1人死亡41歳男ガソリンまいた”. 共同通信 (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京アニにガソリンを撒き放火した疑いで40代男を確保”. BUZZAP！ (2019年7月18日). 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京アニ火災、火つけたとされる男も意識不明重体”. 読売新聞オンライン. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京都市消防局 災害情報案内”. 京都市消防局. 2019年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “京アニ火災、新海誠監督らツイート「どうかご無事で」”. 朝日新聞デジタル. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京アニ火災、アメリカのアニメ配給会社がクラウドファンディングを開始。「私たちの友人である京アニを助けて」”. ハフィントン・ポスト. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ Shino Tanaka (2019年7月18日). “京アニ火災、アメリカのアニメ配給会社がクラウドファンディングを開始。「私たちの友人である京アニを助けて」”. ハフポスト. 2019年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月18日閲覧。
- ^ ““京アニ支援” 米企業がクラウドファンディング呼びかけ”. NHK. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ “GoFundMe 「Help Kyoani Heal」”. 2019年7月18日23:00時閲覧。
- ^ JAAinfoのツイート（1151721103582040064）
- ^ “京アニ放火事件で日本アニメーション協会が「慎重かつ冷静な報道」求める Twitterではハッシュタグ「prayforkyoani」が誕生”. ねとらぼ. 2019年7月18日閲覧。
- ^ “京アニ火災 来年公開の「Free!」完全新作劇場版の続報公開を中止”. BIGLOBEニュース (2019年7月18日). 2019年7月19日閲覧。
- ^ AbeShinzoのツイート（1151748479531667457）
- ^ “安倍首相「放火殺人事件、凄惨さに言葉失う」 京アニ火災受けSNSに”. 産経ニュース. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ a b “京アニ火災「全容解明に全力」…国家公安委員長”. 読売新聞オンライン. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
- ^ ambafrancejp_jpのツイート（1151763021850714112）
- ^ ChnEmbassy_jpのツイート（1151751306760970240）
- ^ iingwenのツイート（1151842822548545537）
- ^ “Kyoto Animation fire: At least 23 dead after suspected arson attack”. BBC. BBC.com. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Suspected arson at Japan anime studio leaves up to 13 dead”. abc.net.au. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
- ^ “Kyoto Animation studio: suspected arson attack in Japan leaves 23 feared dead”. CNN.com. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
- ^ “日本京都一动画工作室发生火灾 已致多人死伤”. 環球時報. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
- ^ “The Latest: 23 die or presumed dead in arson at Japan studio”. AP通信. (2019年7月18日) 2019年7月18日閲覧。
- ^ “The Latest: 23 die or presumed dead in arson at Japan studio”. (2019年7月18日). オリジナルの2019年7月18日時点におけるアーカイブ。 2019年7月18日閲覧。
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